嘘コクのゆくえ

キムラましゅろう

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挿話 ツキシマ教授とブライトン教授の会話

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今回、セリフの応酬のみのお届けとなります。
両名の会話の中で、二人の関係性を汲み取ってみてくださいませ。



───────────────────────


「ブライトン教授、ちょっとよろしいか?」

「あ、モミジさん!どうぞどうぞ~!たとえ立て込んでいたとしてもモミジさんなら24時間、年がら年中いつでもウエルカムだよ~!」

「ったく、貴方は相変わらずチャラいな」

「え~、酷いなモミジさん。それにちゃんと名前で呼んでよ~」

「断る」

「なんでっ!?昔みたいにサミュって呼んでよ」

「今はただの同僚でしょう」

「僕の気持ちは今も昔も変わらないよ」

「そういうのは要らないな。特に今は」

「え?何っ?何か怒ってる?」

「貴方のとこの研究生がコソコソ話してるのを小耳に挟んだ」

「え?何を?」

「とぼけるな。よくも私の可愛い生徒を賭けの対象にしてくれたね」

「げっ、イヤでもそれには訳が……」

「ほぅ?どんな訳があってウチのアニ子で賭けた?返答によっては容赦しない」

「えっ!?容赦しないって、何をする気っ!?」

「生徒の気持ちを利用して賭けを行うなんて、教育者はおろか人間としても最低だ。そんな奴に可愛いルビーを会わせるわけにはいかない」

「まさかルビーとの二週間に一度のデートを禁止するつもりかいっ!?」

「そうすると言っている」

「ごめん!僕が悪かった!でも乱暴にでも持って行かないと彼はいつまで経ってもウジウジだったからさぁ!」

「何を賭けた?まさか学生と金銭のやり取りなどしてはいないだろうな!」

「ま、ま、まさか!一週間の研究室の掃除だよ!誓ってお金なんて賭けてないから!」

「……にしてもダメだ」

「モミジさぁぁん!」

「アニ子は、あの子は本当に良い子なんだ。苦労ばかりしてるはずなのに前向きで努力家で……そんなあの子の尊厳を傷つけるような真似をした貴方を許せる気がしない。しばらくは我が家の半径500メートル以内は立ち入り禁止だ」

「ノーーンッ!?嘘でしょうっ!?可愛い愛娘に会えないのっ!?しばらくっていつまでっ!?」

「知らんっ、ちなみに私にも近づくな」

「イヤぁぁっ!?モミジさぁぁん!」





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この時、ツキシマ教授はアニーが賭けの事を聞き、密かに傷ついていたとは知りませんでした。

それを知った時、さらに怒りは加算され、
ブライトン教授はその怒りが収まるまで口を利いて貰えなかったそうです。

もちろん、ルビーちゃんに会う事も許されなかったそうな。

お察しですね。

二人は元夫婦です。

ツキシマ教授の七歳年下の夫だったブライトン教授。

離婚の原因はわかりませんが、二人の愛娘ルビーちゃん(12)を挟んで今でもしょっちゅう行き来はしているようですね。

ブライトン教授はツキシマ教授にまだ未練タラタラで、願わくば復縁をと狙っているようです。

あと二話で最終話です。




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