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邂逅
竜の庵 イオリの起こし方
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ーー春。
ここらの地域の冬は厳しくありませんが、それでも「庵」に住まうラン・ティノにとっては、待ち望んでいた季節の到来。
「庵」とは、質素な小屋のこと。
ティノが自分で建てた、というより、造った住み処。
雨の日には、「聖語」を刻まないと雨漏りしてしまいます。
一度だけ降った雪の日には、天井が抜けてしまいました。
「庵」とは、世捨て人などが閑居する家、という意味もあります。
日々の生活に追われているティノには、閑居ーー心静かに暮らすなど、手に入らない贅沢。
でも、十五歳の多感な周期の少年には、多少騒々しいくらいの生活のほうが張りがあるというものでしょう。
一歩一歩、進んでいるようで、代わり映えしない一日の始まり。
すきま風に乗って届く、土と、草の匂い。
それから、嗅ぎ慣れた甘い匂い。
見上げる低い天井から、ティノは枯れ葉色の髪に視線を向けます。
普段よりも少しだけ早く起きてしまったのは、イオリの髪がくすぐったかったからのようです。
ふわりと、心に拡がる感触。
ーー幸せ。
もう、何も要らない。
そんな風に思っても、竜であるイオリと違い、ティノは人間なので、生きていく為にはやらなければいけないことがたくさんあります。
「ぱー」
イオリの寝言。
ティノ以外の人間が聞いたら、不快に思ってしまうかもしれません。
イオリの緩んだ、だらしのない寝顔。
でもそれは、心から安らげていることの証左でもあります。
人間で言うなら、十歳くらいの容姿。
ティノがファルワール・ランティノールに拾われて遣って来たときから、イオリの容姿に変化はありません。
肩で切り揃えられた、やわらかな髪。
触れているのに、触れていないかのような繊細な手触り。
元気いっぱいのイオリとは、相反するような滑らかで心地好い肌質。
触れている手を通して、ティノの心を幸せで温めてくれます。
ティノの一日は、イオリが自分の上に居ることを確認することから始まります。
ティノの体の上で、仰向けで寝ているイオリ。
始めの頃は、嫌がらせかと思いました。
そう、出逢ってからの三周期、ティノはイオリのことが大嫌いでした。
苦痛を伴わなくなったのは、十二歳の頃でしょうか。
正確には、ティノは自分の正しい周期を知らないので、十二歳頃ーーイオリより身長が高くなってからです。
それからの三周期で、ティノの身長は一気に伸びました。
それでも、村の同周期の少年たちよりも低いことが、ティノの悩みの種になっています。
悩みの種、と言えば、ティノの容姿もそうです。
筋肉がつきづらい体質なのか、日々動き回っているのに、子供のようにやわらかな肌。
栄養は十分にとっているのに、一向に太ることができない細身の体。
そして、腑抜けた顔ーーとティノは思っていますが、実際には。
村の少女たちから嫉妬されるくらいの、野辺で人知れず咲く、花のような顔。
生まれてくる性別を間違えた。
村ではそんな陰口が叩かれていますが、ティノの耳までは届いていません。
清浄なるは
無上の喜び
「くにじろろ~、はなろじくろ~」
頭の内では、ハルフルを。
「聖域」に住まう「聖語使い」たちが、「下界」と呼ぶ世界で使われている言語です。
光を灯した指先で、「聖語」を刻みながら口遊んでゆきます。
「下界」には「聖語使い」はいないーーと、公式にはされています。
でも、いつの時代でも例外というものはあって。
ティノは、ランティノールから「聖語」を学びました。
ティノが「お爺さん」と呼ぶランティノールから授かったのは、知識だけではありません。
ティノの名前、「ラン・ティノ」もランティノールからもらったものなのです。
「聖語」が風に解けると。
ティノとイオリの体が発光します。
特に、イオリの口元。
涎の部分が強く光り輝いています。
「浄化」が終わったので、次はイオリを起こします。
ランティノールに拾われたあと、ティノに課された最初の役割は、イオリを起こすことでした。
三星巡り以内にイオリを起こせなければ放逐する。
それがランティノールと最初に交わした約束でした。
イオリは、竜です。
それも地竜となれば、その防御力たるや伝説に謳われるほど。
休眠期の竜のように、昏々と眠り続けるイオリ。
何をやっても、どんなことをしても、イオリを起こすことはできませんでした。
「あ~ぐ!」
というわけで、噛みます。
どこを噛んだかは秘密です。
剣で叩いたり、岩を落としたり、果ては崖から落としたりもしてみましたが、イオリは起きませんでした。
それがどうしたことか、崖の下から拾ってくるときに転んでしまい、やけくそになって体の上に乗っていたイオリを噛んだら、目を覚ましたのです。
