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34話 その頃カオは②
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古池さんは目尻に皺を寄せて笑った後、健康管理センターの奥へと去っていった。
大きな災害の時、自分が助かった後に次に考えるのは家族の安否だ。
古池さんの自宅が何処なのか、家族と連絡を取れたのか、俺は怖くて聞けなかった。聞いた答えを受け止めてられる気がしない。
「大丈夫ですよ、きっと無事ですよ」と上っ滑りの慰めも言いたくない。だから、聞かなかった。
俺は非常階段を登っていった。階段には座り込んでいる人が結構いた。入れるフロアがある事を告げたが、「酷い状態で怖くて入れない」と小さな声で呟いていた。
酷い状態と言うのは、部屋が散らかっているという意味ではないだろう。亡くなった人や怪我の酷い人でフロアが悲惨な状態、という意味だろう。
38階へ漸く辿り着く。人目が無ければ飛び上がって進む事が出来たが、一応普通に掛け登る程度のスピードで階段を登った。
それでもやはり、ステータス(ゲームスキル)の補正が効いているのか、さほど息は切れなかった。
異世界へ行く前の自分だったら、2階ほど登った時点で既に息は切れていただろう。
非常階段は38階で行き止まりだ。38階の秘書室から中へ進むと39階へ行けると聞いた。38階の扉はアンロックだった。
中へ入ると女性がふたり、廊下の先にあるカウンターの内側に座っていた。古池さんが言ってた秘書の人だろうか?
ふたりは脱力したようにカウンターに伏せていた。
「すみません、警備の人に屋上に上がるように言われたんですが」
俺の声にビクっとしたようにふたり一緒に顔を上げた。
まだ20代の若い女性だった。
「あ、はい。聞いております。ご案内致しますね」
そう言って立ち上がりカウンターの後ろから出てきた。
それにしても38階は凄いな。廊下が絨毯なんだが、足が沈むようなふかふか度の高い絨毯だ。
まるで新雪を踏むように、転ばないよう気をつけながらふたりに近づいた。
秘書の人は、ひとりは俺の前を、もうひとりは俺の横に並んで歩く。
流石は秘書さんと言うべきが、姿勢からして一般人とは違うな。天井から糸で吊られたように背筋がピンとしている。
目の前の女性の歩き方に気を取られたせいか、絨毯のふかふかに足を取られて転びそうになった。
「すみません」
反射的に謝ると隣の女性にクスっと笑われた。
「歩きにくいですよね? 私も慣れるまでは何度か躓きました」
前の女性が振り返る。
「こちらです。この部屋から上へ行けます」
ふかふかの絨毯に似合う重厚そうな扉には、煌びやかなプレートがかかっていた。
『常務 加賀谷雄三郎』
「常務……、あの、常務さんは今はいらっしゃらないんですか?」
常務と呼び捨てにするのも憚られて思わず『さん付け』した。
何かちょっとお水系のお姉さんっぽい呼び方だったなと、急に恥ずかしくなった。
「はい。常務も、専務も、社長も。皆、数日前から欠勤しております」
「私達は秘書の中で、連絡役として出勤しておりました」
「他の秘書さんはお休みを?」
「はい。先輩達はもちろん、普段はどちらかは必ずいる室長もふたりともお休みされてます」
秘書室だから、室長なのか。課長みたいなものか?
それにしても部下に出勤させて上司が休むとは、秘書室も大概だな。
「わ、私もっ休めば、よかった」
ひとりが泣きだすともうひとりも目に涙を浮かべ出した。
「あわっ、あの、そのっ、大変でしたね。うん、現在も大変です、あ、何か飲みますか」
俺がワタワタとしてる姿を見て、逆に彼女らは落ち着いたようだ。
「すみません。大変なのは皆さん一緒ですよね」
目を擦りながら重たそうな扉を開けた。
これまた、中はどなた様のお住まいですか?と言いたくなるような立派な造りだった。俺とは無縁の世界。
「ここが常務の、お客様をお迎えするお部屋で、あの奥の扉が常務の執務室です。そちらにさらに扉があり、39階へ上がるエレベーターがあります」
エレベーター!だが、今は電気が止まっているのでは?
