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3章 紅炎の巫覡
1 準備
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「今、なんて?」
「一週間後にお客さんが来るからおもてなしの準備をしないとねって話さ。もちろん手伝ってくれるだろ?」
稽古場の後片付けをしている最中、唐突に口を開いたレオナへソフィアは怪訝そうな表情を浮かべた。
季節は冬も深まってきた頃だ。といってもシアルワ王都シャーンスやソフィアが滞在するマグナロアは温暖な地域に存在するため、少し涼しいなと感じる程度で厚着をすることはない。
クローロン村の事件から三ヶ月ほどが経過しようとしていた。あの後、非常に衰弱していたセルペンスはシェキナがつきっきりで面倒を見てくれたおかげで大分元気になったらしいということは聞いている。ノアによればシェキナはとんでもない形相を浮かべており、怖かったらしい。普段朗らかで笑顔いっぱいの彼女である。あまり想像はできなかったが、ノアが若干青ざめていたのだから本当のことなのだろう。
ソフィアとはいうと、精神状態も落ち着いているということもありマグナロアへ一時帰省していた。しばらくしたらシャーンスへ顔を出さないといけないのだが、以前と比べて自由度は高いため不満はない。――もちろん、いつ意識を失ってしまうか定かではないため不安は消えないのだが。
そんな彼女だが、マグナロアではしばらく味わえていなかった“穏やかな日常”を堪能していた。朝昼晩しっかりと食事を取り、適度な休憩を挟みつつ住民達と武術の訓練を続ける。身体を動かすことは他の悩みを一時的に忘れさせてくれるのだ。マグナロアは戦闘狂が集まる街だ。故に街に入るのにも戦闘能力がある程度必要になる。
そんな街に、お客様。今までになかった話ではないのだが、長レオナが直々に対応し、ソフィアにも伝えてくるとなると普段の客人とは違うようだ。
「私でも知っている人みたいね」
「そうさ」
ニコニコと笑むレオナは機嫌が良いらしい。
普段の彼女は長としての威厳や実力はあるものの、形式張った催し物がてんで苦手なタイプだ。その彼女が率先して参加しようとしているのだ。よほど仲の良い人物であることに間違いはない。
そして、ソフィアの知り合いとなると――。
「あの王子様かしら。最近忙しそうだったけれど」
「いいや、そのパートナーの方」
「ミセリアね」
即答すればアッハッハと豪快な笑いが返ってくる。
「その通り! もうすっかりあの立場が板に付いたようでアタシは安心したよ」
シアルワ王国の次期王フェリクスの隣に彗星のごとく現れた美女ミセリア。その存在は瞬く間に周囲に広まり、城では一悶着あったこともあるそうだが、フェリクスやお付きセラフィ、王女ベアトリクスの推薦と彼女自身の勤勉ぶりもあり『次期女王』と噂をされているそうだ。
なお、彼女とフェリクスの出会いが暗殺者とそのターゲットという大変物騒なものだったことは知られていない。
そのミセリアが何故ここに来るのだろうか、と疑問に思ったところでレオナが口を挟む。
「詳しい話はあの子から直接聞いた方がいい。きっとびっくりする……いや、そんなでもないかもしれない」
「どっちよ」
「ま、悪いことではないのは確かだよ。ふふ、精一杯頑張らないと」
掃除道具を片付けつつ笑う彼女にソフィアは肩をすくめる。
これだけ楽しそうにしているのだ、こちらも忙しくなりそうだなどと淡い予感が彼女の脳裏を過ぎっていった。
***
「お手伝いに来ました!」
「よろしくお願いします。――ソフィア、元気そうで良かった」
その三日ほど後にソフィアに声をかけたのは一組の男女だ。
出迎えをしろとレオナに稽古場から追い出され、仕方なくマグナロアの門へ向かえば見慣れた二人と、シアルワ城の使者と思わしき数人がソフィアの迎えを待っていた。
レイとシャルロットである。シアルワ城で働きながらあちこちに赴いていると聞いていたが、今日はマグナロアに来たようだ。それに、ミセリア訪問の手伝いが一応の名目らしい。
二人は長旅でもするのかとツッコミを入れたくなるくらいの荷物を抱えていた。よく見たら使者の後ろにも荷物が乗せられていると思わしき馬車が存在していた。マグナロアに来るだけならばそんな大荷物は必要がないはずだ。
首を傾げていると、レイが微笑みながら教えてくれる。
「ふふ、俺たち、しばらく旅をする予定なんだ。ミセリアさんも含めてね」
「旅……? それに彼女も?」
「そうなの。その様子だとまだ聞いてないみたいだね」
「えぇ。ミセリアから聞け、と言われていて」
「なら私たちも黙っておく!」
レイの隣でシャルロットが人差し指を唇に添えた。楽しそうな笑顔もあり、なんとも可愛らしい仕草になっている。
消化不良感が否めない気分を飲み込みつつ、ソフィアは彼ら一行を以前も寝泊まりさせた建物へと案内することにした。
道すがら、ちらりとレイの横顔を見上げる。弟のように大切な存在である彼だが、蒼穹の瞳がマグナロアを穏やかに映している様を見る限り幸せであるようだ。意図せず彼を不幸な場へと縛り付けていた前科があるだけに不安になっていたのだが、その心配も今後はしなくても良さそうだ。
ソフィアの視線に気がついたレイが微笑みながら振り向いた。
「ソフィアはさ、今の生活を楽しいと思う?」
「え?」
「俺は楽しいよ。毎日新しいことを知ることができて、体験できて、日々成長できているような気がするんだ。ソフィアはどうなのかなって」
そう問われてソフィアは少し考え込む。
始めは独りで消えようと思っていた。それなのに、気がつけばイミタシアたちの内面に突っ込む形で彼らの道行きを見守ることになり、独りになるどころか独りにさせてくれない事態になっている。
それはまぁ、ソフィアを監視するという意味では正しいことなのだろうが。
逡巡の後、ふっと微笑んだ彼女の顔はレイから見ても満たされたものだった。
「ぼちぼちってところね」
「そう。なら良かった」
黙って話を聞いていたシャルロットも声に出さず笑っていた。
始めこそ良いように見えて問題だらけだったレイとソフィアの関係も、徐々にあるべき形へと向かいつつあるようだ。友達のような、姉弟のような。
シャルロットも自身の兄達との仲が改善されつつあるため二人の変化にも共感ができるのだ。
「ところで、お手伝いと言っても何をしたらいいのかな」
「詳しくは明日レオナさんから聞かされると思うから、それに従ってくれればいいと思うわ。多分掃除とかだと思うけれど……今までマグナロアに客人を招く事なんてなかったから、私も何をしたら良いのかよく分からないのよ」
散歩も兼ねてゆっくり歩いていたのだが、もう目的地に着いたようだ。彼らに割り当てられた部屋へと案内しつつ、ソフィアは続ける。
「今日は何も気にせず休むといいわ。まぁ、ひとつ忠告しておくと大浴場は利用しないこと。貴方たちも知っているとは思うけど――」
「おーい、二人とも―!!」
客室へと入ったばかりの三人の後ろから、大きな声が一人分。レオナだ。
彼女はソフィアを抱え込むようにしながら部屋に入る。若干引きずられる体勢になってしまい、文句を言いたげに睨めあげる娘をレオナは全く気にする様子はない。
「お久しぶりです、レオナさん」
「こちらこそ! よく来てくれたね。ここまで来るのに疲れただろう? ぜひ大浴場を使ってくれたまえよ」
「えっと」
レイもシャルロットもはっきりと覚えている。
この地で大浴場を利用するということは――即ち。
「みんな、待ってるからさ!」
「「ひぇ」」
蘇るのはフェリクス達と共に訪れた際のこと。
“大”浴場ということもあり、マグナロアの住民の多くが利用する場なのである。ここの民は身体を鍛えることについて怠ることは一切ない。本当にない。
入浴の時間も、彼らにとってはトレーニングの時間と同義なのである。
前回も彼らに巻き込まれて『お風呂でできる☆簡単トレーニング』とやらをやらされたのだった、と今になってレイとシャルロットは思い出す。共に着いてきたフェリクスの従者たちは理解できていないようだが、二人はどこが簡単だとツッコミを入れたくなる時間だったことは覚えている。
ニコニコと純粋に上機嫌であることを窺わせるレオナを前に断ることも出来ず、二人はただぎこちなく頷くしかなかった。
