【R18】真昼の月〜警護SP×恋 至上最悪の出逢い〜

斎藤みはる

文字の大きさ
8 / 26

8.二日目

しおりを挟む
「今日の朝、小次郎さんと冬吾くんって人に会いました」

ベッドに座ったまま、沈黙に耐え兼ねて口を開いた。

「何の報告だ。勝手に出るなと言っただろう」

夜遅くになって、男が部屋に帰って来た。

「トイレに行こうとしたら出くわしただけだし」

「余計な詮索や勝手なことは一切するな」

勝手な言い分ばっかり。
少しぐらいなら出てもいいって言ったくせに。
ん?言ってないかな?
トイレぐらいならいいって言ったかな…
まあ、いいや…

明後日の方向を向いていると、突然ギシっとベッドが軋んだ。
男の膝が掛かると、厚く柔らかなベッドのスプリングがその重みで沈む。

「えっ…?!なに?!」

私はきょろきょろと当たりを見回した。
思わずベッドの上でじりじりと顔を引きつらせて、座ったまま後退る。

「早く慣れてもらわないとこっちが困る」

「えっ?!嘘でしょ?!昨日の今日よ?こういうのって毎日するもんじゃないでしょ?!」

「普通はな。今は普通の状況ではない」

「でっ、でもまだ身体もツラいし…」

後退っていた腰が、ベッドボードにとんとついた。

「お前の都合は聞いてない。早くしないといつまで経っても是匡これまさに引き渡せないだろうが。こっちだって暇じゃないんだ」

立てていた両膝をグンと引っ張られて、大きな男の身体の下に引き寄せられた。

「大丈夫だ、昨日より少しはマシだろ。…多分」

な、何今の最後にとってつけたような“多分”は。
余計に不安になる。

男が帯紐を引くとはらりと浴衣が開いて、また男に裸体を曝け出されてしまう。

やっぱり裸を見られるなんて、慣れない!

ぎゅっと目を瞑ったが、男は気にも止めずにその窪みへと躊躇なく指を這わす。
くっと男が指に力を入れると、やっぱり痛くて声を上げた。

「…んっ…ちょっ、嘘!待っ…いきなりはまだ痛いし…!」

「いつまでも力を入れてるからだろ。何度も力を抜けと言ってるのに素直じゃないからそうなる」

「なっ、素直じゃないって言ったって、慣れてないんだから仕方ないでしょ?!」

「屁理屈はいいから、早く力抜け」

男が溜め息をついてみせる。

「じゃ、じゃあ…キスしてくれたら言うこと聞く」

俯きかげんで目を伏せて言ってみたが、自分で言って顔が赤くなってしまう。

「あ゛っ?!」

「だっ、だって昨日キスされたら力抜けたんだもんっ!」

男を上目遣いで見上げたが、案の定男は怪訝な顔をしている。

「勘違いするなよ?別に俺はお前に特別な感情があるから、抱いてやってるわけじゃない。仕事だからやっているだけだ」

「そんなこと分かってますっ!少しでも痛みがマシになればと思ってるだけですっ!!」

「甘えるな」

男が冷たい眼で私を見下ろした。

「こういう時女の子は甘えたいものでしょっ!!男と違って、女はいつでもどこでも誰とでも簡単に身体が反応するわけじゃないんです!!!多少はそれなりの扱いをしてもらわなくちゃ、応じられません!!」

経験ないからよく分かんないけど。
きっと女の子なら誰でも、嘘だって分かってたって優しく触れられたい。
労られたいって思うはずだもん…

「めんどくさ…」

「それ!!!絶対女子に言っちゃダメなやつだから!」

「…分かった。それで大人しく従ってくれるなら、仕方ないな。ただし慣れるまでだぞ?」

何で俺が…という顔をしながらぐいと私の腕を引いて起こすと、男がそのまま顔を傾け唇を深く重ねた。
柔らかい唇の感触が伝わり、強引に男の舌が歯を抉じ開け入り込んでくる。

「…っんんぅ…」

男の濡れた舌がゆっくりと歯列をなぞり、まだ戸惑うことしかできない私の舌を捉えた。
舌が動くたびに唾液が絡まり、ちゅくちゅくと卑猥な水音が響く。
そのままもっと奥深くまで舌で犯されて、思わず口を離した。

