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第1章 少女と紫色
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「じゃあ今日はここまで。最後の数式は宿題とする。次回までに各自で解いてくるように。」
日直の号令がかかり、一礼をすると教師は教室から出て行った。夏音は、直ぐに後ろを振り向き来にお礼を言った。
「…あの、さっきはありがとう。」
来はニコッと笑った。
「別に気にしないで。今日の三嶽さんは何かいつもより元気がないような気がして。…あ、行かなきゃ。じゃ。」
来は廊下で待っている隣のクラスの友人に気が付き、教室を出て行った。
夏音は身体の向きを戻し、周りに気付かれないように、ニヤニヤと表情を弛めた。夏音は、振り向いた際、勇気を出して来のイロカゲを見てしまった。
来のイロカゲは群青色をしており、それは夏音を心配しているという言葉に嘘はないという証拠だった。その結果が夏音は単純に嬉しかった。
3限目は美術のため、美術室に移動するため教科書などを机から出して準備をしていると、奏が教科書などを手に持ってやってきた。
「夏音ちゃん、行こ。」
夏音は、笑顔で頷いたが、内心は少し緊張していた。せっかく来のイロカゲで回復した心を、また傷付けたくなかったからだ。とりあえず奏のイロカゲは絶対に見ないということを心に決め、荷物を纏めて立ち上がり、奏と一緒に教室を出た。
一つ上の階にある美術室に向かう途中、夏音は奏と何を話したらよいかを考えていたが、奏から口を開いてくれた。
「…夏音ちゃんさ、…あの…佐藤くんとはどういう関係なの?」
「え?佐藤くん?」
夏音は予想外の質問に、何て答えたら良いのか一瞬悩んだ。
「…佐藤くんとの関係って、ただの中学からの同級生…ってだけだけど…。」
奏は、夏音の答えを無視して、もう一度質問した。
「付き合ってるの?ってことよ。」
夏音はまた頭の中にはてなマークが浮かんだ。勿論そんな関係ではないし、何故奏がそんな質問をしてくるのかも全く分からなかった。ただ、今はとりあえず全力で否定した方が良いなと思った。
「な、何言ってんのよ。そんな訳ないじゃん。あのバスケ部でモテモテの佐藤くんだよ。私と釣り合うわけないし、絶対ないから!」
来は、長身で顔立ちも良く、バスケ部でも活躍をしているため、多くの女子のファンがいた。ただ、夏音は中学の頃から、一度も来を恋愛対象として見たことはなかった。来は、余りにもキラキラとした人生を送っているように見えて、夏音にとっては雲の上の存在だったからだ。高校二年生になって、中学時代を含めて初めて同じクラスになり、話をしたのも席替えをして席が近くなった一ヶ月前が初めてだった。
「…そっか、付き合ってないんだ。」
奏は分かりやすい笑顔になった。
「私が佐藤くんと釣り合うと思う?」
「夏音はさ、自分に自信持った方がいいよ。可愛いんだから。あなたの事が好きな男子は何人か知ってるし。…だいたい最近、夏音は佐藤くんと仲良さそうだったし…。」
またまた予想外の返しに夏音はドキッとしてしまった。でも、今の奏の笑顔は、わざわざイロカゲを見なくても真実の笑顔だと分かるくらい眩しく見えた。
「…そっか、そういう事だったのか。」
夏音はボソッと独り言を呟いた。夏音は、奏のイロカゲの理由がわかり、そして解決したようでホッとした。しかし、環奈の件が、やっぱり頭から離れないため、奏に質問してみた。
「…あのさ、環奈の事なんだけど。あの子、最近何かあった?」
「え、環奈?どうして?」
会話の途中で美術室に到着し、入り口のドアを開けた。美術の席は6人掛のテーブルに自由に座ってよいことになっていたため、最前列ではあるが、誰も座っていないテーブルに隣同士に座ると、夏音が会話を続けた。
「はっきりした話じゃないんだけど、何か環奈の様子がおかしいと言うか…その…何か悲しいことがあったように思えて。」
「…そっか、夏音は友達のこと、ちゃんと良く見てるね。」
奏は一瞬黙り込みうつ向くように下を向き、話を続けた。夏音は、そんな奏を心配そうに見つめていた。
「…あの子ね………クラスでイジメにあってるみたいなの…。」
またまた予想外の答えに、夏音は何も言葉を返せないまま、授業開始のチャイムがなり、美術教師が美術室に入ってきた。
日直の号令がかかり、一礼をすると教師は教室から出て行った。夏音は、直ぐに後ろを振り向き来にお礼を言った。
「…あの、さっきはありがとう。」
来はニコッと笑った。
「別に気にしないで。今日の三嶽さんは何かいつもより元気がないような気がして。…あ、行かなきゃ。じゃ。」
来は廊下で待っている隣のクラスの友人に気が付き、教室を出て行った。
夏音は身体の向きを戻し、周りに気付かれないように、ニヤニヤと表情を弛めた。夏音は、振り向いた際、勇気を出して来のイロカゲを見てしまった。
来のイロカゲは群青色をしており、それは夏音を心配しているという言葉に嘘はないという証拠だった。その結果が夏音は単純に嬉しかった。
3限目は美術のため、美術室に移動するため教科書などを机から出して準備をしていると、奏が教科書などを手に持ってやってきた。
「夏音ちゃん、行こ。」
夏音は、笑顔で頷いたが、内心は少し緊張していた。せっかく来のイロカゲで回復した心を、また傷付けたくなかったからだ。とりあえず奏のイロカゲは絶対に見ないということを心に決め、荷物を纏めて立ち上がり、奏と一緒に教室を出た。
一つ上の階にある美術室に向かう途中、夏音は奏と何を話したらよいかを考えていたが、奏から口を開いてくれた。
「…夏音ちゃんさ、…あの…佐藤くんとはどういう関係なの?」
「え?佐藤くん?」
夏音は予想外の質問に、何て答えたら良いのか一瞬悩んだ。
「…佐藤くんとの関係って、ただの中学からの同級生…ってだけだけど…。」
奏は、夏音の答えを無視して、もう一度質問した。
「付き合ってるの?ってことよ。」
夏音はまた頭の中にはてなマークが浮かんだ。勿論そんな関係ではないし、何故奏がそんな質問をしてくるのかも全く分からなかった。ただ、今はとりあえず全力で否定した方が良いなと思った。
「な、何言ってんのよ。そんな訳ないじゃん。あのバスケ部でモテモテの佐藤くんだよ。私と釣り合うわけないし、絶対ないから!」
来は、長身で顔立ちも良く、バスケ部でも活躍をしているため、多くの女子のファンがいた。ただ、夏音は中学の頃から、一度も来を恋愛対象として見たことはなかった。来は、余りにもキラキラとした人生を送っているように見えて、夏音にとっては雲の上の存在だったからだ。高校二年生になって、中学時代を含めて初めて同じクラスになり、話をしたのも席替えをして席が近くなった一ヶ月前が初めてだった。
「…そっか、付き合ってないんだ。」
奏は分かりやすい笑顔になった。
「私が佐藤くんと釣り合うと思う?」
「夏音はさ、自分に自信持った方がいいよ。可愛いんだから。あなたの事が好きな男子は何人か知ってるし。…だいたい最近、夏音は佐藤くんと仲良さそうだったし…。」
またまた予想外の返しに夏音はドキッとしてしまった。でも、今の奏の笑顔は、わざわざイロカゲを見なくても真実の笑顔だと分かるくらい眩しく見えた。
「…そっか、そういう事だったのか。」
夏音はボソッと独り言を呟いた。夏音は、奏のイロカゲの理由がわかり、そして解決したようでホッとした。しかし、環奈の件が、やっぱり頭から離れないため、奏に質問してみた。
「…あのさ、環奈の事なんだけど。あの子、最近何かあった?」
「え、環奈?どうして?」
会話の途中で美術室に到着し、入り口のドアを開けた。美術の席は6人掛のテーブルに自由に座ってよいことになっていたため、最前列ではあるが、誰も座っていないテーブルに隣同士に座ると、夏音が会話を続けた。
「はっきりした話じゃないんだけど、何か環奈の様子がおかしいと言うか…その…何か悲しいことがあったように思えて。」
「…そっか、夏音は友達のこと、ちゃんと良く見てるね。」
奏は一瞬黙り込みうつ向くように下を向き、話を続けた。夏音は、そんな奏を心配そうに見つめていた。
「…あの子ね………クラスでイジメにあってるみたいなの…。」
またまた予想外の答えに、夏音は何も言葉を返せないまま、授業開始のチャイムがなり、美術教師が美術室に入ってきた。
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