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第5話 ステータスの下準備
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フェリシアの誕生会から帰った俺は自室のベッドに倒れ込む。
「……ステータス」
ステータスが表示されるよう念じながらそう言ったと同時に、空中に青白いウィンドウが現れる。
★
名前 シルヴァン 職業 翻訳通訳士
レベル 4
体力 46/46
魔力 58/58
攻撃力 57
防御力 57
敏捷性 86
精神力 59
運 15
(未割り振りポイント615)
称号
【超大物喰らい】
▼スキル
[翻訳Lv1][通訳Lv1]
★
【超大物喰らい】を獲得してレベルが上がった事で、14倍の恩恵を得てステータスが見違えるほど変わっている。
しかしながら逆に14倍もの恩恵を得て居ながらこの程度だという事が、翻訳通訳士がどれ程ステータスが伸びにくいかを物語っている。
体力なんて14倍の恩恵が無かったら3しか上がってなかったわけだからな。
これが他の職業であれば、何倍も違ったのに……
いや、たらればはよそう。
どれだけ嘆いたところで変わる事はない現実なんだ。
それよりも転生できたこと、そしてその転生できた世界が俺のよく知る世界だった事に感謝しよう。
とは言え、【超大物喰らい】を獲得できたことで心に余裕が出来たからこそそう言う事が言えるんだ。
何せ創造主である俺が言うのもなんだが、この世界は元の世界とは比べものにならないぐらい危険で過酷な、命がけの世界だからな。
全く……
過去の俺は何て世界を書いてくれたんだ……
どうせならもっと安全で、楽しく無双できるような世界を書いていればもっと楽だったのに……
しかしながら現実は変わらない。
ならこれからだ。
これから楽できるように最強になるんだ。
そうすれば何の不安もなく生きる事が出来る。
その為に必要な一つ目の条件は達成できた。
だが達成したからと言ってそれで終わりという訳ではない。
強くなるだけなら適当にスキルなり能力なりを上げればいいが、俺が目指すのは最強。
これ程の称号による恩恵があったとしても、適当にやっていては主人公には遠く及ばない。
なので適切にポイントを使い、無駄なく強くならなければならない。
その為得られた615ポイントの内、約600ポイント程の使い道は既に決まっている。
まずは一刻も早くとらなければならないスキルがある。
俺はそう思いながら、目前に表示されているステータスのスキルという文字の部分を軽くタッチする。
すると新たにステータスが表示されている物より二回り程大きなウィンドウが出現する。
それには、俺が今取得できるスキルが全て表示されている。
確かに設定通りではあるが……わかりずらいな。
当時の俺はそれ程深く考えて設定した訳じゃないだろうが、実際に体験するとひたすらに文字が表示されているので全然頭に入ってこない。
だがパッと目に留まったスキルを見て、俺は驚愕する。
「……[独活の大木]?」
どういうことだ!?
こんなスキル創った覚えないぞ!!
いや、逆に俺が創った覚えのあるスキルは50行くかどうかだったはず……
だが今表示されているスキルの数は明らかにそれを超える気がする。
それに右端にはスクロールバーのようなものまで見受けられる。
もしかして勘違いだったのか?
俺は自作小説の世界に転生したとばかり思っていたが……まさか違ったのか?
全く同じような世界観で、登場人物と同じような人が居る別の世界?
