73 / 108
第二章
到着しました
しおりを挟む
ついに、ロジャン国に到着した。まず、お仕事があるジャンさんとは、ここで、おわかれ。
「リリー、また、すぐに会おうね」
ジャンさんは、私にむかって、さわやかに微笑む。
「いや、もう会うな。即刻、帰れ」
と、大人気なく答えたのはラルフ。
そんなラルフを気にすることもなく、ジャンさんは、迎えの馬車にのって去っていった。
そして、馬車が着いたところは、大きなお屋敷。
なんと、アイシャの公爵家の別邸だそう。
「学園が始まるまで、3日ほどあるでしょ? 寮にはいってしまうと、自由に出られなくて不便だから。まずは、うちの別邸にとまってもらって、その間に、ざっと、リリーに町を案内しておきたいと思ったの。ちょうど、両親も別邸に来る予定はないから、ゆっくりしてもらえるし。なにより、リリーに、私の図書室をみてもらいたいわ。いつか、リリーを驚かせたくて、ロジャン国で本を買い集めてたの。フフフ」
「え?! アイシャの図書室?! うわあ、楽しみっ!」
そこで、ラルフが言った。
「ここなら、部屋も沢山あるし、俺も、宿はキャンセルする。ここに泊めてくれ」
「あいにく、空いている部屋がないわ」
と、アイシャ。
「筆頭公爵家の別邸なら、山ほどゲストルームがあるだろ。あ、そうか。アイシャに、ゲストルームを自由に使う権限がないのか。なら、筆頭公爵の叔父上に連絡して、直接、許可を得ようか?」
挑戦的な目で、アイシャを見るラルフ。
はああ、ラルフ君。…それは、人にものを頼む態度ではないよ?
「…わかった。じゃあ、リリーの部屋から一番離れた部屋を用意してあげるわ」
アイシャが不満げに言った。
お屋敷に入ると、少し老齢に見える男性に出迎えられた。
「アイシャお嬢様、お帰りなさいませ」
と、その男性が穏やかにほほえむ。
「ただいま、ロバート。連絡していた、私の親友、リリアンヌよ。それと、急遽、ラルフも泊まることになったから、リリーから一番離れた場所を用意してちょうだい」
と、アイシャ。
「かしこまりました」
そう答えた男性が私を見た。
「執事のロバートと申します。リリアンヌ様にお会いできるのを楽しみにしておりました。アイシャお嬢様から、唯一、お名前を聞く、ご友人でしたから」
そう言って、優しそうな笑みを浮かべる。
「アイシャ、友人いないもんな」
ラルフがニヤッとした。
「その言葉、そのまま返すわ」
不敵に笑い返すアイシャ。
…うん、ほんと、二人とも似てるね。
そんな私たちの様子を微笑ましそうに見るロバートさんに、私は一歩近づき、ご挨拶をした。
「初めまして。リリアンヌ・ミラベルです。お世話になります」
「ご不便がありましたら、なんでも、私におっしゃってください」
と、優しく声をかけてくれた。
そして、ラルフにむかって声をかけた。
「ラルフ様も、お久しぶりでございます」
「ああ、本当に久しぶりだな。ロバート、元気だったか?」
「ええ、元気にしております。ラルフ様は、大層、ご立派になられて」
「え? 二人はお知り合い?」
と、私が聞くと、ラルフがうなずいた。
「ああ。ロジャン国出身だが、ロバートは、もとは、うちの屋敷で働いてたんだ。だが、家族の看病でロジャン国に戻ることになったんだよな」
「ええ、ラルフ様のお父様である公爵様にご紹介いただいて、筆頭公爵家の別邸での仕事につかせていただきました。こんなにご立派になられたラルフ様にお会いできるなんて嬉しいです」
と、感慨深そうに話すロバートさん。が、突然、はっとしたように私を見た。
「もしや…、リリアンヌ様は、お小さい頃、ラルフ様のところへ遊びにこられてましたか?!」
「あ、はい。幼馴染なので、小さい頃から、遊びにいってました」
ロバートさんが、嬉しそうに笑った。
「やっぱり! ラルフ様のところへ、初めて遊びにこられたご友人が、金色の巻き毛がふわふわして、妖精みたいな、かわいらしいご友人だったので、使用人たちは、わくわくしながら、お出迎えしてたのですよ」
「おいっ…」
ラルフがあせったように声をだす。
「やっぱり、小さい頃から友達がいなかったのね。ラルフは」
と、嬉しそうに言うアイシャ。
というか、妖精?! だれが?! なんて、お世辞のうまいロバートさん。
お世辞とはわかっていても、ちょっと嬉しい。ムフフフ…。
といういうことで、私の中で、ロバートさんは、とってもいい人と確定です!
「リリー、また、すぐに会おうね」
ジャンさんは、私にむかって、さわやかに微笑む。
「いや、もう会うな。即刻、帰れ」
と、大人気なく答えたのはラルフ。
そんなラルフを気にすることもなく、ジャンさんは、迎えの馬車にのって去っていった。
そして、馬車が着いたところは、大きなお屋敷。
なんと、アイシャの公爵家の別邸だそう。
「学園が始まるまで、3日ほどあるでしょ? 寮にはいってしまうと、自由に出られなくて不便だから。まずは、うちの別邸にとまってもらって、その間に、ざっと、リリーに町を案内しておきたいと思ったの。ちょうど、両親も別邸に来る予定はないから、ゆっくりしてもらえるし。なにより、リリーに、私の図書室をみてもらいたいわ。いつか、リリーを驚かせたくて、ロジャン国で本を買い集めてたの。フフフ」
「え?! アイシャの図書室?! うわあ、楽しみっ!」
そこで、ラルフが言った。
「ここなら、部屋も沢山あるし、俺も、宿はキャンセルする。ここに泊めてくれ」
「あいにく、空いている部屋がないわ」
と、アイシャ。
「筆頭公爵家の別邸なら、山ほどゲストルームがあるだろ。あ、そうか。アイシャに、ゲストルームを自由に使う権限がないのか。なら、筆頭公爵の叔父上に連絡して、直接、許可を得ようか?」
挑戦的な目で、アイシャを見るラルフ。
はああ、ラルフ君。…それは、人にものを頼む態度ではないよ?
「…わかった。じゃあ、リリーの部屋から一番離れた部屋を用意してあげるわ」
アイシャが不満げに言った。
お屋敷に入ると、少し老齢に見える男性に出迎えられた。
「アイシャお嬢様、お帰りなさいませ」
と、その男性が穏やかにほほえむ。
「ただいま、ロバート。連絡していた、私の親友、リリアンヌよ。それと、急遽、ラルフも泊まることになったから、リリーから一番離れた場所を用意してちょうだい」
と、アイシャ。
「かしこまりました」
そう答えた男性が私を見た。
「執事のロバートと申します。リリアンヌ様にお会いできるのを楽しみにしておりました。アイシャお嬢様から、唯一、お名前を聞く、ご友人でしたから」
そう言って、優しそうな笑みを浮かべる。
「アイシャ、友人いないもんな」
ラルフがニヤッとした。
「その言葉、そのまま返すわ」
不敵に笑い返すアイシャ。
…うん、ほんと、二人とも似てるね。
そんな私たちの様子を微笑ましそうに見るロバートさんに、私は一歩近づき、ご挨拶をした。
「初めまして。リリアンヌ・ミラベルです。お世話になります」
「ご不便がありましたら、なんでも、私におっしゃってください」
と、優しく声をかけてくれた。
そして、ラルフにむかって声をかけた。
「ラルフ様も、お久しぶりでございます」
「ああ、本当に久しぶりだな。ロバート、元気だったか?」
「ええ、元気にしております。ラルフ様は、大層、ご立派になられて」
「え? 二人はお知り合い?」
と、私が聞くと、ラルフがうなずいた。
「ああ。ロジャン国出身だが、ロバートは、もとは、うちの屋敷で働いてたんだ。だが、家族の看病でロジャン国に戻ることになったんだよな」
「ええ、ラルフ様のお父様である公爵様にご紹介いただいて、筆頭公爵家の別邸での仕事につかせていただきました。こんなにご立派になられたラルフ様にお会いできるなんて嬉しいです」
と、感慨深そうに話すロバートさん。が、突然、はっとしたように私を見た。
「もしや…、リリアンヌ様は、お小さい頃、ラルフ様のところへ遊びにこられてましたか?!」
「あ、はい。幼馴染なので、小さい頃から、遊びにいってました」
ロバートさんが、嬉しそうに笑った。
「やっぱり! ラルフ様のところへ、初めて遊びにこられたご友人が、金色の巻き毛がふわふわして、妖精みたいな、かわいらしいご友人だったので、使用人たちは、わくわくしながら、お出迎えしてたのですよ」
「おいっ…」
ラルフがあせったように声をだす。
「やっぱり、小さい頃から友達がいなかったのね。ラルフは」
と、嬉しそうに言うアイシャ。
というか、妖精?! だれが?! なんて、お世辞のうまいロバートさん。
お世辞とはわかっていても、ちょっと嬉しい。ムフフフ…。
といういうことで、私の中で、ロバートさんは、とってもいい人と確定です!
20
あなたにおすすめの小説
どうして私が我慢しなきゃいけないの?!~悪役令嬢のとりまきの母でした~
涼暮 月
恋愛
目を覚ますと別人になっていたわたし。なんだか冴えない異国の女の子ね。あれ、これってもしかして異世界転生?と思ったら、乙女ゲームの悪役令嬢のとりまきのうちの一人の母…かもしれないです。とりあえず婚約者が最悪なので、婚約回避のために頑張ります!
【本編完結】伯爵令嬢に転生して命拾いしたけどお嬢様に興味ありません!
