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0話 母、国代百子のいる生活
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今から10年前、都内某所で金持ちを狙った殺人事件が多発した。数にして二六件である。警察は第一の事件発生時から捜査をしていたが一向に足取りがつかめずにいた。その理由として犯人は全身黒ずくめで顔にはカエルのマスクという格好であった。これだけなら足取りもつかめただろうが、捜査を難航させたのは犯人の体型であった。犯人の体型は太っている時もあれば痩せている時もあった。この体型を考慮し警察はグループによる殺人と全く関係ない事件の2つで捜査を進めた。しかしいつになっても犯人の足取りはつかめずにいた。その間にも被害者は増え続けた。
十年前の三月。私は最近母がなんでも好きなものを買ってくれるので毎日幸せだった。人形や可愛い服、化粧道具なんかも買ってもらった。私の家は母子家庭でビンボーだったので服はボロボロで人形などのおもちゃも持っていなかった。だから母がなにか買ってくれるのはとても嬉しかった。新しい服やかばんのおかげでいじめもなくなった。友達と呼べる人もたくさんできた。母も毎日色々なものを買って帰ってきた。ブランド物の服に高級なネックレスやイヤリング、その他にも若いイケメンな男もよく連れて帰ってくるようになった。私も母もこれ以上ないくらい幸せだった。
ある日学校に行くと校門の前には警察官が立っていた。教室に到着し友人にその話をしたところ、学校の近くで殺人事件があったらしい。そして犯人は未だ捕まっていないというのだ。その日の下校時は集団下校をすることとなった。家に帰ると家の中にはいつもと違う男と母がいた。男が帰ってから母に前の男はどうしたのかと尋ねると、今朝遺体が発見されたらしいと言っていた。私はそこに疑問を持つべきだったと今は後悔している。
それから1ヶ月後の朝最近は少なくなってきていた警察官がまた校門の前に立っていた。先生の話によると世界的有名ブランドの創設者の一人息子が学校周辺の空き地で遺体となって発見された。他殺らしい。空き地は長いこと整備されていなかったため、雑草が生い茂っていた。そのことで発見までに一週間程かかってしまったらしい。有名ブランドの創設者の一人息子が殺害されたというビックニュースに全国から報道陣が集まった。学校から下校したあと、テレビでこのニュースを見て驚いた。母と一緒にいた男がそこには写っていた。ここで私は確信した。母は少なくとも二人殺していると。私は怖くなった。テレビのニュースを見ながらそんなことを考えていると母が帰ってきた。私は母に問いただそうとした。その時ニュース速報がなった。連続殺人事件に黒ずくめのカエルマスクが関与していると言っていた。テレビではすでに二十件の殺人が行われており今回の世界的有名ブランドの一人息子の事件を同一人物の犯行であるとした。母はテレビを見て「あ...」という声を出し寝室に行ってしまった。翌日朝、母の姿は家にはなかった。学校では気をつけるようにと再三注意があった。その日は学校周辺の警察がいつもより多かった。その事が妙に引っかかり私は急いで家に帰った。家には誰もいなかった。テレビをつけてみると、二十二~二十五件目の連続殺人事件が都内ホテルで発見された。この日は深夜に母が帰ってきた。母は男と一緒らしい。話し声や笑い声が聞こえた。二十分くらい経ったころ、母の艶めかしい声が聞こえてきた。私は少し怖くなり耳をふさぎ布団に頭まで潜った。翌日、寝室を出ると母は昨日一緒に帰ってきたであろう男の隣で寝ていた。母に毛布でもかけてやろうと近づくと男の心臓にはナイフが刺さっており、床は血だらけだった。私は怖くて声が出なかった。腰が抜けその場に座り込んだ。そのまま母と男の死体を見ているとドアをノックする音が聞こえた。私はやっとの思いで立ち上がり、ドアを開けた。そこには二人の男がいた。彼らは警察手帳を見せてきた。そして部屋の中を見て顔色が変わった。すぐに母の身柄は拘束された。私も保護された。そして施設で生活することとなった。
母が「自分ひとりで二十六人殺害した。体型はばれないようにタオルを何重にも巻いたりして調節していた。」と自供したことで捜査は終了した。
私の母は私の知らないところで沢山の人を殺め、その相手の金で生活していた。私はその金で数ヶ月ではあるがいい暮らしができた。私は怖くなった。