あれ?部屋の照明は付いているな。気がつかなかったが廊下も普通に明るかった。
俺がキョロキョロしている意味を察したのか、執務室の方へ案内しながら説明を続けてくれた。
「38、39、40階は、37階より下と電気の継統が違うそうです。37階以下は地下に電気室があるそうですが、38階より上は屋上にあるんです」
「もしかして水道も?」
「はい。タンクも屋上に。有事の際に困らないようになっているそうです」
「でも有事の前にサッサと逃げてるんだから必要ないじゃないの!」
「あっちゃん!」
「あっちゃん?」
異世界で一緒に暮らした仲間と同じ名前で、思わず口に出してしまった。異世界に残った仲間は、中松あつ子、俺たちはいつも『あっちゃん』と呼んでんいた。
こっちに戻ってまだたったの2日なのに、物凄く懐かしい気持ちになった。あっちゃん……、マルク、皆どうしてるかな。
「あ、彼女の名前が亜希なので、内輪ではあっちゃんって」
「すみません、つい……。合翔亜希(ごうしょう あき)です」
「私は高塚美苗(こうづか みな)です」
「自分は鹿野香(かの かおる)です。ごーしょーさんとこうづかさん、よろしくです」
ゴージャスな執務室の奥の扉を入るとエレベーターと扉の横には階段もあった。
「電気が来ている……のは解ってますが、やはり階段で上がりましょう」
そうして階段を上がり扉を入ると、タワマンのような世界が広がっていた。
そう、39階は常務が泊まる部屋になっているそうだ。
もう、目が点になるしかない。
「40階への階段はまた別な扉から入ります」
そう言ってごーしょーさんが俺を案内する。
38階がふかふか絨毯に豪華な執務室。39階はもっとゴージャスなタワマンの一室。40階は……、ボス部屋か?そう言えば死霊の森ダンジョンも40階はボス部屋だったな。
やまと商事は、現代日本でもダンジョンなのか?
「40階は常務らは滅多に……、と言うかほぼ?来られないんですよ?いつもは警備関係の方が常駐しているんですが、彼らもここ数日は留守ですね」
「40階は、テロ対策で隠れて篭れる部屋になっているんです」
ほらね、やっぱりダンジョンだ。ボス部屋とう言うより、セーフティフロアか?
「あれ? でもちょっと狭くないですか? 39階もそう思ったんですが、下のフロアより小さい気がする」
「ええ、そうなんです。狭いというか、会長、社長、副社長2、専務2、常務2の8部屋と予備の2部屋、38階は10部屋と秘書室があります。39階は、それぞれの部屋と繋がった造りなので、39階の社長室へは38階の社長室からしか行けません。40階もそれぞれ独立したテロ対策部屋になっています」
「役員ご本人は38、39へはよく行かれますが、40階は警備や私達秘書が普段訓練で行く程度でしょうか」
「ふむ、で、今は40階の警備も役員達同様、居ないと」
「はい。他の秘書は何か聞いていたのでしょうか。私達が付いていた常務は、他の役員とその、少し色々ありまして秘書室でも私達は…」
「上司が仲違いしていたから部下の貴方達も除け者にされたと。だが、お陰で我々は屋上へ行ける。あ、屋上って行けますよね?」
「はい、それぞれのパニックルームから屋上に上がる通路があります。少し迷路っぽいですが、私達はそれも訓練していますから」
パニックルームから屋上へ上がる迷路……、ますますダンジョンっぽいよな。誰だよ、このビル建てたやつ。
言うほど難しい通路ではなかった。良かった一本道(通路)だ。無事に屋上に出た。
ヘリは無かったが、ヘリポートはしっかりあった。それと巨大な水のタンク。
それから電気系の建物。俺、電気系はサッパリなんだ。水のタンクは水が無くなったら俺がこっそり入れておけばエンドレス仕様(使用出来る)だよな。
俺には生活魔法がある。ジョボ水とチョボ火とフワ風は得意だ。それに生活魔法はMP(魔力)の使用はないからMPも減らない。気兼ねなく使える。(MP使用量は極少量だ)
昨日外に出た時にジョボ水は使ってみた。ちゃんと使えた。
屋上に『SOS』の文字作れるような材料は無かった。
