加藤くんと佐藤くん

春史

文字の大きさ
27 / 28

おまけ※性描写あり

しおりを挟む



 加藤の部署に新卒で女の子が入った。どこか元彼女のみちるに似ている可愛らしいその子と加藤は同行する内、なんとなく慕ってくれていた。
 数日後、新入社員の女の子の歓迎会があった帰り道、珍しく佐藤は黙々と歩いていた。隣の席になりお酒が苦手だというその子と橘先輩と話していたのが気になったのか、こちらを見ながらいつもよりハイペースで飲んでいたようだ。こちらから謝った方がいいのか、でも後輩と先輩と話していただけだしそんな謝るようなことがあるのか、と考える内に加藤のアパートへ着いた。
「上がっていってもいい?」
 にこりと佐藤が尋ねたので、怒っているように感じたのは気のせいかと了承した。


「加藤くんひどいよ」
 玄関に上がったところで佐藤が言った。
「え?」
「加藤くんあの子と話すときデレデレしてる」
「し、してないよ! なに、酔ってる──?」
 振り向き様、佐藤の見たことがない表情に困惑した。
「佐藤くん…?」
 ぎらついた瞳で迫る佐藤に加藤は後退った。背中が壁に当たり、佐藤の腕が加藤を捕らえた。
 右手が頬に触れ、下を向く加藤の顔を上向かせた。いつの間にか脚の間に佐藤の左脚が挟まれ身動きが取れなくなっている。僅かな抵抗しかできず、こんなに力の差があるのかと怯んだ。
「逃げないで」
「なっ…」
 とうとう加藤の唇が触れ合う。
「ちょ、さと…」
 何度も繰り返す内ににゅるりと舌が侵入してきた。びくりと体が反応する。空いている右手で佐藤を押し返そうとするが力が入らない。
「っ…ん、や、」
 貪るような口付けに息が続かない。佐藤が離れる頃にはすっかり力が抜けていた。涙を滲ませ真っ赤な顔で荒い呼吸を必死に整える加藤を見て、佐藤はぞくりと唇を舐めた。
「な、に…急に…」
「好きだからだよ」
 佐藤が両手で加藤の頬を包み込む。
「加藤くんは俺だけのものでしょ?」
「なに言って──」
 再び唇を塞ぐ。唇が離れたと思うと首筋に移動してきた。ちゅ、と触れる度にびくっと体が跳ねる。かっと頬が更に熱くなる。
「可愛い…」
 シャツのボタンを一つずつ外され、加藤はやばいと抵抗した。
「ちょ、待ってってば…」
「今までは嫌われないようにしてたけど、いい子でいるのはもうやめる。ね、俺だけを見てて」
「ちょ、佐藤くん…っ」
 強引に唇を塞ぐ。舌を絡めればびくりと揺れた。やめてと言う割には誘ってるのかと思うような些細な抵抗で、佐藤は心の中で笑った。
「本気で嫌ならそう言って?」
 糸を引きながら離れると、は、と息を吐き出し加藤は目を伏せた。
「ねぇ加藤くん、いい?」
 彼の顔を覗き込むと頬を紅潮させ涙で潤む瞳が微かに頷き、佐藤は彼を抱き上げベッドに運んだ。
「加藤くん、好きだよ」
 シャツを捲り上げ脇腹を舐める。小さな声で拒絶の声を出すが聞こえないふりをした。薄ピンクの乳輪をくるくると舐めていると、主張するように乳首が立った。
「舐めて欲しいんだ? 可愛いね」
「違っ…んんっ…!」
 べろりと舐めるとびくりと体が跳ねる。加藤は初めての感触に戸惑った。乳首を舐められる度にぞわぞわと背中を快感が走る。
「敏感なんだね。ほら、もうこっちもぐしょぐしょ」
 いつの間にか下げられたズボンからペニスを取り出し濡れた先端を指で撫でる。
「や、見ないでっ」
 恥ずかしさに片手で顔を覆い、もう片方の手で佐藤の腕を掴む。
「恥ずかしがらなくていいよ。俺で感じてくれてるんだね、嬉しいよ」
 加藤の抵抗を物ともせず、握った手を上下し、もう片方の乳首を舐める。同時に責められ加藤は経験したことのない快感に頭がチカチカした。
「あっ、あ、ん、ふっ…や、っ」
「ね、気持ちいいでしょ? 遠慮しないでイッていいからね?」
 耳元で囁かれ、加藤は我慢できずに射精した。荒い息を吐きながら胸元まで飛んできた精液に加藤はあまりの羞恥に涙が出た。
「泣かないで加藤くん。気持ちよかったでしょ? ね、もっと気持ちよくしてあげるね」
 ぞっとするほどの笑みを浮かべる佐藤に加藤は力の入らない体を動かし逃げようとした。簡単に拘束され、背中を舐められ力が抜ける。
「まって、今っびんか──ひぃっ」
 やわやわと後ろからペニスを触りながら、佐藤は加藤の腰を持ち上げた。そのままアナルを舐められ加藤は感じたことのない感触に悲鳴のような声を上げた。
「さとっく、きたなっ…やだぁ!」
「汚くないよ、大丈夫。力抜いて?」
 濡れた指をつぷりと挿入され、ぞわりと全身が粟立つ。
「や、やだっ抜いてっ佐藤くん抜いてよっ…」
「大丈夫、優しくするからね。怖いのは最初だけだよ。──と、ここかな?」
 佐藤が指をぐい、と曲げた途端加藤の頭に電気が走ったような衝撃を受けた。ペニスが立ち上がりだらだらと先走りが溢れる。
「ここ気持ちいいでしょ?」
「んああぁ──っ!」
 あまりの快感に自然と涙が出る。シーツをぎゅっと握り締めて快感に耐えようとするが我慢できそうにもなかった。
「加藤くんは敏感だねぇ。このまま後ろだけでいけちゃうんじゃない?」
 指を増やしごりごりと加藤の弱いところを刺激すると、面白いくらいに体が跳ねる。
「あァー! や、さと、…やらぁ、やめてぇっ…」
「ははっ呂律回ってないよ。さて、そろそろいいよね」
 指が引き抜かれ、加藤はその場に崩れ落ちた。余韻でびくびくと体が震える。
「俺も気持ちよくしてね」
 反り返ったペニスを見て加藤は首を振った。
「そ、そんなの入んないっ…」
「大丈夫。いっぱい解してあげたから。ほら力抜いて」
 いつの間にか用意していたコンドームを装着すると、加藤をひっくり返し向かい合う。抵抗する手をひとまとめに拘束すると、ゆっくりとペニスを挿入する。
「さ、とうく、んーーーいっ…た、い…!」
「加藤くん、深呼吸して、すーはーって。ゆっくりするからね」
 佐藤の呼吸に合わせて必死で息をすると、少しずつお腹の中に入ってくるのがわかった。圧迫感で苦しい。
「ふっ、うぅ…」
「やっと一つになれたね。苦しいよね、ちょっと待ってね」
 先程と打って変わって優しいキスをした。手を放し繋がったまま乳首とペニスを刺激する。
「んあっ…」
「加藤くんてほんと乳首弱いねぇ」
「うるさ、い…あ、んっ」
 少し力が抜けたタイミングを見計らってそっと腰を動かす。
「ま、ゆっくりぃ…」
「わかってる。この辺、でしょ?」
 佐藤がそっと腰を引き、再度打ち付けた瞬間先程の気持ち良い箇所を思い切り擦った。
「あああああっ」
 背中を退け反らせ佐藤の肩を掴んでいた手にぐっと力が入る。加藤の腰を掴み同じところを何度も擦り上げらる。あまりの快感に頭がおかしくなりそうだ。
「加藤くん気持ちいい?」
「やぁぁっ、むり、むりぃ──!」
 首を振り快感を逃そうとするが全く上手くいかない。それどころかどんどん下腹部に溜まってきて爆発しそうだ。
「さと、おれ、おかしくなっちゃう…」
「なればいいよ。俺なしでいられないくらいにっ…」
「や、でる、でちゃうっ…」
「ほら、イッて、」
 佐藤の言葉に触れていないはずのペニスがびくびくと震える。
「あ、なんで…? イッたのにっ…とまらなっ…なんっで、ずっとイッてる…!」
 とまって、と佐藤に訴えるが佐藤は止まらない。耐えきれなくてシーツを噛んで悲鳴を必死で抑えた。
「可愛い、加藤くん、好きだよ」
 大好きだよと言いながら思いっきり腰を打ち付け、佐藤も加藤の中で果てた。
 だらだらと加藤のペニスからも精液が溢れ、加藤は意識を手放した。

