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第6節 畑 賢太郎 其の2
(8)
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ー 神奈川県警 署内 ー
10月17日
畑たちが警視庁の記者会見をテレビで観ていたのと同時刻。池畑たちも同じニュースを観ていた。
「脳に症例があった人って南雲由実さんで確か三人目ですよね?なんでこんなにサンプルが少ないのに、このタイミングで発表したんですかね。」
溝口が机に頬杖をつきながら言った。その質問に答えたのは課長の杉崎だった。
「警察は、この呪いというものは、桐生朱美で始り、桐生朱美で終わらせるつもりだった。今回の事件の被害者菅野茜さん、その2ヶ月前に自殺した佐野(さの)という男性、佐倉先生が脳の症例を提唱してから、公式に呪いが要因と認定されたのはこの2件だけだった。
現に桐生朱美が警察に身柄を拘束されてからは、1件も症例は出ていない。このまま呪いを要因とする事件は終息すると思われていた。」
「でも、南雲由実の症例が見つかった……か。」
「あぁ、池畑くんの言うとおりだ。菅野茜から南雲由実の間に出た自殺者についても、できるだけ遺族を説得して司法解剖を行っていたが、一件も症例は見られなかったようだ。このまま桐生朱美さえいなくなれば、呪いなんてふざけたものはこの世から無くなるはずだった。だが、南雲由実の遺体からはまた例の症例。
どんなに調べても桐生朱美と南雲由実の接点はなく、また南雲由実は自殺する動機は一切見当たらないことから、新たな呪い事件に認定され、犯人は桐生朱美以外の人物であることが濃厚となったわけだ。
呪いを要因とする事件は終息しないことがわかった今、新たな犠牲者が出る前に犯人を捕まえるため、自殺者の司法解剖を強制的に行う必要があると判断し、警察は公表したんだよ。
…まぁ、半分は私の想像だがね。私みたいな位には国の考えは正式には下りてこないよ。」
池畑と溝口は杉崎の話を頷きながら聞いていた。池畑と溝口は、一年半以上前の菅野茜の事件当時を思い出し、特に池畑は佐倉のことを考えていた。
「でも、それって桐生朱美が誰かに呪いの方法を教えて広がったってことなんですかね。それともまた誰かが独自に方法を編み出したのか…。」
千代田は、誰に向かうでもなく、疑問を口にした。
「…それはまだ全く掴めていないようだな。掴めていないが、とりあえずは桐生朱美の周りから捜査を始めるのが普通だろうな。……まぁ、本当にこれ以上呪いによる犠牲者が出ないことを祈るよ。」
池畑たちも杉崎の答えに納得だが、池畑と溝口は、また呪いに対する恐怖心を抱いていた。
この一時間後、二人は南雲由実の事件を任せられることになった。
ー 出版社 ー
゛「…呪い事件の反響は、まだまだしばらく続きそうです。では続いてのニュースです。」゛
呪い事件のニュースが終えると、テレビに釘付けだったソファ回りの野次馬は各々自席に戻り、仕事を再開する雰囲気になった。足立もテレビに釘付けになり、ずっと電気ポットの近くで立ったまま見ていたが、次のニュースになり自席に戻ろうとした。
゛「今日昼頃、群馬県前橋市のアパートで女性の遺体が発見されました。遺体の身元はこのアパートの住人、長尾智美さん24歳で……」゛
ガシャンッ!!
皆が室内の一点に視線を集中した。自席に戻ろうとした足立は、ニュースの衝撃で持っていたマグカップを落としたのだ。皆何事かと足立に視線が集中し続ける中、畑は立ち上がりテレビを見つめていた。
゛「また、警察が長尾さんを発見した際、別の女性が凶器と見られる包丁を持って部屋内におり、警察が逮捕しようとした瞬間、持っていた包丁で自分の頭部を刺し自殺を計ったということです。
自殺を計った人物は、被害者の母親長尾薫(ながおかおる)57歳とみて捜査を続けています。」゛
「…足立さん、これは一体…。」
畑は状況が全く理解できず、足立に説明を求めてしまった。一方、足立は畑の話など聞こえるわけもなく、割れたマグカップの片付けもせずに、破片の中、テレビに釘付けになっていた。
10月17日
畑たちが警視庁の記者会見をテレビで観ていたのと同時刻。池畑たちも同じニュースを観ていた。
「脳に症例があった人って南雲由実さんで確か三人目ですよね?なんでこんなにサンプルが少ないのに、このタイミングで発表したんですかね。」
溝口が机に頬杖をつきながら言った。その質問に答えたのは課長の杉崎だった。
「警察は、この呪いというものは、桐生朱美で始り、桐生朱美で終わらせるつもりだった。今回の事件の被害者菅野茜さん、その2ヶ月前に自殺した佐野(さの)という男性、佐倉先生が脳の症例を提唱してから、公式に呪いが要因と認定されたのはこの2件だけだった。
現に桐生朱美が警察に身柄を拘束されてからは、1件も症例は出ていない。このまま呪いを要因とする事件は終息すると思われていた。」
「でも、南雲由実の症例が見つかった……か。」
「あぁ、池畑くんの言うとおりだ。菅野茜から南雲由実の間に出た自殺者についても、できるだけ遺族を説得して司法解剖を行っていたが、一件も症例は見られなかったようだ。このまま桐生朱美さえいなくなれば、呪いなんてふざけたものはこの世から無くなるはずだった。だが、南雲由実の遺体からはまた例の症例。
どんなに調べても桐生朱美と南雲由実の接点はなく、また南雲由実は自殺する動機は一切見当たらないことから、新たな呪い事件に認定され、犯人は桐生朱美以外の人物であることが濃厚となったわけだ。
呪いを要因とする事件は終息しないことがわかった今、新たな犠牲者が出る前に犯人を捕まえるため、自殺者の司法解剖を強制的に行う必要があると判断し、警察は公表したんだよ。
…まぁ、半分は私の想像だがね。私みたいな位には国の考えは正式には下りてこないよ。」
池畑と溝口は杉崎の話を頷きながら聞いていた。池畑と溝口は、一年半以上前の菅野茜の事件当時を思い出し、特に池畑は佐倉のことを考えていた。
「でも、それって桐生朱美が誰かに呪いの方法を教えて広がったってことなんですかね。それともまた誰かが独自に方法を編み出したのか…。」
千代田は、誰に向かうでもなく、疑問を口にした。
「…それはまだ全く掴めていないようだな。掴めていないが、とりあえずは桐生朱美の周りから捜査を始めるのが普通だろうな。……まぁ、本当にこれ以上呪いによる犠牲者が出ないことを祈るよ。」
池畑たちも杉崎の答えに納得だが、池畑と溝口は、また呪いに対する恐怖心を抱いていた。
この一時間後、二人は南雲由実の事件を任せられることになった。
ー 出版社 ー
゛「…呪い事件の反響は、まだまだしばらく続きそうです。では続いてのニュースです。」゛
呪い事件のニュースが終えると、テレビに釘付けだったソファ回りの野次馬は各々自席に戻り、仕事を再開する雰囲気になった。足立もテレビに釘付けになり、ずっと電気ポットの近くで立ったまま見ていたが、次のニュースになり自席に戻ろうとした。
゛「今日昼頃、群馬県前橋市のアパートで女性の遺体が発見されました。遺体の身元はこのアパートの住人、長尾智美さん24歳で……」゛
ガシャンッ!!
皆が室内の一点に視線を集中した。自席に戻ろうとした足立は、ニュースの衝撃で持っていたマグカップを落としたのだ。皆何事かと足立に視線が集中し続ける中、畑は立ち上がりテレビを見つめていた。
゛「また、警察が長尾さんを発見した際、別の女性が凶器と見られる包丁を持って部屋内におり、警察が逮捕しようとした瞬間、持っていた包丁で自分の頭部を刺し自殺を計ったということです。
自殺を計った人物は、被害者の母親長尾薫(ながおかおる)57歳とみて捜査を続けています。」゛
「…足立さん、これは一体…。」
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