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1章 記憶海の眠り姫
19 アワー・ドリーム
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ぐるぐると獣のような唸りの響く中でリコは思う。
どこからどう見てもあれは“普通”ではない。
普通の、普段のクロウなどではない。
今日のリコはまだじっくりノートを読んでいるわけではなく、始まりのリコから続くクロウについての印象を深く理解しているわけではないけれど。
「あんなの、違う」
歴代のリコたちと、そして今日のリコ自身が望む姿ではない。
あんなに苦しそうな姿を見たくて離別を決意したわけじゃ、決してない。
「あれはどういう状況だ……?」
リコを小脇に抱えながらルシオラが呟く。その白皙には緊張の汗が光り、視線の先の化け物に向けて警戒の糸を張り巡らせている。
「イミタシアの真の力なのか?」
「違う!!」
反射的に否定する。
「違う、違うの。私たちはみんな――普通の人とは少し違うかもしれないけれど、あんな、あんな……」
化け物、と言いかけて口を噤む。十中八九自分を助けに来てくれたのであろうクロウに向けて許される言葉ではない。しかし、リコには彼をどう言い表すべきなのかさっぱり分からなかった。たとえ冷静な状態であったとしても、思いつくことはなかっただろう。
「ねぇ、何があったの、苦しいの? 私に貴方を助けることは出来るの……?」
ルシオラの腕から離れ、リコは立ち上がる。
肩で息をしているかのように、ぜえぜえと苦しげな音が耳まで届く。その呼吸音を感じる度に心が締め付けられる。
もしかして、と存在を主張するために両腕を広げて声を張る。
「クロウ!! 私が分かる!? 分かるなら落ち着いて返事を――」
「ちっ」
「きゃあ!!」
リコの呼びかけに反してクロウは再び突進を開始する。
虚を突かれて息を呑むリコだったが、先にそうなることを予想していたらしいルシオラに首根っこを掴まれて引きずられることで事なきを得る。すぐに手を離されたため放り出された形にはなったものの、小さな悲鳴とともに地面を転がるだけで済んだ。
あの突進に巻き込まれていたら石造りの壁に叩きつけられていたかもしれない。今のクロウならともかく、華奢な少女であるリコに耐えきれるものではない。
「言葉は通じないようだね。化け物に墜ちたか」
リコが音にしなかった言葉をルシオラは平然と口にする。
ビク、と肩をふるわせてリコはもう一度クロウへ視線を向けた。
ノートに書き綴られた幸せな日常。その大きな一欠片であるはずの彼なのに、今はそうではなく――。
ぶんぶんと勢いよく首を振り、リコはルシオラの言葉を否定する。
「お願い、そんなこと言わないで。あの人は――クロウは、私の家族なの!!」
***
長い廊下をソフィアは駆ける。真新しい破壊の痕跡が至る所に、けれど明確な方向を示して残っているため追跡自体は容易だ。
問題はその先、追いつけるのかという事と、追いつけたならばクロウを止めることができるのかという事だ。
ここには水が流れる管が設置されており、破壊すればそこからイミタシアの能力を使うことができるだろう。しかし、それではソフィアが戦いにくい。かといって神子の力はあまり使いたくないし、クロウを焼くような真似はしたくない。
ならば肉弾戦、と言いたいところだが彼の身体能力がどうなっているのかはよく分からない。
(……辛うじて足止めが出来るか出来ないか。いいえ、成功させないと。セラフィの準備が整うまでに)
数分走れば、一際派手に破壊された廊下の終わりが見えてきた。
躊躇なく瓦礫を踏み越えれば、開けた空間。綺麗な床へしっかり降り立った瞬間に轟く破壊の音に、ソフィアは思わず眉を寄せる。
渦巻く瘴気からして、追いつくことが出来たらしい。
それと対峙しているのはルシオラと呼ばれていた青年。積極的にクロウへ攻撃しているわけではなく、クロウからの攻撃を避けつつ何かを観察しているような素振りを見せている。
そしてソフィアは気がついた。広い部屋の隅、美しい銀髪の少女がへたり込んでいる様を。
「リコ」
「あ……」
「……私はソフィア。貴女とクロウの仲間よ」
戸惑いに揺れる瞳。ソフィアは一瞬だけ目を伏せ、もう一度名乗る。
ソフィアとリコが別れてから日を跨いでいる。彼女にはもう、ソフィアの記憶はない。
「あ、うん……昨日のノートで見たよ……」
「リコ、危ないから逃げなさい。到着がいつになるかは分からないけれど、私の仲間と貴方の家族がここに向かっているわ。そうしたら合流して――リコ?」
どうやら動けないでいるらしいリコに、ソフィアは首を傾げる。
「……なんだって」
「え?」
「化け物、なんだって」
それはまるで、目の前で懸命に積み上げてきた積み木の城をガラガラと崩された子供のような。
泣くことすらできず呆然と、リコは少し前にルシラオに突きつけられた言葉を復唱する。
『家族だというのなら、何故殺そうとしてくるのか。それは、あれが化け物だからに他ならない――もう家族でもなんでもないのではないか』
***
ふと思い返すと、血のような赤い瞳に情は宿っていたのか不安になる。
彼はリコのことを障害物であるとしか感じていないのだろうか。
もしかしたら、こうなってしまう前も。
一日ごとに記憶を失い、普通の人間たちの中で暮らすことが難しいリコはずっと守られていた。誰にも会わぬよう隔離され、食事もおしゃべりを楽しむことも、家族だと認識している彼らとだけ。
けれどそれは、彼らにとって大きな負担であったはずだ。
リコと関わる時間がなければ、その時間を有意義に過ごせたのではないだろうか。
じゃあ、リコという存在は邪魔にしかならないのではないか。
そんな自分に彼らを家族と呼ぶ資格なんてないのでは――。
そんなことが頭を過ぎってしまい、その時リコはルシオラの言葉を即座に否定することが出来なかった。
「全部、全部私のせいだ。私がわがままを言って、勝手に行動したからみんな無理をしてこうなっちゃった。私がやろうと思っていたことも、きっと無駄に……始まりのリコなら上手くやれていたかもしれないのに」
「それは違うわ、リコ」
絶望の淵に追いやられた少女の横にソフィアはしゃがむ。安心させるように癖のない銀糸を梳き、口元に柔らかい微笑みを浮かべながら。
ルシオラと喧嘩のような何かを続けているクロウを一瞬だけ一瞥して、ソフィアは口を開く。
「クロウは貴女のことを確かに家族だと思っている。だからこそ無茶をする。貴女が家族を思って立ち上がったことも、彼はちゃんと理解している。それを彼らは嬉しく思っているはずよ」
実際にカラスの面子による会話を聞いたソフィアは、リコが恐れていることこそ無駄であると断ずる。
「今こうなっているのは、以前のリコも、今の貴女も等しくクロウにとって大切な家族だからこそ、よ。もしそう思っていなかったとしたら、こうはなっていないわ。どうか彼の思いを否定しないであげて」
涙に濡れた瞳が見開かれる。
そこにさらに、追撃をひとつ。
「貴女が彼を家族だと――守るべき存在だと思っているのなら、どうすればいいのかしら」
くしゃりと可愛らしい顔を歪ませて、リコは前を向く。
ほんの少しだけ遠くに見える黒い靄。その中にいる人を想う。
ぐすんと一回鼻をすすって今度こそリコは立ち上がる。ソフィアに叱咤され、漸く素直になれた気がする。そう、こんなところで立ち止まってはいけないのだ。
何故リコは危険を冒してまでここまで進んできたのか、それは。
「私、みんなと一緒に海に行きたい」
「えぇ」
「青くて綺麗な空の下、真っ青な海で泳ぎたい」
「そうね」
「一日遊んで、それから……遊び疲れて。満点の星空の下で並んで眠るの」
「とても楽しそうね」
