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1章 記憶海の眠り姫
3 ラルカ
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「ここ、地下の書庫は無事なんだ」
「そこにリコがいるのね」
「そういうこと」
ソフィア達がクロウとともに歩き始めたその時だった。
がさ、と小さな音が聞こえ、最後に歩いていたセルペンスは足を止める。ソフィア達は気がついていないらしく、そのまま図書館の中に入ろうとしている。
一瞬迷ったセルペンスだったが、その音の方へ行くことを選択した。
廃墟と化した図書館の横、長く生い茂った草と瓦礫が共存する庭らしき場所で少女が倒れていた。小さな物音の正体はこの少女だったらしい。
倒れていた彼女を放っておくこともできず、近寄って抱き起こした。そして無意識のうちに表情を強張らせる。
「ケセラ……」
その少女は同郷でありもうこの世にはいないはずの彼女とあまりにも姿が似ていた。正確に言えば、彼女と生き別れてしまった八年前のあの時とそっくりだ。エメラルドグリーンの髪も睫毛の長さも目鼻立ちも、服装と髪型以外の何もかもが。
つい身体が震えてしまったが、この少女が手負いであることを見て取ったセルペンスは治癒の力を迷い無く使った。白い肌には何かに打たれたのか青い痣がいくつも浮かび上がっている。恐らくは人為的なものだ。
やがて傷そのきれいさっぱり消えた頃、少女は目を覚ました。その瞳も彼女と全く同じ色で、翠玉のごとく煌めいていた。
「ここは……」
「ここは誰も住んでいない廃村だよ。君は倒れていたんだ。起き上がれる?」
「は、い」
少女は不安に瞳と声を震わせながらゆっくりと身体を起こした。辺りをキョロキョロと見回し、そしてセルペンスを見上げる。
「俺はセルペンス。ワケあってここに来たんだ。君はどこからここに?」
「私は……」
少女は深く考え込む仕草をして、やがて顔を青ざめさせる。
「……ら……い」
「?」
「分からないんです。私、どこから来たのか、どうしてここにいるのか……」
「……名前は思い出せる?」
「名前……」
少女は胸元に手を添え、そしてハッと表情を輝かせる。
「ラルカ! 多分ですけど、ラルカと呼ばれていた……ような……」
しかしすぐに自信なさげに萎んでいく声。セルペンスは優しく微笑んで彼女の頭を撫でた。子供を安心させるにはこれが一番効果的であるということは、医者もどきとして旅をしていた経験から学んでいる。
「分かった。君はラルカだ。君は記憶を失ってしまったんだね……」
「……」
セルペンスは分かっている。
ラルカと名乗るこの少女が、恐らくはセラフィが言っていたケセラに似ている少女なのだと。シャルロットやレイも目撃したらしく、彼女がシャーンスに獣を放ちセラフィを刺した張本人であるのだと。
それがなぜ記憶を失って倒れていたかまでは分からないが、全身に負っていた傷から考えてなんらかの暴行を受けていたのだと推察する。ただ転ぶだけじゃここまで満遍なく痣ができることはないだろう。
セルペンスは笑みを消さないまま撫でていた手を離し、代わりにラルカの前に差し出した。
「とりあえず一緒に行こう。近くに俺の仲間がいるんだ。彼等に会ってから今後のことを決めても良いと思うよ」
ラルカは大きな瞳に不安を揺らがせつつ、その手を取った。
その時、後ろからセルペンスを呼ぶ声が聞こえた。
「あ、兄ちゃんここにいたのかー」
「おいおい、いきなり消えるなよ……」
ノアとクロウだ。ソフィアは二人の後ろについて歩いてくる。
ノアを除く二人はラルカの姿を視界に入れた途端、揃って硬直した。ノアはケセラと生き別れてしまった時点で幼かったために、目の前にいる少女の容姿にピンと来なかったのだろう。首を傾げている。
「その子は?」
弟分の問いかけにセルペンスは答える。一瞬動揺してしまったが、もう彼の心が動くことはない。
「彼女はラルカ。どうやら記憶がないみたいでね……。それに酷い怪我をしていたから治していたんだ。彼女の面倒を見てあげたいんだけど、いいかな?」
いつも通りの穏やかな口調のようでいて妙な圧があった。
ソフィアに小突かれ、この場の主導権を一応握っているはずのクロウは表情筋を引きつらせつつ頷くしかなかった。それ以外の返答が出来るはずはない。
「お、おう。別に良いんじゃないか?」
「ありがとう。それじゃあ行こうか。さぁ、ラルカ」
「は、はい」
ラルカの手を取り、セルペンスが立ち上がったのを確認してクロウは背後を指さす。
「はいはい、こっちだこっち」
彼のどうにでもなれという諦めの感情をありありと感じ取り、ソフィアは深々とため息をついた。城からの脱出を手伝って貰った分、手助けをしなければと心の奥底で思いながら。
***
図書館、とはいっても廃墟だ。天井には大きな穴が空き、床や壁だった木の残骸には苔が生え、書架だったものに本は一切置かれていない。なぜなのだろうか、と考えつつ広い空間を一瞥する。
「一階部分の本はあらかた持ち去られたさ。そうとしか考えられない」
「あのね、勝手に考えを読むのは止めて」
「仕事柄の癖だよ。ハハハ」
「ノアの心でも読んでなさい」
「あいつは単純だから読むまでもないっての」
軽口を叩きながらクロウは懐から銀の鍵を取り出してカウンターの側に置かれた書架に差し込む。どうやら小さな鍵穴があるらしい。ガチャン、と硬質な音が空に溶けていく。書架の下にはレールが敷かれていたらしく、重そうなそれを押せば扉のごとく動き、奥へ続く廊下と階段が現れる。
「おー! なんかすげー! 秘密基地感があるな!」
「秘密……基地……」
分かりやすく目を輝かせたノアと、不思議そうに覗き込んでいるラルカをニコニコと見守っているセルペンス。そんな三人の軽い空気感にうっかり調子を狂わされそうになりながらもソフィアは階段を下るクロウの背中を追いかける。
忘れてはならない。ソフィアの大きな目的は独り消えること。そのためにレガリアの口車に乗ること。同行する人数が増えて情が揺らいでしまいそうだ、なんてちょっと弱気になっているけれど。
暗い階段を下ってもう一度鍵付きの扉――今度は普通の扉だ――を開く。
その先には図書館、ではあるのだが妙にメルヘンチックな空間が広がっていた。明るい色の木材で造られている書架には古い本も新しい本も混在し、カラフルな装丁も相まって混沌としている。天井からは月や星を模したガラスが可愛らしいランプがいくつもぶら下がっている。あちこちに鳥やリスなどのぬいぐるみが並び、やはり可愛らしくお茶会をしているようだった。
本の背表紙をこっそり覗き見れば創作童話の類いが多いようだった。
どこからか鼻歌が聞こえてくる。――もしかしなくとも目的のリコだろう。
「ただいま、リコ。日を開けて悪いな」
クロウが声をかける。書架の森を抜けた先、ベッドとテーブル、おまけに小さなキッチンまで備わった小さな空間。そこに彼女はいた。
上機嫌に何かをノートに書き付けていた手を止め、少女は顔を上げた。
銀色の髪がサラリと揺れる。ルベライトを連想させる濃いピンク色の瞳がパッと輝いて少女の可憐さを強調させた。
「おかえりなさい、クロウ!」
少女はノートを閉じて立ち上がってパタパタと駆け寄り、そしてソフィア達へ顔を向ける。
なるほど、八年前に生き別れてから身体は成長しているが明るい雰囲気はそのままだ。記憶通りなら十五歳になる少女は少しばかり小柄だった。ソフィアの記憶にあるままの笑顔で微笑んだ彼女の言葉は、ソフィアを凍り付かせるほどに衝撃だったが。
「お客様ね! 初めまして、私はリコっていいます! どうぞよろしく!」
「そこにリコがいるのね」
「そういうこと」
ソフィア達がクロウとともに歩き始めたその時だった。
がさ、と小さな音が聞こえ、最後に歩いていたセルペンスは足を止める。ソフィア達は気がついていないらしく、そのまま図書館の中に入ろうとしている。
一瞬迷ったセルペンスだったが、その音の方へ行くことを選択した。
廃墟と化した図書館の横、長く生い茂った草と瓦礫が共存する庭らしき場所で少女が倒れていた。小さな物音の正体はこの少女だったらしい。
倒れていた彼女を放っておくこともできず、近寄って抱き起こした。そして無意識のうちに表情を強張らせる。
「ケセラ……」
その少女は同郷でありもうこの世にはいないはずの彼女とあまりにも姿が似ていた。正確に言えば、彼女と生き別れてしまった八年前のあの時とそっくりだ。エメラルドグリーンの髪も睫毛の長さも目鼻立ちも、服装と髪型以外の何もかもが。
つい身体が震えてしまったが、この少女が手負いであることを見て取ったセルペンスは治癒の力を迷い無く使った。白い肌には何かに打たれたのか青い痣がいくつも浮かび上がっている。恐らくは人為的なものだ。
やがて傷そのきれいさっぱり消えた頃、少女は目を覚ました。その瞳も彼女と全く同じ色で、翠玉のごとく煌めいていた。
「ここは……」
「ここは誰も住んでいない廃村だよ。君は倒れていたんだ。起き上がれる?」
「は、い」
少女は不安に瞳と声を震わせながらゆっくりと身体を起こした。辺りをキョロキョロと見回し、そしてセルペンスを見上げる。
「俺はセルペンス。ワケあってここに来たんだ。君はどこからここに?」
「私は……」
少女は深く考え込む仕草をして、やがて顔を青ざめさせる。
「……ら……い」
「?」
「分からないんです。私、どこから来たのか、どうしてここにいるのか……」
「……名前は思い出せる?」
「名前……」
少女は胸元に手を添え、そしてハッと表情を輝かせる。
「ラルカ! 多分ですけど、ラルカと呼ばれていた……ような……」
しかしすぐに自信なさげに萎んでいく声。セルペンスは優しく微笑んで彼女の頭を撫でた。子供を安心させるにはこれが一番効果的であるということは、医者もどきとして旅をしていた経験から学んでいる。
「分かった。君はラルカだ。君は記憶を失ってしまったんだね……」
「……」
セルペンスは分かっている。
ラルカと名乗るこの少女が、恐らくはセラフィが言っていたケセラに似ている少女なのだと。シャルロットやレイも目撃したらしく、彼女がシャーンスに獣を放ちセラフィを刺した張本人であるのだと。
それがなぜ記憶を失って倒れていたかまでは分からないが、全身に負っていた傷から考えてなんらかの暴行を受けていたのだと推察する。ただ転ぶだけじゃここまで満遍なく痣ができることはないだろう。
セルペンスは笑みを消さないまま撫でていた手を離し、代わりにラルカの前に差し出した。
「とりあえず一緒に行こう。近くに俺の仲間がいるんだ。彼等に会ってから今後のことを決めても良いと思うよ」
ラルカは大きな瞳に不安を揺らがせつつ、その手を取った。
その時、後ろからセルペンスを呼ぶ声が聞こえた。
「あ、兄ちゃんここにいたのかー」
「おいおい、いきなり消えるなよ……」
ノアとクロウだ。ソフィアは二人の後ろについて歩いてくる。
ノアを除く二人はラルカの姿を視界に入れた途端、揃って硬直した。ノアはケセラと生き別れてしまった時点で幼かったために、目の前にいる少女の容姿にピンと来なかったのだろう。首を傾げている。
「その子は?」
弟分の問いかけにセルペンスは答える。一瞬動揺してしまったが、もう彼の心が動くことはない。
「彼女はラルカ。どうやら記憶がないみたいでね……。それに酷い怪我をしていたから治していたんだ。彼女の面倒を見てあげたいんだけど、いいかな?」
いつも通りの穏やかな口調のようでいて妙な圧があった。
ソフィアに小突かれ、この場の主導権を一応握っているはずのクロウは表情筋を引きつらせつつ頷くしかなかった。それ以外の返答が出来るはずはない。
「お、おう。別に良いんじゃないか?」
「ありがとう。それじゃあ行こうか。さぁ、ラルカ」
「は、はい」
ラルカの手を取り、セルペンスが立ち上がったのを確認してクロウは背後を指さす。
「はいはい、こっちだこっち」
彼のどうにでもなれという諦めの感情をありありと感じ取り、ソフィアは深々とため息をついた。城からの脱出を手伝って貰った分、手助けをしなければと心の奥底で思いながら。
***
図書館、とはいっても廃墟だ。天井には大きな穴が空き、床や壁だった木の残骸には苔が生え、書架だったものに本は一切置かれていない。なぜなのだろうか、と考えつつ広い空間を一瞥する。
「一階部分の本はあらかた持ち去られたさ。そうとしか考えられない」
「あのね、勝手に考えを読むのは止めて」
「仕事柄の癖だよ。ハハハ」
「ノアの心でも読んでなさい」
「あいつは単純だから読むまでもないっての」
軽口を叩きながらクロウは懐から銀の鍵を取り出してカウンターの側に置かれた書架に差し込む。どうやら小さな鍵穴があるらしい。ガチャン、と硬質な音が空に溶けていく。書架の下にはレールが敷かれていたらしく、重そうなそれを押せば扉のごとく動き、奥へ続く廊下と階段が現れる。
「おー! なんかすげー! 秘密基地感があるな!」
「秘密……基地……」
分かりやすく目を輝かせたノアと、不思議そうに覗き込んでいるラルカをニコニコと見守っているセルペンス。そんな三人の軽い空気感にうっかり調子を狂わされそうになりながらもソフィアは階段を下るクロウの背中を追いかける。
忘れてはならない。ソフィアの大きな目的は独り消えること。そのためにレガリアの口車に乗ること。同行する人数が増えて情が揺らいでしまいそうだ、なんてちょっと弱気になっているけれど。
暗い階段を下ってもう一度鍵付きの扉――今度は普通の扉だ――を開く。
その先には図書館、ではあるのだが妙にメルヘンチックな空間が広がっていた。明るい色の木材で造られている書架には古い本も新しい本も混在し、カラフルな装丁も相まって混沌としている。天井からは月や星を模したガラスが可愛らしいランプがいくつもぶら下がっている。あちこちに鳥やリスなどのぬいぐるみが並び、やはり可愛らしくお茶会をしているようだった。
本の背表紙をこっそり覗き見れば創作童話の類いが多いようだった。
どこからか鼻歌が聞こえてくる。――もしかしなくとも目的のリコだろう。
「ただいま、リコ。日を開けて悪いな」
クロウが声をかける。書架の森を抜けた先、ベッドとテーブル、おまけに小さなキッチンまで備わった小さな空間。そこに彼女はいた。
上機嫌に何かをノートに書き付けていた手を止め、少女は顔を上げた。
銀色の髪がサラリと揺れる。ルベライトを連想させる濃いピンク色の瞳がパッと輝いて少女の可憐さを強調させた。
「おかえりなさい、クロウ!」
少女はノートを閉じて立ち上がってパタパタと駆け寄り、そしてソフィア達へ顔を向ける。
なるほど、八年前に生き別れてから身体は成長しているが明るい雰囲気はそのままだ。記憶通りなら十五歳になる少女は少しばかり小柄だった。ソフィアの記憶にあるままの笑顔で微笑んだ彼女の言葉は、ソフィアを凍り付かせるほどに衝撃だったが。
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