鳥籠姫は夢を見る

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第一章

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    「…寒い……。」

    陽の射さない一面石の通路はとても肌寒い。

    「これを……。」

    アンリ様は私に自分が羽織っていた上掛けを着せてくれる。

    「ダメです!アンリ様が風邪を引いちゃうわ!」

    私の言葉にアンリ様はニコリと微笑む。

    「魔力を貰わなければ生きられない事以外は普通の成人男性と同じです。だからそれはあなたが着ていて下さい。」

    「でも……」

    「あなたになにかあれば私の命も無い。お互い様です。」

    「はい……。では遠慮無く。」

    上掛けはとても温かくてアンリ様の匂いがして…何だか胸が騒ぐ。

    「あの階段を登ればローゼンガルドが一望できる場所へ出ます。」

    アンリ様は手を繋いだまま上へと導いてくれた。

    「わぁ………」

    仕掛け扉を開けると塔の上だろうか空が近い。星がとても近くに見えて思わず見とれてしまう。

    「星がよく見えるでしょう?ローゼンガルドで唯一自慢出来る事かもしれない。」

    そしてアンリ様は下を指差す。

    「ほら、あれがローゼンガルドの軍事基地。」

    そこには訓練場らしき広い土地に兵舎や厩舎が建っていた。

    「…確かに……これじゃ一国を一夜のうちに滅ぼすなんて無理だわ………」

    「…一国を一夜のうちに滅ぼす……?」

    いけない!ついうっかり口が滑ってしまった。アンリ様は眉間に皺を寄せている。

    「エルフィリア…今の話しはあなたに…あなたの祖国に関係ある事なのですか?」

    「…あ…あの………」

    「今日私はあなたの知りたい事を一つ教えました。これからもあなたが知りたいのならどんな事でもいくらでも答えてあげる。だから教えて貰えませんか?」

    「何をですか……?」

    「昨日あなたが来てくれたのは、私を救うためではないのでしょう…?ならばあなたは何のためにここへ来たのです?そして何故私の部屋に?」

    「それは…昨日もお話しましたが言えません……。」

    「何故?誰かの命を受けているから?喋るなとでも言われているのですか?」

    どうしよう……やっぱりこの人と関わったのは間違いだったのかも……。

    「…ごめんなさい、アンリ様……!」

    私は後退り転移の呪文の詠唱を急いだ。

    「待って!!私はただ知りたいだけなんだ!そしてあなたが困っているのなら力になりたい!!」

    魔法が発動する瞬間、アンリ様は叫んだ。


    「待ってくれ!!!!」

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