「ぱやー? ティ~ノ~、おはや~」
寝惚け眼で、芋虫よりもゆっくりと、仰向けからうつ伏せに移行するイオリ。
薄っすら開いた、イオリの瞳も枯れ葉色。
ティノは、両手をイオリの頭に持っていきます。
「はい。おはよう、イオリ」
「ティ~ノ~、ティ~ノ~、ティノティノ~ティ~ノ~」
イオリはご機嫌です。
額の上。
枯れ葉色に埋もれた髪の下の、円い、銅貨よりも小さい、折れた骨のような切断面。
イオリが竜であることの証しです。
「角無し」の、イオリの四つの痕を、人差し指と中指、薬指と小指をくっつけ、手を丸めるようにして指先を合わせて。
世界で、たった一つの宝物。
微風さえ目覚めないくらいに優しく、角痕を慈しんでゆきます。
「はわはわっはわはわっはわはわっ」
角痕を撫でられたイオリは、気持ち良かったようで、堪らず手足をバタバタさせながらティノの胸に顔を擦りつけてきます。
地竜だからなのか、イオリの体は独特な感触です。
体表面はやわらかいのに、その下には石でも詰まっているかのように硬いのです。
イオリの手足が体に当たって痛いですが、慣れっこなのでティノは我慢します。
「聖語」を刻めるようになるまでは傷が絶えませんでしたが、今となっては好い思い出。
「じゃあ、イオリ。朝御飯、お願いね」
「いってくる~っ!」
毛布を跳ね上げると、勢いよく飛びだしてーー。
ごんっ、と硬い物が割れる音がしました。
いつものことなので、ティノはゆっくりと起き上がってから、先ず「庵」の扉を開けます。
「イオリ。気をつけないと駄目だよ」
「おー? りょーかい~!」
ティノがイオリを立たせると、元気よく飛びだしてゆきます。
それからまた、転んだ音が外から聞こえてきます。
「角無し」であることが影響しているのでしょうか。
イオリはよく転びますし、物忘れもしばしば。
「これは、このままでもいいか」
割れたのは、桶の蓋の上に置いてある石でした。
真っ二つです。
頭で石をかち割ったイオリは、怪我一つしていませんでした。
蓋の重しとしての役割は果たしているので、新しい石を見繕う必要はありません。
めぐる水の
行き着く先に
恵みあれ
「いさじ、さにじご、ごじろ」
蓋を外してから「聖語」を刻んで、必要な分だけ水を注ぎます。
「聖語」を刻めるようになる前は、森の中にある泉まで汲みにゆかないといけませんでした。
生活はずいぶんと楽になりましたが、その分、他にやることが増えました。
「さ~て、今日も一日、頑張るぞっと」
両手を上に、体を伸ばしてから。
毛布を整え、ティノは「庵」から、春の陽気な気配に誘われるように、足取りも軽くでてゆくのでした。
ここらの地域の冬は厳しくありませんが、それでも「庵」に住まうラン・ティノにとっては、待ち望んでいた季節の到来。
「庵」とは、質素な小屋のこと。
ティノが自分で建てた、というより、造った住み処。
雨の日には、「聖語」を刻まないと雨漏りしてしまいます。
一度だけ降った雪の日には、天井が抜けてしまいました。
「庵」とは、世捨て人などが閑居する家、という意味もあります。
日々の生活に追われているティノには、閑居ーー心静かに暮らすなど、手に入らない贅沢。
でも、十五歳の多感な周期の少年には、多少騒々しいくらいの生活のほうが張りがあるというものでしょう。
一歩一歩、進んでいるようで、代わり映えしない一日の始まり。
すきま風に乗って届く、土と、草の匂い。
それから、嗅ぎ慣れた甘い匂い。
見上げる低い天井から、ティノは枯れ葉色の髪に視線を向けます。
普段よりも少しだけ早く起きてしまったのは、イオリの髪がくすぐったかったからのようです。
ふわりと、心に拡がる感触。
ーー幸せ。
もう、何も要らない。
そんな風に思っても、竜であるイオリと違い、ティノは人間なので、生きていく為にはやらなければいけないことがたくさんあります。
「ぱー」
イオリの寝言。
ティノ以外の人間が聞いたら、不快に思ってしまうかもしれません。
イオリの緩んだ、だらしのない寝顔。
でもそれは、心から安らげていることの証左でもあります。
人間で言うなら、十歳くらいの容姿。
ティノがファルワール・ランティノールに拾われて遣って来たときから、イオリの容姿に変化はありません。
肩で切り揃えられた、やわらかな髪。
触れているのに、触れていないかのような繊細な手触り。
元気いっぱいのイオリとは、相反するような滑らかで心地好い肌質。
触れている手を通して、ティノの心を幸せで温めてくれます。
ティノの一日は、イオリが自分の上に居ることを確認することから始まります。
ティノの体の上で、仰向けで寝ているイオリ。
始めの頃は、嫌がらせかと思いました。
そう、出逢ってからの三周期、ティノはイオリのことが大嫌いでした。
苦痛を伴わなくなったのは、十二歳の頃でしょうか。
正確には、ティノは自分の正しい周期を知らないので、十二歳頃ーーイオリより身長が高くなってからです。
