狂気の最凶復讐鬼 ~最強の魔法を開発したので、勇者も聖女も両親も、いじめた奴らを全員嬲り殺して、殺して、殺して、殺して、殺すことにする~

輪島廻

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第一章 復讐の焔は村を包み込む

5、デブ→美青年

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 金髪の少女――ルーシャの過去を聞いたソータは、ますます彼女のことを欲しくなった。
 復讐対象が同じである以上、最高レベルの生体魔法を使う彼女がいれば、より惨い復讐を行うことができる。
 ソータの脂肪魔法にルーシャの生体魔法が加われば、最高の復讐劇の幕を開くことができる。

「俺は今から魔法の試し打ちをしてくるが、お前はどうする?」
「そうね、あたしも付いていくわ。アンタの実力も見てみたいしね」

 そして二人は連れたって移動する。
 デブと美少女という組み合わせに、村の中を歩いていた村人達は不思議そうな表情を浮かべ、男勢はソータを怨嗟の籠もった目で睨んでいた。

「はっ、やっぱりあのクソ共は顔しか見ていないのね」
「そうだな、……本当、この村の奴らはゴミばかりだ……」
「その点、アンタは良いわね。利害が一致している以上、あたしがどんな見た目になろうと同じように接してくれる……」
「俺に無用な信頼を寄せられても、困る」
「ふふっ、そうね」

 そう言って、ルーシャはソータにあってから微笑んだ。
 その笑顔に若干の悲しみが読み取れ、ソータは嫌な予感を覚えた。

「……本当に、俺に信頼を寄せられても困――」
「――おい、ルーシャちゃんか?」

 二人の会話に割り込んだ声の先には、一人のおじさんが立っていた。
 ソータは、話の内容からして、彼がルーシャの知り合いなのだと推測した。さらに、この優しい口調は、相当仲の良い証拠だとも。
 しかし、その推測は外れることになる。

「何ですか……?」

 横を向いたソータの視線は、驚くほどに冷たいオーラを発するルーシャを捉えた。

「ルーシャちゃん? そんなに冷たくなっちゃって、どうしたんだい?」

 おじさんは、やはり慈愛に溢れた声でそう返す。
 その姿は、嫌われている相手に好かれていると思い込んで会話をするという、滑稽なものだった。

「ようやくホンモノのルーシャちゃんを見つけたと思ったのに……」

 そう、そのおじさんというのは、ルーシャの治療を断った医者だった。
 ソータは、横でどんどん負のオーラを増していくルーシャを見て、それを察する。
 そして、あの傷は回復魔法では治せなかったので結論的には変わらなかったとはいえ、容姿が崩壊した瞬間態度が豹変した彼にルーシャが怒りを覚えないはずがない。

「ホンモノ……? アンタは顔でしか人を判断できない低脳なブタなのね。後で殺すわ……」

 ルーシャのその迫力に、おじさんはひっくり返る。
 そして、ソータは確かに聞いた。

「やはりこの村はゴミね……」

 ルーシャと出会ってからのここ数時間だけで頻繁に聞いているようなセリフ。

 しかし、その声音はソータですらゾッとするほど、冷たかった。



 様々なアクシデントが起こったが、ソータはようやく本来予定していた、草が生い茂るだだっ広い草原に到着する。
 ソータは、何か大きなことを成し遂げたあとのような晴れ晴れとした気分でポツリと呟く。

「……たったこれだけの道のりが、長かったなぁ……」

 穏やかな風にサラサラと揺られる草が、さんさんと降り注ぐ暖かい太陽光を反射してキラキラと輝く。

 そして、激しく吹き抜ける熱風にチリチリと焦がされる草が、カラカラと降り注ぐ熱い太陽光に焼かれてボウボウと燃え上がる。

「アンタ何してるのよ!」
「え? ただ日光の光熱を魔法で圧縮してるだけだが?」
「何であんなに穏やかだったところでそんなことができるの!?」
「いや、その為にここに来たんだし? それに……俺の第一目的は復讐だ。自然よりもそっちの方が重要に決まっている」

 気まずい沈黙が訪れる。

 ソータはその沈黙の中、内心で考える。
 どうにもルーシャに純粋なところが残っているらしい。絶対に裏切られることがない相手を求めている節もあるし、意外とあっさり復讐を止めてしまうのではないか?
 話を聞いたときや、回復魔法使いのおじさんとの会話の後は、ゾッとするほどの確かな復讐心を感じたが、それが本当に継続するのか心配になってくる。

 しかし、もうこうして関わり合ってしまった以上、仕方がないと、ソータは割り切る。

「……さて、今度こそ始めるか……」
「……何をする気?」

 やってみたいことはいくらでもある。
 エネルギー操作という、応用方法が豊富にある能力を手に入れたのだ。前世の知識を利用すれば、やれることは沢山ある。

 しかし、最初にやることは決まっている。
 前世でも、現世でも、ずっとソータは苦しんできた。その、ソータを苦しませた原因であるもの。それを、全て、取る。
 脂肪魔法の最もシンプルな使い方。脂肪魔法の根元、その魔法名の由来。
 即ち――

「――《脂肪魔法》」

 ソータは落ち着いた声で、そう一言。

 途端、ソータの腹に、背中に、顎に付いていた脂肪が、エネルギーの嵐へと変化する。
 ゴオゴオと巻き上がる風に、草が軒並み巻き上げられていく。
 そして、その嵐の勢いが強くなっていくのに比例して、ソータの体格が細くなっていく。
 一瞬、今まで二回の、苦しみにまみれた人生の長さに比べれば、本当に一瞬で、嵐は収まった。
 エネルギーの奔流は一点に収束されていく。

「ふぅ……ここまで長かった……」

 視界が晴れたとき――デブが立っていたその場所には、美青年が立っていた。
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