亡国の姫と財閥令嬢

Szak

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女神の怒りと元王女

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亡国の姫と言われているアルテミス・ブリティッシュは今は亡きブリティッシュ王国の第2王女でもあったのだが第1王女のルナ・ブリティッシュとは仲が悪く会うたびに喧嘩を始めるほどである。第1王女ルナは銀髪で眼が金色であったが第2王女のアルテミスは金髪に近い髪色で眼も金色であった。王妃も王も髪の色は銀に近い髪色なのだが第2王女のアルテミスだけが金髪に近い髪色のため姉である第1王女から嫌がらせの類を受ける事になったのだという。

 このブリティッシュという国では金髪は女神の色とされており誰もが憧れる髪色なのだが王族にとっては金髪は不吉な色とされていた。なぜ女神の髪色が王族にとって不吉な色とされているかというと金髪に近い髪色の子供は必ず短命かつ悪鬼に好かれるという伝承が残っておりそれを王族は信じており伝承が途中で改竄されているなど考えもしなかったということなのだろう、誰が伝承を改竄したかというとこの国が建国された時の宰相だったとされている。この伝承の改竄された部分というのが、金髪に近い髪色の子供は長命かつ女神に好かれやすいというのが本来の伝承だったらしいのだ。ブリティッシュ王国が亡くなった原因の一つが第1王女ルナが第2王女アルテミスを歯牙にかけようとしたことで女神から怒りを買い第2王女だったアルテミス以外国諸共消滅させられてしまったということだ!

 「さて、アルテミスの国は消滅させてしまいましたがアルテミスを神界に置いておく訳にいかないのでどこか適当に探さないとですね?」

 「あ、あのう、女神様私はどうすればいいのでしょうか?住む国も財産や家もなくなってしまったのですが?」

女神はアルテミスに微笑みながら現在いまそれを考えているのですから焦らずに落ち着いてくださいなという。アルテミスはその言葉を聞いて余計に不安になりつつあるのだが相手は女神である以上何も考えない方が良いだろうと内心諦めていた。

 「あっそういえば、この世界にはおもしろい島国があったのを思い出しましたわ!ええ、あそこなら亡国の姫だろうと引き取って育ててくれるはずです。あそこに送り込むのに籍はどうしましょうかね?まあ、元王族というのは付いてまわるでしょうし名前はアルテミス・ブリティッシュのままでも良いでしょ。(きっと大丈夫よね?最悪戸籍上だけ名前を変えれば済むことだし確か神前とかいう王族の使う苗字があったはず)」

 「め、女神様、私をどこに連れて行くおつもりなのでしょうか?」

女神は何か思い出したらしくブツブツと言いながら作業を進めている。アルテミスの言葉など聞こえないかのように作業を進めて一段落ついたのかアルテミスにいろいろ話始めていたのだが、怒りに任せて国や人を消滅させたことについて聞きたいと他の神々から通達が来ていた。

 「これからアルテミス・ブリティッシュには倭国という島国で生活してもらいます。この神界から送り出す時に貴女の住む場所と当面の資金はお渡ししておきますからどのように過ごすかは貴女次第です。それから貴女の年頃と同じくらいの少女たちが通う学校なるものに通ってもらいます。心配しなくても編入生ということで話はつけてありますので心配する必要はありませんからね!」

その頃倭国では一つの国が消滅したという情報が流れてきていた。その情報の中には元第2王女アルテミス・ブリティッシュだけが生き残っているということを聞いた水無月如月はすぐに飛鳥学院に問い合わせていた。飛鳥学院は元王族や朝廷の子息などが通う学校で女神がアルテミス・ブリティッシュを編入させるつもりの学校でもあるのだが、ここの教頭が実は女神嫌いで有名で学園理事長や学園長も頭を抱える人物である。如月きさらは母のメイドたちに飛鳥学院の教頭について調べさせていた。水無月家のメイドはただのメイドでは無く諜報員顔負けの諜報活動が出来る戦闘メイドでもある。

 「学園長、この時期に編入生とは何か裏があるように思えるのですがなぜ?既に編入が決まっておるのですかな?」

 「なんだ、教頭は学園長である私の決めたことに意見するのか?いい加減君にはこの学園から去ってもらっても構わないのだが!教頭、君は私より偉いとでも言いたいのかね?私に意見出来るのは現学園理事長のみのはずだが君は何をもって私に意見するのかね?」

 「わ、私をこの学園から追い出すというのですか?私のして来た事をすべてご自分の実績になさるおつもりですか!」

 「教頭は何を勘違いしてるのか知らんがこの学園を追い出すということは君の人生の終わりを意味しているのだよ!それに君の言う実績とやらは主に生徒の研究成果であり君自身の実績ではないだろう?」

自分の後ろから聞こえて来た声に驚く教頭だったが、ここに居るはずの無い学園理事長がなぜここにいるのだと頭の中で考えるが答えが出ない。それもそのはず如月きさらが水無月家のメイドを動かした時点で如月鍵之助は既に動いていた。水無月文乃が夫である陸奥に飛鳥学院のことを話した際に教頭の女神嫌いが発覚、これを陸奥は父である鍵之助に報告していたということだった。

 「り、理事長?なぜここにいるのですか?今日理事長の訪問予定はなかったはずですが・・・」

 「私がいつこの学院に来ようと君は知らなくていい事ではないのか、それとも私に突然来られると困るような後ろめたいことでもしているのか?まあ、君は知らないようだが水無月家うち当主むすめは君をまったく信用していないのだよ、孫に至っては君を追い出すための行動をしているようだがね!」

教頭は気付いていなかった飛鳥学院が如月系列であることに水無月家当主が水無月文乃が如月陸奥の妻だということにも水無月如月が如月鍵之助の孫だということも知らなかったのである。孫が水無月家のメイドを使ってまで調査を依頼してる時点で祖父として裏付けを取らない訳にはいかなかったのだ。

「娘に孫だと?ここは水無月家の教育機関機関で如月系列ではないはず?」

 「水無月家と如月財閥の関係はおまえが知る必要のない事だ。おまえが女神嫌いで生徒からも疎まれてるのは私の耳にも入っているよ!この国の教育機関のほとんどが水無月家と如月財閥の系列である以上君の再就職先は見つかることは無い思ってくれ!」

 「お義父とう様、如月むすめのことは私に任せて欲しいと言いましたよね?なぜ、横槍を入れたんですか訳を聞かせて貰えるのですよね?」

物凄い剣幕で義父鍵之助ちちけんのすけに言い寄る文乃を宥めようとする陸奥なのだが、ここは水無月家の学院である以上下手に文乃の機嫌を損ねると自分が出禁にされかねないので黙って見守ることにした。当然のことだが翌日教頭は解雇を言い渡されていたのだが、中々学院から出て行こうとはせず籠城しようとしたところを如月きさらたちに見つかり強制排除されるという一幕もあった。
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