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3歳
それでは、いきます。
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イシュトの許可も出たところだし、
と、シューヤさんの前に立つ。
「と、いうことで、いまからみる?」
「今ではあれが夢だったんじゃないかと思うんだけどね・・・」
「じゃぁ、もぉいいの?」
「・・・いや、お願いします」
「じゃぁ、シューヤさん、てを」
差し出した手にシューヤさんの手が重ねられる。
魔力を全身に回すようになってから、
鑑定眼を使う際には額に集中すると魔力が目に寄って行っているのがわかる。
目を閉じると、さらによくわかる。
手を握るのは、別に必要ない気もするんだけど、
まぁ、なんとなく?
すぐに視えてくるのは、シューヤさんの基本情報。
今まで何度も視ている。
より細く、深く。
どんどんと過去が見えてくる。
前回はぼんやりとしたものしか視えなかったが、
今回はより鮮明に視える。
虐げられるシューヤさん。
段々体が小さくなるし、人は変わるものの、
虐げられていることに変わりはない・・・・。
その前、その前へ・・・。
その先に、一度しか会っていないが、見た記憶のある姿があった。
・・・視えた。
「修也」
重ねた手がびくん!と跳ねる。
「思い、出した・・・・」
徐々に髪の色は根元から黒に近い茶色に、眼の色が中心から黒く変わる。
まるでCGでも見ているようだった。
これでもう誰もジェイド・ネフライトだとは思わないだろう。
というか、すでにジェイド・ネフライトという人はいなくなった、というのだろうか?
「なまえにしばられていたのね、修也」
普通にしゃべるとどうしても舌っ足らずな口調になるため、
名前の所だけは意識して言葉にする。
そうしないと、今まで呼んでいたようにシューヤ、となってしまう。
「・・・・・・そう、みたいだ。
申し訳ないが、記憶が混乱している」
「ゆっくりせいりしてほしい。
よこになったほうがいいとおもうわ
イシュト」
「わかりました」
ふらふらと寝室の方へと向かう修也にイシュトが付きそう。
ふらふらしすぎていて、結構危なっかしい。
まだ本調子じゃないからって、部屋を離れないでよかった・・・。
イシュトの方が背は低いけど、
修也は細身なので鍛えているイシュトならどうにかなりそうだ。
「ふぅ・・・」
行儀が悪いが、ソファにどさり、ともたれかかる。
真名を探る際に視てしまった、過去。
なかなか映像として見せられるのは、予測していてもきつかった・・・。
「これ、どぉしたらいいのかなぁ」
名前を視るだけのつもりだったんだけど、
なんだか過去を覗き見をしたようで後味が悪いなぁ。
孤児に対する、差別や偏見。
知識としてあるのと、視るのとじゃぁ、大違いだ。
頭を振ると、自分の髪が目に入る。
正直、前世でも真っ黒の髪だったもので違和感はない。
彼は違ったけど、孤児の中には私と同じ黒髪や黒目の子達が多かった。
そして、『魔族の子』と言われ、虐待されていたことが多かったようだ。
私自身は直接そういったことを言われたことはないが、
私に対して怯えたような顔をされたり、避けられることはたまにあった。
ただ、そういった人はすぐに見かけなくなったんだけど。
周囲の人たちがそういった反応を示さなかったし、
彼の前の話の中には辺境伯領は黒髪に対する忌避が少ないと言っていたからなぁ。
お父様が確か辺境伯の血筋には多いと話していたから、なのかもしれないけど。
なんだか、気持ちがしんどくなるなぁ。
「お待たせしました、ネージュ様」
「ありがとう、イシュト。どうだった?」
ソファから体を起こし、きちんと座る。
「ひとまずはベットに入りましたよ。
お疲れのようですね、ネージュ様もお休みになりますか」
ひょい、とソファから抱き上げられる。
「つかれた、というよりは、しんどい、かなぁ?つらい」
イシュトの肩口に頬っぺたをスリスリと擦り付ける。
ちょっと落ち着く。
落ち込んだように見えるであろう私の頭をよしよしと撫でて、
そのまま部屋を出ていく。
「眠れるようなら眠って構いませんよ」
しっかりと抱き上げられる中にゆらゆらと揺れる浮遊感。
小さく頷くと、私は目を閉じ、
ゆらゆらに身を任せた。
と、シューヤさんの前に立つ。
「と、いうことで、いまからみる?」
「今ではあれが夢だったんじゃないかと思うんだけどね・・・」
「じゃぁ、もぉいいの?」
「・・・いや、お願いします」
「じゃぁ、シューヤさん、てを」
差し出した手にシューヤさんの手が重ねられる。
魔力を全身に回すようになってから、
鑑定眼を使う際には額に集中すると魔力が目に寄って行っているのがわかる。
目を閉じると、さらによくわかる。
手を握るのは、別に必要ない気もするんだけど、
まぁ、なんとなく?