あっと、忘れずに屋上をブックマーク。水タンクの後ろ辺りで登録した。
屋上から下を覗く、全然見えないがごちゃごちゃと流れている何かは見える。あれを拾って来て『SOS』を書くか。
ごーしょーさん達と来た道を戻る。忘れずに40階、39階、38階もブックマークした。
やはり、トイレは使えるようだ。
このふかふかの絨毯は充分布団がわりになる。水道も電気もある。怪我人は上へ運んだ方が良くないか?ヘリで脱出する際もこの近辺に待機して貰った方が脱出しやすい。
そのあたりを古池さん達と相談しよう。
ごーしょーさんが名前の漢字を教えてくれた。合翔亜希さんと高塚美苗さんだそうだ。俺の発音が「GoーShowー(ゴーショー)」だったので気になっていたそうだ。いい歳したオッサンが漢字を知らなくてすまん。
ふたりに、材料を取り行く事を伝えて別れた。
34階あたりまで降りると人がいない階段があったので、そこから一気にテレポートした。
昨日、外に置いたボートだ。
良かった。沈んでいたら海中にテレポートをしてしまうところだったが、ボートは少し流されただけで、まだやまとビルに近い場所にあった。
そこで適当に流れて来る瓦礫、主に板っぽい物をどんどんとアイテムボックスに収納していった。
ある程度収納すると、やまとビルの13階にテレポートした。ブックマークをトイレの個室にして良かった。
人目に付かない場所を探したところ、見つけたのがそこだ。汚れて臭く誰も来ないだろうとトイレ個室だ。
しかし、臭い。そして本当に汚い。
清浄魔法とか無いからなぁ。派遣魔法の「清掃」なんて、名前が清掃のくせして、ゴミの除去はしてくれないのだ。
詳細は不明だが、今のところ「清掃」が効くのはウイルスとか呪い……、恐らくうにょうにょと意思(あるのか?)を持って動くやつに対しては効果があった。
ゴミや、そこにあるうん◯が自立して動いていたら倒せたと思う。
…………歩くうん◯なんて嫌だけどな。
16階で古池さんを捕まえた。38階から40階の話をした。
「確かにそれはいいな。けど……水が引いて救助が下から来た場合、40階から下ろすのは大変だぞ?」
「ううむ、それを言われるとそうなんだが。救助がどこから来るかか」
「だが水が引いて瓦礫だらけの場所を救急車が来れるとは思えんな。
うん、二手に分けよう。中層階以上の怪我人を38階から上に集める」
「中層って何階だ?」
「16階、23、24階は下へ、25、26、27階、29階、36階は上へ集めよう」
「そうだな。上はガラスも割れていなかった。結構な数が避難できる」
「おお、なら怪我人以外の避難者も上がれる者は上がってもらうか」
そんな感じで警備や医者関係の人らが分かれて動き出す。俺は屋上でせっせと『SOS』を作った。
大きな災害の時、自分が助かった後に次に考えるのは家族の安否だ。
古池さんの自宅が何処なのか、家族と連絡を取れたのか、俺は怖くて聞けなかった。聞いた答えを受け止めてられる気がしない。
「大丈夫ですよ、きっと無事ですよ」と上っ滑りの慰めも言いたくない。だから、聞かなかった。
俺は非常階段を登っていった。階段には座り込んでいる人が結構いた。入れるフロアがある事を告げたが、「酷い状態で怖くて入れない」と小さな声で呟いていた。
酷い状態と言うのは、部屋が散らかっているという意味ではないだろう。亡くなった人や怪我の酷い人でフロアが悲惨な状態、という意味だろう。
38階へ漸く辿り着く。人目が無ければ飛び上がって進む事が出来たが、一応普通に掛け登る程度のスピードで階段を登った。
それでもやはり、ステータス(ゲームスキル)の補正が効いているのか、さほど息は切れなかった。
異世界へ行く前の自分だったら、2階ほど登った時点で既に息は切れていただろう。
非常階段は38階で行き止まりだ。38階の秘書室から中へ進むと39階へ行けると聞いた。38階の扉はアンロックだった。
中へ入ると女性がふたり、廊下の先にあるカウンターの内側に座っていた。古池さんが言ってた秘書の人だろうか?
