辺境伯令嬢に転生しました。

織田智子

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3歳

時間をかけて、ゆっくりと?

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一月立つ頃には、シューヤさんの体調が落ち着いてきた。

イシュトと数日おきに会いには行っていたものの、
無茶がひどかったのか、なんなのかわからないが、
見た目は元気そうだけど、全体的に悪いね・・・という状態が続いたため、
なかなか落ち着かなかった。

ちなみに、下手に視てしまって本人に影響があってはいけないから、と、
イシュトさんからは視る許可は出ておりません。

「かなりむりしてたよねぇ?やっとおちついてきたよ」

多分内臓が全体的に悪くなっていってた様子。
視たかぎりはどこか一点が悪い、という感じではなかった。
身も蓋もない言い方なら、どこもかしこも悪い状態。

ちなみに、本人は私に魔法について教える気満々だったが、
それどころではないとイシュトと2人で説得した。

今はこの前教えてもらった、体中に魔力を回すのをやっていたくらい。

「うーん、ここに来る前よりも随分調子がいいよ」

「ここにくるまえはどれだけちょうしがわるかったのよ?」

一月立ったシューヤさんの髪はアッシュグレーに少し茶色が入った、複雑な色になった。
目の色は変わっていないけど、髪の色が大分変わったことで同じ人とはわからないんじゃないかな?
まぁ、魔力なんかは変わってないだろうから、その辺りがわかる人にはバレるかもだけど。

「それもあって、ここにきたんだよ。来てよかった」

シューヤさんは穏やかに笑っているが、知れば知るほど壮絶だ。

「落ち着いてはきていますが、また無理をすればすぐ戻ります。
 元が随分ひどかったので、まだまだかかりますよ」

イシュトも同じように視て確認する。

「これでも、こんなに調子のいいのは数年ぶりだよ?」

「それまでがひどすぎたんですよ」

「ここにいるいじょうは、むりはだめ。めいれいです」

イシュトがここまで言うということは、私と同じように視えており、
マシになっただけの話でまだまだ無理させれば戻る状態ということだ。

「もうひとつきぐらいはひつようかなぁ?」

「元気になってきている時点で何かやらかしそうではありますが、
 それがなければそのくらいで問題のないぐらいにはなりそうですね」

「イシュト君の僕に対する評価がどうしてそこまで?ってぐらい低いよね・・・」

「なんででしょうね?
 一時期のやらかした父を見ているようですので」

さらりとなんかえらいこといいませんでした?イシュトさん。

一体昔なにやったの?レスト。

「そろそろ視てもいいかもしれませんね、ネージュ様」

「大分体調も戻ったみたいだし?」

「放っておくと何かしらやらかしそうな気がします。
 今なら影響があったとしても来た時の状態に戻るぐらいでどうにかなりそうな気がします」

うん、辛辣。

「ひていしたらうそくさいところがまたなんだかなぁ」

「さらりとしっかり肯定されてるところがまたなんとも」

がっくり、とうなだれるシューヤさん。
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