すぐに視えてくるのは、シューヤさんの基本情報。
今まで何度も視ている。
より細く、深く。
どんどんと過去が見えてくる。
前回はぼんやりとしたものしか視えなかったが、
今回はより鮮明に視える。
虐げられるシューヤさん。
段々体が小さくなるし、人は変わるものの、
虐げられていることに変わりはない・・・・。
その前、その前へ・・・。
その先に、一度しか会っていないが、見た記憶のある姿があった。
・・・視えた。
「修也」
重ねた手がびくん!と跳ねる。
「思い、出した・・・・」
徐々に髪の色は根元から黒に近い茶色に、眼の色が中心から黒く変わる。
まるでCGでも見ているようだった。
これでもう誰もジェイド・ネフライトだとは思わないだろう。
というか、すでにジェイド・ネフライトという人はいなくなった、というのだろうか?
「なまえにしばられていたのね、修也」
普通にしゃべるとどうしても舌っ足らずな口調になるため、
名前の所だけは意識して言葉にする。
そうしないと、今まで呼んでいたようにシューヤ、となってしまう。
「・・・・・・そう、みたいだ。
申し訳ないが、記憶が混乱している」
「ゆっくりせいりしてほしい。
よこになったほうがいいとおもうわ
イシュト」
「わかりました」
ふらふらと寝室の方へと向かう修也にイシュトが付きそう。
ふらふらしすぎていて、結構危なっかしい。
まだ本調子じゃないからって、部屋を離れないでよかった・・・。
イシュトの方が背は低いけど、
修也は細身なので鍛えているイシュトならどうにかなりそうだ。
「ふぅ・・・」
行儀が悪いが、ソファにどさり、ともたれかかる。
真名を探る際に視てしまった、過去。
なかなか映像として見せられるのは、予測していてもきつかった・・・。
「これ、どぉしたらいいのかなぁ」
名前を視るだけのつもりだったんだけど、
なんだか過去を覗き見をしたようで後味が悪いなぁ。
孤児に対する、差別や偏見。
知識としてあるのと、視るのとじゃぁ、大違いだ。
頭を振ると、自分の髪が目に入る。
正直、前世でも真っ黒の髪だったもので違和感はない。
彼は違ったけど、孤児の中には私と同じ黒髪や黒目の子達が多かった。
そして、『魔族の子』と言われ、虐待されていたことが多かったようだ。
私自身は直接そういったことを言われたことはないが、
私に対して怯えたような顔をされたり、避けられることはたまにあった。
ただ、そういった人はすぐに見かけなくなったんだけど。
周囲の人たちがそういった反応を示さなかったし、
彼の前の話の中には辺境伯領は黒髪に対する忌避が少ないと言っていたからなぁ。
お父様が確か辺境伯の血筋には多いと話していたから、なのかもしれないけど。
なんだか、気持ちがしんどくなるなぁ。
「お待たせしました、ネージュ様」
「ありがとう、イシュト。どうだった?」
ソファから体を起こし、きちんと座る。
「ひとまずはベットに入りましたよ。
お疲れのようですね、ネージュ様もお休みになりますか」
ひょい、とソファから抱き上げられる。
「つかれた、というよりは、しんどい、かなぁ?つらい」
イシュトの肩口に頬っぺたをスリスリと擦り付ける。
ちょっと落ち着く。
落ち込んだように見えるであろう私の頭をよしよしと撫でて、
そのまま部屋を出ていく。
「眠れるようなら眠って構いませんよ」
しっかりと抱き上げられる中にゆらゆらと揺れる浮遊感。
小さく頷くと、私は目を閉じ、
ゆらゆらに身を任せた。
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