俺得リターン!異世界から地球に戻っても魔法使えるし?アイテムボックスあるし?地球が大変な事になっても俺得なんですが!

くまの香

文字の大きさ
94 / 299

94話 さすが自衛隊だ?①

しおりを挟む
 -------------(自衛隊・濱家視点)-------------


 自分達だけでなく、血盟に加入する事でステータスが表示されるというのなら血盟員を増やすべきだ。マップやアイテムボックスなど自衛隊にとって今後の活動に必要な機能が大きい。

 やはりに話を上に持っていくのは必須だ。
 実は少し前にステータスの話を上官にした事があった。しかし「何を巫山戯た事を行っているのだ」と却下、3日間の謹慎処分になった。災害時と言う事もあり、謹慎は24時間でとかれたが。


 血盟員はMAX50名まで増やせる。ステータス表示される者は多いほどよい。一度表示されれば脱退しても大丈夫だった。これは今後の活動に絶対に必要になる。ステータス表示された者を脱退させて次の者を加入させる、そうしてひとりでも多くのステータス持ちの隊員を作る。

 とは言え、すぐにステータスが表示がされるわけではない。どのくらい待てば良いのか?
 それとどうやってゲームログインに導くか。

 証拠を見せられないと説得は難しい。ゲーム好き、ラノベ好きの上官がいれば話は通りやすいかもしれない。その辺りをまず探ってみるか。

 それと『陸自の砂漠』に入っているフジとサンバを脱退させて血盟を立ち上げさせる。3血盟あった方がいい。そうすればMAX150人のステータス持ちを作れる。
 さっそくフジ達に話をした。



「3人がそれぞれ血盟を立ち上げれば150名のステータス保持者が出来る」

「そうですね、わかりました! 陸自の砂漠があるから自分は空自の砂漠にいたします!」

「では自分は海自の砂漠にします! 陸自ですけど……」

「それを言ったら自分も陸自だぞ」

「…………怒られますかね、海自の人に……」

「うわぁ、空自は絶対怒る、気がする……。奴らプライド高いからなぁ」

「まぁそのうち海空にも広げていくのだから大丈夫だ。…………多分、大丈夫だ」


 タウロさんからの情報で、ステータス表示が無い血盟員にもゲームをさせるだけでなく、装備やアイテムに触れさせた方が良いと言われた。

 しかし、俺らはそれほどアイテムを持っていない。
 彼方の世界でもギリギリで生きてきたからだ。

 異世界での女神像倉庫の話を聞いた時は心の底から知らなかった事を後悔した。

 彼方で倉庫の物のアイテムが使えたらどんなに便利だった事か。
 あのゲームはキャラが持てる容量に制限があった。そのせいで異世界に転移した時にアイテムボックスには最低限の物しかは入っていなかったのだ

 ゲームキャラが着ていた装備とアクセサリー、持っていた武器、それと最低限のポーションやスクロール。

 最初の1年でポーションやスクロールは使い切った。

 現地での入手は皆無だった。それどころか街に近づくのも命懸けだ。タウロさんの話を聞けば聞くほど、何故俺達はエルアルシアに落ちなかったのだと怒りを覚えたくらいだ。

 守ってくれる国、栄えた街、転移者に優しい女神像やクエスト、そしてダンジョン。本当に羨ましい限りだ。
 知っていたら何としても海を渡って彼方の大陸へと渡っていたのに。

 俺達は落ちた大陸の森で木の根を齧って飢えを凌いだ事もあった。あまりにハードな異世界転移だった。
 俺たち自衛官でもそう思ったのだ、他の転移者は悲惨の一途を辿った事だろう。

 生き延びる中、入ってくる転移者の話。捕まり飼われている者はまだマシな方で、魔物の餌にされたり転移者同士で闘わされたりもしていた。『チキュウジン狩り』は地球人によって行われていたのだ。いや、やらされて、いたのだ。

 最初の頃は他の転移者を助けようとした。
 しかし続け様に裏切りにあい、いつからか俺たちは自分達以外を信じないようになっていた。生きるのをやめようかと思った事も何度もあった。
だがその度に、お互いが止めあった。

 帰るのが無理なのは最初からわかっていた。片道切符の異世界転移であろうと。転移前の地球は、上層部が激しく動いていて隕石落下の情報も隠しきれなくなっていたからだ。

 異世界で5年くらい経った頃だろうか、俺たちは偶然にも沿岸部に近い辺りの森へと辿り着いていた。
 森で助けた現地人の情報で、海を渡った先にある『他国』の話を聞いた。

 まるで嘘のような、それこそ小説のような話だった。それが嘘であっても、これ以上酷い状態にはならないだろうと『そこ』へ渡る決意をした。
 しかし船に乗るには沿岸の国に入るしかない。沿岸部は入国が厳しく、入り込めそうな場所を探して森を彷徨う日々が何年も続いた。

