9 / 89
1章 記憶海の眠り姫
7 リコの選択
しおりを挟む
その夜。
なるべく音を立てないように、と開いた扉だったが立て付けが悪かったために鈍い音をたてる。外に出れば曇っていた空も晴れ、寒々しい月明かりが静謐な夜の城下を照らしている。
クロウは一人、その場を離れようとした――その時だった。
「どこへ行くの?」
銀糸を月光に梳かしながらリコが扉を開いた。
「もう夜遅いよ? クロウは明るい時間からずっと働いていたんでしょう? 少しでも寝ないと身体に悪いよ」
くい、と控えめに袖を引く。もう片方の腕には一冊のノートが抱えられている。
能力を使わなくても分かる、純粋な心配の感情が少女の顔にありありと浮かんでいる。
クロウは苦笑しつつ緩くその手を振り払う。そしてそのままリコの丸い頭に大きな手を乗せた。ぽんぽんと叩いてやれば不満げに睨み付けてくる。
「もう、心配しているのに」
「分かっているさ。でもな、俺のことは気にしなくてもいいんだ」
一歩後ろへと下がる。リコが負わないよう制し、クロウはいつも通りの胡散臭そうな笑みを浮かべる。
「寝ないんじゃない。寝ることができなんだよ、俺は。――俺はこの身体を利用して仕事をしているんだ。いや、仕事をしたいんだ。使えるモンは使わないと」
「え……?」
ノートを抱きしめる力が強くなる。
リコは知っている。クロウと自分が“イミタシア”と呼ばれる存在であり、精霊の血を取り込むことで能力と代償を背負っていることを。
リコ自身の力も代償も、もちろん最初のリコからしっかり伝わっている。しかしクロウはどうだ。クロウの能力について最初のリコはノートに書き記していただろうか、と思考を巡らせる。
返ってきた答えは“否”だ。
大切だ、心配をかけないようにしなきゃ、と思ってきた相手が抱えるものをリコは知らなかったのだ。そのことに思い至り、一瞬にして頭が真っ白になる。
「だから何も心配することはないさ。お前こそ寝てろ、一応成長期なんだから」
「……」
クロウはもう一度リコの頭を撫でて、そして背中を向けた。ただ一人分の足音が遠ざかっていく。
何も言えなかったリコは家に入ることしか出来なかった。
(……書き加えておかないと)
カラスの仕事場にてペンを手にする。次の自分へこの失態を繰り返さないよう伝えなければならない。どこかぼんやりとしながら書き記そうとしたその時だった。
ぎぃ、と再び扉の開く音が響く。
クロウが帰ってきたのだろうか……忘れ物でもしたのだろうか……と顔を上げれば、そこには見覚えのない少年が一人。ちらちら辺りを確認して、その少年はリコを捉えた。
「リコか」
「だ、誰? お店はもう閉まっているよ?」
少年は深くため息をついて首を横に振る。
「はぁ。やはり記憶がないのか、哀れだな。……良いだろう、何度でも教えてやる。俺はヴェレーノ。店に用はない。今日はお前に提案があって来た」
「私に提案……?」
「そうだ。乗れば、お前が望む生活を手に入れられる」
リコの望みは一つ。
カラスの仲間達と毎日仲良く暮らすこと。誰も離れない、誰も不幸にはならない幸せな世界でみんなの夢を叶えること。その上でクロウやリコ自身の体質を治すことが出来れば文句一つない。
しかしそれは難しい問題であることは分かっていた。だからこそ甘んじて受け入れて、一人閉じ込められる生活を送っていたのだ。それが一番の妥協案だと信じていた。
「誰もお前を一人にしない。代償に苦しむことも忘れられる」
「ほ、本当に?」
「俺たちに協力してくれるのならば、な」
包帯に覆われた手が差し伸べられる。
迷いつつも手を伸ばしかけたリコだったが、その細い腕は後ろから伸ばされたもう一人によって掴まれ、ヴェレーノの手を取ることはなかった。
リコが後ろを向けば、そこには淡藤の髪が美しい女性が一人。ソフィアだ。
「ヴェレーノ」
「なんだ。お前もいたのか、厄介な」
小さくもはっきりと聞こえた舌打ち。
その言葉を聞いたソフィアは確信する。ヴェレーノはこの建物に余所者――ソフィア、セルペンス、ノア、ラルカがいることを知らない。以前マグナロアで人を捜していた様子のヴェレーノだったが、この中にその人物がいることをソフィアは知っている。
