12 / 89
1章 記憶海の眠り姫
10 救出
しおりを挟む
また夢をみた。
真っ赤な髪の少女が「やっぱりね」と微笑んでソフィアと手を重ねる。
『私の力を使えばいいのに。そうしたらあんな暗闇も焼き尽くしてあげたのに』
「いらないわ、別に」
動けずにただ座り込んでいるソフィアと全く同じ格好で彼女は目を見開く。暗い光を深紅の瞳に湛えて。
『この前は追い出されてしまったけれど――あの小さな神様だって今殺しておかないと、後でどうなってしまうことやら』
「……」
『今もこの状況を面白おかしく見ているだけかもしれないわ。まったく、嫌な子ね』
「……」
『あぁ、もうすぐ目覚めの時間かしら』
彼女は俯いたソフィアの顔を下から覗き込む。
『いざとなったら神子の力を使いなさい。きっと貴女の道を拓くわ』
***
意識が浮上していく。
最初に視界に入ったのは少しだけ青みがかった白の天井。遺跡らしさなど欠片もない、あまりにも無機質な天井だ。
瞬きを一度、二度、三度。
何か硬いものの上に寝かされているようだ。身体を起こそうとして、拘束されていることに気がつく。
「起きた?」
見知らぬ声。それと同時に降りかかる影。
横たわるソフィアの横に長身の男が腰掛けた。くすんだ黄緑色の髪に橙色の瞳、纏うのは白衣。手でメスのようなものを弄んでいる。
「起きている君とは初めまして、だね。さっきまで色々調べさせてもらっていたんだけど」
「……誰?」
「あぁそうだった。自己紹介しなくちゃだよねー。ごめんごめん、一応裕福な家出身のはずなんだけど礼儀がなっていなかったね」
男はカラカラと笑った。
「俺はシトロン。君をここまで連れてきたヴェレーノの血縁って言えば分かりやすいかな。従兄弟なんだわ」
「ヴェレーノの……?」
そう言われて男シトロンの顔をよく見てみれば、確かに面影はある。髪色も瞳の色も同じだ。
彼と違うのは、卑下と侮蔑の光ではなく好奇心と狂気の光が瞳に宿っているところか。
「君もイミタシアだってあいつが言ってたからさぁ、丁度良いと思って血とか髪の毛とか採取させてもらったんだよね。遺伝子情報が欲しかったからね、ごめんね」
「……」
気絶している間にそんなことをされていたのか、とソフィアは隠しもせず顔をしかめる。身体に痛みはないことからそれ以上のことはされていないと信じたい。
シトロンは可笑しそうに笑いつつ続ける。
「あはは、そんな嫌な顔しないでよ。おかげで興味深いデータが取れそうなんだ、感謝しているんだよ」
ずい、と顔を近づけられる。離れたくても寝台に拘束されている以上離れられない。
台に散らばる髪を梳きつつ、一本だけプチリと千切る。
「君、ただのイミタシアじゃないね。と言っても、入手できたイミタシア例は二体だけなんだけどね。それでも、彼らとは違う。精霊以外の何かがあるっしょ? それが何かまではまだ調べ切れていないんだけどさ……。調べたらきっと面白いんだろうな」
悪寒。今までも嫌な予感を感じることはあってもこんなに気味が悪いものだっただろうか。
――これ以上ここにいてはいけない。
シトロンが言っている意味はなんとなく分かる。おそらくソフィアが神子の身でありながらイミタシアであることだろう。ソフィアは自分が特異な存在であると自覚している。
この男から離れなくては。
シトロンが元の姿勢に戻ったことその隙にソフィアは何が自分を拘束しているのかを確認する。手枷と足枷、どちらも重い金属でできている。逃げようがない。
「あ、ちなみにここは君が侵入したあの遺跡ではないよ。ルシたんともう一人のイミタシアもそろそろ別の場所に移動を始めているんじゃないかな」
「……そう。ところで、私が目覚めるまでにどれくらい時間がかかったのかしら」
「んー。多分丸一日は気絶していたと思うけどね……ん?」
その時だった。
ヴヴ、と何かが震える音がする。その音に片眉を上げたシトロンは寝台から立ち上がって重厚そうに見える白い扉の方を見やる。
「侵入者、かぁ」
慎重に開かれる扉。奥の暗闇から見えたのは――。
それと同時にシトロンの手に握られていたメスが投げられる。勢いよく飛んでいく銀色のそれはいともたやすく弾き飛ばされた。
