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1章 記憶海の眠り姫
1 逃亡という選択
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ふと目が醒めると、ベッドの上ではなかった。おまけに横にもなっていないようだ。昨日どんな夜を過ごしたのだったか、とぼんやりと霞んだ思考で考える。いくら考えてもその答えは出ず、思考が徐々に鮮明になっていくと同時に自分はただ寝ていたわけではなかったのだとソフィアは気がついた。
ソフィアは夢の中でそうであったように抱きしめられていた。その相手はレガリアではなく、きちんと生きている人間――ソフィアの師匠であり保護者の代わりを務めてくれていた女性レオナだった。普段雑に纏められている赤褐色の髪はいつも以上に乱れ、その肩は荒い息と共に上下している。
「レオナさ――」
声をかけたところで周りの様子も視界に入ってくる。
屋内。白亜の壁が美しい廊下。花や彫刻で飾られたシアルワ王国の城だ。綺麗好きな従者達によって保たれていたその美しさは見る影もなく、無残にも切り刻まれていた。カーテンも花瓶も絨毯もボロボロで、壁や床にはいくつもの傷が刻まれている。周りには何人もの兵士達が呆然と立ち尽くしており、その中に見慣れた人物もいた。
一瞬、どういう状況なのか理解することができなかった。ソフィアの覚醒に気がついたレオナが顔を覗き込み、安心したように呟くまでは。
「良かった。やっと戻ってきたね」
その瞬間、ソフィアはこの惨状を引き起こしたのは自分であると悟った。手には愛用していた長剣が握られている。それで周りの物を傷つけたのだろう。無理な使用によって刃こぼれを起こしてしまっている。
「私、また……?」
「大丈夫、アンタは何もしていない。何もしていないんだよ」
レオナはそう言うが、周囲の目がそうではないと現実を突きつける。恐怖に満ちた目が沢山並んでいる。
騎士達に並んで立っているセラフィもまた、驚愕の表情を隠せないでいた。
ソフィアが抱え込んできたものは、大きく二つある。
神子として死ねない身体と、いつ起こるか分からない自身の暴走。
神子はその血を絶やさないために血を残すまでは死ぬことが許されない特殊体質を持っている。シアルワ王家は直系の子を四人持ち、血を残すための手段はあるため例え病や事件に巻き込まれたとしても最後の一人を残して死ぬことはあり得る。ラエティティア王家はシエルの他に直系となる者はいないため彼女も今のままでは死ぬことはない。王家という性質上、いずれは子をなす運命にある彼女はやがて人として死ぬことができるだろう。
二つの血筋が王家として確立していることに対し、ソフィアの血筋は現在平民だ。かつては王家として国の頂点に立っていた時期もあったらしいが、とうの昔の話だ。今の彼女には関係がない。
そしてソフィアに血の繋がった家族はいない。皆精霊によって命を落としている。唯一残されたソフィアはイミタシアとなり、神子の血も相まって更に歪な存在と化していた。
生まれたときは深紅だった髪はイミタシアとなると同時に淡藤色へと変化した。夢の中に現れる彼女は、本来彼女が神子として生きていたらという“もしも”の姿を今の彼女自身が想像し、それが表れた姿なのだ。
イミタシア化は、力の他にソフィアに代償を与えた。それが暴走である。時々ふと意識を失って、気がつくと周りの物が傷つき人々は恐怖の目でこちらを見ている。それがイミタシアとなってから数度あった。マグナロアに迷い込みレオナと出会ってからも暴走は起きたが、なんとか人の命を奪うことなく収まっている。マグナロアでレオナに稽古を付けてもらうようになってから精神が安定するようになり――ソフィアが自覚するくらいには、彼女の居場所として最適だった――、暴走することはなかった。
ソフィアは思い出す。今まで安定していた精神が揺らぐような事実を思い知らされてしまったことを。
