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3章 紅炎の巫覡
5.5_1 ある王子の優しさ
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「ぬ~ん……」
シアルワ王国の王都シャーンスが誇る巨大城、その中でもとてつもなく広い図書館にて。古い紙の匂いがどこか心地よい空気を吸い込んで、セラフィは情けないうめき声をあげた。
正直なところ、勉強と身体を動かすことのどちらかを比べれば後者の方が好きである。騎士になるために毎晩机にかじりついて勉強をしたこともあったが、そちらの方の才能はあまりないようで苦労した記憶がある。あくまで身体能力と比べれば、の話であるが。
セラフィの周りには古びた本が何冊も乱雑に積み重なっていた。
この国と隣国、あるいは今やもうないもう一つの国の歴史――それもかなり古い時代の本である。文字ばかりで面白くはない。
「はぁ、こんな場所に極秘事項が書いてある本なんて置いてあるわけないか……」
「おいおい、その本だってかなり前に絶版になってて貴重なものなんだぞー」
「あ、殿下」
「結構散らかしたなぁ」
そこへ近寄ってきたのはフェリクスだ。彼は手にいくつかの本を抱えている。おそらくは仕事に必要な資料だろう。
フェリクスは呆れた顔をしながら山と化している本を一瞥する。
「で、なんでセラフィは極秘事項を知りたがっているんだ? っていうか極秘事項ってなんだ?」
「あーそのですねー? え~と、殿下のお手を煩わせるわけにはいかないというか……」
「じゃあ執務室にでも来るか? あそこなら多少込み入った会話も出来るから」
「……」
セラフィが調べたいこと。
それは『神子』の血筋に関してである。
女神に直接力を与えられた人間達、その一族。セラフィの目の前にいるフェリクスはその一族の生まれであり、歴代の神子の中でも一位を争うほどに強力な『精神干渉能力』を持つ御仁だ。そんな恐ろしい人だが、彼はその力を悪用するような精神性は持ち合わせていない聖人である。それこそセラフィが彼を仕えるべき主君だと仰ぐ理由のひとつだ。
そんなフェリクスは現在多忙の身である故、こうして一人で情報収集に奮闘していたわけだが、どう考えても頼った方が効率が良いだろう。
申し訳ない気持ちを滲ませつつ、セラフィはぺこりと頭をさげた。
「お願いしま~す……」
「その前にここを片付けないと。俺も手伝うからさ」
「殿下が聖人君子すぎて僕掻き消えそうです」
「消えるな消えるな」
***
こぽこぽ、とカップにお茶が注がれる。隣国ラエティティアから仕入れた眠気覚ましの効果があるお茶である。
淹れているのはセラフィだ。申し訳程度の気遣いというわけだ。
フェリクスの執務室までの道中、セラフィは遠回りな表現を用いつつ『神子』について知りたいと伝えてある。
王家に特別な力があるということは国民にも示した。しかし、それ以上の情報は知られていないというのが現状だ。大きな声で話ができない。
フェリクスは理解を示し、少し前にどこかへ去って行った。曰く「すぐ戻ってくるから」とのことらしいが――。
「お待たせ。あ、良い匂い」
「殿下が来る予感がしたので、それに合わせて。なので淹れたてほやほやです」
「さっすがセラフィ。……あと、これ持ってきたから」
本当にすぐ戻ってきた。
客人用のソファに腰掛け、フェリクスは手にしていたものを持ち上げる。
古そうな鍵束だ。アンティーク調の繊細な装飾が施された黒い鍵が、ざっと見ただけで十本は連なっている。
セラフィには見覚えがない代物だ。
「殿下、それは……?」
「禁書庫の鍵」
「禁書庫ぉ!?」
ローテーブルに置こうとしていたカップをうっかり倒すところだった。持ち前の反射神経で事なきを得たが、心臓が口から飛び出すかと思ったほどである。
フェリクスは特に気にした風もなく鍵束をテーブルに置き、代わりにお茶を楽しむ。
「美味しい」
「それはどうも……って、それどころじゃないですよ。何ですか禁書庫って」
「禁書庫は禁書庫だろ? 王家の人間か許可得た人しか入ることができないあそこ」
「それは知ってますけど、何故ソレを……」
「俺も詳しくは知らないけど、神子について知りたいなら資料はそこにあるかなって。実は俺も一回しか入ったことがないんだよなぁ」
