鳥籠姫は夢を見る

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第一章

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    「ぶにゃ!!」
    「ぶにゃにゃ!!」


    「あら、起きてたの?」

    勢い良くベッドの上に落ちてきた私に二匹は抗議の鳴き声を上げた。

    「へへ、びっくりさせちゃってごめんね。」

    二匹に謝ると、まぁ許してやるかにゃ、というような顔で再び丸まって眠り出した。

    ……それにしても………びっくりすることばかりだったわね………

    私はローブを脱ぎ、丁寧にたたみながら今夜の出来事を思い返した。

  ローゼンガルドは既に国王が代わっている事。
  アンリ様に執着するファルサ。
  神殿が国を封鎖した事………。

    グレンドールが滅ぼされたのはおそらくアンリ様がファルサを拒み、更にこちらもローゼンガルドからの申し出を断ったからだ。アンリ様がファルサを受け入れるまでの繋ぎの人間が欲しかったんじゃないだろうか。だとしたら結局申し出を受け入れていたとしても私は用が済めば殺されていたのだろう。

    一人で考えたところで答えが出ない問題ばかりだ。ファルサの執着についてはこの目で見たから納得だがその理由については謎だ。単にアンリ様に恋をしているだけという線も充分有り得る。アンリ様は……未来であんな事さえなければ私だってきっと一目で憧れてキャーキャー騒いでいただろう。それだけ綺麗な人だ。しかもそこに儚さが加わって、少しはだけた寝間着から見える鎖骨とかはもう鼻血ものだ。

    あの時はエリアスを人質に取られ、余計な接触は禁じられ、寒さと孤独で生きるのに精一杯だっからまともな思考が出来てなかったけど、よくよく考えると私…あんな素敵な殿方にとんでもないことを毎日していたんじゃない!?だってチューですよ?親とも唇になんてした事ないんだよ?それを毎日毎日結構な時間……。
    まずい、頬が火を噴いてるかのように熱い。
明日も行くって言うのにこんなに顔が赤くては話にならないわ。
    ……一緒に見て回りましょうか?って言ってくれたけど……。一体どうやって回るつもりなんだろう。
    二匹の猫の真似をして毛布をかぶって丸まってみたが、その日はなかなか寝付けなかった。



    翌朝……ではないもう昼だ。
    あれ?二匹がいない……。
    逃亡したと思った二匹は侍女のレニーの足元でご飯を貰っていた。しかも態度は余所行きだ。解せぬ。お前たちの世話を一番にしてやっているのは私だろうに。

    「起こしたんですけど鼾かいて寝てらしたんで、余程お疲れなのかと思ってそのままにしておきました。」

    レニー曰く何度揺すっても起き上がらないので諦めたとの事。深夜まで起きていた上に転移魔法まで使ったのだ。疲れていたのだろう。

    「あ、そう言えば姫様が起きたら執務室へ来るようにと陛下が。」

    ゼノの事だろうか。まだ詳しく話していなかった事を思い出した。同じ人物にまつわる夢を見ていたなんて話を信じてくれるかしら……。そしてローゼンガルドの事についてはどこまで喋っていいのか……。

    わたしは悩みながらお父様の待つ執務室を目指した。





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