 海を渡る夢を見て過ごす毎日、そんな時にあの夢を見たのだ。

 目覚めて3人で抱き合って号泣した。諦めずに生きてきて良かったと。
 例え大災害が待っていようとも、3人とも『帰る』事に依存は無かった。


 あの日、あの時間に戻った瞬間、俺達はまた訓練場で抱き合って涙を流した。


 そして、今に至る。

 戻って暫くは眠れなかった。寝ている時に殺される、魔物に襲われるかもしれないと、物音ひとつにびくついていた。

 誰も彼もが自分達を騙しているように見えてしまう、違うとわかっていても10年間に身についてしまった習性は中々戻す事は出来なかった。

 そうだ、10年も経っていたのだ。最初の数年は数えていたが途中からもう数えなくなっていた。

 ランニング中だったのでスマホや手帳なども持っていない、軽装のまま転移したからな。
 アイテムボックスに武器装備が無ければとっくに死んでいた。

 こちらに戻って直ぐに隕石落下が始まった。大混乱だった。
 倒壊した瓦礫を片手でヒョイっと退かす事ができたのには驚いた。

 それでステータスの存在に気がついた。



 今回は、とりあえず上官に話を持っていく前に仲間を増やす事にした。タウロさんの考察どおり、時間が経てば俺らの血盟でもステータス表示が起こるのかどうか、それとどのくらいの時間で表示されるのかをまず検証する事にした。

 ゲームやラノベに興味がある者を数名誘い、LAFへ連れて行きゲームIDを取得させる。そう考えていた。


 それと、タウロさんとは今後も定期的に連絡を取っていきたい。
 これは3人で話したのだが、もしもこの先『国』や『隊』と対立する事になったら、俺は迷わず除隊してタウロさんの元へ行くつもりだ。
 それはフジもサンバも同じ気持ちだった。

 『信じるモノは自分の勘で選べ』と、彼方での10年が俺たちにそう学ばせた。
 短い時間であったが、国よりも彼らの方が『選ぶ』に値すると俺の勘がそう訴えていた。生き抜くのにそれが最善だと。

 勿論、今はまだ自衛官なので国に尽くすが…………、国とは何なのだろうとよく考えるようになった。





-------------(カオ視点)-------------


 戻ってきたタウさんからシェルターとLAFサーバーの話を聞いた。概ねミレさんが念話で教えてくれてた通りだ。
 しかし、こんな近場にLAFジャパンがあったとは!何というラッキー。


 タウさんに言われて、まず以前シェルター探しに行った時にブックマークしたうちのひとつに飛んだ。タウさん、ミレさんの3人でだ。
 そこから歩いて5分ほどのどっかの企業の通用門を入る。
 この前、閉まっていた門だ。


「どうする?タウさん、地上じゃなくて直接LAFジャパンの廊下辺りをカオるんにブックマークしてもらうか? そんでそこに皆を運ぶか?」

「そうですね、あそこで全員にブックマークしてもらい、今後通ってもらうようにしましょうか」


 タウさんとミレさんの話が決まるのを待ち、怪しい倉庫に連れて行かれた。そして怪しい階段を降りて、怪しい通路に出て、怪しいカート……いや、普通のカートに乗り込みミレさんの運転で暫く走る。