ふたりは脱力したようにカウンターに伏せていた。
「すみません、警備の人に屋上に上がるように言われたんですが」
俺の声にビクっとしたようにふたり一緒に顔を上げた。
まだ20代の若い女性だった。
「あ、はい。聞いております。ご案内致しますね」
そう言って立ち上がりカウンターの後ろから出てきた。
それにしても38階は凄いな。廊下が絨毯なんだが、足が沈むようなふかふか度の高い絨毯だ。
まるで新雪を踏むように、転ばないよう気をつけながらふたりに近づいた。
秘書の人は、ひとりは俺の前を、もうひとりは俺の横に並んで歩く。
流石は秘書さんと言うべきが、姿勢からして一般人とは違うな。天井から糸で吊られたように背筋がピンとしている。
目の前の女性の歩き方に気を取られたせいか、絨毯のふかふかに足を取られて転びそうになった。
「すみません」
反射的に謝ると隣の女性にクスっと笑われた。
「歩きにくいですよね? 私も慣れるまでは何度か躓きました」
前の女性が振り返る。
「こちらです。この部屋から上へ行けます」
ふかふかの絨毯に似合う重厚そうな扉には、煌びやかなプレートがかかっていた。
『常務 加賀谷雄三郎』
「常務……、あの、常務さんは今はいらっしゃらないんですか?」
常務と呼び捨てにするのも憚られて思わず『さん付け』した。
何かちょっとお水系のお姉さんっぽい呼び方だったなと、急に恥ずかしくなった。
「はい。常務も、専務も、社長も。皆、数日前から欠勤しております」
「私達は秘書の中で、連絡役として出勤しておりました」
「他の秘書さんはお休みを?」
「はい。先輩達はもちろん、普段はどちらかは必ずいる室長もふたりともお休みされてます」
秘書室だから、室長なのか。課長みたいなものか?
それにしても部下に出勤させて上司が休むとは、秘書室も大概だな。
「わ、私もっ休めば、よかった」
ひとりが泣きだすともうひとりも目に涙を浮かべ出した。
「あわっ、あの、そのっ、大変でしたね。うん、現在も大変です、あ、何か飲みますか」
俺がワタワタとしてる姿を見て、逆に彼女らは落ち着いたようだ。
「すみません。大変なのは皆さん一緒ですよね」
目を擦りながら重たそうな扉を開けた。
これまた、中はどなた様のお住まいですか?と言いたくなるような立派な造りだった。俺とは無縁の世界。
「ここが常務の、お客様をお迎えするお部屋で、あの奥の扉が常務の執務室です。そちらにさらに扉があり、39階へ上がるエレベーターがあります」
エレベーター!だが、今は電気が止まっているのでは?
あれ?部屋の照明は付いているな。気がつかなかったが廊下も普通に明るかった。
俺がキョロキョロしている意味を察したのか、執務室の方へ案内しながら説明を続けてくれた。
「38、39、40階は、37階より下と電気の継統が違うそうです。37階以下は地下に電気室があるそうですが、38階より上は屋上にあるんです」
「もしかして水道も?」
「はい。タンクも屋上に。有事の際に困らないようになっているそうです」
「でも有事の前にサッサと逃げてるんだから必要ないじゃないの!」
「あっちゃん!」
「あっちゃん?」
異世界で一緒に暮らした仲間と同じ名前で、思わず口に出してしまった。異世界に残った仲間は、中松あつ子、俺たちはいつも『あっちゃん』と呼んでんいた。
こっちに戻ってまだたったの2日なのに、物凄く懐かしい気持ちになった。あっちゃん……、マルク、皆どうしてるかな。
「あ、彼女の名前が亜希なので、内輪ではあっちゃんって」
「すみません、つい……。合翔亜希(ごうしょう あき)です」
「私は高塚美苗(こうづか みな)です」
「自分は鹿野香(かの かおる)です。ごーしょーさんとこうづかさん、よろしくです」
ゴージャスな執務室の奥の扉を入るとエレベーターと扉の横には階段もあった。
「電気が来ている……のは解ってますが、やはり階段で上がりましょう」
そうして階段を上がり扉を入ると、タワマンのような世界が広がっていた。
そう、39階は常務が泊まる部屋になっているそうだ。
もう、目が点になるしかない。
「40階への階段はまた別な扉から入ります」
そう言ってごーしょーさんが俺を案内する。
38階がふかふか絨毯に豪華な執務室。39階はもっとゴージャスなタワマンの一室。40階は……、ボス部屋か?そう言えば死霊の森ダンジョンも40階はボス部屋だったな。
やまと商事は、現代日本でもダンジョンなのか?
「40階は常務らは滅多に……、と言うかほぼ?来られないんですよ?いつもは警備関係の方が常駐しているんですが、彼らもここ数日は留守ですね」
「40階は、テロ対策で隠れて篭れる部屋になっているんです」
ほらね、やっぱりダンジョンだ。ボス部屋とう言うより、セーフティフロアか?
