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それぞれの役割と分岐
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如月がアルテミスのことで頭を抱えてる頃水上雪乃はあることについて調査を始めようとしていた。そのあることとは、無人島の所有者の有無と価格という名目である物を探し出すためではないかと噂されている。そんな中、水上雪乃を訪ねにある人物が使用人と共に来訪していた。
「水上さんというより水神様と言った方がいいかしら?この度は私どもと御会いしていただきありがとうございます。」
「呼び方は水上でいいですよ、四瑞夏葵さん。あなたがわたしに会いたいと打診があった時は少し驚きましたけど、私にどういったご用件で来訪されたかお聞きしてもいいかしら?」
「そうね、本題に入る前に現在水上さんが探してるという無人島というものは見つかったのかしら?」
「なぜ、わたしが探してる物が無人島だと夏葵さんは思ったのか教えてもらえるかしら?」
「この国の東側は水無月家で西側は水神一族で所有してる島がほとんどなのに敢えて無人島の所有者と価格を調べると言われれば探してるのは特定の無人島である可能性が高いと言える。違うかしら水神雪乃さん?」
「さすがは四瑞財閥と言ったところかしらね?良く調べてるわ!そうね、確かに特定の無人島を探しているわ、理由は言えないのだけれど、無人島にあるとされるある物を見つけるためにね!」
夏葵が言ったことの半分以上は水上としては誰にも教えていないはずの話しであったのだが、四瑞財閥の諜報員がこれだけのことを調べてる時点で隠すことは出来ないと雪乃は観念するのだった。
「それで四瑞財閥の頭脳とまで言われる夏葵がここに来たのだから調査結果の確認をしに来た訳ではないですよね?」
「そうね、あなたが見つけた無人島を1つ譲って貰えないかしら?四瑞財閥としてもいろいろ大変なのよ!少しくらい協力してくれても問題ないわよね?」
(相変わらず読めない人だわ、この四瑞夏葵という子は・・・・・・・)
雪乃は夏葵の出した条件を聞いて不思議に思うのだった。なぜなら四瑞財閥が無人島を所有出来たとして何に使うのか想像出来ないからである。夏葵は現在の四瑞財閥には足りないものを補うために無人島を入手して造船所らしきものを建造するつもりでいるのだが、海軍軍縮条約により実際にはかなり難しいとされている。軍事目的で無くても軍事転用出来る設備はかなり手続きがめんどうになっており簡単に建造出来ないとされている。
「今、返事はしかねるわ、少しお時間もらってもよろしいかしら?」
「そうね、あまり急かしてもいい返事がもらえるとは思えないし1週間ほどで返事をもらえるとありがたいのだけどいいかしら?それじゃあ、今日の所はこれで帰るけどいい返事を聞けることを期待して置くわね。」
雪乃は夏葵が扉から出て行ったのを確認した後大きなため息を吐いていた。さすがの雪乃も四瑞夏葵を相手にするには少し緊張するようで自分たちのことをどこまで調べてるのかわからない以上下手に刺激するべきではないという判断をした雪乃なのだが、まさか無人島を1つ譲れと言われるとは思っていなかった。
(夏葵さんが無人島を1つ欲しがるのは艦艇を作りたいためでしょうけど、それにしてもなぜこの時期に接触して来たのか気になるわね少し調べてみようかしら?)
