元最優の女冒険者が久し振りに街へ帰ったら、昔の知り合い達に死ぬ程愛された

たゆな

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四話 検問

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「とっとっ……っと~! ふぅ……到着!」

 都市の外壁に寄りかかって眠っている方の門番……その眼前でピタリと止まるシエル。

「あら、こっちは寝ちゃってるや……じゃ、そこの人~!」

「……っは?」

 話し掛けられた方の門番は……ダンジョンの方角から、シエルが爆走して来るのをその目で見ていた。

「……今日はレインとグレンという二人組の冒険者にしか『オルクス』への探索許可証を渡していないはずだが、貴様は誰だ?」

「へ、探索許可証……? は知らないけど、レインとグレンって子達なら知ってるよ! 多分……もうちょっとしたら帰ってくるんじゃないかな?」

「探索許可証を知らない……? 持っていないのではなく……知らないだと? そうか……ならば、身分証はあるか?」

 探索許可証を知らないというシエルの発言を信用していない門番は、既に身柄を拘束する気満々である。しかし、もしも逃げられた場合に備え……後で手配出来る様、先に身分証の提示を要求した。

「身分証? 身分証……これでいい?」

 そう言ってシエルは懐から何かを取り出して、門番へと渡す。

「ん? 冒険者ギルドの身分証か。しかも、これは……制度変更前の物? ならば貴様は、あの大災害を生き抜いた冒険者だとでも言うのか?」

 門番は、中身を確認する事もせず……そのまま身分証をシエルへと返す。

「……実際そうだし」

 一ミリも信用していないという表情で身分証を突き返され、少し腹を立てたシエルは……その頬を膨らませる。

「ふむ、そうか。だが、制度変更前の身分証を持っている者はほぼ全てと言っていい程……名が知れている。俺は三年前からこの仕事をしていて、現在都市に存在している五つのギルド……そこに在籍している全ての人物の顔と名前を覚えているつもりだが……その中でも、五年前の大災害で生き残った冒険者達の顔は印象深かった」

「……ふ~ん。それって、私の顔はパッとしないってこと?」

「いや、そうではないな。俺は貴様の顔など一度も見た事がない。つまり、貴様の言っている事は全て妄言だという訳だ」

 そう言って、シエルの事を強く睨む門番。かなり警戒している様子だ。

「……はぁ、あっそ。でも事実だし、お偉い様方に確認でも取れば? 得意でしょ~そういうの」

 苛立ちから、少し相手を煽るような事を言ってしまったシエル。思わず『やべ』っと声を漏らすが、その言葉を聞いた門番の態度は……シエルの予想に反して、先程よりも若干警戒が緩んだものとなる。

「……貴様、俺の様な端者がそんな事を出来るとでも思うのか? 貴様の言うお偉い様方とは、この『エリアルム』の冒険者……五年前の大災害から都市を守った英雄達、その物だぞ?」

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