「あれ? でもちょっと狭くないですか? 39階もそう思ったんですが、下のフロアより小さい気がする」
「ええ、そうなんです。狭いというか、会長、社長、副社長2、専務2、常務2の8部屋と予備の2部屋、38階は10部屋と秘書室があります。39階は、それぞれの部屋と繋がった造りなので、39階の社長室へは38階の社長室からしか行けません。40階もそれぞれ独立したテロ対策部屋になっています」
「役員ご本人は38、39へはよく行かれますが、40階は警備や私達秘書が普段訓練で行く程度でしょうか」
「ふむ、で、今は40階の警備も役員達同様、居ないと」
「はい。他の秘書は何か聞いていたのでしょうか。私達が付いていた常務は、他の役員とその、少し色々ありまして秘書室でも私達は…」
「上司が仲違いしていたから部下の貴方達も除け者にされたと。だが、お陰で我々は屋上へ行ける。あ、屋上って行けますよね?」
「はい、それぞれのパニックルームから屋上に上がる通路があります。少し迷路っぽいですが、私達はそれも訓練していますから」
パニックルームから屋上へ上がる迷路……、ますますダンジョンっぽいよな。誰だよ、このビル建てたやつ。
言うほど難しい通路ではなかった。良かった一本道(通路)だ。無事に屋上に出た。
ヘリは無かったが、ヘリポートはしっかりあった。それと巨大な水のタンク。
それから電気系の建物。俺、電気系はサッパリなんだ。水のタンクは水が無くなったら俺がこっそり入れておけばエンドレス仕様(使用出来る)だよな。
俺には生活魔法がある。ジョボ水とチョボ火とフワ風は得意だ。それに生活魔法はMP(魔力)の使用はないからMPも減らない。気兼ねなく使える。(MP使用量は極少量だ)
昨日外に出た時にジョボ水は使ってみた。ちゃんと使えた。
屋上に『SOS』の文字作れるような材料は無かった。
あっと、忘れずに屋上をブックマーク。水タンクの後ろ辺りで登録した。
屋上から下を覗く、全然見えないがごちゃごちゃと流れている何かは見える。あれを拾って来て『SOS』を書くか。
ごーしょーさん達と来た道を戻る。忘れずに40階、39階、38階もブックマークした。
やはり、トイレは使えるようだ。
このふかふかの絨毯は充分布団がわりになる。水道も電気もある。怪我人は上へ運んだ方が良くないか?ヘリで脱出する際もこの近辺に待機して貰った方が脱出しやすい。
そのあたりを古池さん達と相談しよう。
ごーしょーさんが名前の漢字を教えてくれた。合翔亜希さんと高塚美苗さんだそうだ。俺の発音が「GoーShowー(ゴーショー)」だったので気になっていたそうだ。いい歳したオッサンが漢字を知らなくてすまん。
ふたりに、材料を取り行く事を伝えて別れた。
34階あたりまで降りると人がいない階段があったので、そこから一気にテレポートした。
昨日、外に置いたボートだ。
良かった。沈んでいたら海中にテレポートをしてしまうところだったが、ボートは少し流されただけで、まだやまとビルに近い場所にあった。
そこで適当に流れて来る瓦礫、主に板っぽい物をどんどんとアイテムボックスに収納していった。
ある程度収納すると、やまとビルの13階にテレポートした。ブックマークをトイレの個室にして良かった。
人目に付かない場所を探したところ、見つけたのがそこだ。汚れて臭く誰も来ないだろうとトイレ個室だ。
しかし、臭い。そして本当に汚い。
清浄魔法とか無いからなぁ。派遣魔法の「清掃」なんて、名前が清掃のくせして、ゴミの除去はしてくれないのだ。
詳細は不明だが、今のところ「清掃」が効くのはウイルスとか呪い……、恐らくうにょうにょと意思(あるのか?)を持って動くやつに対しては効果があった。
ゴミや、そこにあるうん◯が自立して動いていたら倒せたと思う。
…………歩くうん◯なんて嫌だけどな。
16階で古池さんを捕まえた。38階から40階の話をした。
「確かにそれはいいな。けど……水が引いて救助が下から来た場合、40階から下ろすのは大変だぞ?」
「ううむ、それを言われるとそうなんだが。救助がどこから来るかか」
「だが水が引いて瓦礫だらけの場所を救急車が来れるとは思えんな。
うん、二手に分けよう。中層階以上の怪我人を38階から上に集める」
「中層って何階だ?」
「16階、23、24階は下へ、25、26、27階、29階、36階は上へ集めよう」
「そうだな。上はガラスも割れていなかった。結構な数が避難できる」
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