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暗黒竜
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「ミャン・ポンっ、参上っっ!!」
爆発三回。
-1、-1、-1。
「皆の『参上』を見てきたからわかる。『参上』は、一種の芸術。爆発の威力は、強ければいいというものではない。映える爆発、というものが必要」
「ふぉっふぉっふぉっ、そういうことじゃ。自身に酔う『参上』もあるが、本来はーー。相手あってこその『参上』じゃて」
……リャナが森に消えてから、三十人くらい。
脳が認識障害を起こしていたのかもしれない。
何となく記憶はあるが、はっきりとは覚えていない。
「ふぉっふぉっふぉっ、ライルっ! 我が『参上』に恐れ入ったのだっっ!!」
最後から二番目。
ミャンは、いつでもミャンだったので、何故か酷く安心出来た。
脳が正常に機能していることを確認したところで、ケモが教えてくれた。
「ケモっ、ケモっ」
「うん。来たようだね」
僕とケモの言葉に。
遅れて、ヴァンも気付く。
ミャンはすでに「聖語」を描いている。
「おーう、みーちゃん、おーくーれーたーのーだー」
竜の都方面から、仔竜突撃。
そして。
手前の地面に墜落。
仔竜とはいえ、巨大な生物だけに衝撃は凄まじく。
瞬時に「五指」で「聖語」を描いたヴァンが「結界」を張る。
そのまま仔竜が地面を滑ってくると、「飛翔」でみーの背中に飛び乗るミャン。
立ち上がったみーは、僕たちの側ーー正面を向かず、斜めに。
翼を広げて、大威張竜。
「ミャン・ポンっ、『参上』っっ!!」
「みーちゃんっ、『さんじょー』っっ!!」
「爆発」「爆裂」「爆縮」。
みーが斜めを向いていたのは、正面からだとミャンが見えなくなってしまうからのようだ。
ということは、一人と一竜は事前に練習をしていたということになる。
先程のミャンの「参上」の際の、過剰爆発はそういうことだったようだ。
仔竜であるみーを含めた上での威力。
それに気付いたヴァンは、三つの、-1、を消して、新たに審査。
+2、+3、-5、+5。
「ケモー」
「うん。最後の『爆縮』は遣り過ぎだね」
恐らく、「爆縮」はミャンもみーも使えない。
一人と一竜の融合魔法か何かなのだろう。
そして、盛大に調整を誤った。
結局、魔力量の+5と相殺されることになってしまった。
「『寵児』とは、言い得て妙じゃな」
「魔法王の杖」と記したヴァンは。
要検証ーーと書き加える。
長老であるヴァンをして沈黙せしむ。
それだけコウの「杖」はとんでもない代物のようだ。
それから。
ヴァンの視線はみーに注がれる。
使い魔。
リャナのときは結局、加点されなかった。
ミャンも同様。
一応、使い魔契約のようなものはされているようだが、みーは竜の国にとって掛け替えのない仔竜。
そんな竜を、使い魔の対象として審査することなど、とてもではないが出来ないだろう。
+10。
などと考えた僕が愚かだった。
一切、狐疑逡巡することもなく、ヴァンは加点した。
これはダニステイル全般に見られる傾向だが、遊牧民たちとは逆に、竜への敬意が薄い。
そうであるからこそ、ミャンはみーと普通に友達になれているわけだが。
そういえば、マホフーフも当然のように地竜に杖を強請って、ユミファナトラを呆れさせていた。
魔法、という神秘に傾倒すると、竜、という神秘を身近に感じるようになるのだろうか。
「みーちゃんよーがよーよー、かーえーるーのーだー」
「ケーモーノー」
ケモが両手を振ると、みーは翼をばっさばっさ。
「参上」して即「退場」。
用が洋々?