流石にあり得ない。
まだ俺が考えた自作小説の世界に転生したと言われた方が信じられる。
となると考えられるのは…………補完された。
元々話の進行に必要なモノや裏設定等で考えたモノ、後は登場人物達が持っているスキル程度しか考えていなかった。
だが世界にスキルというものが存在するならば、それ以上にスキルが存在しても可笑しくない。
あるいは俺がそう言った描写を書いており、それに見合うように世界が補完してくれたとかだろうな。
どちらにしても俺の知らないスキルが多すぎる。
それにどちらであろうと、今の俺では確認する術がない。
俺に出来る事は知らないスキルに関して、どういったスキルなのかを調べる事ぐらいしかできない。
だが今はそれよりも優先してやらなければならない事がある。
なのでこれに関しては後回しだ。
俺はそう考えながら表示されいるウィンドウの右上にある虫眼鏡のアイコンを軽くタッチする。
すると小さい横長のウィンドウが新たに出現する。
更にそこをタッチしてやれば、文字の入力画面のようなものが出てきた。
日本語で入力できるようで助かった。
この世界の言語はまだ喋る事は出来ても読み書きは不十分だからな。
まぁそれも翻訳通訳士のスキルを使えば解決は出来るが、出来るなら使わずに終わらせたいからな。
俺は出てきたウィンドウに文字を入力しながらそんな事を考える。
「……よし! あった」
ウィンドウに表示された[魔力消費]というスキルを見ながら、俺は拳を握りしめガッツポーズをする。
このスキルの効果は、スキル発動と同時に指定した魔力を解除しない限り消費し続けるというもの。
しかもこのスキル、取得するのに必要なポイントがなんと全職業共通で150ポイント。
故にこのスキルの評価は、ただ魔力を消費するだけのデバフスキルなのに150ポイントも必要なゴミスキル。
それがこの世界での共通認識であり、誰一人として取得しないスキル。
それはいずれ召喚される主人公も例外ではない。
けれど今の俺には何よりも必要なスキルなのだ。
理由は年齢と魔力の関係。
この世界は他の異世界物によく見られる、子供の間に魔法を使えば魔力が伸びるという設定が存在している。
だが勿論この世界で生きる人々がそれを知らないはずもなく、幼い時に出来るだけ多く魔法を使わせるという事が共通認識として広がっている。
しかしながら設定した俺が言うのもなんだが、残念な事にそれは正しい認識ではないのだ。
魔法を使えば魔力が伸びる……ではなく、より正確には魔力を消費すれば魔力が伸びるが正しい。
けれど中にはそれを試した人間が居ると思うかもしれない。
だがそれは絶対にないと断言できる。
何故ならこの世界はゲーム等と違い、やり直しがきかない。
そして[魔力消費]というスキルをこの状態でタッチして能力見た場合、このように表示される。
俺はそう考えながら表示されている[魔力消費]という文字を軽くタッチする。
[魔力消費]
効果
魔力を消費し続ける。
必要ポイント
150
この説明文では、取得した瞬間から死ぬまで永遠に魔力を消費し続けると受け取ってしまうだろう。
仮に【大物喰らい】を獲得してポイントの取得量を上げていたとしても、能力を上げたりスキルを獲得できるポイントは貴重だ。
そんな貴重なモノを、見ただけではバッドステータスを付与するかのようなスキルの為に使えるはずがない。
まぁこんな誤解を招くような説明文なのは後付けでこのスキルを足し、誰も取得していない理由が必要だったからなんだがな……
いや、そのおかげで主人公と渡り合える可能性があるのだから俺としては喜ばないとな。
俺はそう思いながらスキル[魔力消費]を取得する。
「消費魔力を自然回復魔力と同等に設定し、スキル[魔力消費]を発動」
俺がそう言ったと同時に、[魔力消費]が発動される。
だが発動されたからと言ってそれを自覚する事は不可能だ。
仮に消費魔力量が大きければ話は別だが、自然回復量と同等となれば感じとる事は出来ない。
そして[魔力消費]は今やったように大雑把な設定であろうと、自動で数値を算出し発動してくれる。
態々数値を言わなくてもいい、非常に便利なスキルなのだ。
とは言えこのスキルを使って魔力を上げれるのは15歳まで。
それ以降はいくら魔力を消費しようとも魔力が伸びないのだ。
因みにだが、魔力を一回消費する事によって上がる魔力は1だ。
魔力は1秒に少しずつ回復している。
だが現在の俺は回復すると同時にそれと同等の数値を消費している状態。
つまり俺は今、一秒間に1ずつ魔力が増えているのだ。
単純計算、一日で魔力が86,400増える。
普通の子供であれば一日に魔法を発動できて5~10、つまり一日で上げる事が出来る魔力は発動回数と同じ5~10という事になる。
これだけ見てもわかる通り、これは明らかに異常なのだ。
だからこそ後付けで足したものの、誰も取得しないようにあんな説明文にしたのだ。
とりあえず先に終わらせなければならない方は終わった。
ヤバい……
ステータス欄の魔力が増えたのを見たら、自然と笑みがこぼれてしまう。
これで今後魔力に一切ポイントを使わないで済むという事が実感でき、つい嬉しさがこみあげてくるな。
だがまだだ!
