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1章 記憶海の眠り姫
9 昏睡
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時は少し遡る。
クロウはプレジールの貴族である女性と短い商売をしていた。
「――ということのようですね。証拠はこちらに」
「まぁ! まぁ! やっぱり浮気をしていたのですね! 許しませんことよ、マイダーリン!!」
「そうですね。お次の密会場所はこちらで――」
「分かりましたわ。次こそ泥棒猫を追い出してみせますとも。……何度も助かりますわ、情報屋」
「いえいえ。大切なお客様ですから」
完璧な営業スマイルを貼り付けてクロウは客である女性へと近づく。
「ところでお嬢様。お嬢様は“海”というものをご存じですか?」
「海? あぁ、この世界の端にあるという……昔は絵本でよく見かけましたわ」
「この世に実在すると思いますか?」
「さぁ、情報屋である貴方が知らない情報はわたくしも知らなくてよ。そんなおとぎ話を信じているの?」
「ふふ、私はロマンチストなのですよ」
我ながらくだらない言い訳だな、と思いつつクロウは一歩離れて優雅に礼をする。これ以上長居するつもりはない。
「それではお嬢様、私めはこれにて。またのご利用を――」
「海、ね。確かにラエティティア王国にもシアルワ王国にもないものです。二国の外は最早人間の手を離れ、精霊も見向きもしないありのままの大地が広がっている。きっとその最果てにあるのでしょうね。わたくし、そんなロマンある話も嫌いではなくてよ」
「!!」
「恋するわたくしには分かりますわ、貴方が海を求める理由が。……いつか、貴方がその人と海を見られるよう祈っておりますわ」
先ほどまで怒りまくっていた鬼の形相はどこへやら。彼女は頬を紅潮させてくねくねと身体を動かし始めた。
「海……海……よくよく考えて見たらとても良いですわね! 泥棒猫を追い出した暁にはマイダーリンと二人、見知らぬ海を目指して逃避行なんて……うふふふふふ……」
「……」
***
店を目指して歩いていると、目的地の前に立つ知人が一人。
彼はクロウを確認するとつかつかと歩み寄り、周囲に迷惑にならないようにと声を潜めて語りかける。
「おいどうした、セルペ……」
「落ち着いて聞いてくれ、クロウ。リコがヴェレーノに連れて行かれた」
「は?」
思わず素っ頓狂な声が出てしまう。
「な、何でだよ。ソフィアやお前だっていたのに」
「……どうやらリコ自身が望んだみたいなんだ。俺はその場にいなくて。ごめん」
「いや、責めるつもりはないんだ。悪かった。それで、彼らはどこへ行ったか分かるか?」
努めて冷静にそう返せば、セルペンスは西を指さす。
「よく分からない。けど、ソフィアはあっちの方へ走っていったよ」
「そうか。後は俺がなんとかする。お前はここでチビたちを頼む」
見送りの言葉を待たずにクロウは駆けだした。
正直どこへ行けばいいのかは分からない。けれど、道行く人の心を読み取りながらならば目撃情報を得られるかもしれない。ただ、深夜の今人通りはほぼないに等しいのだが。
長い脚を駆使して駆けること数分。
石畳の大通り、その真ん中。美しい女がそこにいた。
「お前――」
見覚えのあるその美貌にクロウが身構えると同時に、白い霧が不自然に立ちこめた。
***
「クロウ――?」
当たっていれば間違いなくヴェレーノの頭を抉っていたであろう弾丸は、遠くの壁にめり込んで勢いを殺した。
突然の乱入者にソフィアもヴェレーノも一度動きを止めて彼を見上げる。
彼は銃口をヴェレーノに向けて立っていた。しかし、どこか様子がおかしい。
