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当然の反応だ。
親が子を差別して育てるなんて、あってはならないことだから。
エミリアは一瞬「しまった」というような顔をした。
この子も自分たちがしていることの罪深さを理解しているのだ。
だからその分余計にたちが悪い。
わたしはエミリアがどうするのか黙って見ていた。
最初こそ焦っていたエミリアだったが、目が不自由なロセリーニ公爵には、どうせ自分の表情など見えていないだろうと高を括ったようだ。
「実は、お姉さまはこの茶葉が好みに合わないと言ってお飲みにならないのです」
「そうなのか?では別の物に変えさせるが」
「い、いえそんな、わたしは──」
「お姉さま、無理せず変えてもらったらいいわ。ロセリーニ公爵がせっかくおっしゃってくださっているのよ?」
余計なことを言うな──エミリアの視線がそう物語っていた。
わたしは、せっかく口にすることの出来たお茶が、目の前から運ばれていくのを黙って見ているしかなかった。
そこから先はエミリアの独壇場だった。
王都で流行りの演劇や書籍、はてまたスイーツの話題まで、わたしの出る幕はどこにもない。
ロセリーニ公爵もエミリアを気に入ったのか、時折相槌を打ちながら話に聞き入っていた。
帰宅の途につく頃、日はすっかり傾いていた。
「今日は素敵なお時間をありがとうございました。ぜひまたお誘いくださいませ」
帰り際、庇護欲をそそる小動物のような愛らしい仕草でおねだりをするエミリアに、ロセリーニ公爵は「ああ」と短く返事をした。
帰り道、エミリアは非常にご機嫌だった。
「想像以上のお屋敷ね。それに公爵様も目はよく見えないみたいだけれど、すごくハンサムじゃない!」
そう語るエミリアの表情はまるで、おとぎ話を読み終えた子どものよう。
「決めたわ!わたし、絶対にロセリーニ公爵と結婚する!」
簡単に言っているが、目が不自由なあの方を支えるのは並大抵のことではないだろう。
ロセリーニ公爵家の権威や財産、そして公爵の見た目に目が眩んでいる今のエミリアに、果たしてそんな大役が務まるのだろうか。
──けれど、そんなことわたしには関係ないわ
わたしは、エミリアの結婚で両親の意識が自分からそれているうちに、なんとしてでもあの家から逃れる方法を探さなければ。
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