尊い国のアリス

仙 岳美

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アリスと森の病院

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 アリスは森を散歩していたら迷ったようでした、いくら歩いても木ばっかりの同じ景色でした、でもそんな放浪にも終わりは訪れ、白い大きな建物に辿り着きました。
入り口の前はホテルの様に丸いロータリーになっていました。
そのロータリーに黒く長い車が入って来て入り口に前に止まりました。
運転席にはミミズクが座っていました。
その後ろの席からは、目の赤い兎が降りて来ました、その顔はげっそりとしている様にアリスは感じました。
その兎は建物の中に入って行きました、アリスも釣られるように中に入りました。
中に入りアリスはそこが病院である事に気付きました。
兎はもう座っていました、そしてソワソワしています。
アリスは可哀想に思ったので、その兎に話しかけました。
「どうしたの具合が悪いの?」
「うん、たまらなく不安なんだ」
「不安なの」
「うん」
「あなたは何に怯えているの?」
「……心臓がいつ止まるか、考えると不安でしょうがないだ、そして最近は僕の方を見る無数の牙が見えるようになってしまったんだ、僕は」
アリスはお母さんの真似をして兎の手をさすりました。
すると兎は少し落ち着いて来ました。
兎は言いました。
「なんか落ち着いて来たよ」
「そう良かった」
そして兎は呼ばれて隣の部屋に入って行きました。
アリスも中に一緒に入って行きました。
中には白衣を着て小さい丸い眼鏡をかけた獏が座っていました。
その獏は兎の話を聴きながら一生懸命、カルテを書いていました。

「要するに僕は死が怖いんです」

「でも怖い死は一瞬だよ、死んだ瞬間に君の怖い死は終わっている、そして死を怖いと思っているうちの君は間違いなく今を生きている」
………
……


そして兎が獏に一礼し、診察は終わったようでした、兎はアリスに言いました、「君もついでに観てもらいなよ」
アリスはそう言われて獏先生の前に座りました。
獏はアリスを見て言いました。
「君は籠り人だね」
「籠り人?」
「この森から出れなくなった子の事だよ、たまに来るんだ」
アリスは意味がわからないので首を横に振りました。
すると獏の先生は「あれ」と横の看護師の羊に指示します。すると羊は何処からか一本の注射器を持って来ました。
アリスは注射が嫌いでした、だから叫びました。
「私は病気じゃないわ!」
獏先生はうんうんと頷き「君の名前は」とアリスに聞いて来ました。
アリスは「アリス」そう答えると不意打ち的に腕にプスリとして来ました。
「ああっ!」
アリスは叫びました。
獏は言いました。
「一瞬の痛みはもう終わったよ、もう刺してるから動かないで、動くと痛いよ、動かなけれは、このまま痛くないよ」
アリスの瞳の中と注射器の中で緑色の薬が揺れていました。
…………
……
アリスは注射されたショクで目を覚ましました、どうやら森の中のハンモックで眠り込んでいたようです。
アリスは周囲を見渡すと遠くの茂みから、一匹の赤い目をした兎が見つめていました。
アリスはその兎を家に連れて帰ろうと思い、「おいで、うちに来れば、お母さんがいるから、もう牙に怯える事もないわ」と促しながら手招きすると、その兎はアリスの方に向け一本前に出るも、すぐに回り、背を見せ去って行ってしまい。

[終]
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