神器とオリジナルを手に入れた転生王子は、最強への道を歩み始める

黄昏時

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第3話 目覚めと思考

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 ……
 …………
 ………………あれ?

 このふわふわとした感触ってベッド? だよな?
 何で俺ベッドで寝てるんだ?
 確か……得体のしれない女性に転生とかなんとか言われてたような?
 俺はそんな事を考えながら閉じたまぶたを開ける。

「……え?」

 これって天蓋って奴だよな?
 俺はそう思いながら、ベッドの上についている天井のような物を見つめる。

 実物を見るのは初めてだ……って、アレ?
 体が動かない。
 俺は仰向けに寝ている体の上体を起こそうとして、体の自由が利かない事に気づいた。

 別に体をベッドに拘束されてるって訳じゃないのに何でだ?
 それになんかやけに体がだるいような気もする。
 どうなってるんだ一体?

 ガチャ

 俺がそんな事を考えていると、不意に扉が開く音が聞こえた。
 俺はどうやら頭の向きだけは変えれるようなので、音のした方に頭を向け視線をやる。

 するとそこにはメイド服を着た一人の女性が、両手で桶のような物を持って立っていた。
 そして部屋に入ってきたという事は、勿論目が合う訳で……

「……」
「……」
「…………あの~、すみません。どちら様でしょうか?」

 あまりの沈黙に耐えられず、俺はそう切り出していた。
 彼女は俺の言葉にハッとしたかのような表情を見せたかと思うと、瞬時にその場で膝をつき頭を下げた。

「ノックもせずお部屋に入ってしまい、誠に申し訳ございません。私はメイドのナタリーと申します。レオモンド様が倒れられてから、身の回りのお世話をさせていただいておりました」

 ナタリーと名乗った女性は深々と頭を下げながらそう言った。
 しかし俺の中で疑問が生まれる。
 彼女が言うレオモンドとは一体誰なんだ? と。

 いや、正直予想はついている。
 だがそれはあくまで予想でしかなく、確信がある訳でない。
 なので俺は確認する為に、女性に向かって言葉をかける。

「えっと……そのレオモンド様ってのは誰になるんでしょうか?」

 俺がそう言ったと同時に、先程まで頭を下げていたナタリーと名乗った女性が勢いよく頭を上げ、驚愕の表情で俺の事を見つめてきた。

「レオモンド……様? 冗談……ですよね?」

 この反応は確定と受けとってよさそうだな。
 俺がレオモンド様とやららしいという事が。
 鏡を見てないからまだ実感はないが、どうやら本当に転生したみたいだな。

 ならあそこであり得ないと決めつけず、少しでも話を聞けたのは大きいな。
 となれば少しでも今後の事を考えて動くべきだろうな。
 レオモンド様と呼ばれる以上、ある程度の身分または地位の人間なんだろう事は容易に想像できる。

 ならばここで変に話を合わせるより、記憶喪失だとでも思ってもらえた方が色々と動きやすいだろうし、不審がられることもない。
 それに様付けで呼ばれている事を考慮すれば、記憶喪失だからと言って無下に扱われるような事もないだろう……多分。

「すみません、残念ながら冗談ではないんです。本当に誰の事なのかわからなくて……」
「そんな……まさか記憶が……」

 ナタリーと名乗った女性はそう言いながら、俺の事を心配そうに見つめる。
 そんな表情を見たら、とても申し訳ない気持ちがこみ上げてくる。
 が、実際に記憶が無いので何も言う事は出来ない。

「……レオモンド様、すみません。少々お待ちください」

 彼女はそう言うと、俺の返事も待たずに急ぎ部屋から飛び出しって行った。
 まぁ~、予想通りと言えば予想通りではあるが、まさかあそこまで慌てるとは思わなかった。

 さて、これからどうなるかという不安はあるものの、出来ればそれ程身分は高くない方が嬉しいな。
 身分が高ければそれだけで色々なしがらみや、権力闘争に巻き込まれるのは言うまでもないだろうからな。

 だがかといってそう言ったものを否定するつもりはない。
 何かを成すために力が必要なのは言うまでもなく、争いが起きるのは必然と言えるだろう。
 正直話し合いだけで解決できればそれに越したことは無いが、実際それは不可能というものだ。

 人それぞれ主義主張は違い、目指すものが違う。
 そんな中で絶対に譲れないものは存在して、しかしそれを譲らなければならないような状況になれば、人はその手に武器を持ち、戦う事を選択するだろう。

 その手に持つ武器が人を攻撃するものなのか、はたまた人を守るものなのかの違いはあれど、必ず立ち上がるだろう。
 そしてそれは目指すものが大きく、崇高であればあるほどその争いは大きくなる。

 よって権力を持ち、上に立っているものは理解と覚悟を持っていなければならないのだ。
 選択の先に争いがあるかもしれないという事と、その争いと向き合える覚悟が……

 それが今の俺にはない事を俺自身がわかっているからこそ、身分が高くては困るのだ。
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