メスを弾いた流麗な槍を持つのは、赤銅色の衣服を纏った青年だ。長い黒髪は後ろで一つに結い上げられている。翡翠の瞳がシトロンを捉えた途端、嫌悪に染まる。
「お前か」
「あれー、君はルシたんの弟君じゃん。おひさー」
部屋に乱入してきたのはセラフィだ。シアルワ王国の騎士を務める彼が何故ラエティティア王国にいるのか。ソフィアは驚く。
その後ろから栗色の髪を揺らした女性が顔を覗かせる。橙色のロングスカートがよく似合う彼女は同じくシアルワ王国で働くシェキナだ。彼女はシトロンの後ろに横たわるソフィアをいち早く発見してセラフィの肩に手を置く。
「ちょっと、セラフィ! あそこ!」
「え? ……ソフィア!?」
二人は目を見開き、そして各々の武器を構える。
「貴様、ソフィアに何をした……!?」
「いや、まだやろうとしていることの一割も終わっていないんだけど……」
「貴方がセラフィの言っていたゲス野郎ね! クロウに引き続きソフィアまで! ここで捕まえないと!」
「クロウ? あぁ、情報屋の。彼について俺もルシたんも本当に何もしていないけどなぁ。濡れ衣だって」
「とぼけるな」
セラフィが床を蹴る。
あの日、ソフィアが狂ったセラフィの動きを止めるために対峙したその時よりも明らかに洗練された動きだ。やはり本調子ではなかったのだろう。
放たれた一閃も、シトロンにとっては躱すことも容易な一撃に過ぎない。身軽な動きで躱すも、今回はセラフィ一人ではない。
銀に煌めく軌跡とともに矢がシトロンの頭を掠めた。怪我こそしなかったものの、くすんだ黄緑色の髪が僅かに切れてはらりと落ちる。
ひゅう、と口笛が一つ。
「あらら。後で整えないと」
この男は相当手強いのだろう、とソフィアは無言で睨む。少し交わしただけの会話の中でも底知れない本性に恐怖を感じたものだ。早々に追い出したい。
それに、セラフィに無理はさせられない。
あまりこの力は使いたくはなかった。ソフィアを責め立てる彼女を思い出してしまうから。しかし、ここで使わない手はないだろう。
小さく深呼吸をしてから意識を集中させる。
「!」
シトロンの纏う白衣に、鮮やかな炎が花開いた。恐ろしいほどの反射神経で燃える裾を切り裂いたシトロンだが、その一瞬の隙にセラフィが迫る。メス一本で槍を受け止めることは出来なかったのか、みし、と銀色のそれが折れ曲がった。続けざまに腹へ叩き込まれた足は直撃し、シトロンは後退する。
しかし、彼はニコニコと楽しそうに笑った。
「あはは、まるで魔法みたいだ。……また会おうね、ソフィアちゃん」
適当に何かを放り投げ、ゾッとする一言を残して優雅に一礼。飛んできた矢を器用に避けつつ、鼻歌交じりに彼は扉の外へ出て行った。
それを追おうとしたセラフィを炎の壁で強引に引き留める。
「お願い、これ以上深追いはしないで」
「……ソフィア」
「無理をしないでと言っているの」
あんな鮮血はもう見たくないから、と暗に訴える。ソフィアの願いを察したのかセラフィは素直に頷いた。
「そうだね。それよりも先に君を解放しなきゃいけないっていうのに」
「……あの男に深く関わらない方が良いと思うわ」
「でも、あいつはきっと自分から関わってくるよ」
シェキナが拾った鍵を受け取り、セラフィは枷を外していく。四肢が自由になり、ソフィアは身体を起こす。薬で眠っていたせいもあるだろうが、少し頭がぼんやりする。
「ソフィア、大丈夫? 歩ける?」
「問題ないわ」
「ふらつくようなら言ってね? 肩は貸すから」
「えぇ」
心配してくれるシェキナに微笑みかけ、ソフィアは問いかけた。
「説明してもらえるかしら。貴方たちがここに来るまでの間に見たものを」
「了解。でも、その前にここから出ようか。話はそれからだ」
真っ赤な髪の少女が「やっぱりね」と微笑んでソフィアと手を重ねる。
『私の力を使えばいいのに。そうしたらあんな暗闇も焼き尽くしてあげたのに』
「いらないわ、別に」
動けずにただ座り込んでいるソフィアと全く同じ格好で彼女は目を見開く。暗い光を深紅の瞳に湛えて。
『この前は追い出されてしまったけれど――あの小さな神様だって今殺しておかないと、後でどうなってしまうことやら』