つまり、今日は遣ることがたくさんあるということのようだ。
-1。
みーの背中に乗ったまま、一緒に飛んでいったミャン。
戻ってくるのが遅かったので、減点されてしまった。
「終わったで、もう行って良いのじゃ」
「ふぬぬっ、大雑把過ぎるのだ! 遣り直しを要求するんだぞ!!」
「自然派」の長老の割に、「寵児」への扱いが雑だ。
しっしっと犬を追い払うように手を振った。
ミャンは「正統派」に所属することを望んでいるから、リャナのような支持は集まらないのかもしれない。
このままだと、また減点させられそうなのでミャンに話し掛ける。
「ミャン。『宝剣ヴァレイスナ』は?」
「家に忘れてきたのだ!!」
「ケモ、ケモ……」
-2。
これは仕方がない。
擁護する手段がない。
本来なら加点となるはずが、逆に減点されてしまう。
これ以上、落ち度が発覚するのが見たくないのか、ヴァンは早々に祝福を紡いだ。
「ポンよ。魔に誓い、魔に囁き、魔に唄うべく、『聖語』にて祝福をーー」
「ここに誓うのだ! 『魔女』を越えっ、窮めるべくっ、我の魂と魔力に真実をっっ!!」
「聖語」、巨文字。
「魔法王の杖」を使った、魔力の輝き。
決意と、確信の「聖語」。
膨大な魔力量から生み出された「聖語」は、竜の都からでも見えたことだろう。
-5。
「聖語」は、ダニステイル以外の人々に見られてはいけないことにーー一応なっているようなので減点。
+2。
「聖語」の輝きを見ればわかる。
ミャンという少女のことが。
「ラ~イル~っ!」
「ケモっ!?」
ケモは僕の膝から緊急避難。
「飛翔」を行使しているのか、真っ直ぐ飛んできて僕の首に手を回すと、膝の上に。
ケモと違って、こちら側を向いているので、正面から抱き合う格好になってしまう。
「ラ~イル~ラ~イル~」
「ケモ、ケモ」
「え? 僕としばらく会っていなかったから、『ライル成分』が足りなくなって、欠乏症に罹っている?」
「ケモ、ケモ、ケモノ」
「にゃ~イル~にゃ~イル~」
ヴァンを見ると。
手は動かず、溜め息を吐いただけだった。
「ケモ~」
「そうだね」
ケモの言葉通りに、僕は両手でミャンを抱き締めてーー。
「みゃ~~っっ?! 何するのだライっ、ふどぁっ!?」
今日は水竜ーーパルファスナルメディカだった。
僕たちがグリングロウ国に遣って来る前に、東域に帰ってしまった水竜。
「人化」したパルファスナルメディカは角膜が大きく、結膜ーー白目の部分が少ない、魔物のような目をしていた。
顔の輪郭というか何というか、ラカールラカと同じく、他竜より幼く見える。
彼の水竜はこんな顔をしていたのかと。
僕が抱き締めた瞬間に飛び退いて、机に足を引っ掛けて後ろに転がって。
丸見えなミャンを見ながら、そんなことを思ったのだった。
「ケモ」
気を利かせたケモは、ミャンの捲れたスカートを直してあげた。
ばっと振り返って僕を見たミャンは。
「もきゃ~っ?!」
炎竜になって、仔炎竜だった。
脇目も振らず、森に突っ込んでいった。
ーー危なかった。
ミャンを抱き締めた瞬間。
その感触に、少しだけ篭絡され掛けてしまった。
リャナともまた異なる、熱。
「魔触」でミャンと繋がれないという失望感。
三つ目の「特別」ーーそう遠くない内に、きっと。
「吾が輩こそがっっ、魔の極限っっ、ミースガルタンシェアリの魔法使いっっ、黄金の魔人ベーグンであるっっ!!」
それから。
僕は今日、初めて✕を付けたのだった。
ーーと、それで終わってくれれば良かったのだが。
「あの方は少し、ボケておられ、拗らせてしまった。気にしなくて良い」
背後に居たマホマールが、僕の肩に手を置いた。
僕の判断は的確だったと、認めてくれている。
棺桶に片足を突っ込んでいるような、ヨボヨボの老人が森に入っていって、終獣ーーのはずなのだが。
「ヴァン長老。彼はーーアーシュさんは如何でしたか?」
「問題ないの。わしからの許可も出すのじゃ」
不穏、というか、不穏過ぎて不吉な会話。
振り返りたくはないが、振り返ってみれば。
悪竜が笑っていた。
「ということで、アーシュさんとケモは本日、私の家に泊まることに決定しました。心配は要りません。ポンとシィリの、『銅貨』と『銀嶺』の家系に声を掛けておいたので、きっと、総出で歓迎してくれることでしょう」
「因みにじゃ、マホマールは『金鷹』じゃよ」
別に知りたくもなかった情報を、ヴァンが付け足してくれる。
許可、とは恐らく、暗黒竜ーーダニステイルの居住地に、領域に入ることを許されたということだろう。
名誉?
