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しおりを挟む“欲しい”
その言葉の先に待っているのは、きっと溺れるほどの愛。
それを受け止めるのがほんの少しだけ怖い。
けれど、言わなければこの人は手に入らない。
「ユーイン様……ユーイン様の何もかも、ひとりじめしたい……ユーイン様が欲しいの……!」
「リーリア……」
思えばずっと、ユーインが欲しかったのだ。
あの十歳での出逢いからずっと。
「あっ!あぅ……ん!!」
張り詰めた雄茎が、指なんか比べ物にならない質量を持って、リーリアの中を押し広げる。
「やっ、痛……!!やっぱり、無理……んぅ!!」
「っリーリア、息をゆっくり吐いて……そして私を見て……」
シーツを握り締め、ギュッと固く目を瞑るリーリアの目蓋に、ユーインはそっと口づける。
目を開ければそこには自分と同じくらい……いや、もっと苦しそうな表情をするユーインが。
「ユーイン様、つらいの?ごめんなさい、私がこんなだから……!」
「……また人の心配を……あなたはあの頃と何も変わらない。私はあの日からずっとあなたの……あなただけのものだ」
「ひぅっ……痛っ……痛いの……ユーイン様待ってお願いだから……っ!!」
逃げようとするリーリアの手を絡め取り、ユーインはゆっくりと腰を押し進める。
経験したことのない痛みと、下腹部を埋め尽くす圧迫感に、リーリアはハクハクと息を継ぐのがやっとだ。
「愛してる、リーリア。忘れないで、あなたにこの痛みを刻みつけられるのは、あなたに選ばれた男だけ……私だけだ」
「────っ!!」
一際大きい痛みの後、ユーインは深く息を吐いた。
「……全部入りましたよ……頑張りましたね」
涙でぐちゃぐちゃな視界の先に、幸せそうに微笑むユーインの顔が見える。
ユーインは唇でリーリアの涙を拭い、しばらくの間動かずに抱き締めていてくれた。
痛みを散らすように何度も優しく口づけられ、緊張した身体が解れていく。
ジンジンとした痛みに少し慣れた頃を見計らったように、ユーインはゆるゆると腰を動かし始めた。
「ユーイン様……まだ……んっ……」
けれどユーインは止めない。
苦しそうなリーリアの顔を見つめながら抽挿を続けるその顔は、微笑んだまま。
リーリアはユーインの背に手を回し、鈍い痛みに必死で耐えた。
しかしそのうちに、ふたりの繋がる秘処がにちゃにちゃと婬靡な音を立て始めた。
「ぁう……ん……」
まだ痛みは感じたが、自分の口から出た声にリーリアは驚く。
休憩室で聞いたあの声と似ていたからだ。
「リーリア……私の形がわかる?」
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