まだ死の未来を回避できたわけじゃない。
死の未来を回避し、最強になった時に初めて安心できる。
もしかしたらシナリオの強制力というのが働くかもしれないからな!
それすらも超える強さが必要なんだ!
その為に必要な下準備としてもう一つ、レベルが上がる前にやっておかなければならない事がある。
俺はそう思いながらスキル取得欄を完全に閉じ、ステータスの運と書かれた部分をタッチする。
ステータスの運とは、確率やランダム要素に対して作用する。
ただそれはスキルや戦闘に関してのみの話だ。
日常生活においての運が向上する訳ではない。
「……とりあえず一度MAXである100まで上げて、と」
俺はそうつぶやきながら85ポイントを使用し、運を上限である100まで上げる。
運は例えレベルが上がろうとも上昇する事のない数値。
生まれながらに高い人間も居れば、低い人間も居る。
因みに俺の15は低い方で、平均的には30以上が一般的だ。
とは言え、運を100まで上げたとしても確立やランダム要素に対しての効果は八割程度しか見込めない。
しかしながら八割という数字はかなり高く、100まで上げている人間はかなりの数存在している。
だがその先まで上げている人間はほぼいない。
100の先……運の上限突破。
その為にはポイントを更に100支払は無ければならないからだ。
より正確には十割を目指すなら上限突破に100ポイント、そこから更に運を上げるために20ポイント支払わなければ十割には到達できない。
つまり八割で止めるか、十割を目指し更に120ポイント支払うか……
答えは前者だ。
確かに十割は魅力的だ。
だがそれはポイントに余裕があればの話。
十割を目指すのなら運を100まで上げる分も含めて、約200はポイントが必要になってくる。
【大物喰らい】すら持っていない一般的な人間からすれば、200ポイント稼ぐのにレベルを31も上げなければならない。
どう考えてもそれにポイントを割くより、新たにスキルを取得する方が断然効率的だろう。
しかしながら俺も【超大物喰らい】の効果でレベルアップ毎に200ポイントもらえはするが、それでもポイントに余裕がある訳ではない。
何故ならスキルの取得にも職業の適性が適応され、取得及びレベルアップに必要なポイントが変動するからだ。
その差はスキルによってまちまちなのだが、大体5倍~10倍の差がある。
つまり適性のある者なら10ポイントで取得できるスキルを、適性の無いものが取得しようとすれば100ポイントもかかる場合があるという事だ。
翻訳通訳士の適性?
そんなの言語関係に決まっている。
だがそんなものは既に持っているスキルで解決できるため、取得する必要がなくスキルに関しても適性が無いのと同じなのだ。
なのに運を上げる為にポイントを使うのには勿論訳がある。
それは運を200まで上げた時にある恩恵を得られるからだ。
その恩恵とはレベル10到達時から10レベル毎に、スキルを一つ上位のモノへと進化させてくれるというものだ。
この恩恵のヤバいところは、上位のスキルが存在しなければ新たに創り出してしまうところだ。
そんなぶっ壊れな恩恵を手に入れないはずがない。
だがこの恩恵を知る人間は今はまだこの世界には俺しか居ない。
これを最初に見つけるのは、本来主人公だからだ。
何せ運を200まで上げようと思えば120までに必要な200ポイントに加え、そこから更に限界突破する為に150ポイントを支払い、200に上げる80ポイントを合わせて、合計430ポイントも運だけに消費しなくてはならないからだ。
一般的な人間のレベルに換算すれば約68レベル。
それに値する価値があるとこの世界の人間は考えなかった。
逆にポイントが無駄になるリスクを考え、誰一人として120より先に手を伸ばしたものは居なかったのだ。
俺は冷静にそんな事を考えながらポイントを使用し、運を200まで上げた。
因みにだが運を150まで上げれば、レベルアップ時のステータス上昇値のランダム要素は無くなり、常に最大になるという副産物もある。
俺からすれば1しか上がらない可能性が消えるだけでも非常に大きいので助かる。
「……ステータス」
ステータスが表示されるよう念じながらそう言ったと同時に、空中に青白いウィンドウが現れる。
★
名前 シルヴァン 職業 翻訳通訳士
レベル 4
体力 46/46
魔力 58/58
攻撃力 57
防御力 57
敏捷性 86
精神力 59
運 15
(未割り振りポイント615)
称号
【超大物喰らい】
▼スキル
[翻訳Lv1][通訳Lv1]
★
【超大物喰らい】を獲得してレベルが上がった事で、14倍の恩恵を得てステータスが見違えるほど変わっている。
しかしながら逆に14倍もの恩恵を得て居ながらこの程度だという事が、翻訳通訳士がどれ程ステータスが伸びにくいかを物語っている。
体力なんて14倍の恩恵が無かったら3しか上がってなかったわけだからな。
これが他の職業であれば、何倍も違ったのに……
いや、たらればはよそう。
どれだけ嘆いたところで変わる事はない現実なんだ。
それよりも転生できたこと、そしてその転生できた世界が俺のよく知る世界だった事に感謝しよう。
とは言え、【超大物喰らい】を獲得できたことで心に余裕が出来たからこそそう言う事が言えるんだ。
何せ創造主である俺が言うのもなんだが、この世界は元の世界とは比べものにならないぐらい危険で過酷な、命がけの世界だからな。
全く……
過去の俺は何て世界を書いてくれたんだ……
どうせならもっと安全で、楽しく無双できるような世界を書いていればもっと楽だったのに……
しかしながら現実は変わらない。
ならこれからだ。
これから楽できるように最強になるんだ。
そうすれば何の不安もなく生きる事が出来る。
その為に必要な一つ目の条件は達成できた。
だが達成したからと言ってそれで終わりという訳ではない。
強くなるだけなら適当にスキルなり能力なりを上げればいいが、俺が目指すのは最強。
これ程の称号による恩恵があったとしても、適当にやっていては主人公には遠く及ばない。
なので適切にポイントを使い、無駄なく強くならなければならない。
その為得られた615ポイントの内、約600ポイント程の使い道は既に決まっている。
まずは一刻も早くとらなければならないスキルがある。
俺はそう思いながら、目前に表示されているステータスのスキルという文字の部分を軽くタッチする。
すると新たにステータスが表示されている物より二回り程大きなウィンドウが出現する。
それには、俺が今取得できるスキルが全て表示されている。
確かに設定通りではあるが……わかりずらいな。
当時の俺はそれ程深く考えて設定した訳じゃないだろうが、実際に体験するとひたすらに文字が表示されているので全然頭に入ってこない。
だがパッと目に留まったスキルを見て、俺は驚愕する。
「……[独活の大木]?」
どういうことだ!?
こんなスキル創った覚えないぞ!!
いや、逆に俺が創った覚えのあるスキルは50行くかどうかだったはず……
だが今表示されているスキルの数は明らかにそれを超える気がする。
それに右端にはスクロールバーのようなものまで見受けられる。
もしかして勘違いだったのか?
俺は自作小説の世界に転生したとばかり思っていたが……まさか違ったのか?
全く同じような世界観で、登場人物と同じような人が居る別の世界?