その顔にいつも通りの余裕はない。何かに耐えているかのように眉根を寄せ、額から汗を垂らし、肩は荒い息で上下している。
「あいつは――リコは、どこだ」
「さぁ?」
ソフィアが感じ取った異変をヴェレーノも感じたのだろう。飛び出すかと思われた挑発は彼の口から出ることはなかった。
「いいから――教えろ!!」
目を見開いて怒鳴りつける姿は初めて見た。
ソフィアは驚くのと同時に確かな予感がした。彼は、再びその引き金を引くだろう。今のクロウはヴェレーノそのものを撃ってしまいかねない。そんな気がした。
そんな思考を一瞬で済ませてソフィアは飛び出す。
薄暗いクロウの視線がヴェレーノから逸れる。
あろうことかクロウは黒い銃口をソフィアに向けてみせた。
「!!」
咄嗟に身を屈め、前転する形になったのが幸を制したらしい。耳をつんざく破裂音はソフィアの真上を通り過ぎていく。
「落ち着きなさい!」
急いで身体を起こして剣の柄で銃を叩き落とす。あっけなくクロウの手を離れたそれを蹴り飛ばして壁際へ追いやる。もちろんヴェレーノとは反対方向に。
「あっ……」
「貴方に弱られてしまうと困るのよ」
動揺を顕わにしたクロウの頭を脇に抱え込む。
手加減をしつつ締め上げれば、やがて弱々しい返事が返ってくる。
「ぎ……」
「ぎ?」
「ぎぶ……ちからつよ……」
強張っていた身体から余分な力が抜けたことを確認し、ソフィアはクロウを解放する。
彼は長身を屈めてぜぇぜぇ息を整えている。どうやら落ち着いたようだ。
「後で説明してもらうわよ。今は私がヴェレーノをなんとかするから……」
「誰が誰をなんとかするって?」
呆れたように事を見守っていたヴェレーノだが、攻撃する気をなくしたのかただ立っているだけだ。彼は懐から小さな機会を取り出してひらひらとアピールする。
「あのな、ここは俺もよく出入りしている場所で勝手も分かっているんだ。お前達を分断させて動きを封じることだって出来るんだぞ」
「おまえ、それ」
「クロウも使ったことがあるんだったか。あの人たちの組織は、あの人たちが所属するずっと前から遺跡を根城にして改築を進めていたらしい。だからこんなこともできる」
顔色が悪いままのクロウに意地悪く目を細めてみせる。布に覆われて見えないその口元には笑みが浮かんでいることだろう。
カチ、と小さく無機質な音。
同時に辺りのランプが一斉に切れ、暗闇に包まれる。地下に存在するこの空間は明かりがないと何も見えなくなるのだ。
「……ソフィアだけでいいか」
「何を――きゃっ」
ふいに誰かの腕が自分の身体に回されたことに驚き、咄嗟に振り払おうとするも相手の顔がどこにあるのかも分からない。振り上げた自身の手は空を切り、そして捕らわれる。
「少し大人しくしておけ」
ソフィアが何かを言おうとしたその時、ふわりと異臭が鼻をつく。次の瞬間顔面に押し当てられた布が発生源のようだ。
犯人はどう考えてもヴェレーノだ。彼が何をしようとしているのかを漸く悟ったソフィアだが、気がつくのが遅かった。全身を使って彼の手を振りほどいても薬のニオイをもう嗅いでしまった。
あまり身体に力が入らない。それどころか、どんどん抜けていく感覚すらする。
(私としたことが)
もしかしたらレガリアが助けてくれるかもしれない、なんて甘い考えがあったのかもしれない。ソフィアは膝をつく。
「おい、ソフィア! どこだ!」
近くにいるはずのクロウの声も遠くに聞こえる。
これは本格的にまずい状況だった。目的のリコも取り戻せず、様子のおかしかったクロウをそのままにして的に捕まるワケにはいかないというのに。
最後の抵抗として手にしていた刃に触れる。薄く腕に当てただけで鋭い痛みが走るが、これもソフィアに襲い来る睡魔を妨害する手助けにはならなかった。