 
 翌朝、加藤が目を覚ますと佐藤がベッドの下で土下座していた。
「ご、ごめんなさい! 昨日はちょっと抑えきれなくて…!!」
 半泣きで謝る佐藤に加藤は昨夜の痴態を思い出し、綺麗に拭かれた体を見て更に恥ずかしくなり顔が燃えるように熱くなった。
「本当にごめん!!」
「終わったことだしもういいよ…」
 加藤の言葉にぱっと佐藤の顔が明るくなる。
「寒いし、隣来て」
 ベッドに飛び込んで加藤に抱き着く。
「心配しなくても、彼女のことは何とも思ってないから」
 佐藤に体を預けて加藤が言うと、彼はもう一度ごめんと呟く。
「それより佐藤くんなんか慣れてない? 男とも経験あるの?」
「ないよ! いつかこういう日がきたときのためにネットで勉強してたの」
「…そ、そうなんだ…」
 腰が痛い。手を当てると佐藤の手もそっと上から重なった。
「痛い? ごめんね」
 首筋に彼の吐息がかかり、加藤はびくりとした。顔は見えないがにやりと笑う気配がして、まさぐろうとした手をぱっと掴んだ。
「ちょ、ちょっと待って! 今日はもう無理!」
「そ、そうだよね。ごめん」
 しょんぼりした彼の頭を撫で、そのまま手を繋ぐとまた今度ねとその手にキスをした。



しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

月曜9時の恋人 ――上司と部下のリモート勤務録

斎宮たまき/斎宮環
BL
「おはようございます」から始まる恋がある。 在宅勤務の上司と部下、画面越しに重なっていく生活音と沈黙。 誰もいない夜、切り忘れたマイクから漏れた吐息が、心の距離を壊していく。 社会的距離が恋の導火線になる―― 静かな温度で燃える、現代オフィスBLの新形。

熱のせい

yoyo
BL
体調不良で漏らしてしまう、サラリーマンカップルの話です。

  【完結】 男達の性宴

蔵屋
BL
  僕が通う高校の学校医望月先生に  今夜8時に来るよう、青山のホテルに  誘われた。  ホテルに来れば会場に案内すると  言われ、会場案内図を渡された。  高三最後の夏休み。家業を継ぐ僕を  早くも社会人扱いする両親。  僕は嬉しくて夕食後、バイクに乗り、  東京へ飛ばして行った。

男子高校に入学したらハーレムでした!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 ゆっくり書いていきます。 毎日19時更新です。 よろしくお願い致します。 2022.04.28 お気に入り、栞ありがとうございます。 とても励みになります。 引き続き宜しくお願いします。 2022.05.01 近々番外編SSをあげます。 よければ覗いてみてください。 2022.05.10 お気に入りしてくれてる方、閲覧くださってる方、ありがとうございます。 精一杯書いていきます。 2022.05.15 閲覧、お気に入り、ありがとうございます。 読んでいただけてとても嬉しいです。 近々番外編をあげます。 良ければ覗いてみてください。 2022.05.28 今日で完結です。閲覧、お気に入り本当にありがとうございました。 次作も頑張って書きます。 よろしくおねがいします。

平凡ワンコ系が憧れの幼なじみにめちゃくちゃにされちゃう話(小説版)

優狗レエス
BL
Ultra∞maniacの続きです。短編連作になっています。 本編とちがってキャラクターそれぞれ一人称の小説です。

陰キャ系腐男子はキラキラ王子様とイケメン幼馴染に溺愛されています!

はやしかわともえ
BL
閲覧ありがとうございます。 まったり書いていきます。 2024.05.14 閲覧ありがとうございます。 午後4時に更新します。 よろしくお願いします。 栞、お気に入り嬉しいです。 いつもありがとうございます。 2024.05.29 閲覧ありがとうございます。 m(_ _)m 明日のおまけで完結します。 反応ありがとうございます。 とても嬉しいです。 明後日より新作が始まります。 良かったら覗いてみてください。 (^O^)

血のつながらない弟に誘惑されてしまいました。【完結】

まつも☆きらら
BL
突然できたかわいい弟。素直でおとなしくてすぐに仲良くなったけれど、むじゃきなその弟には実は人には言えない秘密があった。ある夜、俺のベッドに潜り込んできた弟は信じられない告白をする。

男の娘と暮らす

守 秀斗
BL
ある日、会社から帰ると男の娘がアパートの前に寝てた。そして、そのまま、一緒に暮らすことになってしまう。でも、俺はその趣味はないし、あっても関係ないんだよなあ。

処理中です...