ガルシア戦記

千山一

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第3巻 最強龍の帰還

第3章 エピローグNo.2

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ザーッザーッザーッ

「気持ちいいなぁー」
「あぁ、気持ちいいのー」

俺は今、船の上…いわゆる船舶で海を眺めている。只今、昼過ぎ。ちょうど昼メシの時間だが、あまり昼メシの雰囲気ではない……むしろ、昼メシを食っている時間があるんだったら、船の修理をしろ!という感じのように見受けた。

「あのう、何か手伝いたいのですが……」

船の修理をしている船員を捕まえて“困ってますよアピール”をした。いわゆる、何か手伝わないと罪悪感に押しつぶられてしまうのだ。
時間を戻そう。
ラウルが“夜逃げ”というワードを口にした時、ゆっくりと…しかも確実に進んでしまった。
船長に少し高めの“サシル行き”のチケットを渡し、入念な計画の打ち合わせをしたため“確実にいける!”と思っていたが、そうはいかなかった……。

「さぁ、行きましょう!」

ラウルの兵士が小声で口にした。俺もスパイごっこの雰囲気を楽しみつつ、ゆっくりと頷く。
“これは、ドキドキするなぁ”

「おい、なんか楽しんでないかのう」
「そんなことない!そんなことない!」

肩に乗るシルバードラゴンが白い目で俺を見た。俺も必死な顔で全面否定した。

「シッ!静かして下さい!」

“怒られてしまった……”俺は無言で“いらんことを言うな!”とジェスチャーで訴える。

「……お前、バカじゃろう」

ーームカッ!!
俺は無言で、シルバードラゴンの首根っこを掴みそうになり、シルバードラゴンがそれを避けたと同時にシルバードラゴンが口から炎を目掛けて吐く。俺も剣を取り出し……

「2人とも外に出たくないんですか!!」

ラウルの兵士は怒りの感情を抑えているのか顔をこうばらせていた。俺とシルバードラゴンも“ゴメン…”を口に出し“シュンッ”となってしまった。

「王として、自覚があるんですか?サッサとしないと代理人が出てきて捕まりますよ!」
「……俺が悪いことは重々承知している。けど、大きい声はダメじゃないか?」

“やべー……”と思ったが後の祭りである。
ラウルの兵士の顔が引きつかせ、ラウルの兵士も若干ながら声も震えていたのだ。
“まぁ、そうなるわな。ここは正直に従おう”と心に誓った。

ーーー

俺はラウルの兵士に従い、船に乗るため湾岸に向かって走っていた。本来なら隠れて走るのだが隠れてしまっては意味がない。
“今は迅速な走りを優先”ということで黙って従った。

「さぁ、ここです。今は立ち止まらずに船に乗って下さい」

俺は無言でうなづいた。
そして見事に船へと到着。俺は改めて周りを見渡した。あまり新品ではないが、すごく古いでもない。いわゆる新古船でサイズが、やや小型に分類する中型船だ。
だが、この中型の特徴は出発の準備が早いことなのだ。特にラウルの兵士達の鍛錬ときたら“オーーー!!!”と拍手をするぐらい凄く早いのだ。当初、俺は“大型に乗るもの!”と思っていたが、隠密活動を効率するため“中型船が1番!”ということで結局中型船になってしまった。

「さぁ、出発しますよ」

“思えば、すぐ帰ってサシル共和国にパラサイトしょう”と考えたが、どんな歯車が狂って悲しいことに王になってしまった。
“いや、権力トップは良いことだぜ。金額には困らないし、アゴで指示を出せば、すぐに持ってきてくれる。
こんな素晴らしい生活を送っているなんて最高じゃないか!!”
……ただ、お金には困らないが、ほぼ自由がない。
俺の人生“自由と権力との天秤にかける”と考えた場合、お前ならどうする?
俺は“絶対、自由!!”……ということで引退したのだ。

「ちょっと、待った!!」

その声がしたので咄嗟に振り返る。
よく見ると、総勢10人ぐらいの王直属の兵士達だ……その顔はよく分からないが、ダルそうに動いていた。

「シルバードラゴン様!!どこに行くんですか!?」

反対からもドラゴン教とおぼしき約3人の姿がそこにはあった。
“この短期なのに、熱狂的な信者になるなんて凄いなぁ…”などと“のほほん”と思っていた。
しかし、ラウルの兵士達は焦ったらしく、すぐに出発しつつも戦闘準備を始めた。

「ガルシアさん!すぐに追ってがきますよ!準備して下さい!」

“ラウルの兵士達の鍛錬が優秀でも準備が足りない。かくなる上は……”俺はシルバードラゴンの首根っこを掴み勢いよく放り投げた。

「許せ!シルバードラゴン!お前のことは忘れない!シルバーキャノン!!」
「………」

シルバードラゴンの首根っこを掴み放り投げたが、ガッチリ掴んで離れなかった。

「……おい、なんで離れねーんだよ」
「フ、フ、フ、お主の考えなんぞお見通じゃ」

俺は無理矢理でもシルバードラゴンが離れようとするのを必死になって剥がそうとするが、離れなかった。

「いい加減離れろ!すぐに追っ手が来るんだろ!」
「嫌じゃ!……あっ、そうじゃ!お主とワシで腕を組んでいかないか?」

俺は2つの選択に迫られた。
“引き離して投げるか?”“俺とシルバードラゴンでタッグを組んで目の前の敵に立ち向かうのか?”凄く難しい選択だが、すぐに迫っていた。

「分かったよ。俺とお前で戦おうぜ!」
「よし!決まりじゃ!今は説明している暇はない。何も言わず右手を差し出せ」

“差し出すぅ?”と俺は思ったのたが、今は本当に時間がないので黙って差し出した。すると、シルバードラゴンが右手の端に掴み口から炎を吹き出した。

「オォ!まるで、火炎放射器じゃねーか!!」

シルバードラゴンは何言ってもいるのか、正直分からなかったが、ガルシアが喜んでいる顔を見ると嬉しかった。

「ほれほれ!邪魔だ!」

俺は嬉しそうにシルバードラゴンがついた右手を振り回す。シルバードラゴンも容赦なく炎を吐き出した。まるで、庶民が懇願するように炎を吐き出しているようだ。

「ヒャハハハ!楽しくなってきたぜ!」
「……この子は鬼だわ」

ラウルの兵士達は恐ろしすぎた立ち止まってしまった。

ーーー

中型船が出航して1時間、我に返った俺は急いで修復をしようと奔走していた。しかも、俺が協力しようと手伝いをしたが、かえって大破してしまう珍事が起き“絶対、触らせるな!”という固い絆になって心に留めてしまった。
果たして、亡命先の運命はいかに!
それは誰にでも分からなかった。
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