辺境伯令嬢に転生しました。

２歳

２歳になりました。①

２歳になりました。

誕生日には雪が積もっていました。
この辺りだと、雪はそう珍しくもないものらしいけど、
やっぱり雪にはツイているのかなぁ？

会話もまずまずできるようになってきたし、
手足も力がついて、走れるようにもなった。

まだまだ寝る子は育つ、なのですが。

赤ちゃん・・・あ、まだまだ赤ちゃんといってもいいレベルだった。

新生児のころはなかなか思考がまとまらなくって、
思い出すのもなかなかだったけど、
そろそろ幼児と言われる年になってきたためか、
随分とその頃よりかはましになった。

前世の記憶、日本での記憶に関しては、
普通に覚えている。
すぐに思い出せなくても、
何かの瞬間にポンと思い出すこともあったから、
大きなタンスか何かに記憶が詰められていて、必要があれば取り出せる、みたいな感覚。

言葉も、日本語とは違う言葉だけど、意味はなんとなくわかる。
なので、特に会話も問題ないみたい。
ただ、時々いくつもの言語が入り混じるような時があるから、
時々混乱する。

それでも、ある程度までは意味が分かるところにびっくりではあった。
ただ、話すことができないけど。

生活基準が色々見ているつもりなんだけど・・・
うーん。ラノベっぽい。

感覚としては数世紀前のヨーロッパ的な？？？
いや、そんな時代は生きてないから当てずっぽうで考えてるんだけどね。

料理は基本塩。
調味料はあるらしいけど、結構貴重品みたい。
甘味は調味料と同じく貴重品。
たまにおやつに少しだけ出てくるけど、
激烈に甘ったるいものしかでてこなかった・・・

でも、不思議なことに
だからといって日本にいたときみたいなものが食べたいか、と言われると
うーん、食べたいけど、必死になるほどじゃないかなぁ？
的な感覚。
おやつはさすがにﾑﾘｰだったけど。
塩味だけなんだけど、素材の味が強いのかな？

体がこちら仕様ってことなんだろうか？

とりあえず、子どものふりをしてるけど、
なんか、お母様には少し怪しまれているような気がするんだよね。
さすがにン十年生きてきた記憶持ってたら普通の２歳児とは違っちゃうよね。
お母様は私が初めての子どもなはずなのに、異様に子どもに慣れてる感じがするんだよ。

あ、お父様はそんな感じ全然ない。
というか、辺境伯とかいう結構お偉いさんみたいで、
割といなかったり、仕事が忙しいみたい。

ちなみに、お母様は日に当たると金にも見えるような銀髪とエメラルドみたいな紫色の瞳、
どちらかといえば清楚な美人さん。
全体的に出るところは出て、引っ込むとこは引っ込んでる、とってもうらやましい体をお持ちです。
将来はああなるのかな？そうだととっても嬉しい。

お父様は黒に近いんだけどよく見ると茶色の髪に濃紺の瞳。
色は日本人に近い。
でも色だけ、なんだよな。日本人っぽいの。
顔の作りは彫りが深い。
結構大柄な人で、筋骨隆々としていて顔も結構、イカツイ。
気の弱い子どもには泣かれることがありそう。
日本にいたらヤのつく職業と間違われそうな感じ。
両親が並ぶとまさしく、美女と野獣、がぴったりくるという・・・。

ただ、仲はとってもいい。
お母様は毎日少しの時間でも私の様子を見に来るし、
お父様もそれに合わせられるときに合わせてくるみたいだけど、
２人が並ぶとハートの乱舞が背景になりそうなくらい・・・。

そして、私は髪の色も目の色も、お父様に近い。
というか、お父様より黒い。
どう頑張って見ても髪も目も黒い。
パッと見はお父様によく似てるみたいだけど。
顔は・・・
どっちにも似てるみたい。

ただ、この国では黒髪はどうも、忌避されるようなんだよね。
お母様が物凄く怖い顔で少しだけ話をしていた。
新しいメイド？侍女？が私を気味悪そうに見ていたりするの。
お父様の色と大差ないんだけどなぁ。

でも、そういう人はすぐに見かけなくなるんだけどね、いつも。