「…ふっ…んぅ…っ…なっんか…昨日のキスよりエロいんですけどっ…んんっ……」

こんなのっ…反則!
力抜く前に頭がふやけてしまう。

「…お前がねだったんだろ」

見上げられたまま、吐息混じりの低い声で囁かれると、ゾクゾクと背筋が甘く疼いた。
じわっと溢れる感覚が、下着も何もつけていない下半身にあるのが分かる。

初めて感じた感覚だった。

いつでもどこでも誰とでも簡単に身体が反応するわけじゃないと自分で言っておきながら、自分の意思とは無関係に反応する身体が恨めしい。
これが女の反応なのかとぼんやり考えていると、男が指を下の入り口へと這わせた。

「濡れてるな」

「あっ、そこやだっ!まだ触らないでっ…」

私の意思などお構い無しで、男が容赦なくその太い指を腟内なかへと押し込んだ。
まだほぐれきれていない腟内なかを押し拡げられて、苦痛に表情を歪ませる。

「あっ、ちょっ…苦しっ…指抜いて…」

私の訴えを無視して、男が不意にまた口を塞いだ。
男の指はそのまま抜かれることなく、クチュクチュと卑猥な音を響かせながら腟内なかでゆっくりと動き出す。

「あっ…ぁんっ…はあっ、苦し…ってばっ!…あっ…んんっ…」

思わず男の口からまた唇を離して声を漏らした。

何これっ…
変な声が勝手に…
まだ奥は苦しいのに、もっとそれとは別の感じが込み上げてくる。

「だいぶ滑りがよくなったな。昨日の今日でもう気持ちよくなってきたか」

「んっ、やっあっ違っ…違うっ…」

「それを素直じゃないと言うんだ」

そう言って男が卑猥な音と共に、指をずるりと引き抜いた。
ドサっとそのまま私をベッドに倒して、その上に男が伸し掛かる。

「あっ…!やだっ、それはまだ怖いっ…」

どんと男の胸を押したがもちろんびくともせずに、その熱く硬いものを秘部に押し充てられて咄嗟に腰を反らせた。

「女の身体は男を受け入れるようにうまくできてる。後は慣れるだけだ」

そう言われてまたぐいと腰を引き寄せられると、その尖端をぐっと押し込められ思わず声を上げた。

「ァあっ…待っ…」

男が私の声を遮るようにまた口を塞いで、舌を絡ませてくる。

「…ぅんんっ…」

やっぱりまだ少し痛いっ…
でも…それとは違う感じも込み上げてきて、力が勝手に抜けていく…

唇が離れると、男が少し苦しそうに息を吐いた。

「そのまま最後まで力脱いてろ」

男に突かれる度に、明らかに昨日の痛みとは別の感覚の波がやはり押し寄せてくる。

こんなの毎日続けられたらこのまま本当におかしくなってしまうんじゃないかと、まるで自分が自分じゃなくなっていくような、そんな未知の恐怖に私は心底ゾッとした。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

病弱な彼女は、外科医の先生に静かに愛されています 〜穏やかな執着に、逃げ場はない〜

来栖れいな
恋愛
――穏やかな微笑みの裏に、逃げられない愛があった。 望んでいたわけじゃない。 けれど、逃げられなかった。 生まれつき弱い心臓を抱える彼女に、政略結婚の話が持ち上がった。 親が決めた未来なんて、受け入れられるはずがない。 無表情な彼の穏やかさが、余計に腹立たしかった。 それでも――彼だけは違った。 優しさの奥に、私の知らない熱を隠していた。 形式だけのはずだった関係は、少しずつ形を変えていく。 これは束縛? それとも、本当の愛? 穏やかな外科医に包まれていく、静かで深い恋の物語。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

