天使かと思ったら魔王でした。怖すぎるので、婚約解消がんばります!

水無月あん

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ついに、ドラゴン!

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ブリジットさんが、
「私たちが、保護したドラゴンを公開するのは、少しでも、ドラゴンに興味をもっていただき、ドラゴンの住みやすい環境を守ろうと思う人が、増えてくれることを願っているからです」
と、おだやかな口調で話してくれた。

「ということは、絶滅の危機にあるのは、やはり、ドラゴンが住みやすい場所が失われてきたということなのですか?」
と、私が聞くと、ブリジットさんは、大きくうなずいた。

「アデル王女様のおっしゃる通りでございます。ドラゴンは、人間の住んでいない、自然のままの山を好みますが、昨今は、どんどん、山も切り開かれ、開発が進んでますから」

「今、ドラゴンが生息していることが確認できた山は、王家が買い取ってるんだよ」
と、デュラン王子が注釈をいれてくれた。

なるほど…、って、こら、ランディ王子!
王家も関わっているドラゴンの環境問題の話をしているのに、何で、胸のマカロンをさわって、にやついているのかしら?!

私が、ランディ王子を、きっとにらむと、いつのまにか、ジリムさんが横にきて、
「あれは、放置しておいてください」
と、淡々と言った。

ブリジットさんが、
「今、現在は、保護しているドラゴンは2匹です。
これから、まずは、子どものドラゴンの住む部屋にご案内いたします。が、ドラゴンの姿が見られるかどうかは、ドラゴン次第です。ドラゴンが望まない場合は、隠れたままの場合もあります。
ドラゴンの気分次第となりますので、ご了承ください」
と、説明してくれた。

「もちろん、了解です!」
と、私がワクワクしながら、返事をすると、ブリジットさんが、優しく微笑んでくれた。

今度は、補助のアンドレさんが、補足の説明をしてくれる。
「これから入る部屋にいる、子どものドラゴンですが、およそ、生後半年くらいかと推測されます。
大きさは、大きめの猫ぐらいです」

「え? そんなに小さいの?! ドラゴンって、生まれた時から、大きいのかと想像してたわ!」
思わず、前のめりで聞いてしまう。

ランディ王子が、鼻で笑った。
「ドラゴンは卵で生まれるから、最初は小さいだろ。アデルは、そんなことも知らないのか? バカだな」

そう言った瞬間、
「いたたたたた」
と、ランディ王子が、胸のマカロンをおさえた。

え、どうしたの?! 大丈夫? 

と、思ったら、ユーリが、、
「ごめんね、ランディ? ぼくの魔力と連動して、その胸の飾りが暴れたみたい。
でも、ランディが悪いんだよ? アデルのことを馬鹿にすると許さないって、前にも言ったよね? 
ほんと、覚えがわるいね。どっちが、バカなんだか?」
と、妖し気に微笑んだ。

私は、あわてて、ランディ王子にかけよった。

「とりあえず、その胸のマカロン、はずしたほうがいいよ? ユーリの魔力が流れてるから、また、同じようなことになったら困るでしょ」
と、私が言った。

すると、ランディ王子は、
「なんのこれしき。これくらいで、はずすかよ。ユーリさんの弟子だからな。
俺を見くびるな」
と、えらそうに言った。

ええと、そこ、がまんするとこ? しかも、なんだか、言ってることが変じゃない?

思わず、隣に立つユーリを見上げると、
「アデルは馬鹿じゃないからね。ばかかわいいんだからね」
と、とろけるような笑みをうかべて、私の頭をなでた。

いや、そんなこと、気にもしてないし、聞いてもないわ!

そこへ、ジリムさんが、よってきて、
「どうぞ、放置しておいてください」
と、またもや、淡々と言った。

では、お言葉に甘えて、そうしましょう。それより、早くドラゴンに会いたい!

アンドレさんが、
「では、この扉をあけたら、子どものドラゴンの住む部屋になりますので、どうぞついてきてください」
そう言って、頑丈な扉をあけた。

部屋に入ったとたん、そこには、まるで、野外のような空間が広がっていた。
木々や草花、岩など、自然そのもの。山にいるみたいなんだけど…。

と、いきなり、

キィー

と、耳をつんざくような、甲高い音がした。
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