雪乃が夏葵の行動に疑問を抱きながらも無人島の所有者と価格の調査は継続して行われており、これに対して四瑞財閥が何か言って来ることは特に無かったが調べて行くうちにあることに気付くのだが、さすがの雪乃もこれには手を出せずにいた。
雪乃と夏葵が会談してしばらくたった頃水上葉月と蒼井千草が接触していたのではという噂が囁かれ始めていた。実は蒼井千草と水上葉月は姉妹である、この事実を知っているのは葉月の母と蒼井将の2名のみで当人同士は知らされていない。蒼井将が千草を邪険にするのは、これだけが理由な訳でも無いのだが蒼井将は父の行方を知らされていないせいもあり千鶴として活動する千草に横やりを入れている。
(しかし、俺もそんな役回りだな、いくら父上の遺言だったとはいえ千草のやりたいようにやらせてやれないのは兄としてツラいのだが父上の遺言ではしかたないと割り切ってこれも仕事だと思うしかないか。恨んでるだろうな千草は何せ苦労して入った事務所に圧力をかけたのだから・・・・)
千草は兄将が父親の遺言を勘違いしてるのではと思いつつも、それをわざと訂正するつもりがない。なぜなら、千草的には将が勘違いしててくれる方が都合がいいからである。葉月の母皐月が水無月家を追い出されることになったのは皐月がこっそり家を抜け出してある男性と会っていたからである。その男性こそ何を隠そう千草と葉月の父親にあたる人物である。葉月の母である皐月はあることがきっかけで男性と知り合うのだが、この時相手が蒼井グループの関係者であることを知らずにいた。皐月の行動を不審に思った水無月家が諜報員を使い調べさせて初めて相手が蒼井グループの関係者であることが判明し、しかも皐月とその男性はすでにそういった関係であったこともあり当時の当主により皐月は水無月家から追放という形で周りを納得させることになった。
「葉月、あなた自分の母の事恨んだことある?正直に答えて!」
「無いわよ、もし、恨む人がいるとすれば貴女の兄かしら?千草に酷いことしてるんだから!」
「あら、嬉しい事言ってくれるじゃない。なんで母親を恨んでいないか聞いてもいいかしら?」
「だって私の母は次期当主候補から外れたくてというか伯母様を次期当主にしたくて抜け出してたって後から聞かされたもの!それに水上という名前もちゃんと水神一族に断って使わせてもらってるのだから!」
千草は葉月から話されたことがとても信じられずにいた。
それも、そのはずである、千草は葉月が自分の母親のことを恨んでるとばかり思っていたのだが実際は恨んでなんかおらず、むしろ母親の立場をしっかり把握すらしていることに驚きを隠せない千草だった。
「ところで千草は仕事の方は大丈夫なの?この間弥生が仕事に復帰するようなこと言ってたけど何か聞いてる?」
「えっ?わたし何も社長から聞いて無いんだけど、もう弥生ちゃん復帰するの?」
千草は泉葉月の復帰を事務所の社長でもある四瑞雙葉から何も連絡を受けておらず、どう対応するべきなのかと困惑していると葉月が千草が聞いて無いならまだ先の事かも知れないわねという。
その頃当の弥生はというと事務所で社長である四瑞雙葉が2人きりで話がしたいといわれ事務所の社長室に来ている。弥生は雙葉からの呼び出しが本業ではなく家業の方ではないかと内心思っている。
「ねぇ、葉月何で呼ばれたかわかる?」
「いえ、心当たりがないのですが?」
「そう、それじゃあ、私は四瑞雙葉として如月弥生に聞きたいことがあると言ったらわかるかしら?」
その言葉を聞いた弥生は雙葉に確認の意味を込めて1つ聞いていいですか?と雙葉に尋ねる。
「雙葉さん、それは四瑞家の総意ですか?四瑞雙葉として泉葉月としてではなく如月弥生に聞いているということでよろしんですよね?」
「総意ではないが四瑞家の人間として如月弥生に聞きたいことがあると認識してもらって構わないわ!」
「そうですか、私も如月弥生として答えさせていただきますが答えられる範囲の事でいいですよね?雙葉さん。それで、わざわざ事務所に呼び出してまで私に聞きたい事ってなんですか?」
「まず聞きたいのは伊58はどういったものなの?あれはあなたが手掛けて造ったものっていうのも本当なの?」
「造船所で建造するときにちゃんと説明したと思うんだけど?あの当時緊急で造れる艦艇が伊54型伊58しかないって教えたわよね?外装は伊58だけど中身の艤装は最新鋭のものを使っているから偽装艦としては十分使えるはずなんだけどな・・・・・・」
「偽装艦?どういうことかわかるように教えてもらえるかしら?どうも要領を得ないのだけど・・・・・」
弥生は雙葉の言葉を聞いて呆れたような表情でため息を吐き説明を始めるのだった。
「言葉の通りですよ、あの艦艇は外装も表示されるスペックも偽装してるんです!表向きは大戦時代のスペックにしてありますけど中身は最新鋭技術のものを積んでるのでその通りの火力にはならないということです!」
「なんでそんな面倒なことをしているのかしら?確か新造される船はいくつかの手続きが必要で造船所も国で用意されたものしか使ってはいけないということだったかしら?」
「それが何を意味しているかお気付きになられてないんですね。国の用意した造船所ということは国に技術を提供しろといわれてるんですよ、雙葉さんは御実家の産業技術を国に渡すことが出来るんですか?」
弥生の言葉で自分が何を言ったのか理解した雙葉は顔から血の気が引き蒼褪めたような表情をしている。そもそも、国の作った造船所は国より力を持っている家の弱体化を図るために造られたものでリーク機能や盗撮機能、分析するためのアナライズ機能と言ったものがたくさん付いており常に監視された状態で建造しなければならないということになっている。そんな状態でまともな造船なぞ出来る訳もなくまた、どんな些細な事でも見逃してもらえず建造に時間がかかり過ぎるので誰も使おうとはしないのが現状である。
「水上さんというより水神様と言った方がいいかしら?この度は私どもと御会いしていただきありがとうございます。」
「呼び方は水上でいいですよ、四瑞夏葵さん。あなたがわたしに会いたいと打診があった時は少し驚きましたけど、私にどういったご用件で来訪されたかお聞きしてもいいかしら?」
「そうね、本題に入る前に現在水上さんが探してるという無人島というものは見つかったのかしら?」
「なぜ、わたしが探してる物が無人島だと夏葵さんは思ったのか教えてもらえるかしら?」
「この国の東側は水無月家で西側は水神一族で所有してる島がほとんどなのに敢えて無人島の所有者と価格を調べると言われれば探してるのは特定の無人島である可能性が高いと言える。違うかしら水神雪乃さん?」
「さすがは四瑞財閥と言ったところかしらね?良く調べてるわ!そうね、確かに特定の無人島を探しているわ、理由は言えないのだけれど、無人島にあるとされるある物を見つけるためにね!」
夏葵が言ったことの半分以上は水上としては誰にも教えていないはずの話しであったのだが、四瑞財閥の諜報員がこれだけのことを調べてる時点で隠すことは出来ないと雪乃は観念するのだった。
「それで四瑞財閥の頭脳とまで言われる夏葵がここに来たのだから調査結果の確認をしに来た訳ではないですよね?」
「そうね、あなたが見つけた無人島を1つ譲って貰えないかしら?四瑞財閥としてもいろいろ大変なのよ!少しくらい協力してくれても問題ないわよね?」
(相変わらず読めない人だわ、この四瑞夏葵という子は・・・・・・・)
雪乃は夏葵の出した条件を聞いて不思議に思うのだった。なぜなら四瑞財閥が無人島を所有出来たとして何に使うのか想像出来ないからである。夏葵は現在の四瑞財閥には足りないものを補うために無人島を入手して造船所らしきものを建造するつもりでいるのだが、海軍軍縮条約により実際にはかなり難しいとされている。軍事目的で無くても軍事転用出来る設備はかなり手続きがめんどうになっており簡単に建造出来ないとされている。
「今、返事はしかねるわ、少しお時間もらってもよろしいかしら?」
「そうね、あまり急かしてもいい返事がもらえるとは思えないし1週間ほどで返事をもらえるとありがたいのだけどいいかしら?それじゃあ、今日の所はこれで帰るけどいい返事を聞けることを期待して置くわね。」
雪乃は夏葵が扉から出て行ったのを確認した後大きなため息を吐いていた。さすがの雪乃も四瑞夏葵を相手にするには少し緊張するようで自分たちのことをどこまで調べてるのかわからない以上下手に刺激するべきではないという判断をした雪乃なのだが、まさか無人島を1つ譲れと言われるとは思っていなかった。
(夏葵さんが無人島を1つ欲しがるのは艦艇を作りたいためでしょうけど、それにしてもなぜこの時期に接触して来たのか気になるわね少し調べてみようかしら?)
雪乃が夏葵の行動に疑問を抱きながらも無人島の所有者と価格の調査は継続して行われており、これに対して四瑞財閥が何か言って来ることは特に無かったが調べて行くうちにあることに気付くのだが、さすがの雪乃もこれには手を出せずにいた。
雪乃と夏葵が会談してしばらくたった頃水上葉月と蒼井千草が接触していたのではという噂が囁かれ始めていた。実は蒼井千草と水上葉月は姉妹である、この事実を知っているのは葉月の母と蒼井将の2名のみで当人同士は知らされていない。蒼井将が千草を邪険にするのは、これだけが理由な訳でも無いのだが蒼井将は父の行方を知らされていないせいもあり千鶴として活動する千草に横やりを入れている。
(しかし、俺もそんな役回りだな、いくら父上の遺言だったとはいえ千草のやりたいようにやらせてやれないのは兄としてツラいのだが父上の遺言ではしかたないと割り切ってこれも仕事だと思うしかないか。恨んでるだろうな千草は何せ苦労して入った事務所に圧力をかけたのだから・・・・)
千草は兄将が父親の遺言を勘違いしてるのではと思いつつも、それをわざと訂正するつもりがない。なぜなら、千草的には将が勘違いしててくれる方が都合がいいからである。葉月の母皐月が水無月家を追い出されることになったのは皐月がこっそり家を抜け出してある男性と会っていたからである。その男性こそ何を隠そう千草と葉月の父親にあたる人物である。葉月の母である皐月はあることがきっかけで男性と知り合うのだが、この時相手が蒼井グループの関係者であることを知らずにいた。皐月の行動を不審に思った水無月家が諜報員を使い調べさせて初めて相手が蒼井グループの関係者であることが判明し、しかも皐月とその男性はすでにそういった関係であったこともあり当時の当主により皐月は水無月家から追放という形で周りを納得させることになった。
「葉月、あなた自分の母の事恨んだことある?正直に答えて!」
「無いわよ、もし、恨む人がいるとすれば貴女の兄かしら?千草に酷いことしてるんだから!」
「あら、嬉しい事言ってくれるじゃない。なんで母親を恨んでいないか聞いてもいいかしら?」
「だって私の母は次期当主候補から外れたくてというか伯母様を次期当主にしたくて抜け出してたって後から聞かされたもの!それに水上という名前もちゃんと水神一族に断って使わせてもらってるのだから!」
千草は葉月から話されたことがとても信じられずにいた。
それも、そのはずである、千草は葉月が自分の母親のことを恨んでるとばかり思っていたのだが実際は恨んでなんかおらず、むしろ母親の立場をしっかり把握すらしていることに驚きを隠せない千草だった。
「ところで千草は仕事の方は大丈夫なの?この間弥生が仕事に復帰するようなこと言ってたけど何か聞いてる?」
「えっ?わたし何も社長から聞いて無いんだけど、もう弥生ちゃん復帰するの?」
千草は泉葉月の復帰を事務所の社長でもある四瑞雙葉から何も連絡を受けておらず、どう対応するべきなのかと困惑していると葉月が千草が聞いて無いならまだ先の事かも知れないわねという。
その頃当の弥生はというと事務所で社長である四瑞雙葉が2人きりで話がしたいといわれ事務所の社長室に来ている。弥生は雙葉からの呼び出しが本業ではなく家業の方ではないかと内心思っている。
「ねぇ、葉月何で呼ばれたかわかる?」
「いえ、心当たりがないのですが?」
「そう、それじゃあ、私は四瑞雙葉として如月弥生に聞きたいことがあると言ったらわかるかしら?」
その言葉を聞いた弥生は雙葉に確認の意味を込めて1つ聞いていいですか?と雙葉に尋ねる。
「雙葉さん、それは四瑞家の総意ですか?四瑞雙葉として泉葉月としてではなく如月弥生に聞いているということでよろしんですよね?」
「総意ではないが四瑞家の人間として如月弥生に聞きたいことがあると認識してもらって構わないわ!」
「そうですか、私も如月弥生として答えさせていただきますが答えられる範囲の事でいいですよね?雙葉さん。それで、わざわざ事務所に呼び出してまで私に聞きたい事ってなんですか?」
「まず聞きたいのは伊58はどういったものなの?あれはあなたが手掛けて造ったものっていうのも本当なの?」
「造船所で建造するときにちゃんと説明したと思うんだけど?あの当時緊急で造れる艦艇が伊54型伊58しかないって教えたわよね?外装は伊58だけど中身の艤装は最新鋭のものを使っているから偽装艦としては十分使えるはずなんだけどな・・・・・・」
「偽装艦?どういうことかわかるように教えてもらえるかしら?どうも要領を得ないのだけど・・・・・」
弥生は雙葉の言葉を聞いて呆れたような表情でため息を吐き説明を始めるのだった。
「言葉の通りですよ、あの艦艇は外装も表示されるスペックも偽装してるんです!表向きは大戦時代のスペックにしてありますけど中身は最新鋭技術のものを積んでるのでその通りの火力にはならないということです!」
「なんでそんな面倒なことをしているのかしら?確か新造される船はいくつかの手続きが必要で造船所も国で用意されたものしか使ってはいけないということだったかしら?」
「それが何を意味しているかお気付きになられてないんですね。国の用意した造船所ということは国に技術を提供しろといわれてるんですよ、雙葉さんは御実家の産業技術を国に渡すことが出来るんですか?」
弥生の言葉で自分が何を言ったのか理解した雙葉は顔から血の気が引き蒼褪めたような表情をしている。そもそも、国の作った造船所は国より力を持っている家の弱体化を図るために造られたものでリーク機能や盗撮機能、分析するためのアナライズ機能と言ったものがたくさん付いており常に監視された状態で建造しなければならないということになっている。そんな状態でまともな造船なぞ出来る訳もなくまた、どんな些細な事でも見逃してもらえず建造に時間がかかり過ぎるので誰も使おうとはしないのが現状である。
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