【R18】純粋無垢なプリンセスは、婚礼した冷徹と噂される美麗国王に三日三晩の初夜で蕩かされるほど溺愛される

奏音 美都
恋愛
数々の困難を乗り越えて、ようやく誓約の儀を交わしたグレートブルタン国のプリンセスであるルチアとシュタート王国、国王のクロード。 けれど、それぞれの執務に追われ、誓約の儀から二ヶ月経っても夫婦の時間を過ごせずにいた。 そんなある日、ルチアの元にクロードから別邸への招待状が届けられる。そこで三日三晩の甘い蕩かされるような初夜を過ごしながら、クロードの過去を知ることになる。 2人の出会いを描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスを野盗から助け出したのは、冷徹と噂される美麗国王でした」https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/443443630 2人の誓約の儀を描いた作品はこちら 「純粋無垢なプリンセスは、冷徹と噂される美麗国王と誓約の儀を結ぶ」 https://www.alphapolis.co.jp/novel/702276663/183445041

人狼な幼妻は夫が変態で困り果てている

井中かわず
恋愛
古い魔法契約によって強制的に結ばれたマリアとシュヤンの14歳年の離れた夫婦。それでも、シュヤンはマリアを愛していた。 それはもう深く愛していた。 変質的、偏執的、なんとも形容しがたいほどの狂気の愛情を注ぐシュヤン。異常さを感じながらも、なんだかんだでシュヤンが好きなマリア。 これもひとつの夫婦愛の形…なのかもしれない。 全3章、1日1章更新、完結済 ※特に物語と言う物語はありません ※オチもありません ※ただひたすら時系列に沿って変態したりイチャイチャしたりする話が続きます。 ※主人公の1人(夫)が気持ち悪いです。

極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です

朝陽七彩
恋愛
 私は。 「夕鶴、こっちにおいで」  現役の高校生だけど。 「ずっと夕鶴とこうしていたい」  担任の先生と。 「夕鶴を誰にも渡したくない」  付き合っています。  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  神城夕鶴(かみしろ ゆづる)  軽音楽部の絶対的エース  飛鷹隼理(ひだか しゅんり)  アイドル的存在の超イケメン先生  ♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡  彼の名前は飛鷹隼理くん。  隼理くんは。 「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」  そう言って……。 「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」  そして隼理くんは……。  ……‼  しゅっ……隼理くん……っ。  そんなことをされたら……。  隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。  ……だけど……。  え……。  誰……?  誰なの……?  その人はいったい誰なの、隼理くん。  ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。  その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。  でも。  でも訊けない。  隼理くんに直接訊くことなんて。  私にはできない。  私は。  私は、これから先、一体どうすればいいの……?

JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――

のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」 高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。 そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。 でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。 昼間は生徒会長、夜は…ご主人様? しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。 「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」 手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。 なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。 怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。 だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって―― 「…ほんとは、ずっと前から、私…」 ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。 恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。

【完結】退職を伝えたら、無愛想な上司に囲われました〜逃げられると思ったのが間違いでした〜

来栖れいな
恋愛
逃げたかったのは、 疲れきった日々と、叶うはずのない憧れ――のはずだった。 無愛想で冷静な上司・東條崇雅。 その背中に、ただ静かに憧れを抱きながら、 仕事の重圧と、自分の想いの行き場に限界を感じて、私は退職を申し出た。 けれど―― そこから、彼の態度は変わり始めた。 苦手な仕事から外され、 負担を減らされ、 静かに、けれど確実に囲い込まれていく私。 「辞めるのは認めない」 そんな言葉すらないのに、 無言の圧力と、不器用な優しさが、私を縛りつけていく。 これは愛? それともただの執着? じれじれと、甘く、不器用に。 二人の距離は、静かに、でも確かに近づいていく――。 無愛想な上司に、心ごと囲い込まれる、じれじれ溺愛・執着オフィスラブ。 ※この物語はフィクションです。 登場する人物・団体・名称・出来事などはすべて架空であり、実在のものとは一切関係ありません。

ドSな彼からの溺愛は蜜の味

鳴宮鶉子
恋愛
ドSな彼からの溺愛は蜜の味

大丈夫のその先は…

水姫
恋愛
実来はシングルマザーの母が再婚すると聞いた。母が嬉しそうにしているのを見るとこれまで苦労かけた分幸せになって欲しいと思う。 新しくできた父はよりにもよって医者だった。新しくできた兄たちも同様で…。 バレないように、バレないように。 「大丈夫だよ」 すいません。ゆっくりお待ち下さい。m(_ _)m

処理中です...