「……」
『今もこの状況を面白おかしく見ているだけかもしれないわ。まったく、嫌な子ね』
「……」
『あぁ、もうすぐ目覚めの時間かしら』
彼女は俯いたソフィアの顔を下から覗き込む。
『いざとなったら神子の力を使いなさい。きっと貴女の道を拓くわ』
***
意識が浮上していく。
最初に視界に入ったのは少しだけ青みがかった白の天井。遺跡らしさなど欠片もない、あまりにも無機質な天井だ。
瞬きを一度、二度、三度。
何か硬いものの上に寝かされているようだ。身体を起こそうとして、拘束されていることに気がつく。
「起きた?」
見知らぬ声。それと同時に降りかかる影。
横たわるソフィアの横に長身の男が腰掛けた。くすんだ黄緑色の髪に橙色の瞳、纏うのは白衣。手でメスのようなものを弄んでいる。
「起きている君とは初めまして、だね。さっきまで色々調べさせてもらっていたんだけど」
「……誰?」
「あぁそうだった。自己紹介しなくちゃだよねー。ごめんごめん、一応裕福な家出身のはずなんだけど礼儀がなっていなかったね」
男はカラカラと笑った。
「俺はシトロン。君をここまで連れてきたヴェレーノの血縁って言えば分かりやすいかな。従兄弟なんだわ」
「ヴェレーノの……?」
そう言われて男シトロンの顔をよく見てみれば、確かに面影はある。髪色も瞳の色も同じだ。
彼と違うのは、卑下と侮蔑の光ではなく好奇心と狂気の光が瞳に宿っているところか。
「君もイミタシアだってあいつが言ってたからさぁ、丁度良いと思って血とか髪の毛とか採取させてもらったんだよね。遺伝子情報が欲しかったからね、ごめんね」
「……」
気絶している間にそんなことをされていたのか、とソフィアは隠しもせず顔をしかめる。身体に痛みはないことからそれ以上のことはされていないと信じたい。
シトロンは可笑しそうに笑いつつ続ける。
「あはは、そんな嫌な顔しないでよ。おかげで興味深いデータが取れそうなんだ、感謝しているんだよ」
ずい、と顔を近づけられる。離れたくても寝台に拘束されている以上離れられない。
台に散らばる髪を梳きつつ、一本だけプチリと千切る。
「君、ただのイミタシアじゃないね。と言っても、入手できたイミタシア例は二体だけなんだけどね。それでも、彼らとは違う。精霊以外の何かがあるっしょ? それが何かまではまだ調べ切れていないんだけどさ……。調べたらきっと面白いんだろうな」
悪寒。今までも嫌な予感を感じることはあってもこんなに気味が悪いものだっただろうか。
――これ以上ここにいてはいけない。
シトロンが言っている意味はなんとなく分かる。おそらくソフィアが神子の身でありながらイミタシアであることだろう。ソフィアは自分が特異な存在であると自覚している。
この男から離れなくては。
シトロンが元の姿勢に戻ったことその隙にソフィアは何が自分を拘束しているのかを確認する。手枷と足枷、どちらも重い金属でできている。逃げようがない。
「あ、ちなみにここは君が侵入したあの遺跡ではないよ。ルシたんともう一人のイミタシアもそろそろ別の場所に移動を始めているんじゃないかな」
「……そう。ところで、私が目覚めるまでにどれくらい時間がかかったのかしら」
「んー。多分丸一日は気絶していたと思うけどね……ん?」
その時だった。
ヴヴ、と何かが震える音がする。その音に片眉を上げたシトロンは寝台から立ち上がって重厚そうに見える白い扉の方を見やる。
「侵入者、かぁ」
慎重に開かれる扉。奥の暗闇から見えたのは――。
それと同時にシトロンの手に握られていたメスが投げられる。勢いよく飛んでいく銀色のそれはいともたやすく弾き飛ばされた。
メスを弾いた流麗な槍を持つのは、赤銅色の衣服を纏った青年だ。長い黒髪は後ろで一つに結い上げられている。翡翠の瞳がシトロンを捉えた途端、嫌悪に染まる。
「お前か」
「あれー、君はルシたんの弟君じゃん。おひさー」
部屋に乱入してきたのはセラフィだ。シアルワ王国の騎士を務める彼が何故ラエティティア王国にいるのか。ソフィアは驚く。
