【R18】蝉と少女

仙 岳美

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37 至高の領域への章

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37【蝉と少女】至高の領域へ、の章

登場人物
ワシ(主人公 元帝国公認暗殺者・歳は忘れた)

息子の嫁(息子の元担任の教師・30代)

 ワシは寝たきりになっていた、嫁はもう数年前に流行り病で亡くなった、島長にワシを生き返らせた時の様に嫁の蘇生をお願いしたが既に先祖から引き継いだ秘薬は使い切ってしまい嫁の蘇生は諦めてくれと言われた……今はワシは息子の嫁に介護を受けている、秘薬のお陰で随分本来の時命を超えて生きる事ができた正直もうそのまま死ぬ事ができたら思い残す事は何も無かったが、突如として戦争が起きたそれも地球に侵略して来た異星人とじゃ、ワシにも帝国から徴収がかかった(いつまで働かせる気なんだかな)がワシはこんなん身体だから参陣する事はできなかった、できる事といえば日夜テレビ中継で放送される戦況報告で息子及び島長や切鎌君の奮戦ぶりを見守る事だけだった、今日も息子嫁が来てくれて飯を作ってくれていたが……突然叫び声をあげワシの寝床の和室まで飛び込んできた、
「何事じゃ」ワシはなんとか上半身だけ身体を起こした、
「お義父さん大変です!家の周りが宇宙人に囲まれています!」
「何、こんな戦前から離れてる所まで斥候か?(偵察兵)姿は見られたのか?」
「はい」
「なら家の中に入ってくる可能性は高いな……数は?」
「4・5人はいました」
ワシは目を瞑り神経を集中した……確かに複数の変な生命反応を家の周りから感じる……
「ふふふ、ヤツらはワシが何とかする、お前は地下室から外に逃げろ」
「お義父さんも一緒に」
「ワシは足手まといよ、だが最後の力を振り絞って奴らを道連れに死花を咲かせてやる、望むところだ、邪魔をするな」
「私しも一緒に戦います、こう見えても少しは武の心得はあります」
と息子嫁はニヤリとした、
その初めて見る好戦的な眼差しに一瞬だか寒気を感じた……
「お前は逃げろ此処で何かあってはならぬ」
ワシの熱い眼差しに息子嫁は腹を決めたのか頷き地下室に走って行った、ワシは立ち上がり押し入れから最後の一発のため取って置いたヒロポン(気付薬)を取り出し腕に打ち、続いて暗殺者時代の時の武器であるの二つの鎌を取り出し鎌を交差させて気を練る呼吸法し気配を消して奴らが来るのを待った、奴らの武器はどんなものかは知らんが首を切れば殺せる事はメディアからの情報で知っている
何も変わってはいない現役の時の様に殺すだけだ……その時、廊下の方から複数人の足跡を感じコチラに向かって来てるのがわかった、ワシは鎌を背の後ろに隠した、そして襖が開いた! そこには耳の長い三本指の白い顔の軍服らしき服を来た人間モドキが立っていた、そいつは銃らしき物を向けて来た、その瞬間ワシはそいつに突撃した! 狭い家の中では接近戦を主力とし得意とするワシの方に地の利があった、そいつはワシが病人だと思って油断してたのか無防備だった、ワシは奴の顎下から首の方に向かって安易に鎌先を刺す事に成功した! そして鎌を引き、首元を引きちぎってやった!
「@/#&_&'ß ー‼︎」
奴は聞いた事の無い叫び声を上げた!その声で後ろに控えていた奴の仲間はパニック状態になった様だった、『いける』ワシはニヤリとして、その後、廊下に低い姿勢で飛び出し、狭い家の廊下に間抜けに縦に並んでる先頭の奴から順番に最後の命の灯火を燃やす様に電光石火の勢いで襲った!「キェー!」とかけ声と共に瞬く間に演舞の様に華麗に五.六人を秒殺で次々と首元を斬り捨てながら進んだ……敵を全員を背にした時、ワシの背後でバタバタと奴らが倒れる音が聞こえた『決まった……』ワシはニヤリとした! 今まで繰り出した技の中で最後傑作そして諦めていた至高の頂点に到達できた気がした……
とりあえずは奇襲が成功して全員片付ける事に成功した、その時に思った、コイツらの身体はハッキリ言って人間と同じ位の防御能力か、もしくは兵士でこの程度の身体能力なら基本的な戦闘力はさまざまな意味で人間以下に思えた、テクノロジーに頼り過ぎて堕落してしまった生物なのかもしれない、だから思いもしないワシという老人の反撃たる不足の事態に対応できなかったのかも知れない……とかつい現役時代の癖でダラダラ敵を分析してしまった……何ともあれ久しぶりに戦闘をしたワシは生気を取り戻した……ソウルイーターの能力者なのかも知れない……

 数日ぶりに庭に出て見た、空は晴れていて風も気持ち良く感じたその時、腹に何かが当る感覚を受けた、確認したら、ワシの腹には焼き焦げた小さい穴が空いていた……
スナイパー(狙撃兵)がまだ何処かに潜んでいたようだ油断した……
『ふ、不覚かな一発喰らったわ』
そのうちその穴から血が垂れてきた……
「なんじゃこりゃ」
ワシも老いたか、そう思ったが、後悔は無かった、もう疲れた、嫁も、もういない事だし、此処らで終わりにして良いと思った。しかし奴らに殺されのはシャクに感じ、二発目は喰らう訳には、いかないと思い、ワシは狙撃された方向から死角に成る所を割り出し、其処に滑り込む様に隠れた……
ちょうど目の前に嫁が大事にしていた柿の木が見える……ワシは覚悟を決め、首に鎌を当てた。
「ワシは、あの公園で出逢った時の事は忘れてはいないぞ……今そっちに行くぞ、恋人よ、そして……本来は違う次元の者であるべき自分を受け入れてくれた、この世界の人達に栄光あれ!」
と叫び鎌を引いた……《斬》

意識が遠のいて行く……しまった……エッチ本を処分しておくのを忘れた……無念……

……と思いきや、戻ってきた息子の嫁に救出されシブトクまた病院でワシは目を覚ました。
うん!妻は『お前こっちに来なくていい』という事はじゃな……
一つ気になったのは退院して家に戻ったらワシが殺した異星人以外の死体が5体追加で庭に転がっていた事だった……その、どの死体も一撃で首の骨を折られている感じで、やった者の技量の高さを感じ寒気がした……いったい誰の仕業か? 思い当たるのは……まさか……

 こんな感じで今回も危機を乗り越え、ワシは一命は取り止めたが、戦況は日増しに悪化している。ワシが読者諸君とあいまみえるれる事は恐らくこの話(章)が最後になろうと思う、ではさらばじゃ!《終》38へ続く。
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