眠っている彼らを起こさないようにするためにも迅速に彼を追い出す必要がある。
リコを後ろへ下がらせつつヴェレーノへ近づく。
じっと動かないままソフィアを睨んでいた彼だが、ふいに右腕を前に突き出した。むき出しの指先はソフィアの顔面へと向かう。
反射的に避けたソフィアだが、掠めた指先が頬を僅かに焼く。
「――っ。貴方、毒性が……」
「昔に比べれば、な」
ヴェレーノは他人に擬態する能力を持つイミタシアだ。その代償として全身が生物を溶かす毒と化している。
ソフィアが知る八年前の彼は、触れた生物の肌をかぶれさせる程度の毒性しか持ち合わせていなかったはずだ。それが、火傷……否、長く触れれば完全に溶かしてしまうであろう強さになっている。
「知っているか? この世には見えていないだけで何もかもを蝕む毒――瘴気があることを。そしてそれは人間が絶えず生んでいることを」
「初耳ね」
「他人に擬態するほど、俺はそいつが持っている瘴気までそっくり取り込んでいるらしい。はは、このままだといつか俺自身をも殺す毒になるかもな?」
これは挑発か。ソフィアの心を乱すことが目的か。
ヴェレーノは饒舌に続ける。
「ああそうだ。聞いたよ、ソフィア。お前、シアルワの城で暴れ回ったんだって? お前のことだ、それも代償あってのことなんだろう――俺と同じ、いつか自滅するための」
「やめて」
思わず声を荒げて制止する。
これ以上は聞きたくない。
「あ、あのあの! 喧嘩はだめ!!」
ついに耐えきれなくなったのかリコが飛び出してくる。ソフィアの前に立ち、ヴェレーノに向き合う。可愛らしい瞳にちっとも怖くはないものの、牽制の意志をこめて睨み挙げる。
「誰かを追い詰めるようなことを言ったら駄目」
「はぁ。めんどくさい」
「もう!」
リコは憤慨する素振りを見せつつ続ける。
「ヴェレーノさん、だったよね。私、貴方に着いていきます」
「リ、リコ……!? 何を言って……」
「ソフィア。私は本気だよ」
手にしていたノートを開き、もう片手に持っていたペンを素早く走らせる。
何が起こるのか察する前に事は動き出した。
ソフィアの周りに光の渦が湧きだし、動きを封じ込めるように囲む。逃げようとソフィアだが、光が形を変える方が早かった。黒い――鉄だ。優美な檻と化した光は鳥かごのごとく彼女を閉じ込める。
「私が頑張ればきっとみんな幸せになる世界が作れるんだよね。この力をもっとちゃんと使えれば――世界そのものを塗り替えることだって、できるかも。そうしたら私たちの夢だって叶えられるかも」
さっさと立ち上がるべきだったんだ、とリコは微笑む。
鳥かごから抜け出そうとソフィアが剣を振るっても新たな鉄が即座に生み出されるため、抜け出すことが出来ない。小さく舌打ちを一つ。
このまま出られないというなら仕方がない。あまり使いたくはなかったイミタシアの力を使うしかない。
ソフィアの力は液体を自由自在に操るもの。神子の炎は建物を焼きかねない。
しかし、この場に水辺はなく、操れるものがない。
ならば。
「血のニオイ」
水がないのならば、身体に流れる血を利用すればいい。
腕に薄く刃を滑らせ、流れるその赤色を武器とする。狙うべきはヴェレーノ。彼さえ追い出せばリコの説得はできるだろう。
「チッ。面倒な……」
「え……きゃ!!」
これから自分が襲われることを察知したヴェレーノは包帯を巻いた手でリコを抱え上げる。そしてドアを蹴破って月明かりの差す方へと逃げていく。
「待ちなさい!」
追いかけたい。しかしリコ自身の手によって阻まれるとは思っていなかった。ここは屋内。壁が邪魔で目標が見えない。目標が見えなければ、遠隔で操れる血も上手く扱えない。
早く彼らを追いかけなければならない。
ヴェレーノが裏で繋がっている存在は知らないが、嫌な予感がする。リコは力を酷使して命を落とす可能性だってあり得る――ケセラがそうであったように。
なるべく音を立てないように、と開いた扉だったが立て付けが悪かったために鈍い音をたてる。外に出れば曇っていた空も晴れ、寒々しい月明かりが静謐な夜の城下を照らしている。