その後ろから栗色の髪を揺らした女性が顔を覗かせる。橙色のロングスカートがよく似合う彼女は同じくシアルワ王国で働くシェキナだ。彼女はシトロンの後ろに横たわるソフィアをいち早く発見してセラフィの肩に手を置く。
「ちょっと、セラフィ! あそこ!」
「え? ……ソフィア!?」
二人は目を見開き、そして各々の武器を構える。
「貴様、ソフィアに何をした……!?」
「いや、まだやろうとしていることの一割も終わっていないんだけど……」
「貴方がセラフィの言っていたゲス野郎ね! クロウに引き続きソフィアまで! ここで捕まえないと!」
「クロウ? あぁ、情報屋の。彼について俺もルシたんも本当に何もしていないけどなぁ。濡れ衣だって」
「とぼけるな」
セラフィが床を蹴る。
あの日、ソフィアが狂ったセラフィの動きを止めるために対峙したその時よりも明らかに洗練された動きだ。やはり本調子ではなかったのだろう。
放たれた一閃も、シトロンにとっては躱すことも容易な一撃に過ぎない。身軽な動きで躱すも、今回はセラフィ一人ではない。
銀に煌めく軌跡とともに矢がシトロンの頭を掠めた。怪我こそしなかったものの、くすんだ黄緑色の髪が僅かに切れてはらりと落ちる。
ひゅう、と口笛が一つ。
「あらら。後で整えないと」
この男は相当手強いのだろう、とソフィアは無言で睨む。少し交わしただけの会話の中でも底知れない本性に恐怖を感じたものだ。早々に追い出したい。
それに、セラフィに無理はさせられない。
あまりこの力は使いたくはなかった。ソフィアを責め立てる彼女を思い出してしまうから。しかし、ここで使わない手はないだろう。
小さく深呼吸をしてから意識を集中させる。
「!」
シトロンの纏う白衣に、鮮やかな炎が花開いた。恐ろしいほどの反射神経で燃える裾を切り裂いたシトロンだが、その一瞬の隙にセラフィが迫る。メス一本で槍を受け止めることは出来なかったのか、みし、と銀色のそれが折れ曲がった。続けざまに腹へ叩き込まれた足は直撃し、シトロンは後退する。
しかし、彼はニコニコと楽しそうに笑った。
「あはは、まるで魔法みたいだ。……また会おうね、ソフィアちゃん」
適当に何かを放り投げ、ゾッとする一言を残して優雅に一礼。飛んできた矢を器用に避けつつ、鼻歌交じりに彼は扉の外へ出て行った。
それを追おうとしたセラフィを炎の壁で強引に引き留める。
「お願い、これ以上深追いはしないで」
「……ソフィア」
「無理をしないでと言っているの」
あんな鮮血はもう見たくないから、と暗に訴える。ソフィアの願いを察したのかセラフィは素直に頷いた。
「そうだね。それよりも先に君を解放しなきゃいけないっていうのに」
「……あの男に深く関わらない方が良いと思うわ」
「でも、あいつはきっと自分から関わってくるよ」
シェキナが拾った鍵を受け取り、セラフィは枷を外していく。四肢が自由になり、ソフィアは身体を起こす。薬で眠っていたせいもあるだろうが、少し頭がぼんやりする。
「ソフィア、大丈夫? 歩ける?」
「問題ないわ」
「ふらつくようなら言ってね? 肩は貸すから」
「えぇ」
心配してくれるシェキナに微笑みかけ、ソフィアは問いかけた。
「説明してもらえるかしら。貴方たちがここに来るまでの間に見たものを」
「了解。でも、その前にここから出ようか。話はそれからだ」
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
【完結】辺境に飛ばされた子爵令嬢、前世の経営知識で大商会を作ったら王都がひれ伏したし、隣国のハイスペ王子とも結婚できました
いっぺいちゃん
ファンタジー
婚約破棄、そして辺境送り――。
子爵令嬢マリエールの運命は、結婚式直前に無惨にも断ち切られた。
「辺境の館で余生を送れ。もうお前は必要ない」
冷酷に告げた婚約者により、社交界から追放された彼女。
しかし、マリエールには秘密があった。
――前世の彼女は、一流企業で辣腕を振るった経営コンサルタント。
未開拓の農産物、眠る鉱山資源、誠実で働き者の人々。
「必要ない」と切り捨てられた辺境には、未来を切り拓く力があった。
物流網を整え、作物をブランド化し、やがて「大商会」を設立!
数年で辺境は“商業帝国”と呼ばれるまでに発展していく。
さらに隣国の完璧王子から熱烈な求婚を受け、愛も手に入れるマリエール。
一方で、税収激減に苦しむ王都は彼女に救いを求めて――
「必要ないとおっしゃったのは、そちらでしょう?」
これは、追放令嬢が“経営知識”で国を動かし、
ざまぁと恋と繁栄を手に入れる逆転サクセスストーリー!
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
悪役令嬢になるのも面倒なので、冒険にでかけます
綾月百花
ファンタジー
リリーには幼い頃に決められた王子の婚約者がいたが、その婚約者の誕生日パーティーで婚約者はミーネと入場し挨拶して歩きファーストダンスまで踊る始末。国王と王妃に謝られ、贈り物も準備されていると宥められるが、その贈り物のドレスまでミーネが着ていた。リリーは怒ってワインボトルを持ち、美しいドレスをワイン色に染め上げるが、ミーネもリリーのドレスの裾を踏みつけ、ワインボトルからボトボトと頭から濡らされた。相手は子爵令嬢、リリーは伯爵令嬢、位の違いに国王も黙ってはいられない。婚約者はそれでも、リリーの肩を持たず、リリーは国王に婚約破棄をして欲しいと直訴する。それ受け入れられ、リリーは清々した。婚約破棄が完全に決まった後、リリーは深夜に家を飛び出し笛を吹く。会いたかったビエントに会えた。過ごすうちもっと好きになる。必死で練習した飛行魔法とささやかな攻撃魔法を身につけ、リリーは今度は自分からビエントに会いに行こうと家出をして旅を始めた。旅の途中の魔物の森で魔物に襲われ、リリーは自分の未熟さに気付き、国営の騎士団に入り、魔物狩りを始めた。最終目的はダンジョンの攻略。悪役令嬢と魔物退治、ダンジョン攻略等を混ぜてみました。メインはリリーが王妃になるまでのシンデレラストーリーです。
【完結】奇跡のおくすり~追放された薬師、実は王家の隠し子でした~
いっぺいちゃん
ファンタジー
薬草と静かな生活をこよなく愛する少女、レイナ=リーフィア。
地味で目立たぬ薬師だった彼女は、ある日貴族の陰謀で“冤罪”を着せられ、王都の冒険者ギルドを追放されてしまう。
「――もう、草とだけ暮らせればいい」
絶望の果てにたどり着いた辺境の村で、レイナはひっそりと薬を作り始める。だが、彼女の薬はどんな難病さえ癒す“奇跡の薬”だった。
やがて重病の王子を治したことで、彼女の正体が王家の“隠し子”だと判明し、王都からの使者が訪れる――
「あなたの薬に、国を救ってほしい」
導かれるように再び王都へと向かうレイナ。
医療改革を志し、“薬師局”を創設して仲間たちと共に奔走する日々が始まる。
薬草にしか心を開けなかった少女が、やがて王国の未来を変える――
これは、一人の“草オタク”薬師が紡ぐ、やさしくてまっすぐな奇跡の物語。
※表紙のイラストは画像生成AIによって作られたものです。
(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」
音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。
本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。
しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。
*6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。
誰からも食べられずに捨てられたおからクッキーは異世界転生して肥満令嬢を幸福へ導く!
ariya
ファンタジー
誰にも食べられずゴミ箱に捨てられた「おからクッキー」は、異世界で150kgの絶望令嬢・ロザリンドと出会う。
転生チートを武器に、88kgの減量を導く!
婚約破棄され「豚令嬢」と罵られたロザリンドは、
クッキーの叱咤と分裂で空腹を乗り越え、
薔薇のように美しく咲き変わる。
舞踏会での王太子へのスカッとする一撃、
父との涙の再会、
そして最後の別れ――
「僕を食べてくれて、ありがとう」
捨てられた一枚が紡いだ、奇跡のダイエット革命!
※カクヨム・小説家になろうでも同時掲載中
※表紙イラストはAIに作成していただきました。
短編【シークレットベビー】契約結婚の初夜の後でいきなり離縁されたのでお腹の子はひとりで立派に育てます 〜銀の仮面の侯爵と秘密の愛し子〜
美咲アリス
恋愛
レティシアは義母と妹からのいじめから逃げるために契約結婚をする。結婚相手は醜い傷跡を銀の仮面で隠した侯爵のクラウスだ。「どんなに恐ろしいお方かしら⋯⋯」震えながら初夜をむかえるがクラウスは想像以上に甘い初体験を与えてくれた。「私たち、うまくやっていけるかもしれないわ」小さな希望を持つレティシア。だけどなぜかいきなり離縁をされてしまって⋯⋯?
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる