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第一章
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しおりを挟む「ぶにゃーぁぁ!!」
「ぶにゃにゃーぁぁ!!」
「ご、ごめん!!」
いつものごとく突然落ちてきた私に二匹は抗議の声を上げる。
ローブを脱ごうとして手を掛けると、それはローブではなくアンリ様の上掛けだった。
「アンリ様の…持って帰って来ちゃった…。」
優しい匂いのする上掛けをそっとベッドの上に置く。
「ぶにゃっ!」
「ぶにゃにゃっ!」
「あっ!こら!駄目よ毛が付いちゃう!!」
アンリ様の匂いが気になるのか二匹はクンクンと何度も匂いを嗅ぎ、最終的にその上に丸まった。
アンリ様…私の事“姫”って呼んでた……。
やっぱり調べたんだろうな。当たり前だ。逆の立場だったら私だってそうする。
でも…こんな怪しい人間にローゼンガルドの国家機密を教えてくれたんだよね…。チラッと見ただけだから国家機密とまではいかないのだろうけれど、彼は快く見せてくれた。そして私が知りたいのなら何でも答えると。困っているのなら力になりたいと。
どうしたらいいんだろう…。私はアンリ様に渡せなかったローブの中に入れていた飴を見ながらずっと考えていた。
************
あれから何度考えても答えは出ず、時間だけが過ぎて行った。しかし一日が過ぎ、二日過ぎる頃、今度はアンリ様の身体が心配になっていた。
「力になってくれるって言うならなってもらえば良いじゃないか。」
やっぱりこいつに相談したのは間違いだったのだろうか。ゼノは悩む私の気持ちが心底理解出来ないようだ。
「だって無闇矢鱈にアンリ様に協力を仰いで未来が変わっちゃったらどうするの!?ただでさえ今の時点で大分変わっちゃってるのよ?」
「でもさ、あんたのいた未来通りになったら困るんだろ?なら思いっきり変わった方が良いんじゃないの?」
…確かにゼノの言うことは一理ある。けれどそれはあくまでも未来がグレンドールにとって良いものであった場合だ。最悪な未来がこれ以上最悪な物に変わったらどうするつもりなのだ。
「…でも身元がバレてるんじゃ今更隠したってしょうがないだろ。それなら素直に全部話せばいい。信じてもらえなかったらそれまでだ。けどやらないで後悔するよりはマシ。」
「まぁ確かに……ねぇゼノ。あれから夢は見た?」
「いや全然だ。追い付いたらもう見ないのかもしれないな。何でかはわからないけど。」
夢でも教えて貰えないのならやはり頼みの綱はアンリ様のくれる情報だけか……。
「わかった…。アンリ様に話してみる。」
その日の夜、アンリ様の上掛けとたくさんの飴を持って私はアンリ様の所へ飛んだ。
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