 到着した扉を、タウさんが社員証のようなカードでピッと開けた。


「あ、このマーク…」

「おう、カオるんも気がついたか。LAFジャパンのマークだよ」

「そう、そうだ、ソレだ」


 廊下を少し行った先にある扉を入り、さらにその先の扉へ。そこは会議室のような大きなテーブルがいくつか並び、机の上にはパソコンがズラリと並んでいた。

 パソコンは全て立ち上がっていて、画面にはLAFのゲームも開いている。ログインすれば直ぐに使えるっぽい。

 するとそこに若い男性が入ってきた。


「桂木さん、お邪魔します。今から仲間を連れてきますがよろしいでしょうか?」


 タウさんが挨拶を交わした。


「勿論っす。あ、この部屋はタウロさんの所で使ってください。入館証いくつ用意すればいいですか?」

「ここを私ども専用で使ってもよろしいのですか? でしたらここをブックマークさせて頂きますので、入館証は結構ですよ」

「あ、なるほど。テレポートですね。テレポートリングをお持ちなのですね。羨ましいなぁ。僕らはステータスが表示されてもアイテムボックスはカラでしたから」


 桂木と呼ばれた青年がもの凄く羨ましそうな顔をしていた。そうか、異世界転移をしていない者はアイテムを持っていないんだよな。


「もしかするとテレポートとかもまだ未経験か?」
しおりを挟む
感想 212

あなたにおすすめの小説

【完結】妖精を十年間放置していた為SSSランクになっていて、何でもあり状態で助かります

すみ 小桜(sumitan)
ファンタジー
 《ファンタジー小説大賞エントリー作品》五歳の時に両親を失い施設に預けられたスラゼは、十五歳の時に王国騎士団の魔導士によって、見えていた妖精の声が聞こえる様になった。  なんと十年間放置していたせいでSSSランクになった名をラスと言う妖精だった!  冒険者になったスラゼは、施設で一緒だった仲間レンカとサツナと共に冒険者協会で借りたミニリアカーを引いて旅立つ。  ラスは、リアカーやスラゼのナイフにも加護を与え、軽くしたりのこぎりとして使えるようにしてくれた。そこでスラゼは、得意なDIYでリアカーの改造、テーブルやイス、入れ物などを作って冒険を快適に変えていく。  そして何故か三人は、可愛いモモンガ風モンスターの加護まで貰うのだった。

おっさん料理人と押しかけ弟子達のまったり田舎ライフ

双葉 鳴
ファンタジー
真面目だけが取り柄の料理人、本宝治洋一。 彼は能力の低さから不当な労働を強いられていた。 そんな彼を救い出してくれたのが友人の藤本要。 洋一は要と一緒に現代ダンジョンで気ままなセカンドライフを始めたのだが……気がつけば森の中。 さっきまで一緒に居た要の行方も知れず、洋一は途方に暮れた……のも束の間。腹が減っては戦はできぬ。 持ち前のサバイバル能力で見敵必殺! 赤い毛皮の大きなクマを非常食に、洋一はいつもの要領で食事の準備を始めたのだった。 そこで見慣れぬ騎士姿の少女を助けたことから洋一は面倒ごとに巻き込まれていく事になる。 人々との出会い。 そして貴族や平民との格差社会。 ファンタジーな世界観に飛び交う魔法。 牙を剥く魔獣を美味しく料理して食べる男とその弟子達の田舎での生活。 うるさい権力者達とは争わず、田舎でのんびりとした時間を過ごしたい! そんな人のための物語。 5/6_18:00完結!

凡人がおまけ召喚されてしまった件

根鳥 泰造
ファンタジー
 勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。  仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。  それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。  異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。  最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。  だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。  祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。

病弱少年が怪我した小鳥を偶然テイムして、冒険者ギルドの採取系クエストをやらせていたら、知らないうちにLV99になってました。

もう書かないって言ったよね?
ファンタジー
 ベッドで寝たきりだった少年が、ある日、家の外で怪我している青い小鳥『ピーちゃん』を助けたことから二人の大冒険の日々が始まった。

ダンジョン発生から20年。いきなり玄関の前でゴブリンに遭遇してフリーズ中←今ココ

高遠まもる
ファンタジー
カクヨム、なろうにも掲載中。 タイトルまんまの状況から始まる現代ファンタジーです。 ダンジョンが有る状況に慣れてしまった現代社会にある日、異変が……。 本編完結済み。 外伝、後日譚はカクヨムに載せていく予定です。

おばちゃんダイバーは浅い層で頑張ります

きむらきむこ
ファンタジー
ダンジョンができて十年。年金の足しにダンジョンに通ってます。田中優子61歳

鑑定持ちの荷物番。英雄たちの「弱点」をこっそり塞いでいたら、彼女たちが俺から離れなくなった

仙道
ファンタジー
異世界の冒険者パーティで荷物番を務める俺は、名前もないようなMOBとして生きている。だが、俺には他者には扱えない「鑑定」スキルがあった。俺は自分の平穏な雇用を守るため、雇い主である女性冒険者たちの装備の致命的な欠陥や、本人すら気づかない体調の異変を「鑑定」で見抜き、誰にもバレずに密かに対処し続けていた。英雄になるつもりも、感謝されるつもりもない。あくまで業務の一環だ。しかし、致命的な危機を未然に回避され続けた彼女たちは、俺の完璧な管理なしでは生きていけないほどに依存し始めていた。剣聖、魔術師、聖女、ギルド職員。気付けば俺は、最強の美女たちに囲まれて逃げ場を失っていた。

最遅で最強のレベルアップ~経験値1000分の1の大器晩成型探索者は勤続10年目10度目のレベルアップで覚醒しました!~

ある中管理職
ファンタジー
 勤続10年目10度目のレベルアップ。  人よりも貰える経験値が極端に少なく、年に1回程度しかレベルアップしない32歳の主人公宮下要は10年掛かりようやくレベル10に到達した。  すると、ハズレスキル【大器晩成】が覚醒。  なんと1回のレベルアップのステータス上昇が通常の1000倍に。  チートスキル【ステータス上昇1000】を得た宮下はこれをきっかけに、今まで出会う事すら想像してこなかったモンスターを討伐。  探索者としての知名度や地位を一気に上げ、勤めていた店は討伐したレアモンスターの肉と素材の販売で大繁盛。  万年Fランクの【永遠の新米おじさん】と言われた宮下の成り上がり劇が今幕を開ける。

処理中です...