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エリカの限界を見極めろ!
デッドリフトの1RM推定
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「じゃあ、さっそく、デッドリフトでの1RM推定を行ってみようか!」
「第一回、デッドリフト1RM推定会だぁぁぁぁぁーーーー」
そう叫びながら、円錐形で派手な色をした三角帽子を被って、鼻と髭がついたメガネをつけた状態でフジカルはクラッカーを鳴らした。
まるで誕生日パーティーだ。
エリカは少しドン引きしたが、フジカルのテンションについていけないのはいつものことなので、クールに流した。
そして、何事もなかったかのように派手な帽子とメガネをかけたままでフジカルが説明しはじめた。フジカルはトレーニングの話をし始めると、自分の現在の姿を忘れるらしい。。。
最初はクールに対応していたエリカだったが、笑いを堪えながら話を聞いた。
「いつも30kgで10回できているということなので、今回は40kgでやってみようか」
いま使っているバーは基本的な重さの20kgだ。
フジカルは、20kgのバーの両端に10kgのプレートをつけて40kgにした。
ウェイトトレーニング用のバーには、色々な種類がある。
少し軽めで10kgというバーもあるし、さらに軽いアルミで作られた5kgのバーというのもある。
初めてバーベルを使う人は、通常の20kgのバーを持つと結構重いと感じることもあるようだが、もともと冒険者としての活動もしていたエリカにとっては、20kgのバーは苦ではなかったようだ。
用途に応じて適切な種類のバーを選択することも大事だが、ウェイトを取り付ける両端にも特徴がある。
オリンピックウェイトリフティングのように、勢いをつけて持ち上げるような場合には、両端のウェイトをつける部分にベアリングがついている。
今回、使っているバーにもベアリングがついているが、今の使い方であればベアリングの有無による違いは特にないので、どちらでも良い。
そんなことを考えている横で、エリカが40kgのデッドリフトを10回行った。
「10回できました!」
と嬉しそうにエリカが笑顔で報告する。
「そうか。40kgだと、まだ軽いのか。じゃあ、次は50kgでデッドリフトをやってみよう!」
バーが20kgなので、10kgのプレートと5kgのプレートをバーの両端につけると50kgだ。
50kgでデッドリフトを行ったところ、今度は、40kgのときよりも少しつらそうだ。6回目まではフォームを崩さずにデッドリフトを行えたが、7回目で身体を左右に揺らしながら、膝が内側に倒れ込むような状態で持ち上げていた。
「よし。6回目が限界っぽいから、これで終わりにしようか!」
とフジカルが測定終了をエリカに告げる。
「今回、50kgの7回目でフォームが崩れたので、問題なくできた回数は6回だ。ということで、6RMが50kgであると推定して、それから逆算した1RMは60kgだ」
それに対してエリカが質問した。
「何で50kgでデッドリフトをして、1RMが60kgなんですか?何で最初から60kgでやらないんですか?」
それに対してフジカルが説明を始めた。
「1RMの定義だが、1回しか行えない重さが1RMだ」
「1回しかできないというのは、それよりも重ければ1回もできない可能性も高くなってくる」
「本来であれば1回もできないような重さを扱うのは、怪我のリスクが高くなってしまう」
「そもそも、1回しか行えないようなギリギリの重さを扱うことも、それよりも軽い負荷を扱うのに比べて怪我のリスクは高くなってしまう」
「1RMにチャレンジするのは、割と危ないことが多いんだ。だから、より怪我のリスクが少ない、もう少し負荷の軽い重さで1RMを推定したくなるわけだ」
「そこで良く使われる方法が、その重さで何回できるのかから逆算して1RMを推定するという方法だ」
「この方法を使うときには、指標となるチャートがある[NSCA-Training-Load-Chart]」
「1RMを100%としたとき、2RMは1RMの95%の重さだ。たとえば、100kgが1RMの場合、2RMは95kg、100kgだと1回しか挙げられないが、95kgだと2回あげることができるだろう、ということだ」
「その表は、こんな感じだ」
1RM 100%
2RM 95%
3RM 93%
4RM 90%
5RM 87%
6RM 85%
7RM 83%
8RM 80%
9RM 77%
10RM 75%
12RM 70%
「さて、今回は50kgが6RMであると推測したわけだが、1RMの85%が6RMとすると、1RMが60kg弱になるわけだ」
それを聞いてエリカは笑顔で元気に次の質問を投げる。
「じゃあ、今度からは、50kgで6回を3セットやれば良いのですね!」