流石にあり得ない。
まだ俺が考えた自作小説の世界に転生したと言われた方が信じられる。
となると考えられるのは…………補完された。
元々話の進行に必要なモノや裏設定等で考えたモノ、後は登場人物達が持っているスキル程度しか考えていなかった。
だが世界にスキルというものが存在するならば、それ以上にスキルが存在しても可笑しくない。
あるいは俺がそう言った描写を書いており、それに見合うように世界が補完してくれたとかだろうな。
どちらにしても俺の知らないスキルが多すぎる。
それにどちらであろうと、今の俺では確認する術がない。
俺に出来る事は知らないスキルに関して、どういったスキルなのかを調べる事ぐらいしかできない。
だが今はそれよりも優先してやらなければならない事がある。
なのでこれに関しては後回しだ。
俺はそう考えながら表示されいるウィンドウの右上にある虫眼鏡のアイコンを軽くタッチする。
すると小さい横長のウィンドウが新たに出現する。
更にそこをタッチしてやれば、文字の入力画面のようなものが出てきた。
日本語で入力できるようで助かった。
この世界の言語はまだ喋る事は出来ても読み書きは不十分だからな。
まぁそれも翻訳通訳士のスキルを使えば解決は出来るが、出来るなら使わずに終わらせたいからな。
俺は出てきたウィンドウに文字を入力しながらそんな事を考える。
「……よし! あった」
ウィンドウに表示された[魔力消費]というスキルを見ながら、俺は拳を握りしめガッツポーズをする。
このスキルの効果は、スキル発動と同時に指定した魔力を解除しない限り消費し続けるというもの。
しかもこのスキル、取得するのに必要なポイントがなんと全職業共通で150ポイント。
故にこのスキルの評価は、ただ魔力を消費するだけのデバフスキルなのに150ポイントも必要なゴミスキル。
それがこの世界での共通認識であり、誰一人として取得しないスキル。
それはいずれ召喚される主人公も例外ではない。
けれど今の俺には何よりも必要なスキルなのだ。
理由は年齢と魔力の関係。
この世界は他の異世界物によく見られる、子供の間に魔法を使えば魔力が伸びるという設定が存在している。
だが勿論この世界で生きる人々がそれを知らないはずもなく、幼い時に出来るだけ多く魔法を使わせるという事が共通認識として広がっている。
しかしながら設定した俺が言うのもなんだが、残念な事にそれは正しい認識ではないのだ。
魔法を使えば魔力が伸びる……ではなく、より正確には魔力を消費すれば魔力が伸びるが正しい。
けれど中にはそれを試した人間が居ると思うかもしれない。
だがそれは絶対にないと断言できる。
何故ならこの世界はゲーム等と違い、やり直しがきかない。
そして[魔力消費]というスキルをこの状態でタッチして能力見た場合、このように表示される。
俺はそう考えながら表示されている[魔力消費]という文字を軽くタッチする。
[魔力消費]
効果
魔力を消費し続ける。
必要ポイント
150
この説明文では、取得した瞬間から死ぬまで永遠に魔力を消費し続けると受け取ってしまうだろう。
仮に【大物喰らい】を獲得してポイントの取得量を上げていたとしても、能力を上げたりスキルを獲得できるポイントは貴重だ。
そんな貴重なモノを、見ただけではバッドステータスを付与するかのようなスキルの為に使えるはずがない。
まぁこんな誤解を招くような説明文なのは後付けでこのスキルを足し、誰も取得していない理由が必要だったからなんだがな……
いや、そのおかげで主人公と渡り合える可能性があるのだから俺としては喜ばないとな。
俺はそう思いながらスキル[魔力消費]を取得する。
「消費魔力を自然回復魔力と同等に設定し、スキル[魔力消費]を発動」
俺がそう言ったと同時に、[魔力消費]が発動される。
だが発動されたからと言ってそれを自覚する事は不可能だ。
仮に消費魔力量が大きければ話は別だが、自然回復量と同等となれば感じとる事は出来ない。
そして[魔力消費]は今やったように大雑把な設定であろうと、自動で数値を算出し発動してくれる。
態々数値を言わなくてもいい、非常に便利なスキルなのだ。
とは言えこのスキルを使って魔力を上げれるのは15歳まで。
それ以降はいくら魔力を消費しようとも魔力が伸びないのだ。
因みにだが、魔力を一回消費する事によって上がる魔力は1だ。
魔力は1秒に少しずつ回復している。
だが現在の俺は回復すると同時にそれと同等の数値を消費している状態。
つまり俺は今、一秒間に1ずつ魔力が増えているのだ。
単純計算、一日で魔力が86,400増える。
普通の子供であれば一日に魔法を発動できて5~10、つまり一日で上げる事が出来る魔力は発動回数と同じ5~10という事になる。
これだけ見てもわかる通り、これは明らかに異常なのだ。
だからこそ後付けで足したものの、誰も取得しないようにあんな説明文にしたのだ。
とりあえず先に終わらせなければならない方は終わった。
ヤバい……
ステータス欄の魔力が増えたのを見たら、自然と笑みがこぼれてしまう。
これで今後魔力に一切ポイントを使わないで済むという事が実感でき、つい嬉しさがこみあげてくるな。
だがまだだ!
まだ死の未来を回避できたわけじゃない。
死の未来を回避し、最強になった時に初めて安心できる。
もしかしたらシナリオの強制力というのが働くかもしれないからな!
それすらも超える強さが必要なんだ!
