(第2章連載中)だれか溺愛見せてください。ちなみに、溺愛を見たいだけで、溺愛してもらいたいわけではありません。

水無月あん

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第一章

アイシャの提案

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アイシャが、次から次へとロジャン国のパンフレットをだしてくる。
詳しい説明とともに、すばらしい王宮の図書室や、学園の図書館、町の図書館、巨大な書店の写真なども見せてくれた。

「ほんと、すごいね! 本を読む環境に恵まれてて、読み放題じゃない?! うらやましいなあ!」
見てるだけで、わくわくしてくる。

「じゃあ、これも見て、リリー」
そう言って、アイシャが差し出してきたのは、学園のパンフレット。

「短期留学? あ、これって、アイシャの学園の?」

アイシャが、うなずいた。

「そう。3か月の短期留学生を募集してるの。リリーにどうかと思って。リリーは、私より一つ下だから、学年は違うけど、寮は一緒だし、校舎も同じだから、一緒に通えるわ。
本好きのリリーなら、少しでも住んでみたら、絶対、いい経験になると思うのよ。
留学と言うより、本を好きなだけ読みに来ると思えば、3か月でも短いくらいだと思うんだけど。
どう? 考えてみない?」

「え…、思ってもみなかったけど…。すごいひかれる! ロジャン国なら、言語も同じだから、読むのに支障もないし」

アイシャは、フフっと笑って、
「それにね、リリーの好きなマクシミリアン先生って、ロジャン国出身でしょ? なんと、熱狂的なファンの方が経営してるお店にね、時々ご本人がいらっしゃって、ファンの集いをするんだって!」

「えええ?! それ、ほんと?!」

アイシャが、一枚の写真を見せてくれた。なんともかわいらしい小さな本屋さんの外観だ。
「お店の中は写真がとれなかったんだけど、インテリアもすごく素敵だったわよ。年配の上品なご婦人が経営者の方なんだけど、マクシミリアン先生のデビュー当時からのファンなんですって。他の本にもすごく詳しいの。
リリーが会ったら、絶対好きになると思うわ!」

「もう、それ聞いただけで、わくわくがとまらないんだけど?! どうしよう。本気で行きたくなってきた!」

「手続きは私が全部するから、身ひとつで来ても大丈夫よ!」
と、いつも冷静なアイシャにしては珍しく、熱く前のめりで、沢山説明してくれた。

そのうえ、山のようなロジャン国の資料とお土産を渡されて、私は家に帰った。


今日、一日、色々あった。

ラルフへの態度を思い返すと、自己嫌悪のあまり、ベッドの上で、しばらくのたうちまわってしまった。

もう、ほんとに、こんなんじゃダメだ!

あんな子どもじみた態度をとったのも、私が精神的に子どもだからだ!
知らず知らずのうちに、相当、ラルフに甘えてたんだね。

まあ、小さい頃から、何かあっても、何もなくても、私がべらべらしゃべって、ラルフには、ひたすら、話を聞いてもらってたしね。

やはり、ここは、アイシャの提案にのってみるのもいいかもしれない。
たった三か月だけど、ほぼひきこもりの私にとっては、他国への留学するなんて、不安がいっぱいで、すごい挑戦だ。

が、ここは、自立した、立派な大人になるためにも、留学という修行にでてみよう。

それに、ラルフにいつまでも甘えているわけにはいかないしね!
ラルフに恋人ができる前に(もうすぐかもしれないし…)、迷惑をかけないよう、しっかりと独り立ちをしておこう!

それに、そのファンの集いもおおいに気になる! 通いたい! 

心は決まった!

思い切って、ロジャン国に行ってみることにしよう!
そして、精神的に大人になって、帰ってこよう!

まあ、ほんの三か月だけど…。
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