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怒られる

『怒られる』


 ある日の午後、俺が休憩ルームの床に座りタブレットで写真の整理をしていた時。

 突然、急足で部屋へ飛び込んで来たマルクが、床に座っていた俺の右隣へピッタリくっついて座った。

 続くように入ってきた翔太が俺の左隣へと座る。
 真琴がマルクの隣に。
 そして憲鷹が翔太の隣に座った。

 何事だ?

 しかも4人は正座?俺の左右にふたりずつ、ピタリとくっついて正座状態だ。

 そこにタウさんが入ってきた。
 思わず俺も正座をしてしまった。

 あれ、これ5人で怒られてるポジションじゃないか?
 しかも中央が俺?
 俺が怒られる側のリーダー?

 いやいやいや、俺、何もやってないし。

 ちょっ、君ら、ぎゅうぎゅうと両側から俺を挟まないで。


 俺の真ん前にやってきたタウさんがため息を吐きながら俺たちを上から見下ろした。


「何を怒られているのかわかってますか?」


 あ、やっぱり怒られているんだ?
 いや、俺はわからんよ?

 ふと見るとタウさんの右後ろにカンさんが、左後ろにミレさんと芽依さんがいる。

 あのぉ、俺のポジションってそっち側ではないでしょうか?
 そっちって中央が先生(タウさん)、そして後ろに父兄ですよね?
 俺、父兄ポジションですよね?


「ごめんなさぁい」
「すみませんでした」


 マルクと翔太が落ちた(謝った)。


「むぅ、…めんなさい」
「申し訳ありませんでした!」


 真琴と憲鷹も自分の非を認めたか。

 えっ、俺?
 ………………はい。

「大変申し訳ございませんでした」


 わからんけど深く頭を下げた。
 ピッタリくっついた両脇4人も一緒に頭下げる。


「わかればよろしい。動物の世話は大事ですが、キチンと宿題をやってから世話をするようにお願いします」

「はい」
「はぁい」
「はーい」
「はい!」
「はい?」

 宿題?動物の世話?

 子供らが元気に部屋から飛び出して行ったのを、俺はポカンとしながら見送った。


「いやぁ、子供らってさ、怒られそうな時必ずカオるんの後ろに避難するよなw」

「ええ、それで何故かいつもカオるんも一緒に謝るんですよね。だから子供らに好かれているのかな」

「いや、あれは悪ガキの親分的な立ち位置だろw」


 あのぉ、俺まだここに居るんですが。


「あ、カオるん、まだ居たんかwww」


 居ましたとも!……まぁ、いっか。



完
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