retoro to face

佳田 青空

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とおい世界

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眠い…
柚鈴が仕事に行ったら病院に行こう
「それまでもう少し寝るか…」


あの夢を見る
でもゆうは屋上の手すりの上に座り
こっちに背を向け遠くの方を見ていた
捕まえようと手を伸ばすと
ゆうが気づいて振り向いた
伸ばしかけた手が止まる

祐)「…」

ゆ)
「もう、いいだろ?
 やっぱり気持ちは変わらない
 変じゃないよ 気持ち悪くないってさ
 柚鈴が教えてくれた」

そう言うと高く前へ飛び出して
落ちていった

ゴン

嫌な音が鳴り響く
急いで下を覗くと
地面には血の海が広がっていた


混乱して理解できずにいると
地面が落とし穴のように
ボカっとあき
落ちてしまった…


ハッとして起き上がると
なぜか制服を着て中学校の教室にいた
時計を見ると5時半を少し
過ぎようとしている
急いで走って公園へ向かった
この時間から出ると駅前で
柚鈴と会える
走って駅へ向かったが
駅には見当たらず
駅前の公園をすぎ家へ帰ろうとすると
公園で柚鈴と柚鈴と同じ制服を着た
男の人が楽しそうに話していた

2人で帰るこの時間を楽しみ
にしていたせいか…
モヤモヤする

2人をみていて嫌なのに
間に入るすきもなく
遠まきに見ているだけ…
モヤモヤは変わらずあり続け
ぐるぐると頭の中を回りだす

そうなるともうどうにもならない
絡まったものを回すほど
さらに絡まりは増し

モヤモヤは大きくなる
見たくないのに…
知らない男の顔がふいにこちらを向いて

なんとか体を前に出し
走りだす

がむしゃらに
どこに向かってるわけでもなく
ただ2人から離れたくて
遠くへ遠くへ走る


我にかえると
知らない住宅街まで来ていた
空は紫色に染まりかかり
そろそろ帰えらなければと冷静になる
足は棒のようになっていた

「ゆうちゃん、来てくれたんだね」
柚鈴は公園にいたはずなのに…
目の前に現れた…

「なんで…」
訳が分からないし拍子抜けで
足の緊張が限界を迎えプツンと切れ
崩れ落ちてしまった


「どうしたの?大丈夫?」
優しい笑顔で手を差し伸べてくれた

自然と柚鈴の手を掴んでしまう

「よし、行こうか…」
優しい笑顔が暗くなる
手を引かれて大きな屋敷に連れ込まれた
こんなに大きい屋敷が
隣にあっただなんて
周りが見えず
柚鈴しか見えてなかった…

なぜ屋敷に行くの?
そんなことを聞く暇もなく
入っていく
葬式の幕がかかり
入り口には名前が…
吐田…?
知らない人…

中ではお経が鳴り響き
焼香のため数名並んでいた
柚鈴と2人並び待っていると

隅の方にいるおばさんたちの
会話が耳に入る


「なつきさんの息子さん
まだ若いのに早いわねぇ…」

「自殺らしいわよ…
学校でいじめられていたらしいじゃない」

「でも、男が好きだったらしいじゃない」

「「「気持ち悪いわね」」」


思い当たる人がいない…
焼香の順番が周り
棺桶から顔がのぞけた…
忘れもしない
こんなカタチで会うなんて


「けんごさん…うぅ…」
あまりにも強く刺しつける現実に
柚鈴は耐えられず
もっと深く刺さることを拒み
今にシガミ続けようと
みっともなく
棺桶にすがりつく

「柚鈴…次の人もいる…」

柚鈴の手をとり端っこにはける
さっき変な話が耳に入ったせいか
異物を見るように周りに見られる

そのあと火葬まで一緒に行かせてほしい
と柚鈴は頭を下げて
兼悟さんの親族に頼んでいたが
強く断られ帰ることにした

すっかり暗くなり小雨が降っていた
柚鈴の手を引いて屋敷を後にした

どれぐらいぶりだろうか
自然と手を繋ぎ家へ帰った

柚鈴の家の前まで来た

手が解けて離れていく

こんな時なんて言って
あげればいいのかわからない

お風呂に入りベットにつく
いつも手をさしのべてくれる柚鈴
柚鈴が悲しい時苦しい時
俺が助けてあげたいと思っていたのに
いざそうなるとどうすればいいかわからない

ウレシイなんて思ってごめんなさい


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