ガルシア戦記

千山一

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第6巻 巨大、メビオス王国

第3章 魔王討伐No.9

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「ワハハハ!!
ガルシア殿、シルバードラゴン殿!
よくぞ、まいられた!!」
「………」

俺は雰囲気を一切気にせず、あからさまに大きなため息をついた。
だが、その男はその雰囲気がどうなろうと気にも止めずに“ワハハハ!”と笑い飛ばした。
その男の名は“ベニグノ侯爵”。
町の噂では“吸血鬼侯爵”と呼ばれ、何世も
居座っている。しかも根っから“東洋マニア”で“この作品は、大和の国のものです!”
と言えば次から次へと城に呼ばれて論破する という日々を送っていた。
……ちなみに稀に本物が出たことはあるが、その時点で“大金持ち確定!”
“出世コース間違いなし!”である。
話を戻そう。“国のトップの話を聞くには、まずは侯爵から(^^)”ということで町の人に聞いて回ったのだが“コレがビンゴ!”
何やら胡散臭い、情報が出てくるわ出てくるわ……。
で“侯爵に聞きに行こうかぁ?”と思った矢先、専属秘書と呼ばれるから近づいて来て、今に至る……ちなみに、侯爵と専属秘書のみである。

「オマエ、吸血鬼?」
「な、なぜソレを……違うぞ!こんな、侯爵が吸血鬼だなんて可笑しいと思うぞ!」
「じゃ、なんで深夜なんだよ!!」

俺は心の底からツッコミを入れた。
ちなみに侯爵はというと“ビクッ”として、あからさまな嘘をついているようだ……。

「そ、それはだな……そう、今回はお昼寝をしておったのだ!!」
「じゃあ、なんで豪華な食事と豪華な露天風呂、マッサージ付きのエステがいるんだよ!城の人に聞けば
“人が尋ねた時に呼ばれるみたい!”って聞いたぞ!気持ちいいじゃねーか!このヤロウ!」
「お店に行っとくよ!本当にありがとう!」

ベニグロはそう返事に対してお礼をいった。ちなみにエステの方でスペニア国の中でも技術力1、2争う分類だ。
だが、ここで褒めている訳にはいかなかった。何故なら本来の目標があるからだ。

「フ、フ、フ、よかろう、拙者はベニグノ。侯爵は仮の姿。今の姿は“吸血鬼侯爵”なのだ!ガルシア殿!……ギャーーー!!イタイ!イタイ!」

俺は思わず剣でドツいてしまった。
しかし、専属秘書である“カシミロ”は動じない。

「なにすんじゃ!吸血鬼でも剣はイタイぞ!!」
「ゴメン!ゴメン!思わずイラッとしたから」

ベニグノは思わず標準語なったのだが、すかさず“サムライ用語”に戻ってしまった。
すると、カシミロは前に進み出てお辞儀をする。

「申し訳ございません。それぐらいの攻撃ではベニクノ様はへこたれません。ガツンと1発、全力で攻撃して下さい」
「それって擁護しているよね!裏切りだよね!」

非難轟々のベニクノに対して専属秘書のカシミロは“ギロリ”と睨み返し、こう告げた。

「アンタ、飼っていた猫が逃げたよね。しかも、ようやく猫の方からくっついた猫を……許すまじ!……なので、完膚なきまで攻撃して下さい」
「ちょ、ちょっと待つのじゃ。拙者はお腹が空いたのでちょっと血を吸おう……」
「お願いします」
「なんでじゃ!!!」

俺はベニクノとカシミロの漫才のやり取りを見ていた。
すると、シルバードラゴンはカシミロに対して何気ない質問をした。

「ちょっとすまんが吸血鬼は“ニンニク”の匂いが弱点と言うが、それはホンマか?」
「全然違います」

カシミロは淡々と丁寧な言葉で口にした。俺もすかさず、ベニクノの拘束を遂行すべく“縛りの魔法”を放った…そして、見事的中!
コレで好き勝手に喋ることができる!

「ほな、十字架はどうじゃ?」
「それも違います…ちなみにプラベートの格好が十字架好きです……あと、他の吸血鬼の方は知らないですが、ウチの吸血鬼は“ベジタリアン”なので血は飲みません。皆さん、分かっていると思いますが“トマトジュース”です」

“衝撃が走った……”
吸血鬼には“ベジタリアン”というものが存在したのか…シルバードラゴンも“マジか……”という顔をしていた。

「…他に質問は……」

カシミロが言い終えると同時に無理やり“縛りの魔法”を解いてこう言い放った。

「縛りの魔法が効果ないんだったら、死んどるわ!」
「………」

俺とシルバードラゴンの2人は硬直してしまった。
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