クロウは一人、その場を離れようとした――その時だった。
「どこへ行くの?」
銀糸を月光に梳かしながらリコが扉を開いた。
「もう夜遅いよ? クロウは明るい時間からずっと働いていたんでしょう? 少しでも寝ないと身体に悪いよ」
くい、と控えめに袖を引く。もう片方の腕には一冊のノートが抱えられている。
能力を使わなくても分かる、純粋な心配の感情が少女の顔にありありと浮かんでいる。
クロウは苦笑しつつ緩くその手を振り払う。そしてそのままリコの丸い頭に大きな手を乗せた。ぽんぽんと叩いてやれば不満げに睨み付けてくる。
「もう、心配しているのに」
「分かっているさ。でもな、俺のことは気にしなくてもいいんだ」
一歩後ろへと下がる。リコが負わないよう制し、クロウはいつも通りの胡散臭そうな笑みを浮かべる。
「寝ないんじゃない。寝ることができなんだよ、俺は。――俺はこの身体を利用して仕事をしているんだ。いや、仕事をしたいんだ。使えるモンは使わないと」
「え……?」
ノートを抱きしめる力が強くなる。
リコは知っている。クロウと自分が“イミタシア”と呼ばれる存在であり、精霊の血を取り込むことで能力と代償を背負っていることを。
リコ自身の力も代償も、もちろん最初のリコからしっかり伝わっている。しかしクロウはどうだ。クロウの能力について最初のリコはノートに書き記していただろうか、と思考を巡らせる。
返ってきた答えは“否”だ。
大切だ、心配をかけないようにしなきゃ、と思ってきた相手が抱えるものをリコは知らなかったのだ。そのことに思い至り、一瞬にして頭が真っ白になる。
「だから何も心配することはないさ。お前こそ寝てろ、一応成長期なんだから」
「……」
クロウはもう一度リコの頭を撫でて、そして背中を向けた。ただ一人分の足音が遠ざかっていく。
何も言えなかったリコは家に入ることしか出来なかった。
(……書き加えておかないと)
カラスの仕事場にてペンを手にする。次の自分へこの失態を繰り返さないよう伝えなければならない。どこかぼんやりとしながら書き記そうとしたその時だった。
ぎぃ、と再び扉の開く音が響く。
クロウが帰ってきたのだろうか……忘れ物でもしたのだろうか……と顔を上げれば、そこには見覚えのない少年が一人。ちらちら辺りを確認して、その少年はリコを捉えた。
「リコか」
「だ、誰? お店はもう閉まっているよ?」
少年は深くため息をついて首を横に振る。
「はぁ。やはり記憶がないのか、哀れだな。……良いだろう、何度でも教えてやる。俺はヴェレーノ。店に用はない。今日はお前に提案があって来た」
「私に提案……?」
「そうだ。乗れば、お前が望む生活を手に入れられる」
リコの望みは一つ。
カラスの仲間達と毎日仲良く暮らすこと。誰も離れない、誰も不幸にはならない幸せな世界でみんなの夢を叶えること。その上でクロウやリコ自身の体質を治すことが出来れば文句一つない。
しかしそれは難しい問題であることは分かっていた。だからこそ甘んじて受け入れて、一人閉じ込められる生活を送っていたのだ。それが一番の妥協案だと信じていた。
「誰もお前を一人にしない。代償に苦しむことも忘れられる」
「ほ、本当に?」
「俺たちに協力してくれるのならば、な」
包帯に覆われた手が差し伸べられる。
迷いつつも手を伸ばしかけたリコだったが、その細い腕は後ろから伸ばされたもう一人によって掴まれ、ヴェレーノの手を取ることはなかった。
リコが後ろを向けば、そこには淡藤の髪が美しい女性が一人。ソフィアだ。
「ヴェレーノ」
「なんだ。お前もいたのか、厄介な」
小さくもはっきりと聞こえた舌打ち。
その言葉を聞いたソフィアは確信する。ヴェレーノはこの建物に余所者――ソフィア、セルペンス、ノア、ラルカがいることを知らない。以前マグナロアで人を捜していた様子のヴェレーノだったが、この中にその人物がいることをソフィアは知っている。
眠っている彼らを起こさないようにするためにも迅速に彼を追い出す必要がある。
リコを後ろへ下がらせつつヴェレーノへ近づく。
じっと動かないままソフィアを睨んでいた彼だが、ふいに右腕を前に突き出した。むき出しの指先はソフィアの顔面へと向かう。