もうすぐ私は施設を出ます。この日記は事件から約十年経った今の私の主観や当時の捜査について私の知り得る限り調べた上で書いています。間違いはありません。真偽を知りたい場合は本部勤務の高梨さんという方に聞いてみてください。高梨さんとコンタクトを取れたら三宅レイカの隣人と言ってください。これにて私は一旦筆を置きたいと思います。それでは。
十年前の三月。私は最近母がなんでも好きなものを買ってくれるので毎日幸せだった。人形や可愛い服、化粧道具なんかも買ってもらった。私の家は母子家庭でビンボーだったので服はボロボロで人形などのおもちゃも持っていなかった。だから母がなにか買ってくれるのはとても嬉しかった。新しい服やかばんのおかげでいじめもなくなった。友達と呼べる人もたくさんできた。母も毎日色々なものを買って帰ってきた。ブランド物の服に高級なネックレスやイヤリング、その他にも若いイケメンな男もよく連れて帰ってくるようになった。私も母もこれ以上ないくらい幸せだった。
ある日学校に行くと校門の前には警察官が立っていた。教室に到着し友人にその話をしたところ、学校の近くで殺人事件があったらしい。そして犯人は未だ捕まっていないというのだ。その日の下校時は集団下校をすることとなった。家に帰ると家の中にはいつもと違う男と母がいた。男が帰ってから母に前の男はどうしたのかと尋ねると、今朝遺体が発見されたらしいと言っていた。私はそこに疑問を持つべきだったと今は後悔している。
それから1ヶ月後の朝最近は少なくなってきていた警察官がまた校門の前に立っていた。先生の話によると世界的有名ブランドの創設者の一人息子が学校周辺の空き地で遺体となって発見された。他殺らしい。空き地は長いこと整備されていなかったため、雑草が生い茂っていた。そのことで発見までに一週間程かかってしまったらしい。有名ブランドの創設者の一人息子が殺害されたというビックニュースに全国から報道陣が集まった。学校から下校したあと、テレビでこのニュースを見て驚いた。母と一緒にいた男がそこには写っていた。ここで私は確信した。母は少なくとも二人殺していると。私は怖くなった。テレビのニュースを見ながらそんなことを考えていると母が帰ってきた。私は母に問いただそうとした。その時ニュース速報がなった。連続殺人事件に黒ずくめのカエルマスクが関与していると言っていた。テレビではすでに二十件の殺人が行われており今回の世界的有名ブランドの一人息子の事件を同一人物の犯行であるとした。母はテレビを見て「あ...」という声を出し寝室に行ってしまった。翌日朝、母の姿は家にはなかった。学校では気をつけるようにと再三注意があった。その日は学校周辺の警察がいつもより多かった。その事が妙に引っかかり私は急いで家に帰った。家には誰もいなかった。テレビをつけてみると、二十二~二十五件目の連続殺人事件が都内ホテルで発見された。この日は深夜に母が帰ってきた。母は男と一緒らしい。話し声や笑い声が聞こえた。二十分くらい経ったころ、母の艶めかしい声が聞こえてきた。私は少し怖くなり耳をふさぎ布団に頭まで潜った。翌日、寝室を出ると母は昨日一緒に帰ってきたであろう男の隣で寝ていた。母に毛布でもかけてやろうと近づくと男の心臓にはナイフが刺さっており、床は血だらけだった。私は怖くて声が出なかった。腰が抜けその場に座り込んだ。そのまま母と男の死体を見ているとドアをノックする音が聞こえた。私はやっとの思いで立ち上がり、ドアを開けた。そこには二人の男がいた。彼らは警察手帳を見せてきた。そして部屋の中を見て顔色が変わった。すぐに母の身柄は拘束された。私も保護された。そして施設で生活することとなった。
母が「自分ひとりで二十六人殺害した。体型はばれないようにタオルを何重にも巻いたりして調節していた。」と自供したことで捜査は終了した。
私の母は私の知らないところで沢山の人を殺め、その相手の金で生活していた。私はその金で数ヶ月ではあるがいい暮らしができた。私は怖くなった。
もうすぐ私は施設を出ます。この日記は事件から約十年経った今の私の主観や当時の捜査について私の知り得る限り調べた上で書いています。間違いはありません。真偽を知りたい場合は本部勤務の高梨さんという方に聞いてみてください。高梨さんとコンタクトを取れたら三宅レイカの隣人と言ってください。これにて私は一旦筆を置きたいと思います。それでは。
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