ヴェレーノだろうか、足音が聞こえる。
そしてソフィアは意識を手放した。
「あの男を前にして無事であることを祈るよ、お前」
クロウはプレジールの貴族である女性と短い商売をしていた。
「――ということのようですね。証拠はこちらに」
「まぁ! まぁ! やっぱり浮気をしていたのですね! 許しませんことよ、マイダーリン!!」
「そうですね。お次の密会場所はこちらで――」
「分かりましたわ。次こそ泥棒猫を追い出してみせますとも。……何度も助かりますわ、情報屋」
「いえいえ。大切なお客様ですから」
完璧な営業スマイルを貼り付けてクロウは客である女性へと近づく。
「ところでお嬢様。お嬢様は“海”というものをご存じですか?」
「海? あぁ、この世界の端にあるという……昔は絵本でよく見かけましたわ」
「この世に実在すると思いますか?」
「さぁ、情報屋である貴方が知らない情報はわたくしも知らなくてよ。そんなおとぎ話を信じているの?」
「ふふ、私はロマンチストなのですよ」
我ながらくだらない言い訳だな、と思いつつクロウは一歩離れて優雅に礼をする。これ以上長居するつもりはない。
「それではお嬢様、私めはこれにて。またのご利用を――」
「海、ね。確かにラエティティア王国にもシアルワ王国にもないものです。二国の外は最早人間の手を離れ、精霊も見向きもしないありのままの大地が広がっている。きっとその最果てにあるのでしょうね。わたくし、そんなロマンある話も嫌いではなくてよ」
「!!」
「恋するわたくしには分かりますわ、貴方が海を求める理由が。……いつか、貴方がその人と海を見られるよう祈っておりますわ」
先ほどまで怒りまくっていた鬼の形相はどこへやら。彼女は頬を紅潮させてくねくねと身体を動かし始めた。
「海……海……よくよく考えて見たらとても良いですわね! 泥棒猫を追い出した暁にはマイダーリンと二人、見知らぬ海を目指して逃避行なんて……うふふふふふ……」
「……」
***
店を目指して歩いていると、目的地の前に立つ知人が一人。
彼はクロウを確認するとつかつかと歩み寄り、周囲に迷惑にならないようにと声を潜めて語りかける。
「おいどうした、セルペ……」
「落ち着いて聞いてくれ、クロウ。リコがヴェレーノに連れて行かれた」
「は?」
思わず素っ頓狂な声が出てしまう。
「な、何でだよ。ソフィアやお前だっていたのに」
「……どうやらリコ自身が望んだみたいなんだ。俺はその場にいなくて。ごめん」
「いや、責めるつもりはないんだ。悪かった。それで、彼らはどこへ行ったか分かるか?」
努めて冷静にそう返せば、セルペンスは西を指さす。
「よく分からない。けど、ソフィアはあっちの方へ走っていったよ」
「そうか。後は俺がなんとかする。お前はここでチビたちを頼む」
見送りの言葉を待たずにクロウは駆けだした。
正直どこへ行けばいいのかは分からない。けれど、道行く人の心を読み取りながらならば目撃情報を得られるかもしれない。ただ、深夜の今人通りはほぼないに等しいのだが。
長い脚を駆使して駆けること数分。
石畳の大通り、その真ん中。美しい女がそこにいた。
「お前――」
見覚えのあるその美貌にクロウが身構えると同時に、白い霧が不自然に立ちこめた。
***
「クロウ――?」
当たっていれば間違いなくヴェレーノの頭を抉っていたであろう弾丸は、遠くの壁にめり込んで勢いを殺した。
突然の乱入者にソフィアもヴェレーノも一度動きを止めて彼を見上げる。
彼は銃口をヴェレーノに向けて立っていた。しかし、どこか様子がおかしい。
その顔にいつも通りの余裕はない。何かに耐えているかのように眉根を寄せ、額から汗を垂らし、肩は荒い息で上下している。
「あいつは――リコは、どこだ」
「さぁ?」
ソフィアが感じ取った異変をヴェレーノも感じたのだろう。飛び出すかと思われた挑発は彼の口から出ることはなかった。
「いいから――教えろ!!」
目を見開いて怒鳴りつける姿は初めて見た。
ソフィアは驚くのと同時に確かな予感がした。彼は、再びその引き金を引くだろう。今のクロウはヴェレーノそのものを撃ってしまいかねない。そんな気がした。
そんな思考を一瞬で済ませてソフィアは飛び出す。
薄暗いクロウの視線がヴェレーノから逸れる。
あろうことかクロウは黒い銃口をソフィアに向けてみせた。
「!!」
咄嗟に身を屈め、前転する形になったのが幸を制したらしい。耳をつんざく破裂音はソフィアの真上を通り過ぎていく。
「落ち着きなさい!」
急いで身体を起こして剣の柄で銃を叩き落とす。あっけなくクロウの手を離れたそれを蹴り飛ばして壁際へ追いやる。もちろんヴェレーノとは反対方向に。
「あっ……」
「貴方に弱られてしまうと困るのよ」
動揺を顕わにしたクロウの頭を脇に抱え込む。
手加減をしつつ締め上げれば、やがて弱々しい返事が返ってくる。
「ぎ……」
「ぎ?」
「ぎぶ……ちからつよ……」
強張っていた身体から余分な力が抜けたことを確認し、ソフィアはクロウを解放する。
彼は長身を屈めてぜぇぜぇ息を整えている。どうやら落ち着いたようだ。
「後で説明してもらうわよ。今は私がヴェレーノをなんとかするから……」
「誰が誰をなんとかするって?」
呆れたように事を見守っていたヴェレーノだが、攻撃する気をなくしたのかただ立っているだけだ。彼は懐から小さな機会を取り出してひらひらとアピールする。
「あのな、ここは俺もよく出入りしている場所で勝手も分かっているんだ。お前達を分断させて動きを封じることだって出来るんだぞ」
「おまえ、それ」
「クロウも使ったことがあるんだったか。あの人たちの組織は、あの人たちが所属するずっと前から遺跡を根城にして改築を進めていたらしい。だからこんなこともできる」
顔色が悪いままのクロウに意地悪く目を細めてみせる。布に覆われて見えないその口元には笑みが浮かんでいることだろう。
カチ、と小さく無機質な音。
同時に辺りのランプが一斉に切れ、暗闇に包まれる。地下に存在するこの空間は明かりがないと何も見えなくなるのだ。
「……ソフィアだけでいいか」
「何を――きゃっ」
ふいに誰かの腕が自分の身体に回されたことに驚き、咄嗟に振り払おうとするも相手の顔がどこにあるのかも分からない。振り上げた自身の手は空を切り、そして捕らわれる。
「少し大人しくしておけ」
ソフィアが何かを言おうとしたその時、ふわりと異臭が鼻をつく。次の瞬間顔面に押し当てられた布が発生源のようだ。
犯人はどう考えてもヴェレーノだ。彼が何をしようとしているのかを漸く悟ったソフィアだが、気がつくのが遅かった。全身を使って彼の手を振りほどいても薬のニオイをもう嗅いでしまった。
あまり身体に力が入らない。それどころか、どんどん抜けていく感覚すらする。
(私としたことが)
もしかしたらレガリアが助けてくれるかもしれない、なんて甘い考えがあったのかもしれない。ソフィアは膝をつく。
「おい、ソフィア! どこだ!」
近くにいるはずのクロウの声も遠くに聞こえる。
これは本格的にまずい状況だった。目的のリコも取り戻せず、様子のおかしかったクロウをそのままにして的に捕まるワケにはいかないというのに。
最後の抵抗として手にしていた刃に触れる。薄く腕に当てただけで鋭い痛みが走るが、これもソフィアに襲い来る睡魔を妨害する手助けにはならなかった。
ヴェレーノだろうか、足音が聞こえる。
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