ななのん
恋愛
早川梅乃、享年25才。お祭りの日に通り魔に刺されて死亡…したはずだった。死後の世界と思いしや目が覚めたらシルキア伯爵の一人娘、クリスティナに転生!きらきら~もふわふわ~もまったく興味がなく本ばかり読んでいるクリスティナだが幼い頃のお茶会での暴走で王子に気に入られ婚約者候補にされてしまう。つまらない生活ということ以外は伯爵令嬢として不自由ない毎日を送っていたが、シルキア家に養女が来た時からクリスティナの知らぬところで運命が動き出す。気がついた時には退学処分、伯爵家追放、婚約者候補からの除外…―― それでもクリスティナはやっと人生が楽しくなってきた!と前を向いて生きていく。
※本編完結してます。たまに番外編などを更新してます。
転移先で日本語を読めるというだけで最強の男に囚われました
桜あずみ
恋愛
異世界に転移して二年。
言葉も話せなかったこの国で、必死に努力して、やっとこの世界に馴染んできた。
しかし、ただ一つ、抜けなかった癖がある。
──ふとした瞬間に、日本語でメモを取ってしまうこと。
その一行が、彼の目に留まった。
「この文字を書いたのは、あなたですか?」
美しく、完璧で、どこか現実離れした男。
日本語という未知の文字に強い関心を示した彼は、やがて、少しずつ距離を詰めてくる。
最初はただの好奇心だと思っていた。
けれど、気づけば私は彼の手の中にいた。
彼の正体も、本当の目的も知らないまま。すべてを知ったときには、もう逃げられなかった。
【ご報告】
2月15日付で、誤字脱字の修正および一部表現の見直しを行いました。
ただし、記載内容の趣旨に大きな変更はございません。
引き続きよろしくお願いいたします。
ストーカー婚約者でしたが、転生者だったので経歴を身綺麗にしておく
犬野きらり
恋愛
リディア・ガルドニ(14)、本日誕生日で転生者として気付きました。私がつい先程までやっていた行動…それは、自分の婚約者に対して重い愛ではなく、ストーカー行為。
「絶対駄目ーー」
と前世の私が気づかせてくれ、そもそも何故こんな男にこだわっていたのかと目が覚めました。
何の物語かも乙女ゲームの中の人になったのかもわかりませんが、私の黒歴史は証拠隠滅、慰謝料ガッポリ、新たな出会い新たな人生に進みます。
募集 婿入り希望者
対象外は、嫡男、後継者、王族
目指せハッピーエンド(?)!!
全23話で完結です。
この作品を気に留めて下さりありがとうございます。感謝を込めて、その後(直後)2話追加しました。25話になりました。
転生した世界のイケメンが怖い
祐月
恋愛
わたしの通う学院では、近頃毎日のように喜劇が繰り広げられている。
第二皇子殿下を含む学院で人気の美形子息達がこぞって一人の子爵令嬢に愛を囁き、殿下の婚約者の公爵令嬢が諌めては返り討ちにあうという、わたしにはどこかで見覚えのある光景だ。
わたし以外の皆が口を揃えて言う。彼らはものすごい美形だと。
でもわたしは彼らが怖い。
わたしの目には彼らは同じ人間には見えない。
彼らはどこからどう見ても、女児向けアニメキャラクターショーの着ぐるみだった。
2024/10/06 IF追加
小説を読もう!にも掲載しています。
生まれ変わりも楽じゃない ~生まれ変わっても私はわたし~
こひな
恋愛
市川みのり 31歳。
成り行きで、なぜかバリバリのキャリアウーマンをやっていた私。
彼氏なし・趣味は食べることと読書という仕事以外は引きこもり気味な私が、とばっちりで異世界転生。
貴族令嬢となり、四苦八苦しつつ異世界を生き抜くお話です。
※いつも読んで頂きありがとうございます。誤字脱字のご指摘ありがとうございます。
【完結】二度目の子育て~我が子を可愛がったら溺愛されました
三園 七詩
恋愛
私は一人娘の優里亜の母親だった。
優里亜は幼い頃から体が弱く病院でほとんどの時間を過ごしていた。
優里亜は本が好きでよく私にも本の話をしてくれた。
そんな優里亜の病状が悪化して幼くして亡くなってしまう。
絶望に打ちひしがれている時事件に巻き込まれ私も命を落とした。
そして気がつくと娘の優里亜が大好きだった本の世界に入り込んでいた。
とっていただく責任などありません
まめきち
恋愛
騎士団で働くヘイゼルは魔物の討伐の際に、
団長のセルフイスを庇い、魔法陣を踏んでしまう。
この魔法陣は男性が踏むと女性に転換するもので、女性のヘイゼルにはほとんど影響のない物だった。だか国からは保証金が出たので、騎士を辞め、念願の田舎暮らしをしようとしたが!?
ヘイゼルの事をずっと男性だと思っていたセルフイスは自分のせいでヘイゼルが職を失っただと思って来まい。
責任を取らなければとセルフイスから、
追いかけられる羽目に。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる