ガルシア戦記

千山一

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第3巻 最強龍の帰還

第1章 ロンギル山No.9

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「すまん!お待たせしたわ!」

俺の中のデーヤンは“キリッ”と右手を挙げて合図をした。
そもそも俺の“本体”はというとデーヤンと俺が完全に切り替わっていたのだ。要は俺の本体がデーヤンで、サブに当たるのが俺なのた。しかも、サブにも関わらず豪華な食事、お酒もタンマリあり、テレビみたいな物で逐一見せるという代物だった…正直、羨ましい…。

「なんなら変わってあげようか?」

俺の奥底から聞こえてきた。当然、俺の心の中から聞こえてきたものだ。

「やかましいわ!!さ、さっと要件を済ませて、俺と変われ!」

イメージ的にはデーヤンが満面の笑みを想像していた。いや!絶対そうだ!

「ヒャハハハ!嫌だね!せっかく、シャバに出てきたんだ!シルバードラゴンを、おちょくって脱走しちゃる。そして、国外に行って誰もいない旅に行くぜ!」
「……お前バカだろ?」

俺はこの“揺るがない自信”を持っていたことを哀れに思って黙っていたが、あまりにも挑発してくるようで思わず口にしてしまった。

「な、なにを根拠に……あっ、まさか俺に嫉妬して何も考えず口にしたなぁ。フフフッ口が滑るのは良くないよ」

凄く勘違いをしていたデーヤンを見て確信に変わった。そっ!
デーヤンは超がつくぐらい天然なのだ!しかも、他人では恥ずかしくなるぐらいの…。

「え…まず2点ある。1つ目が俺を◯したら、そのまま死ぬよ」
「えっ……」

それを聞いた時、デーヤンはこの世とは思えないぐらい、暗くて“ズシーーン”と重いぐらいの言葉を発していた。
俺も同情することなく勝手に発言をしていた。

「2つ目が……」

俺はポケットの中から取り出し、片手を上げて見せつけた。

「オマエに貰った“切り替えスイッチ”がある…もし、国外に出ようととしたら切り替えスイッチを押して全力で阻止するからなぁ!…いや、少しでもおかしい言動だと思ったら、すぐに切り替えるからな!」
「でも、世の中そんなに甘くない……」

デーヤンの声が段々、弱くか細い声になっていき、最後には耳を澄まないと聞こえないぐらいになっていた。

「要はオマエは俺に絶対逃れない訳。しかも、本体は俺!!」
「……あ、あぁ、いいよ。そんな事始めから分かってきたし…全くも、冗談通じないんだから///」
「ウソつけ!!!」

俺はデーヤンの前言撤回の発言言い訳に関して、反射的にツッコミを入れた。

と、突然大きな炎が目の前を通過した。まるで、言い争いを阻止したように思えた。

「そろそろ、ええかのう?」

シルバードラゴンはウンザリした顔でこちらに向いた。そして隣に座ったレッドも相当、怒りモードらしく“ブルブル”震えて我慢していた。

「OK牧場!!」
「……まぁ、ええ。ここでいきなり本題じゃ」

見事にスルーされた冗談を尻目にシルバードラゴンは真剣に説明をしかけた。そして俺も“冗談を言える状態ではないな”と思い、真剣に耳を傾けた。

「父親になってみんか?」
「えっ?」

と思った瞬間、俺の本体がデーヤンと入れ替わる。“無理だ!”と思い、まるで切り替えを早くしたかのように元の体に代わり元の世界。本来姿になった。
そして一瞬にして頭の回転が高速回転で早くなる。
“いや…このところ夜遊びもした事はいないし…まさか、新手の詐欺をひっかけようとしているんじゃ…”

「そう警戒するではない。このワシ、シルバードラゴンも不死であっても不老ではない」

“なんだ、シルバードラゴンのことかぁ…”と安心したと同時に新たな問題が浮上した。

「是非、やって欲しいんじゃ」
「でも、こんな大きいドラゴンから交尾をしたことないぜ?あと、これは勝手に思ったんだけどさぁ、レッド大きさがあるんだから、レッドしてもらったら良いんじゃない?」

シルバードラゴンも“やれやれ”という顔をした。俺も正直“イラッ”としたが“我慢が大事だ!”と思い“グッ”と我慢した。

「やれやれ初心者じゃのう…初心者は初心者らしく2点説明をする。まず1点目は交尾する訳しではなく“輪廻転生”という技を使うのじゃ。ただ、輪廻転生には一つデメリットがあって本人の意思はバトンタッチした人。つまりオマエの性格も影響が色濃くなるんじゃ。
考えてみい、もしレッドと同じ性格じゃ。世界を滅ぼすぞ」

“確かにそうだ”と俺は思った。レッドは普段なら大人しいが、普通に考えると残忍で凶暴の手のつけられないドラゴンのような気がする…まぁ、あくまで想像なのだが。

「だから、長く生きるのに適していて人間並みの性格の持ち主。すなわちオマエが適任ということになった」
「ちょ、ちょっと待って下さい!…まだ、心の準備が……」

流石に責任重大なことついて勘づいたらしく、何とか回避しようと頭を回転させた。だが、世の中そんなに甘いものじゃなく、レッドも我慢の限界に近づいていた。

「ちょっと?誰が言っているんですか?もし、断ったりしたら…」

レッドは“プルプル”震え、脅すかのように洞穴の横をど突く…見事に砕けちった。俺も観念したかのように正直従う。

「うむ、ようやく頷いてくれたか。嬉しく思うぞ」

“誰も嬉しくなんかないやい!”と思った俺は心の内に秘めて黙ってしまった。ちなみに俺の中のデーヤンは爆笑して転げ落ちそうになっていた。

「ではまずは儀式に移るぞ」

俺とデーヤンは真っ正面に並び、オデコとオデコを引っ付いて近づいていた。そして、両者が近づくと眩い光が輝き、一瞬にして体全体が光り覆われていた。

「えっ!俺、どうなっているの?もしかして、契約終了した?」

俺は信じられないぐらい目の視力が向上し、体が軽くなったと実感した。

「これで契約終了じゃ。どうじゃ?シルバードラゴンと契約した感想は?軽くなったであろう?」
「あぁ」

“スゲー……”これが俺が体験した正直な感想だ。

「だが、デメリットも存在する。それはシルバードラゴンはもちろん、ドラゴン全般も攻撃することができないというもんじゃ」

俺はこれからの人生、ドラゴン好きのレッテルを背負わなけばないと覚悟した。
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