たぶんそうなのだろうが、喜びは一切湧いてこない。
それでも。
リャナと、ミャンは大丈夫な気もするが、不義理を働くわけにはいかない。
「ケモ、ケモ?」
「大丈夫だよ、ケモ。明日は皆が迎えに来てくれるはずだから、それまで……生き延びよう」
「ケモ?」
残念ながら、僕の深刻な懸念を、ケモと共有することは出来ないのだった。
爆発三回。
-1、-1、-1。
「皆の『参上』を見てきたからわかる。『参上』は、一種の芸術。爆発の威力は、強ければいいというものではない。映える爆発、というものが必要」
「ふぉっふぉっふぉっ、そういうことじゃ。自身に酔う『参上』もあるが、本来はーー。相手あってこその『参上』じゃて」
……リャナが森に消えてから、三十人くらい。
脳が認識障害を起こしていたのかもしれない。
何となく記憶はあるが、はっきりとは覚えていない。
「ふぉっふぉっふぉっ、ライルっ! 我が『参上』に恐れ入ったのだっっ!!」
最後から二番目。
ミャンは、いつでもミャンだったので、何故か酷く安心出来た。
脳が正常に機能していることを確認したところで、ケモが教えてくれた。
「ケモっ、ケモっ」
「うん。来たようだね」
僕とケモの言葉に。
遅れて、ヴァンも気付く。
ミャンはすでに「聖語」を描いている。
「おーう、みーちゃん、おーくーれーたーのーだー」
竜の都方面から、仔竜突撃。
そして。
手前の地面に墜落。
仔竜とはいえ、巨大な生物だけに衝撃は凄まじく。
瞬時に「五指」で「聖語」を描いたヴァンが「結界」を張る。
そのまま仔竜が地面を滑ってくると、「飛翔」でみーの背中に飛び乗るミャン。
立ち上がったみーは、僕たちの側ーー正面を向かず、斜めに。
翼を広げて、大威張竜。
「ミャン・ポンっ、『参上』っっ!!」
「みーちゃんっ、『さんじょー』っっ!!」
「爆発」「爆裂」「爆縮」。
みーが斜めを向いていたのは、正面からだとミャンが見えなくなってしまうからのようだ。
ということは、一人と一竜は事前に練習をしていたということになる。
先程のミャンの「参上」の際の、過剰爆発はそういうことだったようだ。
仔竜であるみーを含めた上での威力。
それに気付いたヴァンは、三つの、-1、を消して、新たに審査。
+2、+3、-5、+5。
「ケモー」
「うん。最後の『爆縮』は遣り過ぎだね」
恐らく、「爆縮」はミャンもみーも使えない。
一人と一竜の融合魔法か何かなのだろう。
そして、盛大に調整を誤った。
結局、魔力量の+5と相殺されることになってしまった。
「『寵児』とは、言い得て妙じゃな」
「魔法王の杖」と記したヴァンは。
要検証ーーと書き加える。
長老であるヴァンをして沈黙せしむ。
それだけコウの「杖」はとんでもない代物のようだ。
それから。
ヴァンの視線はみーに注がれる。
使い魔。
リャナのときは結局、加点されなかった。
ミャンも同様。
一応、使い魔契約のようなものはされているようだが、みーは竜の国にとって掛け替えのない仔竜。
そんな竜を、使い魔の対象として審査することなど、とてもではないが出来ないだろう。
+10。
などと考えた僕が愚かだった。
一切、狐疑逡巡することもなく、ヴァンは加点した。
これはダニステイル全般に見られる傾向だが、遊牧民たちとは逆に、竜への敬意が薄い。
そうであるからこそ、ミャンはみーと普通に友達になれているわけだが。
そういえば、マホフーフも当然のように地竜に杖を強請って、ユミファナトラを呆れさせていた。
魔法、という神秘に傾倒すると、竜、という神秘を身近に感じるようになるのだろうか。
「みーちゃんよーがよーよー、かーえーるーのーだー」
「ケーモーノー」
ケモが両手を振ると、みーは翼をばっさばっさ。
「参上」して即「退場」。
用が洋々?
つまり、今日は遣ることがたくさんあるということのようだ。
-1。
みーの背中に乗ったまま、一緒に飛んでいったミャン。
戻ってくるのが遅かったので、減点されてしまった。
「終わったで、もう行って良いのじゃ」
「ふぬぬっ、大雑把過ぎるのだ! 遣り直しを要求するんだぞ!!」
「自然派」の長老の割に、「寵児」への扱いが雑だ。
しっしっと犬を追い払うように手を振った。
ミャンは「正統派」に所属することを望んでいるから、リャナのような支持は集まらないのかもしれない。
このままだと、また減点させられそうなのでミャンに話し掛ける。
「ミャン。『宝剣ヴァレイスナ』は?」
「家に忘れてきたのだ!!」
「ケモ、ケモ……」
-2。
これは仕方がない。
擁護する手段がない。
本来なら加点となるはずが、逆に減点されてしまう。
これ以上、落ち度が発覚するのが見たくないのか、ヴァンは早々に祝福を紡いだ。
「ポンよ。魔に誓い、魔に囁き、魔に唄うべく、『聖語』にて祝福をーー」
「ここに誓うのだ! 『魔女』を越えっ、窮めるべくっ、我の魂と魔力に真実をっっ!!」
「聖語」、巨文字。
「魔法王の杖」を使った、魔力の輝き。
決意と、確信の「聖語」。
膨大な魔力量から生み出された「聖語」は、竜の都からでも見えたことだろう。
-5。
「聖語」は、ダニステイル以外の人々に見られてはいけないことにーー一応なっているようなので減点。
+2。
「聖語」の輝きを見ればわかる。
ミャンという少女のことが。
「ラ~イル~っ!」
「ケモっ!?」
ケモは僕の膝から緊急避難。
「飛翔」を行使しているのか、真っ直ぐ飛んできて僕の首に手を回すと、膝の上に。
ケモと違って、こちら側を向いているので、正面から抱き合う格好になってしまう。
「ラ~イル~ラ~イル~」
「ケモ、ケモ」
「え? 僕としばらく会っていなかったから、『ライル成分』が足りなくなって、欠乏症に罹っている?」
「ケモ、ケモ、ケモノ」
「にゃ~イル~にゃ~イル~」
ヴァンを見ると。
手は動かず、溜め息を吐いただけだった。
「ケモ~」
「そうだね」
ケモの言葉通りに、僕は両手でミャンを抱き締めてーー。
「みゃ~~っっ?! 何するのだライっ、ふどぁっ!?」
今日は水竜ーーパルファスナルメディカだった。
僕たちがグリングロウ国に遣って来る前に、東域に帰ってしまった水竜。
「人化」したパルファスナルメディカは角膜が大きく、結膜ーー白目の部分が少ない、魔物のような目をしていた。
顔の輪郭というか何というか、ラカールラカと同じく、他竜より幼く見える。
彼の水竜はこんな顔をしていたのかと。
僕が抱き締めた瞬間に飛び退いて、机に足を引っ掛けて後ろに転がって。
丸見えなミャンを見ながら、そんなことを思ったのだった。
「ケモ」
気を利かせたケモは、ミャンの捲れたスカートを直してあげた。
ばっと振り返って僕を見たミャンは。
「もきゃ~っ?!」
炎竜になって、仔炎竜だった。
脇目も振らず、森に突っ込んでいった。
ーー危なかった。
ミャンを抱き締めた瞬間。
その感触に、少しだけ篭絡され掛けてしまった。
リャナともまた異なる、熱。
「魔触」でミャンと繋がれないという失望感。
三つ目の「特別」ーーそう遠くない内に、きっと。
「吾が輩こそがっっ、魔の極限っっ、ミースガルタンシェアリの魔法使いっっ、黄金の魔人ベーグンであるっっ!!」
それから。
僕は今日、初めて✕を付けたのだった。
ーーと、それで終わってくれれば良かったのだが。
「あの方は少し、ボケておられ、拗らせてしまった。気にしなくて良い」
背後に居たマホマールが、僕の肩に手を置いた。
僕の判断は的確だったと、認めてくれている。
棺桶に片足を突っ込んでいるような、ヨボヨボの老人が森に入っていって、終獣ーーのはずなのだが。
「ヴァン長老。彼はーーアーシュさんは如何でしたか?」
「問題ないの。わしからの許可も出すのじゃ」
不穏、というか、不穏過ぎて不吉な会話。
振り返りたくはないが、振り返ってみれば。
悪竜が笑っていた。
「ということで、アーシュさんとケモは本日、私の家に泊まることに決定しました。心配は要りません。ポンとシィリの、『銅貨』と『銀嶺』の家系に声を掛けておいたので、きっと、総出で歓迎してくれることでしょう」
「因みにじゃ、マホマールは『金鷹』じゃよ」
別に知りたくもなかった情報を、ヴァンが付け足してくれる。
許可、とは恐らく、暗黒竜ーーダニステイルの居住地に、領域に入ることを許されたということだろう。
名誉?
たぶんそうなのだろうが、喜びは一切湧いてこない。
それでも。
リャナと、ミャンは大丈夫な気もするが、不義理を働くわけにはいかない。
「ケモ、ケモ?」
「大丈夫だよ、ケモ。明日は皆が迎えに来てくれるはずだから、それまで……生き延びよう」
「ケモ?」
残念ながら、僕の深刻な懸念を、ケモと共有することは出来ないのだった。
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