その為に必要な下準備としてもう一つ、レベルが上がる前にやっておかなければならない事がある。
俺はそう思いながらスキル取得欄を完全に閉じ、ステータスの運と書かれた部分をタッチする。
ステータスの運とは、確率やランダム要素に対して作用する。
ただそれはスキルや戦闘に関してのみの話だ。
日常生活においての運が向上する訳ではない。
「……とりあえず一度MAXである100まで上げて、と」
俺はそうつぶやきながら85ポイントを使用し、運を上限である100まで上げる。
運は例えレベルが上がろうとも上昇する事のない数値。
生まれながらに高い人間も居れば、低い人間も居る。
因みに俺の15は低い方で、平均的には30以上が一般的だ。
とは言え、運を100まで上げたとしても確立やランダム要素に対しての効果は八割程度しか見込めない。
しかしながら八割という数字はかなり高く、100まで上げている人間はかなりの数存在している。
だがその先まで上げている人間はほぼいない。
100の先……運の上限突破。
その為にはポイントを更に100支払は無ければならないからだ。
より正確には十割を目指すなら上限突破に100ポイント、そこから更に運を上げるために20ポイント支払わなければ十割には到達できない。
つまり八割で止めるか、十割を目指し更に120ポイント支払うか……
答えは前者だ。
確かに十割は魅力的だ。
だがそれはポイントに余裕があればの話。
十割を目指すのなら運を100まで上げる分も含めて、約200はポイントが必要になってくる。
【大物喰らい】すら持っていない一般的な人間からすれば、200ポイント稼ぐのにレベルを31も上げなければならない。
どう考えてもそれにポイントを割くより、新たにスキルを取得する方が断然効率的だろう。
しかしながら俺も【超大物喰らい】の効果でレベルアップ毎に200ポイントもらえはするが、それでもポイントに余裕がある訳ではない。
何故ならスキルの取得にも職業の適性が適応され、取得及びレベルアップに必要なポイントが変動するからだ。
その差はスキルによってまちまちなのだが、大体5倍~10倍の差がある。
つまり適性のある者なら10ポイントで取得できるスキルを、適性の無いものが取得しようとすれば100ポイントもかかる場合があるという事だ。
翻訳通訳士の適性?
そんなの言語関係に決まっている。
だがそんなものは既に持っているスキルで解決できるため、取得する必要がなくスキルに関しても適性が無いのと同じなのだ。
なのに運を上げる為にポイントを使うのには勿論訳がある。
それは運を200まで上げた時にある恩恵を得られるからだ。
その恩恵とはレベル10到達時から10レベル毎に、スキルを一つ上位のモノへと進化させてくれるというものだ。
この恩恵のヤバいところは、上位のスキルが存在しなければ新たに創り出してしまうところだ。
そんなぶっ壊れな恩恵を手に入れないはずがない。
だがこの恩恵を知る人間は今はまだこの世界には俺しか居ない。
これを最初に見つけるのは、本来主人公だからだ。
何せ運を200まで上げようと思えば120までに必要な200ポイントに加え、そこから更に限界突破する為に150ポイントを支払い、200に上げる80ポイントを合わせて、合計430ポイントも運だけに消費しなくてはならないからだ。
一般的な人間のレベルに換算すれば約68レベル。
それに値する価値があるとこの世界の人間は考えなかった。
逆にポイントが無駄になるリスクを考え、誰一人として120より先に手を伸ばしたものは居なかったのだ。
俺は冷静にそんな事を考えながらポイントを使用し、運を200まで上げた。
因みにだが運を150まで上げれば、レベルアップ時のステータス上昇値のランダム要素は無くなり、常に最大になるという副産物もある。
俺からすれば1しか上がらない可能性が消えるだけでも非常に大きいので助かる。
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大好きなゲームの十回目のエンディングを迎えた主人公はお腹が空いたので、ご飯を食べようと思い、台所に行こうとして、足を滑らせ、頭を強く打ってしまった。
そして、主人公は不幸にも死んでしまった。
次に、主人公が目覚めると大好きなゲームの中に転生していた。
だが、主人公はゲームの中で名前しか出てこない悪役顔のモブに転生してしまった。
主人公は大好きなゲームの中に転生したことを心の底から喜んだ。
そして、折角転生したから、この世界を好きに生きようと考えた。
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