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第一章
憧れの図書室なのに…
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ついに、あこがれの王宮図書室だ!
ロイさんに続いて、入った途端
「うわああ!」
思わず、声をあげてしまった。
円形の広い図書室は、ぐるりと本に囲まれている。
壁面全体が天井近くまで本棚になっているからだ。
螺旋階段で、近くまで見に行けるようになってるみたい。
あー行ってみたい、うずうずする!
ロイさんが、
「ぼく、今から、奥にある資料室へ資料を取りに行くから、ここで自由に見てて。本棚の本は全部、手に取ってみていいからね」
「あの螺旋階段、のぼってみてもいいですか?!」
「もちろん、いいよ! 気に入った本があったら、どこのテーブルでも使って、読んでいいからね。じゃあ、また後でね~」
と、手をひらひらさせながら、資料室へと入っていった。
「じゃあ、私は入口でおりますので、何かありましたら、お声をおかけください」
と、ルドルフさん。
「え? アイシャがくるまで、この図書室でずっといますから、もう大丈夫ですよ」
すると、ルドルフさんが、
「王妃様より、お帰りになるまで、ずっとお傍にいるよう命じられております。この図書室の中は、限られた人しか入れないので安心して、楽しんでください」
そう言って、微笑んだ。
「要人でもないのに、なんだか、申し訳ありません…」
いたたまれなくなって、思わず、頭をさげる。
「いえいえ、それが仕事ですから。お気になさらず」
さわやかにそう言うと、頭を軽く下げ、入口のほうに歩いて行った。
今まで、縁もゆかりなかった騎士さん。
そして、私の好きな溺愛ヒーローは、寡黙な騎士だ。
ルドルフさん、寡黙ではなさそうだけど、落ち着いてるし、精悍な感じが、伸びしろを感じる!
これで、可憐なヒロインを溺愛しはじめたら、間違いなく推せる。
と、妄想はこの辺にして、まずは、あの螺旋階段をのぼってみたいよね!!
ということで、早速、のぼり始めた。壁面に沿うように、ゆるやかにぐるりとまわっている螺旋階段。
はあー、見える景色が本ばかりで、ほんと、天国じゃない?
時々、手にとって、ちらちらと見ながらも、上を目指す。
階段には、広い踊り場が、ところどころにあり、そこに、一人用のデスクと椅子がおいてあり、本を読めるようになっている。もう、至れり尽くせり!
億万長者になったら、私もこんな図書室が欲しい!
全部を私の好きな本で埋めるのはもちろん、カテゴリーごとにわける。
そして、一番良い位置は、当然のごとく、私のお気に入りの溺愛の物語が並ぶ!
はああー、素敵すぎて、妄想がとまらないわ!
やっと、てっぺんまできた。
下を見下ろすと、図書室全体が見える。数人しかいない。
なんて、贅沢な図書室なの? と思いながら見ていたら、
えっ?!
あれ、ラルフと王女様じゃない?!
と思ったら、テーブルに、向かい合ってすわった。何か本をひろげているのも見える。
勉強してるのかな?
上からなので、表情は見えないけれど、仲良さそうね。
これは、本当にラルフが私に溺愛を見せてくれる日も遠くないんじゃない?!
そう思った時、また、ズキンと体の奥に痛みがはしった。
おなか?! いや、ちょっと場所がずれてるような気もする…。
一体、どうしたんだろう、私…。
あ、ロイさんがでてきた!
ラルフ達のところに行って、何か話しはじめた。
ロイさんが、螺旋階段を見上げた。ラルフも一緒に見始める。
もしや、私を探してる?!
私は急いで背をむけ、階段の踊り場にあるテーブルとセットになった椅子にすわった。
読書に集中できるよう、両サイドが隠れるようになっているので、下からは見えない。
…って、なんで、私、隠れてるの?!
ラルフだよ? 王女様に気おくれしてるのかな。
本の世界でしか見たことないもんね。王女様って。
が、ここで出ていって、下をむいて、手を振る気にはどうしてもならない。
あ、でも、私のことを話してたわけじゃないかもしれないけどね。
これって、自意識過剰? 嫌だな。
ほんと、私、どうしたんだろ?
せっかく憧れの図書室に来てるのに、まだ、本に集中できてない。
もったいない!
私は椅子から立ち上がり、本を物色しはじめた。
物語が見当たらない。やっぱり、王宮の図書室だからかな?
とか思いながらも、背後が気になって仕方ない。
下を見たいけど、見たくない感じ。が、思い切って、下を見た。
あれ? だれもいない。帰ったのかな?
なんか、力がぬけて、ほっとした。
やっぱり、慣れない場所で緊張してるのかな、私?
さあ、これで、ゆっくりと本を読もう!
その時、
「リリー!」
背後から声がした。
え?
思わず、ふりむくと、ラルフがそこにいた。
螺旋階段を下から一気にあがってきたのか、髪がみだれて、息も荒い。
え、なんで? 王女様は?!
心ではそう聞いているのに、なぜだか、私の口がラルフに聞こうとしない。
言葉がでてこない。
私、一体、どうしちゃったんだろう。
ロイさんに続いて、入った途端
「うわああ!」
思わず、声をあげてしまった。
円形の広い図書室は、ぐるりと本に囲まれている。
壁面全体が天井近くまで本棚になっているからだ。
螺旋階段で、近くまで見に行けるようになってるみたい。
あー行ってみたい、うずうずする!
ロイさんが、
「ぼく、今から、奥にある資料室へ資料を取りに行くから、ここで自由に見てて。本棚の本は全部、手に取ってみていいからね」
「あの螺旋階段、のぼってみてもいいですか?!」
「もちろん、いいよ! 気に入った本があったら、どこのテーブルでも使って、読んでいいからね。じゃあ、また後でね~」
と、手をひらひらさせながら、資料室へと入っていった。
「じゃあ、私は入口でおりますので、何かありましたら、お声をおかけください」
と、ルドルフさん。
「え? アイシャがくるまで、この図書室でずっといますから、もう大丈夫ですよ」
すると、ルドルフさんが、
「王妃様より、お帰りになるまで、ずっとお傍にいるよう命じられております。この図書室の中は、限られた人しか入れないので安心して、楽しんでください」
そう言って、微笑んだ。
「要人でもないのに、なんだか、申し訳ありません…」
いたたまれなくなって、思わず、頭をさげる。
「いえいえ、それが仕事ですから。お気になさらず」
さわやかにそう言うと、頭を軽く下げ、入口のほうに歩いて行った。
今まで、縁もゆかりなかった騎士さん。
そして、私の好きな溺愛ヒーローは、寡黙な騎士だ。
ルドルフさん、寡黙ではなさそうだけど、落ち着いてるし、精悍な感じが、伸びしろを感じる!
これで、可憐なヒロインを溺愛しはじめたら、間違いなく推せる。
と、妄想はこの辺にして、まずは、あの螺旋階段をのぼってみたいよね!!
ということで、早速、のぼり始めた。壁面に沿うように、ゆるやかにぐるりとまわっている螺旋階段。
はあー、見える景色が本ばかりで、ほんと、天国じゃない?
時々、手にとって、ちらちらと見ながらも、上を目指す。
階段には、広い踊り場が、ところどころにあり、そこに、一人用のデスクと椅子がおいてあり、本を読めるようになっている。もう、至れり尽くせり!
億万長者になったら、私もこんな図書室が欲しい!
全部を私の好きな本で埋めるのはもちろん、カテゴリーごとにわける。
そして、一番良い位置は、当然のごとく、私のお気に入りの溺愛の物語が並ぶ!
はああー、素敵すぎて、妄想がとまらないわ!
やっと、てっぺんまできた。
下を見下ろすと、図書室全体が見える。数人しかいない。
なんて、贅沢な図書室なの? と思いながら見ていたら、
えっ?!
あれ、ラルフと王女様じゃない?!
と思ったら、テーブルに、向かい合ってすわった。何か本をひろげているのも見える。
勉強してるのかな?
上からなので、表情は見えないけれど、仲良さそうね。
これは、本当にラルフが私に溺愛を見せてくれる日も遠くないんじゃない?!
そう思った時、また、ズキンと体の奥に痛みがはしった。
おなか?! いや、ちょっと場所がずれてるような気もする…。
一体、どうしたんだろう、私…。
あ、ロイさんがでてきた!
ラルフ達のところに行って、何か話しはじめた。
ロイさんが、螺旋階段を見上げた。ラルフも一緒に見始める。
もしや、私を探してる?!
私は急いで背をむけ、階段の踊り場にあるテーブルとセットになった椅子にすわった。
読書に集中できるよう、両サイドが隠れるようになっているので、下からは見えない。
…って、なんで、私、隠れてるの?!
ラルフだよ? 王女様に気おくれしてるのかな。
本の世界でしか見たことないもんね。王女様って。
が、ここで出ていって、下をむいて、手を振る気にはどうしてもならない。
あ、でも、私のことを話してたわけじゃないかもしれないけどね。
これって、自意識過剰? 嫌だな。
ほんと、私、どうしたんだろ?
せっかく憧れの図書室に来てるのに、まだ、本に集中できてない。
もったいない!
私は椅子から立ち上がり、本を物色しはじめた。
物語が見当たらない。やっぱり、王宮の図書室だからかな?
とか思いながらも、背後が気になって仕方ない。
下を見たいけど、見たくない感じ。が、思い切って、下を見た。
あれ? だれもいない。帰ったのかな?
なんか、力がぬけて、ほっとした。
やっぱり、慣れない場所で緊張してるのかな、私?
さあ、これで、ゆっくりと本を読もう!
その時、
「リリー!」
背後から声がした。
え?
思わず、ふりむくと、ラルフがそこにいた。
螺旋階段を下から一気にあがってきたのか、髪がみだれて、息も荒い。
え、なんで? 王女様は?!
心ではそう聞いているのに、なぜだか、私の口がラルフに聞こうとしない。
言葉がでてこない。
私、一体、どうしちゃったんだろう。
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