かつてイミタシアとして苦楽を共にしたケセラの死と、セラフィの残された時間が、恐らくはそう長くないこと。隠しているだけでセルペンスやクロウを含めた仲間たちも、もしかしたら。シアルワ王都シャーンスの再建を手伝いながら考えていた不安がソフィアの精神を揺らがせ、自我を失い暴走してしまうことに繋がってしまったのだ。
きっとこれからも。いずれは自我を取り戻すことなく、死ぬことも出来ず暴れ回るだけの存在になり果ててしまうのかもしれない。
ソフィアはそんな、悲しい生き物だった。
***
「ソフィア、君は……」
「ごめんなさい」
「いや、君が望んでこうなったワケではないことは理解できるよ。……今は、休むと良い」
「えぇ、そうさせてもらうわ。迷惑をかけたわね。……怪我人は?」
「誰一人としていないよ」
「それはよかった」
恐る恐る、といった調子で近寄り話しかけてきたセラフィに対して淡々と受け答えをしつつ、ソフィアはぼんやりと思考を巡らせた。
(あぁ、私はここにいてはいけないんだわ)
***
あてがわれた自室で時が過ぎるのを待つ。ベッドに姿勢良く腰掛け、閉じていた瞼を開く。薄い扉の前から微かに人の気配を感じ、ソフィアは小さくため息をついた。また暴れてしまった際の対処を迅速に行うために見張りがいるのだろう。仕方のないことだ。
窓から差し込む光が少しずつ弱くなり、夜が来る。ランプは付けずに月明かりだけを光源とした薄暗い部屋に近づいてくる足音が一人分。見張りと短い会話を交わし、ノックをした彼に対してソフィアは入室を許可した。
「よう、元気か?」
「そう見えているのなら何よりね、クロウ」
「いやいや、どこからどう見ても元気には見えないな。悪かった」
最初こそ明るい声音だったものの、ソフィアの返答を聞いて素直に謝る青年クロウは丸テーブルとセットになっていた椅子をベッドの側まで運び、腰掛けた。
「それで、話があるのでしょう?」
「おう。これから軟禁生活が始まるであろうお前を哀れに思っての提案を持ってきたぜ?」
唇の端をつり上げてクロウは続ける。
「ここから逃げてやろうぜ? こんな場所にいたって何の解決にもならないだろ」
「あら、優しいのね」
予想外に弱々しい返答にクロウは困ったように肩をすくめる。
「お前のことを知ってしまったからには放っておけないだろぉ? それを誰にも言わないままに俺にも抱え込めって言うんだから酷いもんだぜ、まったく。お前の気持ちが少しでも楽になるのなら、それは俺にとっても助かる。要するに自己満足。それだけ」
「私だって自分から伝えたわけじゃないわ。貴方が勝手に読み取ったんでしょう? ――でも、その気持ちは嬉しいわ。ありがとう」
「ホント、困ったチカラだよ。でもまぁそれで食っているんだから文句は言えないけどな」
クロウがイミタシアとして得たチカラは他人の思考を読み取るものだ。望まない苦しみと代償とともに手に入れてしまった代物だというのに、それを上手に利用して生きてきた彼のことは尊敬すべき存在であるとソフィアは思っている。自分はそれを上手く扱えていないのだから。
「それで、どうする?」
「そうね……」
そしてふと思いだした。暴走している最中に見ていた夢でレガリアが告げた言葉の内容を。『銀髪のあの子』――ソフィアには思い当たる人物がいた。
レガリアが言っていた提案、神器のそばにいるという。それを使って何をする気かは分からないが、今この胸に渦巻く恐怖を感じなくなれるのならばレガリアの提案を呑んでも良いかもしれない。
「ねぇ、クロウ。お願いがあるのだけど」
「なんだ?」
「私、リコに会いたいわ。貴方ならリコがいる場所を知っているんでしょう?」
リコ。その名にクロウは分かりやすく動揺を顕わにした。イミタシアの一人にしてソフィアが会えていない少女の名だ。銀髪が美しく、可憐な少女だったことを覚えている。レガリアが言っていたのは彼女のことだろう。
「……お前になら、良いかもな」
表情に一瞬陰りを見せ、クロウは笑う。一瞬で消えたそれに対してソフィアは何も言わなかった。もしかしなくてもリコには何かがあるのかもしれない。神器のことを思考から抜いても、かつての仲間に会うこと無く人前から姿を消すのはなんだかもったいない気がした。可能ならば最後に会っておきたい。
「ま、丁度良かった。リコの所に行きたいのなら引っ越しも手伝ってもらおうかな」
「引っ越し?」
「ヴェレーノに居場所がバレたらしいからな。今のアイツなんかおかしいから離しておきたい」
「そう。別に構わないわ。……よろしく、クロウ」
「おう」
ソフィアは夢の中でそうであったように抱きしめられていた。その相手はレガリアではなく、きちんと生きている人間――ソフィアの師匠であり保護者の代わりを務めてくれていた女性レオナだった。普段雑に纏められている赤褐色の髪はいつも以上に乱れ、その肩は荒い息と共に上下している。
「レオナさ――」
声をかけたところで周りの様子も視界に入ってくる。
屋内。白亜の壁が美しい廊下。花や彫刻で飾られたシアルワ王国の城だ。綺麗好きな従者達によって保たれていたその美しさは見る影もなく、無残にも切り刻まれていた。カーテンも花瓶も絨毯もボロボロで、壁や床にはいくつもの傷が刻まれている。周りには何人もの兵士達が呆然と立ち尽くしており、その中に見慣れた人物もいた。
一瞬、どういう状況なのか理解することができなかった。ソフィアの覚醒に気がついたレオナが顔を覗き込み、安心したように呟くまでは。
「良かった。やっと戻ってきたね」
その瞬間、ソフィアはこの惨状を引き起こしたのは自分であると悟った。手には愛用していた長剣が握られている。それで周りの物を傷つけたのだろう。無理な使用によって刃こぼれを起こしてしまっている。
「私、また……?」
「大丈夫、アンタは何もしていない。何もしていないんだよ」
レオナはそう言うが、周囲の目がそうではないと現実を突きつける。恐怖に満ちた目が沢山並んでいる。
騎士達に並んで立っているセラフィもまた、驚愕の表情を隠せないでいた。
ソフィアが抱え込んできたものは、大きく二つある。
神子として死ねない身体と、いつ起こるか分からない自身の暴走。
神子はその血を絶やさないために血を残すまでは死ぬことが許されない特殊体質を持っている。シアルワ王家は直系の子を四人持ち、血を残すための手段はあるため例え病や事件に巻き込まれたとしても最後の一人を残して死ぬことはあり得る。ラエティティア王家はシエルの他に直系となる者はいないため彼女も今のままでは死ぬことはない。王家という性質上、いずれは子をなす運命にある彼女はやがて人として死ぬことができるだろう。
二つの血筋が王家として確立していることに対し、ソフィアの血筋は現在平民だ。かつては王家として国の頂点に立っていた時期もあったらしいが、とうの昔の話だ。今の彼女には関係がない。
そしてソフィアに血の繋がった家族はいない。皆精霊によって命を落としている。唯一残されたソフィアはイミタシアとなり、神子の血も相まって更に歪な存在と化していた。
生まれたときは深紅だった髪はイミタシアとなると同時に淡藤色へと変化した。夢の中に現れる彼女は、本来彼女が神子として生きていたらという“もしも”の姿を今の彼女自身が想像し、それが表れた姿なのだ。
イミタシア化は、力の他にソフィアに代償を与えた。それが暴走である。時々ふと意識を失って、気がつくと周りの物が傷つき人々は恐怖の目でこちらを見ている。それがイミタシアとなってから数度あった。マグナロアに迷い込みレオナと出会ってからも暴走は起きたが、なんとか人の命を奪うことなく収まっている。マグナロアでレオナに稽古を付けてもらうようになってから精神が安定するようになり――ソフィアが自覚するくらいには、彼女の居場所として最適だった――、暴走することはなかった。
ソフィアは思い出す。今まで安定していた精神が揺らぐような事実を思い知らされてしまったことを。
かつてイミタシアとして苦楽を共にしたケセラの死と、セラフィの残された時間が、恐らくはそう長くないこと。隠しているだけでセルペンスやクロウを含めた仲間たちも、もしかしたら。シアルワ王都シャーンスの再建を手伝いながら考えていた不安がソフィアの精神を揺らがせ、自我を失い暴走してしまうことに繋がってしまったのだ。
きっとこれからも。いずれは自我を取り戻すことなく、死ぬことも出来ず暴れ回るだけの存在になり果ててしまうのかもしれない。
ソフィアはそんな、悲しい生き物だった。
***
「ソフィア、君は……」
「ごめんなさい」
「いや、君が望んでこうなったワケではないことは理解できるよ。……今は、休むと良い」
「えぇ、そうさせてもらうわ。迷惑をかけたわね。……怪我人は?」
「誰一人としていないよ」
「それはよかった」
恐る恐る、といった調子で近寄り話しかけてきたセラフィに対して淡々と受け答えをしつつ、ソフィアはぼんやりと思考を巡らせた。
(あぁ、私はここにいてはいけないんだわ)
***
あてがわれた自室で時が過ぎるのを待つ。ベッドに姿勢良く腰掛け、閉じていた瞼を開く。薄い扉の前から微かに人の気配を感じ、ソフィアは小さくため息をついた。また暴れてしまった際の対処を迅速に行うために見張りがいるのだろう。仕方のないことだ。
窓から差し込む光が少しずつ弱くなり、夜が来る。ランプは付けずに月明かりだけを光源とした薄暗い部屋に近づいてくる足音が一人分。見張りと短い会話を交わし、ノックをした彼に対してソフィアは入室を許可した。
「よう、元気か?」
「そう見えているのなら何よりね、クロウ」
「いやいや、どこからどう見ても元気には見えないな。悪かった」
最初こそ明るい声音だったものの、ソフィアの返答を聞いて素直に謝る青年クロウは丸テーブルとセットになっていた椅子をベッドの側まで運び、腰掛けた。
「それで、話があるのでしょう?」
「おう。これから軟禁生活が始まるであろうお前を哀れに思っての提案を持ってきたぜ?」
唇の端をつり上げてクロウは続ける。
「ここから逃げてやろうぜ? こんな場所にいたって何の解決にもならないだろ」
「あら、優しいのね」
予想外に弱々しい返答にクロウは困ったように肩をすくめる。
「お前のことを知ってしまったからには放っておけないだろぉ? それを誰にも言わないままに俺にも抱え込めって言うんだから酷いもんだぜ、まったく。お前の気持ちが少しでも楽になるのなら、それは俺にとっても助かる。要するに自己満足。それだけ」
「私だって自分から伝えたわけじゃないわ。貴方が勝手に読み取ったんでしょう? ――でも、その気持ちは嬉しいわ。ありがとう」
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クロウがイミタシアとして得たチカラは他人の思考を読み取るものだ。望まない苦しみと代償とともに手に入れてしまった代物だというのに、それを上手に利用して生きてきた彼のことは尊敬すべき存在であるとソフィアは思っている。自分はそれを上手く扱えていないのだから。
「それで、どうする?」
「そうね……」
そしてふと思いだした。暴走している最中に見ていた夢でレガリアが告げた言葉の内容を。『銀髪のあの子』――ソフィアには思い当たる人物がいた。
レガリアが言っていた提案、神器のそばにいるという。それを使って何をする気かは分からないが、今この胸に渦巻く恐怖を感じなくなれるのならばレガリアの提案を呑んでも良いかもしれない。
「ねぇ、クロウ。お願いがあるのだけど」
「なんだ?」
「私、リコに会いたいわ。貴方ならリコがいる場所を知っているんでしょう?」
リコ。その名にクロウは分かりやすく動揺を顕わにした。イミタシアの一人にしてソフィアが会えていない少女の名だ。銀髪が美しく、可憐な少女だったことを覚えている。レガリアが言っていたのは彼女のことだろう。
「……お前になら、良いかもな」
表情に一瞬陰りを見せ、クロウは笑う。一瞬で消えたそれに対してソフィアは何も言わなかった。もしかしなくてもリコには何かがあるのかもしれない。神器のことを思考から抜いても、かつての仲間に会うこと無く人前から姿を消すのはなんだかもったいない気がした。可能ならば最後に会っておきたい。
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