その様子を見守っていたソフィアは「間に合わなかったか」とため息をついたのだった。
「一週間後にお客さんが来るからおもてなしの準備をしないとねって話さ。もちろん手伝ってくれるだろ?」
稽古場の後片付けをしている最中、唐突に口を開いたレオナへソフィアは怪訝そうな表情を浮かべた。
季節は冬も深まってきた頃だ。といってもシアルワ王都シャーンスやソフィアが滞在するマグナロアは温暖な地域に存在するため、少し涼しいなと感じる程度で厚着をすることはない。
クローロン村の事件から三ヶ月ほどが経過しようとしていた。あの後、非常に衰弱していたセルペンスはシェキナがつきっきりで面倒を見てくれたおかげで大分元気になったらしいということは聞いている。ノアによればシェキナはとんでもない形相を浮かべており、怖かったらしい。普段朗らかで笑顔いっぱいの彼女である。あまり想像はできなかったが、ノアが若干青ざめていたのだから本当のことなのだろう。
ソフィアとはいうと、精神状態も落ち着いているということもありマグナロアへ一時帰省していた。しばらくしたらシャーンスへ顔を出さないといけないのだが、以前と比べて自由度は高いため不満はない。――もちろん、いつ意識を失ってしまうか定かではないため不安は消えないのだが。
そんな彼女だが、マグナロアではしばらく味わえていなかった“穏やかな日常”を堪能していた。朝昼晩しっかりと食事を取り、適度な休憩を挟みつつ住民達と武術の訓練を続ける。身体を動かすことは他の悩みを一時的に忘れさせてくれるのだ。マグナロアは戦闘狂が集まる街だ。故に街に入るのにも戦闘能力がある程度必要になる。
そんな街に、お客様。今までになかった話ではないのだが、長レオナが直々に対応し、ソフィアにも伝えてくるとなると普段の客人とは違うようだ。
「私でも知っている人みたいね」
「そうさ」
ニコニコと笑むレオナは機嫌が良いらしい。
普段の彼女は長としての威厳や実力はあるものの、形式張った催し物がてんで苦手なタイプだ。その彼女が率先して参加しようとしているのだ。よほど仲の良い人物であることに間違いはない。
そして、ソフィアの知り合いとなると――。
「あの王子様かしら。最近忙しそうだったけれど」
「いいや、そのパートナーの方」
「ミセリアね」
即答すればアッハッハと豪快な笑いが返ってくる。
「その通り! もうすっかりあの立場が板に付いたようでアタシは安心したよ」
シアルワ王国の次期王フェリクスの隣に彗星のごとく現れた美女ミセリア。その存在は瞬く間に周囲に広まり、城では一悶着あったこともあるそうだが、フェリクスやお付きセラフィ、王女ベアトリクスの推薦と彼女自身の勤勉ぶりもあり『次期女王』と噂をされているそうだ。
なお、彼女とフェリクスの出会いが暗殺者とそのターゲットという大変物騒なものだったことは知られていない。
そのミセリアが何故ここに来るのだろうか、と疑問に思ったところでレオナが口を挟む。
「詳しい話はあの子から直接聞いた方がいい。きっとびっくりする……いや、そんなでもないかもしれない」
「どっちよ」
「ま、悪いことではないのは確かだよ。ふふ、精一杯頑張らないと」
掃除道具を片付けつつ笑う彼女にソフィアは肩をすくめる。
これだけ楽しそうにしているのだ、こちらも忙しくなりそうだなどと淡い予感が彼女の脳裏を過ぎっていった。
***
「お手伝いに来ました!」
「よろしくお願いします。――ソフィア、元気そうで良かった」
その三日ほど後にソフィアに声をかけたのは一組の男女だ。
出迎えをしろとレオナに稽古場から追い出され、仕方なくマグナロアの門へ向かえば見慣れた二人と、シアルワ城の使者と思わしき数人がソフィアの迎えを待っていた。
レイとシャルロットである。シアルワ城で働きながらあちこちに赴いていると聞いていたが、今日はマグナロアに来たようだ。それに、ミセリア訪問の手伝いが一応の名目らしい。
二人は長旅でもするのかとツッコミを入れたくなるくらいの荷物を抱えていた。よく見たら使者の後ろにも荷物が乗せられていると思わしき馬車が存在していた。マグナロアに来るだけならばそんな大荷物は必要がないはずだ。
首を傾げていると、レイが微笑みながら教えてくれる。
「ふふ、俺たち、しばらく旅をする予定なんだ。ミセリアさんも含めてね」
「旅……? それに彼女も?」
「そうなの。その様子だとまだ聞いてないみたいだね」
「えぇ。ミセリアから聞け、と言われていて」
「なら私たちも黙っておく!」
レイの隣でシャルロットが人差し指を唇に添えた。楽しそうな笑顔もあり、なんとも可愛らしい仕草になっている。
消化不良感が否めない気分を飲み込みつつ、ソフィアは彼ら一行を以前も寝泊まりさせた建物へと案内することにした。
道すがら、ちらりとレイの横顔を見上げる。弟のように大切な存在である彼だが、蒼穹の瞳がマグナロアを穏やかに映している様を見る限り幸せであるようだ。意図せず彼を不幸な場へと縛り付けていた前科があるだけに不安になっていたのだが、その心配も今後はしなくても良さそうだ。
ソフィアの視線に気がついたレイが微笑みながら振り向いた。
「ソフィアはさ、今の生活を楽しいと思う?」
「え?」
「俺は楽しいよ。毎日新しいことを知ることができて、体験できて、日々成長できているような気がするんだ。ソフィアはどうなのかなって」
そう問われてソフィアは少し考え込む。
始めは独りで消えようと思っていた。それなのに、気がつけばイミタシアたちの内面に突っ込む形で彼らの道行きを見守ることになり、独りになるどころか独りにさせてくれない事態になっている。
それはまぁ、ソフィアを監視するという意味では正しいことなのだろうが。
逡巡の後、ふっと微笑んだ彼女の顔はレイから見ても満たされたものだった。
「ぼちぼちってところね」
「そう。なら良かった」
黙って話を聞いていたシャルロットも声に出さず笑っていた。
始めこそ良いように見えて問題だらけだったレイとソフィアの関係も、徐々にあるべき形へと向かいつつあるようだ。友達のような、姉弟のような。
シャルロットも自身の兄達との仲が改善されつつあるため二人の変化にも共感ができるのだ。
「ところで、お手伝いと言っても何をしたらいいのかな」
「詳しくは明日レオナさんから聞かされると思うから、それに従ってくれればいいと思うわ。多分掃除とかだと思うけれど……今までマグナロアに客人を招く事なんてなかったから、私も何をしたら良いのかよく分からないのよ」
散歩も兼ねてゆっくり歩いていたのだが、もう目的地に着いたようだ。彼らに割り当てられた部屋へと案内しつつ、ソフィアは続ける。
「今日は何も気にせず休むといいわ。まぁ、ひとつ忠告しておくと大浴場は利用しないこと。貴方たちも知っているとは思うけど――」
「おーい、二人とも―!!」
客室へと入ったばかりの三人の後ろから、大きな声が一人分。レオナだ。
彼女はソフィアを抱え込むようにしながら部屋に入る。若干引きずられる体勢になってしまい、文句を言いたげに睨めあげる娘をレオナは全く気にする様子はない。
「お久しぶりです、レオナさん」
「こちらこそ! よく来てくれたね。ここまで来るのに疲れただろう? ぜひ大浴場を使ってくれたまえよ」
「えっと」
レイもシャルロットもはっきりと覚えている。
この地で大浴場を利用するということは――即ち。
「みんな、待ってるからさ!」
「「ひぇ」」
蘇るのはフェリクス達と共に訪れた際のこと。
“大”浴場ということもあり、マグナロアの住民の多くが利用する場なのである。ここの民は身体を鍛えることについて怠ることは一切ない。本当にない。
入浴の時間も、彼らにとってはトレーニングの時間と同義なのである。
前回も彼らに巻き込まれて『お風呂でできる☆簡単トレーニング』とやらをやらされたのだった、と今になってレイとシャルロットは思い出す。共に着いてきたフェリクスの従者たちは理解できていないようだが、二人はどこが簡単だとツッコミを入れたくなる時間だったことは覚えている。
ニコニコと純粋に上機嫌であることを窺わせるレオナを前に断ることも出来ず、二人はただぎこちなく頷くしかなかった。
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