それからの三周期で、ティノの身長は一気に伸びました。
それでも、村の同周期の少年たちよりも低いことが、ティノの悩みの種になっています。
悩みの種、と言えば、ティノの容姿もそうです。
筋肉がつきづらい体質なのか、日々動き回っているのに、子供のようにやわらかな肌。
栄養は十分にとっているのに、一向に太ることができない細身の体。
そして、腑抜けた顔ーーとティノは思っていますが、実際には。
村の少女たちから嫉妬されるくらいの、野辺で人知れず咲く、花のような顔。
生まれてくる性別を間違えた。
村ではそんな陰口が叩かれていますが、ティノの耳までは届いていません。
清浄なるは
無上の喜び
「くにじろろ~、はなろじくろ~」
頭の内では、ハルフルを。
「聖域」に住まう「聖語使い」たちが、「下界」と呼ぶ世界で使われている言語です。
光を灯した指先で、「聖語」を刻みながら口遊んでゆきます。
「下界」には「聖語使い」はいないーーと、公式にはされています。
でも、いつの時代でも例外というものはあって。
ティノは、ランティノールから「聖語」を学びました。
ティノが「お爺さん」と呼ぶランティノールから授かったのは、知識だけではありません。
ティノの名前、「ラン・ティノ」もランティノールからもらったものなのです。
「聖語」が風に解けると。
ティノとイオリの体が発光します。
特に、イオリの口元。
涎の部分が強く光り輝いています。
「浄化」が終わったので、次はイオリを起こします。
ランティノールに拾われたあと、ティノに課された最初の役割は、イオリを起こすことでした。
三星巡り以内にイオリを起こせなければ放逐する。
それがランティノールと最初に交わした約束でした。
イオリは、竜です。
それも地竜となれば、その防御力たるや伝説に謳われるほど。
休眠期の竜のように、昏々と眠り続けるイオリ。
何をやっても、どんなことをしても、イオリを起こすことはできませんでした。
「あ~ぐ!」
というわけで、噛みます。
どこを噛んだかは秘密です。
剣で叩いたり、岩を落としたり、果ては崖から落としたりもしてみましたが、イオリは起きませんでした。
それがどうしたことか、崖の下から拾ってくるときに転んでしまい、やけくそになって体の上に乗っていたイオリを噛んだら、目を覚ましたのです。
「ぱやー? ティ~ノ~、おはや~」
寝惚け眼で、芋虫よりもゆっくりと、仰向けからうつ伏せに移行するイオリ。
薄っすら開いた、イオリの瞳も枯れ葉色。
ティノは、両手をイオリの頭に持っていきます。
「はい。おはよう、イオリ」
「ティ~ノ~、ティ~ノ~、ティノティノ~ティ~ノ~」
イオリはご機嫌です。
額の上。
枯れ葉色に埋もれた髪の下の、円い、銅貨よりも小さい、折れた骨のような切断面。
イオリが竜であることの証しです。
「角無し」の、イオリの四つの痕を、人差し指と中指、薬指と小指をくっつけ、手を丸めるようにして指先を合わせて。
世界で、たった一つの宝物。
微風さえ目覚めないくらいに優しく、角痕を慈しんでゆきます。
「はわはわっはわはわっはわはわっ」
角痕を撫でられたイオリは、気持ち良かったようで、堪らず手足をバタバタさせながらティノの胸に顔を擦りつけてきます。
地竜だからなのか、イオリの体は独特な感触です。
体表面はやわらかいのに、その下には石でも詰まっているかのように硬いのです。
イオリの手足が体に当たって痛いですが、慣れっこなのでティノは我慢します。
「聖語」を刻めるようになるまでは傷が絶えませんでしたが、今となっては好い思い出。
「じゃあ、イオリ。朝御飯、お願いね」
「いってくる~っ!」
毛布を跳ね上げると、勢いよく飛びだしてーー。
ごんっ、と硬い物が割れる音がしました。
いつものことなので、ティノはゆっくりと起き上がってから、先ず「庵」の扉を開けます。
「イオリ。気をつけないと駄目だよ」
「おー? りょーかい~!」
ティノがイオリを立たせると、元気よく飛びだしてゆきます。
それからまた、転んだ音が外から聞こえてきます。
「角無し」であることが影響しているのでしょうか。
イオリはよく転びますし、物忘れもしばしば。
「これは、このままでもいいか」
割れたのは、桶の蓋の上に置いてある石でした。
真っ二つです。
頭で石をかち割ったイオリは、怪我一つしていませんでした。
蓋の重しとしての役割は果たしているので、新しい石を見繕う必要はありません。
めぐる水の
行き着く先に
恵みあれ
「いさじ、さにじご、ごじろ」
蓋を外してから「聖語」を刻んで、必要な分だけ水を注ぎます。
「聖語」を刻めるようになる前は、森の中にある泉まで汲みにゆかないといけませんでした。
生活はずいぶんと楽になりましたが、その分、他にやることが増えました。
「さ~て、今日も一日、頑張るぞっと」
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