「いや、毎回限界に近いことをやるよりも、少しリスクを下げてトレーニングをする方がおすすめだ。オレの場合は、本来のRMよりも回数を2減らした回数を行うトレーニングを推奨している」
「今回は1RMを60kgと推定しているから、10RMは45kgだ」
「そこで、45kgで8回をやってみてはどうだろうか」
「さらに、3セットやるのであれば、毎回同じ8回を3セットやるという方法もあるが、1セット行うごとに徐々に能力は落ちていくはずなので、たとえば、1セット目を8回、2セット目を6回、3セット目を4回、といったように、徐々に回数を減らしていく方法もある」
「ということで、今後のデッドリフトは、45kgで1セット目は8回、2セット目は6回。3セット目は4回でやっていこう!それが楽になってきたら、また1RMを推定して負荷を検討しよう!」
「はい!それでやります!」
とエリカは元気に答えた。
「今回は、せっかくなので、デッドリフトだけではなく、バックスクワットとベンチプレスの1RM推定をやってみようか!」
「デッドリフト、スクワット、ベンチプレスは、ウェイトトレーニングのビッグ3であったり、筋トレのビッグ3と言われているぞ!」
それに対して、エリカが質問した。
「ビッグって、何がビッグなんですか?」
「良い質問だ!実はオレも何でビッグなのか明確に知っているわけじゃない。ただ、みんなビッグ3って言ってるんだ」
「ある特定の分野で最も成功している3人もしくは3つの組織などを、まとめてビッグ3と呼ぶこともあるし、もっとも基本的で効果的な王道ウェイトエキササイズという意味で言っている人が多いのかも知れないし、そもそもその3つのエキササイズは最も挙上重量が大きいエキササイズでもあるので、ビッグ3なのかも知れない。」
「何の根拠もない個人的な与太話だが、これらのエキササイズをコツコツと続けながら徳を積むと人間性もビッグになるのかも知れない」
「ビッグ3を続けて、君の筋肉もビッグになるぞ!」
「ということで、次は、バックスクワットだ!」
======
参考文献
======
[NSCA-Training-Load-Chart]
NSCA Training Load Chart
https://www.nsca.com/contentassets/61d813865e264c6e852cadfe247eae52/nsca_training_load_chart.pdf
「第一回、デッドリフト1RM推定会だぁぁぁぁぁーーーー」
そう叫びながら、円錐形で派手な色をした三角帽子を被って、鼻と髭がついたメガネをつけた状態でフジカルはクラッカーを鳴らした。
まるで誕生日パーティーだ。
エリカは少しドン引きしたが、フジカルのテンションについていけないのはいつものことなので、クールに流した。
そして、何事もなかったかのように派手な帽子とメガネをかけたままでフジカルが説明しはじめた。フジカルはトレーニングの話をし始めると、自分の現在の姿を忘れるらしい。。。
最初はクールに対応していたエリカだったが、笑いを堪えながら話を聞いた。
「いつも30kgで10回できているということなので、今回は40kgでやってみようか」
いま使っているバーは基本的な重さの20kgだ。
フジカルは、20kgのバーの両端に10kgのプレートをつけて40kgにした。
ウェイトトレーニング用のバーには、色々な種類がある。
少し軽めで10kgというバーもあるし、さらに軽いアルミで作られた5kgのバーというのもある。
初めてバーベルを使う人は、通常の20kgのバーを持つと結構重いと感じることもあるようだが、もともと冒険者としての活動もしていたエリカにとっては、20kgのバーは苦ではなかったようだ。
用途に応じて適切な種類のバーを選択することも大事だが、ウェイトを取り付ける両端にも特徴がある。
オリンピックウェイトリフティングのように、勢いをつけて持ち上げるような場合には、両端のウェイトをつける部分にベアリングがついている。
今回、使っているバーにもベアリングがついているが、今の使い方であればベアリングの有無による違いは特にないので、どちらでも良い。
そんなことを考えている横で、エリカが40kgのデッドリフトを10回行った。
「10回できました!」
と嬉しそうにエリカが笑顔で報告する。
「そうか。40kgだと、まだ軽いのか。じゃあ、次は50kgでデッドリフトをやってみよう!」
バーが20kgなので、10kgのプレートと5kgのプレートをバーの両端につけると50kgだ。
50kgでデッドリフトを行ったところ、今度は、40kgのときよりも少しつらそうだ。6回目まではフォームを崩さずにデッドリフトを行えたが、7回目で身体を左右に揺らしながら、膝が内側に倒れ込むような状態で持ち上げていた。
「よし。6回目が限界っぽいから、これで終わりにしようか!」