あっけらかんと言い放つフェリクスにセラフィはため息をつく。
「あのですね、僕は殿下のお付きとは言え、一介の騎士です。特別な人間にしか入れない場所にそんな簡単に入れるとでも……」
「王家は神子。セラフィはその上、大神子の血筋の生まれだろう? なら神子という存在について知る権利だってあるはずだよ」
「大神子……そういえばそうでした」
「忘れてたんかーい」
「だって、シャルロットはそう呼ぶのに相応しいとは思いますが、僕はその生まれであるだけでただの人間ですし。いや、イミタシアでした」
大神子。女神の血肉を取り込んだ一族……らしい。女神の子孫と言い表しても過言ではない存在だ。セラフィの妹であるシャルロットは転移能力、遠距離攻撃の力を発現させている。
血筋だけ見れば確かに神子よりも貴重なものだ。
「それに……最近、彼女のことよく考えてるだろ?」
「か、彼女とは……」
「ソフィアさん。彼女もまた神子みたいだから。神子について知りたいって絶対それが理由だろ~って思ってさ」
「……ぐうの音も出ませんね」
その通りだ。
セラフィが気にしているのはソフィアに関してである。
彼女はあからさまに何かを隠し、何かに対して悩み、苦しんでいるように見える。おそらく誰が見たって肯定が返ってくるだろう。
その悩みとは何なのか。
イミタシアであることの代償、自我を失うことに関しての恐れ? ――それもあるだろうが、それだけならばセラフィの血を飲むだけで解決する話だ。彼女は頑なにセラフィの提案を拒んでくる。
他に考えられるヒントとして思いついたのが『神子』だったのだ。
セラフィも知らないような、何かしらの要因があるかもしれない。
「もちろん俺も同行するよ。この鍵だって管理権を継承して間もないから……禁書庫に何があるか確認したかったし、ちょうど良かったよ」
「殿下のお心遣いに心より感謝を。図書館で文字に囲まれて諦めかけていたので助かりました」
「次期王の特権!」
ふふ、とフェリクスは自慢げに笑む。陽光を帯びて石榴石の瞳が僅かに輝いたように見えた。
その瞬間、どこか心が軽くなっていくような心地の良さを感じる。
フェリクスと接していて時々訪れるこの感覚。
今となっては神子の能力が無意識に発動しているから、ということにも考えが及ぶが……力の存在を知っている今の彼のことだ、もしかしたら故意かもしれない。
気遣いをしまくる殿下らしい、とセラフィは眉尻を下げるのだった。
シアルワの城は、巨大城と言われるだけあって構造も複雑だ。
空から見下ろした場合、ざっくり円形の土地の中央部分に禁書庫と宝物庫は存在する。中央棟に座す王の間――戴冠式と王家の葬式以外での用途はない、ただ広い空間――の上に位置する。
定期的に掃除されているとはいえ、その役割を担う従者たち以外はほぼ立ち入ることのない部屋だ。セラフィは始めて入る部屋に、もの珍しさに普段以上に視線を巡らせた。もちろん、一歩前を歩くフェリクスを守るのだという意識は忘れない。まぁ、一種の信仰をその身に浴び続けている彼が突然襲われることなど、ほとんどないのだが。兄王子たちがイレギュラーだったのだ。
礼拝堂にも存在する女神を模した像と、その下に立つ三人の像。今になってようやく理解したが、これは神子を示した像なのだろう。
てっきり女神と彼女へ忠誠を誓う人間、それも一般人の像だと思っていた。忠誠を誓う人間という点ではあながち間違っていないのだが。
「セラフィは初めてだったよな。この中央にいるのが俺たちのご先祖さま――シアルワ王国の初代国王、ザーラッハ様だ。本人と石像だと見た目が似てないけどさ」
「へぇ……ん? 初代って千年以上前の人ですよね? 本人って一体……」
「少しだけ見る機会があってさ。ホントに見るだけだったけど」
「見る機会?」
「まぁその辺は置いといて、先に進もうか」
「置いとかれてしまった」
フェリクスは以前、アズ湖の地下遺跡での一見で不思議な幻影を見ている。その中で女神と神子と思わしき姿を見ているのだが、彼とケセラ以外には知り得ない情報だ。
ふふふ、と意味深に笑んだフェリクスは大きな像の後ろへと回り込む。セラフィも着いていけば、裏にはいかにも重そうな観音開きの扉がある。
(頑張れば僕でも無理矢理開けるかな……)
「ちなみにだけど、この鍵なしに扉を開けると侵入者用の罠が作動する仕組みになってるから」
「怖っ!?」
考えを見透かされたかのように囁かれた言葉に、反射的に肩を跳ねさせたセラフィだった。
シアルワ王国の王都シャーンスが誇る巨大城、その中でもとてつもなく広い図書館にて。古い紙の匂いがどこか心地よい空気を吸い込んで、セラフィは情けないうめき声をあげた。
正直なところ、勉強と身体を動かすことのどちらかを比べれば後者の方が好きである。騎士になるために毎晩机にかじりついて勉強をしたこともあったが、そちらの方の才能はあまりないようで苦労した記憶がある。あくまで身体能力と比べれば、の話であるが。
セラフィの周りには古びた本が何冊も乱雑に積み重なっていた。
この国と隣国、あるいは今やもうないもう一つの国の歴史――それもかなり古い時代の本である。文字ばかりで面白くはない。
「はぁ、こんな場所に極秘事項が書いてある本なんて置いてあるわけないか……」
「おいおい、その本だってかなり前に絶版になってて貴重なものなんだぞー」
「あ、殿下」
「結構散らかしたなぁ」
そこへ近寄ってきたのはフェリクスだ。彼は手にいくつかの本を抱えている。おそらくは仕事に必要な資料だろう。
フェリクスは呆れた顔をしながら山と化している本を一瞥する。
「で、なんでセラフィは極秘事項を知りたがっているんだ? っていうか極秘事項ってなんだ?」
「あーそのですねー? え~と、殿下のお手を煩わせるわけにはいかないというか……」
「じゃあ執務室にでも来るか? あそこなら多少込み入った会話も出来るから」
「……」
セラフィが調べたいこと。
それは『神子』の血筋に関してである。
女神に直接力を与えられた人間達、その一族。セラフィの目の前にいるフェリクスはその一族の生まれであり、歴代の神子の中でも一位を争うほどに強力な『精神干渉能力』を持つ御仁だ。そんな恐ろしい人だが、彼はその力を悪用するような精神性は持ち合わせていない聖人である。それこそセラフィが彼を仕えるべき主君だと仰ぐ理由のひとつだ。
そんなフェリクスは現在多忙の身である故、こうして一人で情報収集に奮闘していたわけだが、どう考えても頼った方が効率が良いだろう。
申し訳ない気持ちを滲ませつつ、セラフィはぺこりと頭をさげた。
「お願いしま~す……」
「その前にここを片付けないと。俺も手伝うからさ」
「殿下が聖人君子すぎて僕掻き消えそうです」
「消えるな消えるな」
***
こぽこぽ、とカップにお茶が注がれる。隣国ラエティティアから仕入れた眠気覚ましの効果があるお茶である。
淹れているのはセラフィだ。申し訳程度の気遣いというわけだ。
フェリクスの執務室までの道中、セラフィは遠回りな表現を用いつつ『神子』について知りたいと伝えてある。
王家に特別な力があるということは国民にも示した。しかし、それ以上の情報は知られていないというのが現状だ。大きな声で話ができない。
フェリクスは理解を示し、少し前にどこかへ去って行った。曰く「すぐ戻ってくるから」とのことらしいが――。
「お待たせ。あ、良い匂い」
「殿下が来る予感がしたので、それに合わせて。なので淹れたてほやほやです」
「さっすがセラフィ。……あと、これ持ってきたから」
本当にすぐ戻ってきた。
客人用のソファに腰掛け、フェリクスは手にしていたものを持ち上げる。
古そうな鍵束だ。アンティーク調の繊細な装飾が施された黒い鍵が、ざっと見ただけで十本は連なっている。
セラフィには見覚えがない代物だ。
「殿下、それは……?」
「禁書庫の鍵」
「禁書庫ぉ!?」
ローテーブルに置こうとしていたカップをうっかり倒すところだった。持ち前の反射神経で事なきを得たが、心臓が口から飛び出すかと思ったほどである。
フェリクスは特に気にした風もなく鍵束をテーブルに置き、代わりにお茶を楽しむ。
「美味しい」
「それはどうも……って、それどころじゃないですよ。何ですか禁書庫って」
「禁書庫は禁書庫だろ? 王家の人間か許可得た人しか入ることができないあそこ」
「それは知ってますけど、何故ソレを……」
「俺も詳しくは知らないけど、神子について知りたいなら資料はそこにあるかなって。実は俺も一回しか入ったことがないんだよなぁ」
あっけらかんと言い放つフェリクスにセラフィはため息をつく。
「あのですね、僕は殿下のお付きとは言え、一介の騎士です。特別な人間にしか入れない場所にそんな簡単に入れるとでも……」
