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1章 記憶海の眠り姫
16 青き血、満ちる
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間近で発生した白い煙を吸い込み、セラフィは思い切り咽せる。身体にしびれなどの異常は見当たらない。ルシオラが残した言葉は本当だったようだ。
あの小さな球体がどんな構造をしていたのかは分からないが、空間一体を埋め尽くすほどの白い煙と止まらない咳は厄介なものである。
口を手で押さえつつ咳き込むうちに生暖かい感触。かろうじて見える己が手を見て、セラフィはため息をつく。誰にも見られないよう、服の内側で雑に拭う。濃い赤色の服を着ていて良かった、と心底思う。
――生き物なら誰しもが持つこの赤い液体が、紛れて見づらくなるのだから。
***
煙幕が薄くなってきたころ、セラフィを漸く見つけたソフィアがその腕を握る。
確かにここに居る。本物だ。
「ごめん、ソフィア。逃がしちゃって……」
「良いのよ、そんなことは。それよりも無事?」
隠しきれない焦りが玉貌に浮かんでいる。
それに気がついたセラフィはけろ、と笑いながらソフィアの肩を叩く。なんとなくむず痒い気分を上手く隠しながら。
「あはは、無事無事。兄さんは僕に甘いみたいだからね。ところでクロウは?」
「それが……呼びかけてはいるの。けど、見つからないのよ。この煙が晴れれば捜しやすいと思うけれど」
「そう……」
「彼のことも心配してるのよ。今は色々不安定みたいで」
クロウの異変について、話は出発する前に済ませている。カラスからの激励もありひとまず落ち着いていたように見えるクロウだったが、ルシオラを前にしてまた感情のコントロールが上手く出来ていないようにソフィアには見えた。あれでも抑えてはいた方なのだろうが……。
ソフィアは眉をひそめつつ辺りをもう一度見渡す。まだ煙は晴れない。
「クロウも馬鹿じゃない。単独でどこかに移動してはいないと……信じよう」
言葉尻が弱くなってしまうのも無理はない。セラフィにとっても、普段冷静でどこかずる賢い仲間が精神的に不安定になっている様は不安を掻き立てるものである。
ソフィアは頷く。
「慎重に動きましょう。はぐれないように。彼を見つけたらまた三人で手がかりを追えばいいわ」
「そうだね」
***
「ここ、は……」
しんと静まりかえった暗い空間に横たわっていたクロウはゆっくりと身体を起こす。気を失ってはおらずとも、冷静に思考できる状態ではなかったようだ。漸く戻ってきたというところか。
ぼんやりした思考の中ぐるりと周囲を見れば、そこはまだ遺跡のようで。湿ったニオイと共に白い煙がうっすらと立ちこめている。いや、これは咽せるような煙ではなく――湿度を保った霧だ。
「覚醒しましたか」
大輪の青薔薇から垂れる朝露のごとく澄み、そこに妖艶さを付け加えたかのような美しい声が振ってくる。
クロウが思わず上を見上げれば、天井付近から溶け出すように女が現れる。長く豊かな水色の髪、何を考えているのかよく分からない紺碧の瞳――特徴的な長い耳がぴく、と揺れる。
カツン、とハイヒールを履いていることを思わせる硬質な音とともに大精霊アクアは降臨した。
「あいつらは……」
「少しお話をしたかったので、貴方だけを別室へ連れてきただけですわ。他の皆さんには微塵も手を出しておりません」
慈悲深く微笑まれ、クロウはほっと胸をなで下ろす。
座り込んだままの彼に向かってアクアは手を伸ばす。ひんやりとした指先が両頬に触れた瞬間、クロウは凍りついて動けなかった。
「……馴染んではいませんね。ただ苦痛のみが表れる程度ですか」
「……」
クロウはリコを追っている最中、大精霊に話を持ちかけられた。アクアの幻術によって人払いがされたプレジールの街の中で、二人きり。
『力を欲してはいませんか?』
誰かを――大切な家族を守れるだけの力を。他のイミタシアたちと違い、クロウは物理的に誰かを守るための力、具体的に言えば戦闘に対して直接優位に立てる何かを持っていない。体術の類いを独りで学んでも足りない。彼にはノアやシェキナのような身体能力も、リコやセルペンス、ケセラのような特殊能力も、ソフィアやヴェレーノのような秘術も、セラフィのような才能もなかった。
だから無謀にも危険と分かり切っている研究者たちに取り入り、銃という武器を盗み、情報を盗み、なんとか生きてきた。
でも、それではきっと足りない。家族を守り、海まで連れて行くことはできない。
差し伸べられた杯に手を伸ばしたのは、そういった理由があったからだ。
小さな銀の杯。中には少しだけ注がれた赤色の液体。
それが精霊の血であることは鉄のようなニオイからも分かる。
あの夜、クロウは迷わず飲み干した。その後に待ち受ける激痛を予感しながら。
クロウは大精霊ビエントの血を取り入れてイミタシアになった人間である。現在生き残っているイミタシアの全員がビエントの血を取り入れている。“レガリア”と呼ばれている、神に近いイミタシアは大精霊三体の血を全て取り入れていると聞く。一体でも狂ってしまいそうな激痛に襲われるというのに、それ以上取り込んでしまえばどうなってしまうのだろうか。
石畳の上で悶絶しているクロウへ、アクアはのんびりと語りかける。まるで子供が虫を観察しているかのような、そんな視線を向けながら。
『レガリアは非常に特殊な体質を持っていました……女神の恩恵もないのに、大神子に類似する遺伝子情報を持っていたのです。だから耐えられたのでしょうね。けれど、そうでもない人間でも成功例はいたのですよ。と言っても、レガリアのように我ら三人の血ではなく、わたくしとビエントの二人分が限界だったようですが』
涙で視界が歪む。声も枯れてしまいそうだ。アクアの言葉もきちんと理解できているかも怪しい。
『ふふ、貴方も知っているお方ですよ。壊れたお人形のような人間でしたわね……。しかし、心が壊れていようと成功は成功です。貴方も成功例になれるのでしょうか?』
そこからの記憶は、あまり残っていない。血管にガラスの破片を流されたかのような激痛に耐えながらアクアに示された場所に向かい、ソフィアと合流できたこと、ヴェレーノを殺そうとしたことまでは認識できている。気が狂いそうな痛みの中、昂ぶる感情を抑えることができなかったことも。
ソフィアがヴェレーノに連れ攫われてしまった後は、追わないと、という理性よりも身体に走る激痛に自我が崩壊してしまうのではないかという恐怖へ思考が傾いてしまい。自傷行為を行うことでなんとか留まっていた。そこへ、誰だか認識出来ていないが誰かがやってきて保護されたというわけだが。
再び目の前で杯が錬成される。同じ銀の小さなナイフで腕を薄く切り、真っ赤な血を垂らしていく。先日よりも少し多めに注がれる。
優美に微笑みながら差し出されたその杯を、クロウは残る痛みに震える手で受け取る。
これを飲んでしまえば、また新たな痛みが襲ってくるだろう。その代わり、新たな力を手に入れられるかもしれない。
今度こそ狂ってしまうかもしれない? 家族を殺人衝動のあまり手に掛けてしまうかもしれない?
大丈夫だ、クロウ。お前ならきっとできる。みんなを憧れの海まで連れて行ってやれる。
ただでさえ荒れている心の中で恐怖と希望がぶつかり合い、そして希望が恐怖を飲み込んでいった。
大精霊アクアの見守る前で、杯に口をつける。
「貴方なら大丈夫でしょうけれど」
鉄のニオイがするそれを、飲み干す。喉の奥へと流れていく感覚を味わう。
「失敗事例の中には異形と化した子らもいましてね――どうか耐えてみせてくださいな、愚かで可愛らしい人の子よ」
からん、と杯が彼の手から滑り落ちる。それと同時に。
獣の如き咆哮が木霊した。
あの小さな球体がどんな構造をしていたのかは分からないが、空間一体を埋め尽くすほどの白い煙と止まらない咳は厄介なものである。
口を手で押さえつつ咳き込むうちに生暖かい感触。かろうじて見える己が手を見て、セラフィはため息をつく。誰にも見られないよう、服の内側で雑に拭う。濃い赤色の服を着ていて良かった、と心底思う。
――生き物なら誰しもが持つこの赤い液体が、紛れて見づらくなるのだから。
***
煙幕が薄くなってきたころ、セラフィを漸く見つけたソフィアがその腕を握る。
確かにここに居る。本物だ。
「ごめん、ソフィア。逃がしちゃって……」
「良いのよ、そんなことは。それよりも無事?」
隠しきれない焦りが玉貌に浮かんでいる。
それに気がついたセラフィはけろ、と笑いながらソフィアの肩を叩く。なんとなくむず痒い気分を上手く隠しながら。
「あはは、無事無事。兄さんは僕に甘いみたいだからね。ところでクロウは?」
「それが……呼びかけてはいるの。けど、見つからないのよ。この煙が晴れれば捜しやすいと思うけれど」
「そう……」
「彼のことも心配してるのよ。今は色々不安定みたいで」
クロウの異変について、話は出発する前に済ませている。カラスからの激励もありひとまず落ち着いていたように見えるクロウだったが、ルシオラを前にしてまた感情のコントロールが上手く出来ていないようにソフィアには見えた。あれでも抑えてはいた方なのだろうが……。
ソフィアは眉をひそめつつ辺りをもう一度見渡す。まだ煙は晴れない。
「クロウも馬鹿じゃない。単独でどこかに移動してはいないと……信じよう」
言葉尻が弱くなってしまうのも無理はない。セラフィにとっても、普段冷静でどこかずる賢い仲間が精神的に不安定になっている様は不安を掻き立てるものである。
ソフィアは頷く。
「慎重に動きましょう。はぐれないように。彼を見つけたらまた三人で手がかりを追えばいいわ」
「そうだね」
***
「ここ、は……」
しんと静まりかえった暗い空間に横たわっていたクロウはゆっくりと身体を起こす。気を失ってはおらずとも、冷静に思考できる状態ではなかったようだ。漸く戻ってきたというところか。
ぼんやりした思考の中ぐるりと周囲を見れば、そこはまだ遺跡のようで。湿ったニオイと共に白い煙がうっすらと立ちこめている。いや、これは咽せるような煙ではなく――湿度を保った霧だ。
「覚醒しましたか」
大輪の青薔薇から垂れる朝露のごとく澄み、そこに妖艶さを付け加えたかのような美しい声が振ってくる。
クロウが思わず上を見上げれば、天井付近から溶け出すように女が現れる。長く豊かな水色の髪、何を考えているのかよく分からない紺碧の瞳――特徴的な長い耳がぴく、と揺れる。
カツン、とハイヒールを履いていることを思わせる硬質な音とともに大精霊アクアは降臨した。
「あいつらは……」
「少しお話をしたかったので、貴方だけを別室へ連れてきただけですわ。他の皆さんには微塵も手を出しておりません」
慈悲深く微笑まれ、クロウはほっと胸をなで下ろす。
座り込んだままの彼に向かってアクアは手を伸ばす。ひんやりとした指先が両頬に触れた瞬間、クロウは凍りついて動けなかった。
「……馴染んではいませんね。ただ苦痛のみが表れる程度ですか」
「……」
クロウはリコを追っている最中、大精霊に話を持ちかけられた。アクアの幻術によって人払いがされたプレジールの街の中で、二人きり。
『力を欲してはいませんか?』
誰かを――大切な家族を守れるだけの力を。他のイミタシアたちと違い、クロウは物理的に誰かを守るための力、具体的に言えば戦闘に対して直接優位に立てる何かを持っていない。体術の類いを独りで学んでも足りない。彼にはノアやシェキナのような身体能力も、リコやセルペンス、ケセラのような特殊能力も、ソフィアやヴェレーノのような秘術も、セラフィのような才能もなかった。
だから無謀にも危険と分かり切っている研究者たちに取り入り、銃という武器を盗み、情報を盗み、なんとか生きてきた。
でも、それではきっと足りない。家族を守り、海まで連れて行くことはできない。
差し伸べられた杯に手を伸ばしたのは、そういった理由があったからだ。
小さな銀の杯。中には少しだけ注がれた赤色の液体。
それが精霊の血であることは鉄のようなニオイからも分かる。
あの夜、クロウは迷わず飲み干した。その後に待ち受ける激痛を予感しながら。
クロウは大精霊ビエントの血を取り入れてイミタシアになった人間である。現在生き残っているイミタシアの全員がビエントの血を取り入れている。“レガリア”と呼ばれている、神に近いイミタシアは大精霊三体の血を全て取り入れていると聞く。一体でも狂ってしまいそうな激痛に襲われるというのに、それ以上取り込んでしまえばどうなってしまうのだろうか。
石畳の上で悶絶しているクロウへ、アクアはのんびりと語りかける。まるで子供が虫を観察しているかのような、そんな視線を向けながら。
『レガリアは非常に特殊な体質を持っていました……女神の恩恵もないのに、大神子に類似する遺伝子情報を持っていたのです。だから耐えられたのでしょうね。けれど、そうでもない人間でも成功例はいたのですよ。と言っても、レガリアのように我ら三人の血ではなく、わたくしとビエントの二人分が限界だったようですが』
涙で視界が歪む。声も枯れてしまいそうだ。アクアの言葉もきちんと理解できているかも怪しい。
『ふふ、貴方も知っているお方ですよ。壊れたお人形のような人間でしたわね……。しかし、心が壊れていようと成功は成功です。貴方も成功例になれるのでしょうか?』
そこからの記憶は、あまり残っていない。血管にガラスの破片を流されたかのような激痛に耐えながらアクアに示された場所に向かい、ソフィアと合流できたこと、ヴェレーノを殺そうとしたことまでは認識できている。気が狂いそうな痛みの中、昂ぶる感情を抑えることができなかったことも。
ソフィアがヴェレーノに連れ攫われてしまった後は、追わないと、という理性よりも身体に走る激痛に自我が崩壊してしまうのではないかという恐怖へ思考が傾いてしまい。自傷行為を行うことでなんとか留まっていた。そこへ、誰だか認識出来ていないが誰かがやってきて保護されたというわけだが。
再び目の前で杯が錬成される。同じ銀の小さなナイフで腕を薄く切り、真っ赤な血を垂らしていく。先日よりも少し多めに注がれる。
優美に微笑みながら差し出されたその杯を、クロウは残る痛みに震える手で受け取る。
これを飲んでしまえば、また新たな痛みが襲ってくるだろう。その代わり、新たな力を手に入れられるかもしれない。
今度こそ狂ってしまうかもしれない? 家族を殺人衝動のあまり手に掛けてしまうかもしれない?
大丈夫だ、クロウ。お前ならきっとできる。みんなを憧れの海まで連れて行ってやれる。
ただでさえ荒れている心の中で恐怖と希望がぶつかり合い、そして希望が恐怖を飲み込んでいった。
大精霊アクアの見守る前で、杯に口をつける。
「貴方なら大丈夫でしょうけれど」
鉄のニオイがするそれを、飲み干す。喉の奥へと流れていく感覚を味わう。
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