「だから、まずは」
例えそれが今この場にいるリコではなくとも。
小鳥のごとく可憐な声を勇ましく震わせて、少女は高らかに宣言する。
「私がクロウを助ける。だって、家族だもの」
どこからどう見てもあれは“普通”ではない。
普通の、普段のクロウなどではない。
今日のリコはまだじっくりノートを読んでいるわけではなく、始まりのリコから続くクロウについての印象を深く理解しているわけではないけれど。
「あんなの、違う」
歴代のリコたちと、そして今日のリコ自身が望む姿ではない。
あんなに苦しそうな姿を見たくて離別を決意したわけじゃ、決してない。
「あれはどういう状況だ……?」
リコを小脇に抱えながらルシオラが呟く。その白皙には緊張の汗が光り、視線の先の化け物に向けて警戒の糸を張り巡らせている。
「イミタシアの真の力なのか?」
「違う!!」
反射的に否定する。
「違う、違うの。私たちはみんな――普通の人とは少し違うかもしれないけれど、あんな、あんな……」
化け物、と言いかけて口を噤む。十中八九自分を助けに来てくれたのであろうクロウに向けて許される言葉ではない。しかし、リコには彼をどう言い表すべきなのかさっぱり分からなかった。たとえ冷静な状態であったとしても、思いつくことはなかっただろう。
「ねぇ、何があったの、苦しいの? 私に貴方を助けることは出来るの……?」
ルシオラの腕から離れ、リコは立ち上がる。
肩で息をしているかのように、ぜえぜえと苦しげな音が耳まで届く。その呼吸音を感じる度に心が締め付けられる。
もしかして、と存在を主張するために両腕を広げて声を張る。
「クロウ!! 私が分かる!? 分かるなら落ち着いて返事を――」
「ちっ」
「きゃあ!!」
リコの呼びかけに反してクロウは再び突進を開始する。
虚を突かれて息を呑むリコだったが、先にそうなることを予想していたらしいルシオラに首根っこを掴まれて引きずられることで事なきを得る。すぐに手を離されたため放り出された形にはなったものの、小さな悲鳴とともに地面を転がるだけで済んだ。
あの突進に巻き込まれていたら石造りの壁に叩きつけられていたかもしれない。今のクロウならともかく、華奢な少女であるリコに耐えきれるものではない。
「言葉は通じないようだね。化け物に墜ちたか」
リコが音にしなかった言葉をルシオラは平然と口にする。
ビク、と肩をふるわせてリコはもう一度クロウへ視線を向けた。
ノートに書き綴られた幸せな日常。その大きな一欠片であるはずの彼なのに、今はそうではなく――。
ぶんぶんと勢いよく首を振り、リコはルシオラの言葉を否定する。
「お願い、そんなこと言わないで。あの人は――クロウは、私の家族なの!!」
***
長い廊下をソフィアは駆ける。真新しい破壊の痕跡が至る所に、けれど明確な方向を示して残っているため追跡自体は容易だ。
問題はその先、追いつけるのかという事と、追いつけたならばクロウを止めることができるのかという事だ。
ここには水が流れる管が設置されており、破壊すればそこからイミタシアの能力を使うことができるだろう。しかし、それではソフィアが戦いにくい。かといって神子の力はあまり使いたくないし、クロウを焼くような真似はしたくない。
ならば肉弾戦、と言いたいところだが彼の身体能力がどうなっているのかはよく分からない。
(……辛うじて足止めが出来るか出来ないか。いいえ、成功させないと。セラフィの準備が整うまでに)
数分走れば、一際派手に破壊された廊下の終わりが見えてきた。
躊躇なく瓦礫を踏み越えれば、開けた空間。綺麗な床へしっかり降り立った瞬間に轟く破壊の音に、ソフィアは思わず眉を寄せる。
渦巻く瘴気からして、追いつくことが出来たらしい。
それと対峙しているのはルシオラと呼ばれていた青年。積極的にクロウへ攻撃しているわけではなく、クロウからの攻撃を避けつつ何かを観察しているような素振りを見せている。
そしてソフィアは気がついた。広い部屋の隅、美しい銀髪の少女がへたり込んでいる様を。
「リコ」
「あ……」
「……私はソフィア。貴女とクロウの仲間よ」
戸惑いに揺れる瞳。ソフィアは一瞬だけ目を伏せ、もう一度名乗る。
ソフィアとリコが別れてから日を跨いでいる。彼女にはもう、ソフィアの記憶はない。
「あ、うん……昨日のノートで見たよ……」
「リコ、危ないから逃げなさい。到着がいつになるかは分からないけれど、私の仲間と貴方の家族がここに向かっているわ。そうしたら合流して――リコ?」
どうやら動けないでいるらしいリコに、ソフィアは首を傾げる。
「……なんだって」
「え?」
「化け物、なんだって」
それはまるで、目の前で懸命に積み上げてきた積み木の城をガラガラと崩された子供のような。
泣くことすらできず呆然と、リコは少し前にルシラオに突きつけられた言葉を復唱する。
『家族だというのなら、何故殺そうとしてくるのか。それは、あれが化け物だからに他ならない――もう家族でもなんでもないのではないか』
***
ふと思い返すと、血のような赤い瞳に情は宿っていたのか不安になる。
彼はリコのことを障害物であるとしか感じていないのだろうか。
もしかしたら、こうなってしまう前も。
一日ごとに記憶を失い、普通の人間たちの中で暮らすことが難しいリコはずっと守られていた。誰にも会わぬよう隔離され、食事もおしゃべりを楽しむことも、家族だと認識している彼らとだけ。
けれどそれは、彼らにとって大きな負担であったはずだ。
リコと関わる時間がなければ、その時間を有意義に過ごせたのではないだろうか。
じゃあ、リコという存在は邪魔にしかならないのではないか。
そんな自分に彼らを家族と呼ぶ資格なんてないのでは――。
そんなことが頭を過ぎってしまい、その時リコはルシオラの言葉を即座に否定することが出来なかった。
「全部、全部私のせいだ。私がわがままを言って、勝手に行動したからみんな無理をしてこうなっちゃった。私がやろうと思っていたことも、きっと無駄に……始まりのリコなら上手くやれていたかもしれないのに」
「それは違うわ、リコ」
絶望の淵に追いやられた少女の横にソフィアはしゃがむ。安心させるように癖のない銀糸を梳き、口元に柔らかい微笑みを浮かべながら。
ルシオラと喧嘩のような何かを続けているクロウを一瞬だけ一瞥して、ソフィアは口を開く。
「クロウは貴女のことを確かに家族だと思っている。だからこそ無茶をする。貴女が家族を思って立ち上がったことも、彼はちゃんと理解している。それを彼らは嬉しく思っているはずよ」
実際にカラスの面子による会話を聞いたソフィアは、リコが恐れていることこそ無駄であると断ずる。
「今こうなっているのは、以前のリコも、今の貴女も等しくクロウにとって大切な家族だからこそ、よ。もしそう思っていなかったとしたら、こうはなっていないわ。どうか彼の思いを否定しないであげて」
涙に濡れた瞳が見開かれる。
そこにさらに、追撃をひとつ。
「貴女が彼を家族だと――守るべき存在だと思っているのなら、どうすればいいのかしら」
くしゃりと可愛らしい顔を歪ませて、リコは前を向く。
ほんの少しだけ遠くに見える黒い靄。その中にいる人を想う。
ぐすんと一回鼻をすすって今度こそリコは立ち上がる。ソフィアに叱咤され、漸く素直になれた気がする。そう、こんなところで立ち止まってはいけないのだ。
何故リコは危険を冒してまでここまで進んできたのか、それは。
「私、みんなと一緒に海に行きたい」
「えぇ」
「青くて綺麗な空の下、真っ青な海で泳ぎたい」
「そうね」
「一日遊んで、それから……遊び疲れて。満点の星空の下で並んで眠るの」
「とても楽しそうね」
「だから、まずは」
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