「王家は神子。セラフィはその上、大神子の血筋の生まれだろう? なら神子という存在について知る権利だってあるはずだよ」
「大神子……そういえばそうでした」
「忘れてたんかーい」
「だって、シャルロットはそう呼ぶのに相応しいとは思いますが、僕はその生まれであるだけでただの人間ですし。いや、イミタシアでした」
大神子。女神の血肉を取り込んだ一族……らしい。女神の子孫と言い表しても過言ではない存在だ。セラフィの妹であるシャルロットは転移能力、遠距離攻撃の力を発現させている。
血筋だけ見れば確かに神子よりも貴重なものだ。
「それに……最近、彼女のことよく考えてるだろ?」
「か、彼女とは……」
「ソフィアさん。彼女もまた神子みたいだから。神子について知りたいって絶対それが理由だろ~って思ってさ」
「……ぐうの音も出ませんね」
その通りだ。
セラフィが気にしているのはソフィアに関してである。
彼女はあからさまに何かを隠し、何かに対して悩み、苦しんでいるように見える。おそらく誰が見たって肯定が返ってくるだろう。
その悩みとは何なのか。
イミタシアであることの代償、自我を失うことに関しての恐れ? ――それもあるだろうが、それだけならばセラフィの血を飲むだけで解決する話だ。彼女は頑なにセラフィの提案を拒んでくる。
他に考えられるヒントとして思いついたのが『神子』だったのだ。
セラフィも知らないような、何かしらの要因があるかもしれない。
「もちろん俺も同行するよ。この鍵だって管理権を継承して間もないから……禁書庫に何があるか確認したかったし、ちょうど良かったよ」
「殿下のお心遣いに心より感謝を。図書館で文字に囲まれて諦めかけていたので助かりました」
「次期王の特権!」
ふふ、とフェリクスは自慢げに笑む。陽光を帯びて石榴石の瞳が僅かに輝いたように見えた。
その瞬間、どこか心が軽くなっていくような心地の良さを感じる。
フェリクスと接していて時々訪れるこの感覚。
今となっては神子の能力が無意識に発動しているから、ということにも考えが及ぶが……力の存在を知っている今の彼のことだ、もしかしたら故意かもしれない。
気遣いをしまくる殿下らしい、とセラフィは眉尻を下げるのだった。
シアルワの城は、巨大城と言われるだけあって構造も複雑だ。
空から見下ろした場合、ざっくり円形の土地の中央部分に禁書庫と宝物庫は存在する。中央棟に座す王の間――戴冠式と王家の葬式以外での用途はない、ただ広い空間――の上に位置する。
定期的に掃除されているとはいえ、その役割を担う従者たち以外はほぼ立ち入ることのない部屋だ。セラフィは始めて入る部屋に、もの珍しさに普段以上に視線を巡らせた。もちろん、一歩前を歩くフェリクスを守るのだという意識は忘れない。まぁ、一種の信仰をその身に浴び続けている彼が突然襲われることなど、ほとんどないのだが。兄王子たちがイレギュラーだったのだ。
礼拝堂にも存在する女神を模した像と、その下に立つ三人の像。今になってようやく理解したが、これは神子を示した像なのだろう。
てっきり女神と彼女へ忠誠を誓う人間、それも一般人の像だと思っていた。忠誠を誓う人間という点ではあながち間違っていないのだが。
「セラフィは初めてだったよな。この中央にいるのが俺たちのご先祖さま――シアルワ王国の初代国王、ザーラッハ様だ。本人と石像だと見た目が似てないけどさ」
「へぇ……ん? 初代って千年以上前の人ですよね? 本人って一体……」
「少しだけ見る機会があってさ。ホントに見るだけだったけど」
「見る機会?」
「まぁその辺は置いといて、先に進もうか」
「置いとかれてしまった」
フェリクスは以前、アズ湖の地下遺跡での一見で不思議な幻影を見ている。その中で女神と神子と思わしき姿を見ているのだが、彼とケセラ以外には知り得ない情報だ。
ふふふ、と意味深に笑んだフェリクスは大きな像の後ろへと回り込む。セラフィも着いていけば、裏にはいかにも重そうな観音開きの扉がある。
(頑張れば僕でも無理矢理開けるかな……)
「ちなみにだけど、この鍵なしに扉を開けると侵入者用の罠が作動する仕組みになってるから」
「怖っ!?」
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