反射的に避けたソフィアだが、掠めた指先が頬を僅かに焼く。
「――っ。貴方、毒性が……」
「昔に比べれば、な」
ヴェレーノは他人に擬態する能力を持つイミタシアだ。その代償として全身が生物を溶かす毒と化している。
ソフィアが知る八年前の彼は、触れた生物の肌をかぶれさせる程度の毒性しか持ち合わせていなかったはずだ。それが、火傷……否、長く触れれば完全に溶かしてしまうであろう強さになっている。
「知っているか? この世には見えていないだけで何もかもを蝕む毒――瘴気があることを。そしてそれは人間が絶えず生んでいることを」
「初耳ね」
「他人に擬態するほど、俺はそいつが持っている瘴気までそっくり取り込んでいるらしい。はは、このままだといつか俺自身をも殺す毒になるかもな?」
これは挑発か。ソフィアの心を乱すことが目的か。
ヴェレーノは饒舌に続ける。
「ああそうだ。聞いたよ、ソフィア。お前、シアルワの城で暴れ回ったんだって? お前のことだ、それも代償あってのことなんだろう――俺と同じ、いつか自滅するための」
「やめて」
思わず声を荒げて制止する。
これ以上は聞きたくない。
「あ、あのあの! 喧嘩はだめ!!」
ついに耐えきれなくなったのかリコが飛び出してくる。ソフィアの前に立ち、ヴェレーノに向き合う。可愛らしい瞳にちっとも怖くはないものの、牽制の意志をこめて睨み挙げる。
「誰かを追い詰めるようなことを言ったら駄目」
「はぁ。めんどくさい」
「もう!」
リコは憤慨する素振りを見せつつ続ける。
「ヴェレーノさん、だったよね。私、貴方に着いていきます」
「リ、リコ……!? 何を言って……」
「ソフィア。私は本気だよ」
手にしていたノートを開き、もう片手に持っていたペンを素早く走らせる。
何が起こるのか察する前に事は動き出した。
ソフィアの周りに光の渦が湧きだし、動きを封じ込めるように囲む。逃げようとソフィアだが、光が形を変える方が早かった。黒い――鉄だ。優美な檻と化した光は鳥かごのごとく彼女を閉じ込める。
「私が頑張ればきっとみんな幸せになる世界が作れるんだよね。この力をもっとちゃんと使えれば――世界そのものを塗り替えることだって、できるかも。そうしたら私たちの夢だって叶えられるかも」
さっさと立ち上がるべきだったんだ、とリコは微笑む。
鳥かごから抜け出そうとソフィアが剣を振るっても新たな鉄が即座に生み出されるため、抜け出すことが出来ない。小さく舌打ちを一つ。
このまま出られないというなら仕方がない。あまり使いたくはなかったイミタシアの力を使うしかない。
ソフィアの力は液体を自由自在に操るもの。神子の炎は建物を焼きかねない。
しかし、この場に水辺はなく、操れるものがない。
ならば。
「血のニオイ」
水がないのならば、身体に流れる血を利用すればいい。
腕に薄く刃を滑らせ、流れるその赤色を武器とする。狙うべきはヴェレーノ。彼さえ追い出せばリコの説得はできるだろう。
「チッ。面倒な……」
「え……きゃ!!」
これから自分が襲われることを察知したヴェレーノは包帯を巻いた手でリコを抱え上げる。そしてドアを蹴破って月明かりの差す方へと逃げていく。
「待ちなさい!」
追いかけたい。しかしリコ自身の手によって阻まれるとは思っていなかった。ここは屋内。壁が邪魔で目標が見えない。目標が見えなければ、遠隔で操れる血も上手く扱えない。
早く彼らを追いかけなければならない。
ヴェレーノが裏で繋がっている存在は知らないが、嫌な予感がする。リコは力を酷使して命を落とす可能性だってあり得る――ケセラがそうであったように。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
里帰りをしていたら離婚届が送られてきたので今から様子を見に行ってきます
結城芙由奈@コミカライズ連載中
恋愛
<離婚届?納得いかないので今から内密に帰ります>
政略結婚で2年もの間「白い結婚」を続ける最中、妹の出産祝いで里帰りしていると突然届いた離婚届。あまりに理不尽で到底受け入れられないので内緒で帰ってみた結果・・・?
※「カクヨム」「小説家になろう」にも投稿しています
【完結】捨て去られた王妃は王宮で働く
ここ
ファンタジー
たしかに私は王妃になった。
5歳の頃に婚約が決まり、逃げようがなかった。完全なる政略結婚。
夫である国王陛下は、ハーレムで浮かれている。政務は王妃が行っていいらしい。私は仕事は得意だ。家臣たちが追いつけないほど、理解が早く、正確らしい。家臣たちは、王妃がいないと困るようになった。何とかしなければ…
さようならの定型文~身勝手なあなたへ
宵森みなと
恋愛
「好きな女がいる。君とは“白い結婚”を——」
――それは、夢にまで見た結婚式の初夜。
額に誓いのキスを受けた“その夜”、彼はそう言った。
涙すら出なかった。
なぜなら私は、その直前に“前世の記憶”を思い出したから。
……よりによって、元・男の人生を。
夫には白い結婚宣言、恋も砕け、初夜で絶望と救済で、目覚めたのは皮肉にも、“現実”と“前世”の自分だった。
「さようなら」
だって、もう誰かに振り回されるなんて嫌。
慰謝料もらって悠々自適なシングルライフ。
別居、自立して、左団扇の人生送ってみせますわ。
だけど元・夫も、従兄も、世間も――私を放ってはくれないみたい?
「……何それ、私の人生、まだ波乱あるの?」
はい、あります。盛りだくさんで。
元・男、今・女。
“白い結婚からの離縁”から始まる、人生劇場ここに開幕。
-----『白い結婚の行方』シリーズ -----
『白い結婚の行方』の物語が始まる、前のお話です。
復讐のための五つの方法
炭田おと
恋愛
皇后として皇帝カエキリウスのもとに嫁いだイネスは、カエキリウスに愛人ルジェナがいることを知った。皇宮ではルジェナが権威を誇示していて、イネスは肩身が狭い思いをすることになる。
それでも耐えていたイネスだったが、父親に反逆の罪を着せられ、家族も、彼女自身も、処断されることが決まった。
グレゴリウス卿の手を借りて、一人生き残ったイネスは復讐を誓う。
72話で完結です。
愛された側妃と、愛されなかった正妃
編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。
夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。
連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。
正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。
※カクヨムさんにも掲載中
※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります
※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。
侯爵家の婚約者
やまだごんた
恋愛
侯爵家の嫡男カインは、自分を見向きもしない母に、なんとか認められようと努力を続ける。
7歳の誕生日を王宮で祝ってもらっていたが、自分以外の子供を可愛がる母の姿をみて、魔力を暴走させる。
その場の全員が死を覚悟したその時、1人の少女ジルダがカインの魔力を吸収して救ってくれた。
カインが魔力を暴走させないよう、王はカインとジルダを婚約させ、定期的な魔力吸収を命じる。
家族から冷たくされていたジルダに、カインは母から愛されない自分の寂しさを重ね、よき婚約者になろうと努力する。
だが、母が死に際に枕元にジルダを呼んだのを知り、ジルダもまた自分を裏切ったのだと絶望する。
17歳になった2人は、翌年の結婚を控えていたが、関係は歪なままだった。
そんな中、カインは仕事中に魔獣に攻撃され、死にかけていたところを救ってくれたイレリアという美しい少女と出会い、心を通わせていく。
全86話+番外編の予定
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる