revive〜リバイブ〜

雲母なぎ

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Destiny 〜運命〜

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アレスと出会ってから数ヶ月が過ぎた。
あれからというもの私は忙しく考える暇もなくアレスのことさえ忘れていた
「疲れたあぁ」
いっときの休憩エリスが紅茶を用意してくれていた
「あの宴以来スカーレット様は注目の的かと」
私はため息をついた
「あんなのただの王女ってだけで寄って来る奴だけだわ」
「姫様…」
私はエリスが淹れてくれた紅茶を少し飲んだ
「エリスとルーンだけよ私をただの人(神)として見てくれるのは」
「そんなこと!」
私はこの話をさえぎるように立った
「さぁもう一仕事行ってこよ」
「行ってらっしゃいませ」
エリスは慌てて礼をした
それからしばらく私は書斎で書類の読み合わせをしていた
「スカーレット様」
ドアの外から呼ばれた
「グレンにございます」
私はかけていた眼鏡を外し
「よい入れ」
「失礼します」
グレンは膝をついて左胸に手を当てた
「ヘラ女王様からの伝言です」
「申せ」
「はい、交流の為に書庫から本を何冊か竜族に献上せよとの事です」
私は両手を組み、その上に顎をおいた
「なぜだ?お母様はそのような事するはずがない」
「これも平和のためとの事です」
「解せぬな」
私は書斎にある本を手にとった
「本は我々の歴史そのものそれを他人に渡すだと?」
私はどうしても本を譲るのが嫌だった
書庫には膨大な量の本があるがどれも同じ物はない
一つ一つの本には歴史がある
「他に方法はないのか?」
「女王様は本をご所望なので」
「もうよいさがれ」
グレンは一礼して書斎から出て行った
「ならばお母様が竜族の元へ行けばいいのに」
私は頭を抱えた
そのまま疲れてしまったのか眠ってしまった
(君の顔が見たいな)
アレスが私の仮面をとった
(綺麗だね)
そこで私は勢いよく起き上がった
「はぁはぁなんだ今の夢は」
いつのまにかベッドで寝ていた
「姫様?大丈夫にございますか?」
エリスが部屋に入ってきた
「お疲れのようだったので寝室まで運ばせていただきました」
エリスは持ってきたホットミルクを私に渡した
「お熱いのでお気をつけてください」
「あぁありがとう」
一息ついたところでエリスに竜王国に行くと話した
「なんて危険なことを!私も姫様について行きます」
「ありがとう。危なくはないさ もし何かあったらまた戦争が始まるからね」
「ですが…」
「大丈夫だよ明日出発するから支度しといてくれ」
エリスは納得がいかないような顔で「はい」と答えた
「今日はもう疲れたからこのまま寝るよ」
私は再びベッドに横になった
「おやすみなさいませ」
「あぁおやすみ」





そして夜が明けた
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