colors -イロカゲ -

雨木良

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第2章 先輩と黄色

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奏はアイスコーヒーを2杯注文し、二人掛けの席に神楽を誘導した。椅子に座ると、黙ったままコーヒーを飲む奏に、神楽から話し始めた。

「…奏。何?用事があるの?」

神楽の質問に奏は、飲んでいたコーヒーをテーブルに置いて答えた。

「警察に何聞かれたの?…事情聴取だったんでしょ、神楽のクラスは。」

「そうよ、一人ずつ順番でね。…色々聞かれちゃって。」

「…神楽。大丈夫?」

奏と神楽は小学校からの同級生である。中学校で同じ美術部となり距離を縮め仲が良くなったが、神楽は高校では美術部に入らなかったので、最近は少し疎遠気味になっていた。

奏の問いに神楽は頷いて、コーヒーを一口飲んだ。奏の質問が続く。

「…神楽。直球に聞くけど、環奈のイジメに関わってたの?」

「………。」

「…神楽?環奈のイジメに…。」

「そうよ!イジメてたわ!警察にも全部話した。私が環奈を殺したも同じことよ!」

神楽は奏の言葉の途中で、吹っ切れたような態度で答えた。声量が大きかったため、店中の視線が二人のテーブルに集中した。

「神楽。わかったから落ち着いて。」

周りの視線が痛く、奏は神楽を宥めようとしたが、神楽はコーヒーを一気に飲み干すと、乱暴に席を立ち上がった。

「コーヒーご馳走さま!もう私には関わらないで!その方があなたのためよ。」

神楽は、カバンを持って足早に店を出ていった。奏は飲み掛けのコーヒーをテーブルに置いたまま、店を出た神楽を追い掛けた。

「神楽!待ってよ!!」

神楽は歩く速度を更に上げて電車の改札に入っていった。同じ方向なので、奏も改札の中まで追い掛けることができたが、奏は足を止め、ホームに吸い込まれていく神楽をじっと見つめていた。

【高校美術室】

同時刻。

未だに警察が捜査を続けている校内で、美術部の顧問の朝倉は、絵画の整理をしていた。朝倉が手に取る絵画は油絵で、どれも環奈の作品だ。

朝倉が手に取る絵画には、どれも人間の影のようなものが様々な色で描かれいるものばかりで、朝倉はその絵画を環奈の描いた時系列順に並べ替えていた。

並べ終えると、絵画から少し離れ全てを見渡すように左から右に向かってゆっくり眺めた。

「…やっぱりな。」

朝倉はこれらの絵画に描かれている何かを感じた。

ガラガラガラ。

美術室のドアが開き、朝倉がドアに目を向けると教頭の白井(しらい)が立っていた。

「ここでしたか、朝倉先生。警察がお話を聞きたいとのことで探してましたよ。」

「あ、すみません。順番はまだ先だと思ってまして。すぐに職員室に戻ります。」

朝倉はそう言うと、教卓に置いてあった手帳などを手に取り、職員室へと急いだ。

美術室に一人となった白井は、朝倉が並べた環奈の油絵をじっと眺めていた。
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