42 / 108
第一章
ついに報告
しおりを挟む
「リリーから留学なんて言葉、聞いたことがなかったら、驚いちゃったわ。前から、ロジャン国に留学したかったの?」
と、エルザおばさまが、お茶を淹れてくれながら、聞いてきた。
「それが、思い立ったのは、一週間前なんです」
「え?! そんな最近決めたの? なにか、きっかけがあったの?」
と、驚いているエルザおばさま。
まあ、そうだよね。私ですら、こうなるなんて思いもしなかったんだから…。
「留学するなんて、本当に考えたこともなかったんです。一週間前、アイシャにロジャン国の図書館や書店の話を沢山聞いて、行ってみたいと思ったところで、短期留学をすすめられて。なんか勢い?みたいな感じで、行くことに決めたんです」
「なるほど…。さすがアイシャねえ。ラルフより、ずっと上手だわ…」
エルザおばさまが、つぶやいた。
「え?」
「いえいえ、なんでもないの。続けて」
と、エルザおばさまが微笑む。
「実は、その日、アイシャに連れられて、王宮へ行ってたんですけど、自分があまりに子どもだなあ、と思わされることがあって反省して…。だから、しっかりするためにも留学してみようと! ほら、エルザおばさまや、ラルフにも甘えてばっかりだったし」
「そんなことないわよ! リリーはしっかりしてるわよ? お金を節約して、好きな本を沢山買い集めてるし」
ん? それは、しっかりしてるというのかな? ただ、好きなだけだよ…。
「それに、なんと、マクシミリアン先生のファンの方が経営している書店があるそうなんです。しかも、時々ご本人が来られて、ファンの集いがあるんですって!
実は、これに参加したいっていうのも、大きな要因です!」
「えええ?! ほんと?! 私も行ってみたいわ!」
と、エルザおばさま。
「エルザおばさまも、マクシミリアン先生、好きですもんね」
エルザおばさまは、力強くうなずいた。
「リリーのおかげで、すっかりファンになったわ。…そうだわ! ファンの集いにあわせて、私もロジャン国に行こうかしら。一泊して帰ることは可能よね? うん、リリーにも会えるし、いいことづくめだわ。決めたわ! 私、会いに行くわね! なんだか、私、ワクワクしてきたわ!」
そう言って、エルザおばさまが、なんとも、楽しそうに笑った。
「うわ、嬉しい! 日程がわかったら、お知らせしますね! エルザおばさまに、留学中に会えるなんて、更に楽しみ!」
そこへ、ノックの音がして、執事さんの声。
「ラルフ様が帰られました。いかがいたしましょう」
「ここへ連れてきて」
と、エルザおばさまが答えると、すぐに、ラルフがやってきた。
部屋へ入るなり、私を見て、ちょっと驚いているのか、目を見開いた。
「リリー、来てたのか」
私は、うなずき、
「一週間ぶりだね、ラルフ」
と、私が言った。
良かった、今日は大丈夫だ。ラルフといつも通り、話せそう。
ということで、先日のことは、さらりと謝っておこう。
「そうだ、ごめんね。この前、王宮で変な態度とっちゃって。なーんか、自分が子どもっぽくて、自分でもびっくりしたわ。ということで、立派な大人になるため、そして、ラルフから、独り立ちするため、私、ロジャン国へ短期留学することにしました!」
と、はりきって発表する。
ラルフが固まった。
「ええと、ラルフ。…大丈夫かな?」
と、目の前で、手のひらをひらひらっとさせてみる。
エメラルド色の目が見開いたと思ったら、
「はあああ?! ロジャン国?! 俺から独り立ちってなんだ?! なんでそうなる?!」
と、ラルフが声を荒げる。
エメラルド色の目が、狂暴なほど鋭くなって、私を射抜く。
どうやら、怒ってるみたいだね?
留学をすると言ったら、アイシャには歓迎され、両親には喜ばれ、エルザおばさまにはさみしがられ、ラルフは怒ってる。
みんなそれぞれ違った反応だけど、ラルフは、なぜ、怒るのかな?
「落ち着きなさい、ラルフ」
エルザおばさまが、たしなめた。
いつも、ほわほわして、可愛らしいエルザおばさまとは思えない、きつめの口調だった。
と、エルザおばさまが、お茶を淹れてくれながら、聞いてきた。
「それが、思い立ったのは、一週間前なんです」
「え?! そんな最近決めたの? なにか、きっかけがあったの?」
と、驚いているエルザおばさま。
まあ、そうだよね。私ですら、こうなるなんて思いもしなかったんだから…。
「留学するなんて、本当に考えたこともなかったんです。一週間前、アイシャにロジャン国の図書館や書店の話を沢山聞いて、行ってみたいと思ったところで、短期留学をすすめられて。なんか勢い?みたいな感じで、行くことに決めたんです」
「なるほど…。さすがアイシャねえ。ラルフより、ずっと上手だわ…」
エルザおばさまが、つぶやいた。
「え?」
「いえいえ、なんでもないの。続けて」
と、エルザおばさまが微笑む。
「実は、その日、アイシャに連れられて、王宮へ行ってたんですけど、自分があまりに子どもだなあ、と思わされることがあって反省して…。だから、しっかりするためにも留学してみようと! ほら、エルザおばさまや、ラルフにも甘えてばっかりだったし」
「そんなことないわよ! リリーはしっかりしてるわよ? お金を節約して、好きな本を沢山買い集めてるし」
ん? それは、しっかりしてるというのかな? ただ、好きなだけだよ…。
「それに、なんと、マクシミリアン先生のファンの方が経営している書店があるそうなんです。しかも、時々ご本人が来られて、ファンの集いがあるんですって!
実は、これに参加したいっていうのも、大きな要因です!」
「えええ?! ほんと?! 私も行ってみたいわ!」
と、エルザおばさま。
「エルザおばさまも、マクシミリアン先生、好きですもんね」
エルザおばさまは、力強くうなずいた。
「リリーのおかげで、すっかりファンになったわ。…そうだわ! ファンの集いにあわせて、私もロジャン国に行こうかしら。一泊して帰ることは可能よね? うん、リリーにも会えるし、いいことづくめだわ。決めたわ! 私、会いに行くわね! なんだか、私、ワクワクしてきたわ!」
そう言って、エルザおばさまが、なんとも、楽しそうに笑った。
「うわ、嬉しい! 日程がわかったら、お知らせしますね! エルザおばさまに、留学中に会えるなんて、更に楽しみ!」
そこへ、ノックの音がして、執事さんの声。
「ラルフ様が帰られました。いかがいたしましょう」
「ここへ連れてきて」
と、エルザおばさまが答えると、すぐに、ラルフがやってきた。
部屋へ入るなり、私を見て、ちょっと驚いているのか、目を見開いた。
「リリー、来てたのか」
私は、うなずき、
「一週間ぶりだね、ラルフ」
と、私が言った。
良かった、今日は大丈夫だ。ラルフといつも通り、話せそう。
ということで、先日のことは、さらりと謝っておこう。
「そうだ、ごめんね。この前、王宮で変な態度とっちゃって。なーんか、自分が子どもっぽくて、自分でもびっくりしたわ。ということで、立派な大人になるため、そして、ラルフから、独り立ちするため、私、ロジャン国へ短期留学することにしました!」
と、はりきって発表する。
ラルフが固まった。
「ええと、ラルフ。…大丈夫かな?」
と、目の前で、手のひらをひらひらっとさせてみる。
エメラルド色の目が見開いたと思ったら、
「はあああ?! ロジャン国?! 俺から独り立ちってなんだ?! なんでそうなる?!」
と、ラルフが声を荒げる。
エメラルド色の目が、狂暴なほど鋭くなって、私を射抜く。
どうやら、怒ってるみたいだね?
留学をすると言ったら、アイシャには歓迎され、両親には喜ばれ、エルザおばさまにはさみしがられ、ラルフは怒ってる。
みんなそれぞれ違った反応だけど、ラルフは、なぜ、怒るのかな?
「落ち着きなさい、ラルフ」
エルザおばさまが、たしなめた。
いつも、ほわほわして、可愛らしいエルザおばさまとは思えない、きつめの口調だった。
27
あなたにおすすめの小説
どうして私が我慢しなきゃいけないの?!~悪役令嬢のとりまきの母でした~
涼暮 月
恋愛
目を覚ますと別人になっていたわたし。なんだか冴えない異国の女の子ね。あれ、これってもしかして異世界転生?と思ったら、乙女ゲームの悪役令嬢のとりまきのうちの一人の母…かもしれないです。とりあえず婚約者が最悪なので、婚約回避のために頑張ります!
【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!
ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。
※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
【ご報告】
2月15日付で、誤字脱字の修正および一部表現の見直しを行いました。
ただし、記載内容の趣旨に大きな変更はございません。
引き続きよろしくお願いいたします。
ストーカー婚約者でしたが、転生者だったので経歴を身綺麗にしておく
犬野きらり
恋愛
リディア・ガルドニ(14)、本日誕生日で転生者として気付きました。私がつい先程までやっていた行動…それは、自分の婚約者に対して重い愛ではなく、ストーカー行為。
「絶対駄目ーー」
と前世の私が気づかせてくれ、そもそも何故こんな男にこだわっていたのかと目が覚めました。
何の物語かも乙女ゲームの中の人になったのかもわかりませんが、私の黒歴史は証拠隠滅、慰謝料ガッポリ、新たな出会い新たな人生に進みます。
募集 婿入り希望者
対象外は、嫡男、後継者、王族
目指せハッピーエンド(?)!!
全23話で完結です。
この作品を気に留めて下さりありがとうございます。感謝を込めて、その後(直後)2話追加しました。25話になりました。
転生した世界のイケメンが怖い
祐月
恋愛
わたしの通う学院では、近頃毎日のように喜劇が繰り広げられている。
第二皇子殿下を含む学院で人気の美形子息達がこぞって一人の子爵令嬢に愛を囁き、殿下の婚約者の公爵令嬢が諌めては返り討ちにあうという、わたしにはどこかで見覚えのある光景だ。
わたし以外の皆が口を揃えて言う。彼らはものすごい美形だと。
でもわたしは彼らが怖い。
わたしの目には彼らは同じ人間には見えない。
彼らはどこからどう見ても、女児向けアニメキャラクターショーの着ぐるみだった。
2024/10/06 IF追加
小説を読もう!にも掲載しています。
生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~
こひな
恋愛
市川みのり 31歳。
成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。
彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。
貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。
※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
【完結】二度目の子育て~我が子を可愛がったら溺愛されました
三園 七詩
恋愛
私は一人娘の優里亜の母親だった。
優里亜は幼い頃から体が弱く病院でほとんどの時間を過ごしていた。
優里亜は本が好きでよく私にも本の話をしてくれた。
そんな優里亜の病状が悪化して幼くして亡くなってしまう。
絶望に打ちひしがれている時事件に巻き込まれ私も命を落とした。
そして気がつくと娘の優里亜が大好きだった本の世界に入り込んでいた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる