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第3節 村上 正人 其の2
(3)
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11時11分
ピンポーン、とインターホンが鳴った。千里の両親と妹だった。
「はい、今向かいます。」
正人はどんな表情で出迎えたら良いかわからず、下を向いたままドアを開け、そのまま深々と頭を下げた。
「正人くん、頭を上げてくれ。」
父親の和彦(かずひこ)が正人に言った。
「正直理由はわかりません。ですが、支えきれなかったという私の責任は消えはしません。」
「正人くん、朝は電話越しに泣き崩れてしまってごめんなさいね。本当に混乱しちゃって。私たちはあなたを責めるつもりはないわ。あなたは本当に良い夫でいてくれた。
千里が実家に来る度にあなたの話をしてくれたんだけど、不満や悪口は一回もなかったわ。だから、本当にこちらがごめんない、こんなに迷惑をかけて。」
母親の絵美子(えみこ)の目にはまた涙が浮かんでいた。
「と、とりあえず中へどうぞ。あと一時間もしないうちに、私の両親も来ますから。」
三人は正人に招かれリビングに通された。
「お姉ちゃんは?」
妹の紗希(さき)が涙声で正人に聞いた。千里の遺体がここにあると思ったのだろう、あたりを見回していた。
「千里は今警察にいます。うちの両親が来たら、皆さんを連れて千里に会いに行きたいと思っています。」
「…あの、娘はどこで?」
和彦が、部屋を見渡しながら正人に聞いた。
和彦の質問に正人はシャンデリアを指差した。その真下にいた絵美子と沙希はシャンデリアを見上げてハッとした。
「そうですか、ここで。…その…遺書はあったんですか?」
「遺書というか、……ごめんなさい、と記された紙切れが一枚だけそこのダイニングテーブルの上に。」
「…お姉ちゃん、苦しかったよね…なんで。」
絵美子が紗希を抱き寄せ、肩を擦った。
「本当に何で自殺なんか…。」
絵美子は紗希の肩を借りて泣いていた。
そんな中、正人は、非常に言いづらい事だが、決意して話を切り出した。
「あの、お義父さんお義母さん、うちの両親が来たらご相談したいことがありまして。」
「相談?なんですか?」
和彦の返しに、正人はどう説明したらよいか迷い、テレビを付けて、映し出されたバラエティー番組をニュース番組に切り替えた。
今やニュースや新聞は呪い裁判一色と言っても過言ではない状態だった。正人は昨日の昼にニュースを見た以来初めてのテレビニュースであったが、きっと呪い裁判を取り上げていると考えテレビを付けたのだ。
「このニュースご覧になりましたか?」
「もちろんだ。どのニュースでも大きく取り上げていたし、そもそもこの事件はこの場所に比較的近い場所で起きた事件だろ。娘が住んでいるんだから心配してニュースをよく見るようにしていたよ。」
「判決を聞いてどう思いましたか?」
「呪いってやつよね、私の友達に詳しい奴がいるんだけど、やっぱり本当にあるんだって言ってた。」
紗希がテレビを凝視しながら言った。
「正人さん、このニュースがどうかしたの?」
絵美子が不安そうな顔つきで正人に聞いた。
「…その…お義母さんは呪いを信じますか?呪いで人を操り自ら命を絶たせる方々があると聞いて信じますか?」
絵美子は正人が何を言っているのかという表情で黙り込んでしまった。
「昨日、千里の親友の南雲由実さんが亡くなったことが関係してまして。」
「どういうことですか?あの子は、電車に飛び込んだって近所の人から聞きました。
あの子の母親とは親交があるんですけど、落ち着くまではこちらから連絡はできなくて、未だ直接聞いてはないけど。
由実ちゃんは本当に千里と仲良くしてくれて。やっぱり千里は由実ちゃんが亡くなったことがショックだったのかね。昔からずっと一緒だったから。」
「由実さんの死因については?」
「自殺…だったよね、お母さん。」
紗希が絵美子に聞いた。絵美子は頷きながら答えた。
「そう地元では情報が出回ってきてたわ。駅で電車に飛び込んだと。」
「…実はさっき来た警察官から千里の解剖について協力要請がありました。」
正人の言葉に、絵美子は表情を変えた。
「か、解剖!?嫌よ!これ以上あの子の身体にキズを付けるのは。」
絵美子は床に座り込んだ。
「…実は千里は自殺じゃない可能性もあるんです。」
この言葉と重なるようにインターホンが鳴った。正人の両親だった。正人は玄関に迎えに行き、リビングへと連れてきた。それぞれ深々と頭を下げた。
「この度はうちの娘がご迷惑をおかけし本当に申し訳ございません。」
和彦が謝罪の言葉を述べると、正人の父親の武志(たけし)が力無い声で答えた。
「いえ、とんでもない。正人や私を含めて千里さんの支えになってやれなかった、こちらこそ申し訳ない。」
正人の母親のゆかりはハンカチで鼻を押さえながら、武志と一緒に頭を下げた。
「本当に責任は感じないでください。」
和彦は頭を上げるように言い、ソファーに座るよう二人に促した。二人がソファーに座ると千里側の3人はダイニングテーブルのイスに座った。
「正人くん、さっきの話の続きお願いできるかい?千里が自殺じゃない可能性っていうのはどういうことかな。」
正人の両親は途中からなので、キョトンとした表情を浮かべていた。
「…その、警察の方の話ですと、まだ世間には未公表ですが、今回の裁判の事件のように呪いによって自ら命を絶ったような人間の脳には特定の症状が出るようなんです。」
正人の両親はまだ状況が呑み込めていないようだったが、正人は続けた。
「昨日亡くなられた千里の親友、南雲由実さんの遺体の脳にはその症状があったようです。」
「え?それってつまり…呪いが原因ってことですか?」
紗希が驚いた表情で正人に聞いた。
「紗希ちゃんの言う通りです。警察はこれから殺人事件として扱うようです。」
皆驚いた表情を浮かべた。というかそう話している正人自身もとても信じられなかった。数時間前に妻が自殺したのに、今こんな非現実的な話を説明している自分が何なのかよくわからない気持ちだった。そんな中、和彦が口を開いた。
「…つまり…千里もその可能性があると?」
理解が早いなと正人は感心した。
「警察からはそう。その為の解剖協力をお願いされました。」
「母さんはどう思う?」
和彦が絵美子に聞いた。
「…結果がどうであれ、あの子はもう戻らないのは変わらないわ。でも…」
絵美子は下を向き、口を紡いだ。
「でも…?」
和彦が優しい口調で聞く。
「私はあの子が自分から命を絶ったのではないとわかるだけでも少し救われるわ。あの子は絶対にそんなことしないもの。でも、誰かに殺されたとわかったら、それはそれで私はきっとそいつを殺めたくと思う。……それでも、私はあの子が自殺じゃない可能性があると言うのなら…お願いしたい。」
絵美子の言葉に、紗希が椅子から立ち上がった。
「お母さん…さっきはお姉ちゃんの身体にキズ付けたくないって…」
「紗希、お母さん苦しいの。千里が自殺したってことが。あんなに良い子が、家族を大事にする子が、私たちを置いて自分からいってしまったということが。…自分が多少でも救われたいだけかもしれない。ワガママよね、こんなの…」
「正人くん、千里の解剖してやってくれないか?」
和彦は絵美子の肩を支えながら言った。
「正人、あんたも辛いだろうけど、千里さんのご両親が一番辛いと思う。希望通りにしてあげて。」
ゆかりが真っ直ぐな目をして言った。
正人は少し考えてから、ゆかりの顔を見て頷いた。
「呪いだなんだのって俺にはよくわからねぇが、千里さんが誰かに殺された可能性があるんなら、そいつを罰してもらわないとな。正人、お前がしっかりして、千里さんのご両親、そして何より千里さん自身が後悔しないような行動を取ってやってくれ。」
「…親父。わかったよ。皆さんの了承をいただけたのなら、解剖をお願いしようと思います。」
正人は直ぐに池畑に電話を掛けた。千里は区内の解剖センターに安置されている旨を聞き、皆で向かうことにした。
ピンポーン、とインターホンが鳴った。千里の両親と妹だった。
「はい、今向かいます。」
正人はどんな表情で出迎えたら良いかわからず、下を向いたままドアを開け、そのまま深々と頭を下げた。
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父親の和彦(かずひこ)が正人に言った。
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千里が実家に来る度にあなたの話をしてくれたんだけど、不満や悪口は一回もなかったわ。だから、本当にこちらがごめんない、こんなに迷惑をかけて。」
母親の絵美子(えみこ)の目にはまた涙が浮かんでいた。
「と、とりあえず中へどうぞ。あと一時間もしないうちに、私の両親も来ますから。」
三人は正人に招かれリビングに通された。
「お姉ちゃんは?」
妹の紗希(さき)が涙声で正人に聞いた。千里の遺体がここにあると思ったのだろう、あたりを見回していた。
「千里は今警察にいます。うちの両親が来たら、皆さんを連れて千里に会いに行きたいと思っています。」
「…あの、娘はどこで?」
和彦が、部屋を見渡しながら正人に聞いた。
和彦の質問に正人はシャンデリアを指差した。その真下にいた絵美子と沙希はシャンデリアを見上げてハッとした。
「そうですか、ここで。…その…遺書はあったんですか?」
「遺書というか、……ごめんなさい、と記された紙切れが一枚だけそこのダイニングテーブルの上に。」
「…お姉ちゃん、苦しかったよね…なんで。」
絵美子が紗希を抱き寄せ、肩を擦った。
「本当に何で自殺なんか…。」
絵美子は紗希の肩を借りて泣いていた。
そんな中、正人は、非常に言いづらい事だが、決意して話を切り出した。
「あの、お義父さんお義母さん、うちの両親が来たらご相談したいことがありまして。」
「相談?なんですか?」
和彦の返しに、正人はどう説明したらよいか迷い、テレビを付けて、映し出されたバラエティー番組をニュース番組に切り替えた。
今やニュースや新聞は呪い裁判一色と言っても過言ではない状態だった。正人は昨日の昼にニュースを見た以来初めてのテレビニュースであったが、きっと呪い裁判を取り上げていると考えテレビを付けたのだ。
「このニュースご覧になりましたか?」
「もちろんだ。どのニュースでも大きく取り上げていたし、そもそもこの事件はこの場所に比較的近い場所で起きた事件だろ。娘が住んでいるんだから心配してニュースをよく見るようにしていたよ。」
「判決を聞いてどう思いましたか?」
「呪いってやつよね、私の友達に詳しい奴がいるんだけど、やっぱり本当にあるんだって言ってた。」
紗希がテレビを凝視しながら言った。
「正人さん、このニュースがどうかしたの?」
絵美子が不安そうな顔つきで正人に聞いた。
「…その…お義母さんは呪いを信じますか?呪いで人を操り自ら命を絶たせる方々があると聞いて信じますか?」
絵美子は正人が何を言っているのかという表情で黙り込んでしまった。
「昨日、千里の親友の南雲由実さんが亡くなったことが関係してまして。」
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あの子の母親とは親交があるんですけど、落ち着くまではこちらから連絡はできなくて、未だ直接聞いてはないけど。
由実ちゃんは本当に千里と仲良くしてくれて。やっぱり千里は由実ちゃんが亡くなったことがショックだったのかね。昔からずっと一緒だったから。」
「由実さんの死因については?」
「自殺…だったよね、お母さん。」
紗希が絵美子に聞いた。絵美子は頷きながら答えた。
「そう地元では情報が出回ってきてたわ。駅で電車に飛び込んだと。」
「…実はさっき来た警察官から千里の解剖について協力要請がありました。」
正人の言葉に、絵美子は表情を変えた。
「か、解剖!?嫌よ!これ以上あの子の身体にキズを付けるのは。」
絵美子は床に座り込んだ。
「…実は千里は自殺じゃない可能性もあるんです。」
この言葉と重なるようにインターホンが鳴った。正人の両親だった。正人は玄関に迎えに行き、リビングへと連れてきた。それぞれ深々と頭を下げた。
「この度はうちの娘がご迷惑をおかけし本当に申し訳ございません。」
和彦が謝罪の言葉を述べると、正人の父親の武志(たけし)が力無い声で答えた。
「いえ、とんでもない。正人や私を含めて千里さんの支えになってやれなかった、こちらこそ申し訳ない。」
正人の母親のゆかりはハンカチで鼻を押さえながら、武志と一緒に頭を下げた。
「本当に責任は感じないでください。」
和彦は頭を上げるように言い、ソファーに座るよう二人に促した。二人がソファーに座ると千里側の3人はダイニングテーブルのイスに座った。
「正人くん、さっきの話の続きお願いできるかい?千里が自殺じゃない可能性っていうのはどういうことかな。」
正人の両親は途中からなので、キョトンとした表情を浮かべていた。
「…その、警察の方の話ですと、まだ世間には未公表ですが、今回の裁判の事件のように呪いによって自ら命を絶ったような人間の脳には特定の症状が出るようなんです。」
正人の両親はまだ状況が呑み込めていないようだったが、正人は続けた。
「昨日亡くなられた千里の親友、南雲由実さんの遺体の脳にはその症状があったようです。」
「え?それってつまり…呪いが原因ってことですか?」
紗希が驚いた表情で正人に聞いた。
「紗希ちゃんの言う通りです。警察はこれから殺人事件として扱うようです。」
皆驚いた表情を浮かべた。というかそう話している正人自身もとても信じられなかった。数時間前に妻が自殺したのに、今こんな非現実的な話を説明している自分が何なのかよくわからない気持ちだった。そんな中、和彦が口を開いた。
「…つまり…千里もその可能性があると?」
理解が早いなと正人は感心した。
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「母さんはどう思う?」
和彦が絵美子に聞いた。
「…結果がどうであれ、あの子はもう戻らないのは変わらないわ。でも…」
絵美子は下を向き、口を紡いだ。
「でも…?」
和彦が優しい口調で聞く。
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絵美子の言葉に、紗希が椅子から立ち上がった。
「お母さん…さっきはお姉ちゃんの身体にキズ付けたくないって…」
「紗希、お母さん苦しいの。千里が自殺したってことが。あんなに良い子が、家族を大事にする子が、私たちを置いて自分からいってしまったということが。…自分が多少でも救われたいだけかもしれない。ワガママよね、こんなの…」
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正人は少し考えてから、ゆかりの顔を見て頷いた。
「呪いだなんだのって俺にはよくわからねぇが、千里さんが誰かに殺された可能性があるんなら、そいつを罰してもらわないとな。正人、お前がしっかりして、千里さんのご両親、そして何より千里さん自身が後悔しないような行動を取ってやってくれ。」
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