とフジカルが測定終了をエリカに告げる。
「今回、50kgの7回目でフォームが崩れたので、問題なくできた回数は6回だ。ということで、6RMが50kgであると推定して、それから逆算した1RMは60kgだ」
それに対してエリカが質問した。
「何で50kgでデッドリフトをして、1RMが60kgなんですか?何で最初から60kgでやらないんですか?」
それに対してフジカルが説明を始めた。
「1RMの定義だが、1回しか行えない重さが1RMだ」
「1回しかできないというのは、それよりも重ければ1回もできない可能性も高くなってくる」
「本来であれば1回もできないような重さを扱うのは、怪我のリスクが高くなってしまう」
「そもそも、1回しか行えないようなギリギリの重さを扱うことも、それよりも軽い負荷を扱うのに比べて怪我のリスクは高くなってしまう」
「1RMにチャレンジするのは、割と危ないことが多いんだ。だから、より怪我のリスクが少ない、もう少し負荷の軽い重さで1RMを推定したくなるわけだ」
「そこで良く使われる方法が、その重さで何回できるのかから逆算して1RMを推定するという方法だ」
「この方法を使うときには、指標となるチャートがある[NSCA-Training-Load-Chart]」
「1RMを100%としたとき、2RMは1RMの95%の重さだ。たとえば、100kgが1RMの場合、2RMは95kg、100kgだと1回しか挙げられないが、95kgだと2回あげることができるだろう、ということだ」
「その表は、こんな感じだ」
1RM 100%
2RM 95%
3RM 93%
4RM 90%
5RM 87%
6RM 85%
7RM 83%
8RM 80%
9RM 77%
10RM 75%
12RM 70%
「さて、今回は50kgが6RMであると推測したわけだが、1RMの85%が6RMとすると、1RMが60kg弱になるわけだ」
それを聞いてエリカは笑顔で元気に次の質問を投げる。
「じゃあ、今度からは、50kgで6回を3セットやれば良いのですね!」
「いや、毎回限界に近いことをやるよりも、少しリスクを下げてトレーニングをする方がおすすめだ。オレの場合は、本来のRMよりも回数を2減らした回数を行うトレーニングを推奨している」
「今回は1RMを60kgと推定しているから、10RMは45kgだ」
「そこで、45kgで8回をやってみてはどうだろうか」
「さらに、3セットやるのであれば、毎回同じ8回を3セットやるという方法もあるが、1セット行うごとに徐々に能力は落ちていくはずなので、たとえば、1セット目を8回、2セット目を6回、3セット目を4回、といったように、徐々に回数を減らしていく方法もある」
「ということで、今後のデッドリフトは、45kgで1セット目は8回、2セット目は6回。3セット目は4回でやっていこう!それが楽になってきたら、また1RMを推定して負荷を検討しよう!」
「はい!それでやります!」
とエリカは元気に答えた。
「今回は、せっかくなので、デッドリフトだけではなく、バックスクワットとベンチプレスの1RM推定をやってみようか!」
「デッドリフト、スクワット、ベンチプレスは、ウェイトトレーニングのビッグ3であったり、筋トレのビッグ3と言われているぞ!」
それに対して、エリカが質問した。
「ビッグって、何がビッグなんですか?」
「良い質問だ!実はオレも何でビッグなのか明確に知っているわけじゃない。ただ、みんなビッグ3って言ってるんだ」
「ある特定の分野で最も成功している3人もしくは3つの組織などを、まとめてビッグ3と呼ぶこともあるし、もっとも基本的で効果的な王道ウェイトエキササイズという意味で言っている人が多いのかも知れないし、そもそもその3つのエキササイズは最も挙上重量が大きいエキササイズでもあるので、ビッグ3なのかも知れない。」
「何の根拠もない個人的な与太話だが、これらのエキササイズをコツコツと続けながら徳を積むと人間性もビッグになるのかも知れない」
「ビッグ3を続けて、君の筋肉もビッグになるぞ!」
「ということで、次は、バックスクワットだ!」
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参考文献
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[NSCA-Training-Load-Chart]
NSCA Training Load Chart
https://www.nsca.com/contentassets/61d813865e264c6e852cadfe247eae52/nsca_training_load_chart.pdf
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