竜の庵の聖語使い

風結

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邂逅

山  魔物退治とティノの目覚め

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 「研究所」の「作業場」で装備を調ととのえてから、山に向かいます。
 静寂と闇を、細やかに揺らす満月の優しい光。

 でも、樹々を通り抜けられるのは、わずかな欠片だけ。
 微かな、物の輪郭だけが浮かび上がるような暗闇の世界に、ティノの小さな息遣いが響きます。

 彼女の美しさは、月のそれに似ている。
 樹々の隙間から垣間見えた満月に。
 そんなことを思いながら、「結界」に到着。
 手前の「結界」を潜ってから、準備を始めます。

 「結界」に使われているロープと同じものが、「作業場」に二本あります。
 その内の、一本を持ってきました。
 貴重な物ですが、命には代えられません。

 二つ折りにしてから、首にかけます。
 そこから腕に巻きつけながら両手の手首まで。
 肩まで戻り、体に巻きつけながら両足の足首まで。
 動きの妨げにならないか確認してから、魔力を注ぎます。

 問題なく発動したので、魔力を押しだすように払い、「結界」の効力を失わせます。
 次に、両腕に「風刺ピアース」の「聖語」を刻んでゆきます。
 「刻印」を施しておけば、腕に触れて魔力を通すだけで発動することができます。

 威力は半減しますが、即時発動が可能です。
 「刻印」の維持は、半日が限界。
 でも、探索の間だけなら十分な時間です。

 腰にナイフと、ーー魔物除けの粉。
 これまでロープの「結界」を壊せた魔物と遭遇したことはありません。
 でも、それは今まで居なかったというだけのことです。
 魔物から逃げる際に必要となるかもしれません。

 ティノは自分の能力の限界をよく知っている、或いは散々に思い知らされてきたので、慢心することはありません。
 複数の薬と、イオリが作ってくれた木製の御守り。
 すべて揃っていることを確認してから、奥のロープを潜ります。

 魔力による「感知」。
 不思議なことに、「聖語」を用いずとも行えるのです。
 元々、人間に具わっている力。
 ランティノールはそのように断言しました。

 そんな「お爺さん」の言葉を愚直に信じて、ティノは一日も欠かすことなく「結界」の「外」を探索してきました。
 そう、ここは「外」なのですが、ティノにはその意識はありません。
 「外」の向こうに世界が広がっていることを、ティノの精神は認識できなくなっているのです。

 ランティノールから説明されませんでしたが、魔物退治は獣の保護であると、ティノは考えています。
 実際に、周囲の獣が魔物に狩られるのを防ぐことができるので、罠にかかる獣の数が減らずに済んでいます。

 他にも理由、いえ、他の理由のほうが重要なのですが。
 「探索」を日常に埋没させてしまったティノには。
 重たい蓋をしてしまったかのように、手は届かなくなってしまいました。

 三日前に「小鬼」の群れを掃滅そうめつしたので、そろそろ別の魔物が流入してくるかもしれません。
 それをティノは、経験から学んでいます。
 経験から学ぶーーそれは危険も孕んでいるのですが。
 ランティノールせいかいを失ってしまったティノに、そこまでのものを求めるのは酷というものでしょう。

 「結界」から500歩。
 今日の探索はここまででしょうか。
 植物を使って目印を作ろうと、ティノはナイフを抜きました。

 ーーティノは。
 油断していたわけではありません。
 現在のティノの「感知」で、接近に気づけない魔物など居ないはずでした。

「ーーっ!!」

 「感知」ではなく、直前に視認しました。
 視覚で捉えることができたのは、魔物が大きすぎたからです。
 本能が悲鳴、いえ、断末魔のごとき絶望を奏でました。

 ティノは反応できませんでした。
 これまで何万、何十万と繰り返してきた鍛錬が、無意識の発動を可能としました。

 ほんの一瞬のことですが、ティノは自分の目で見ている光景のことを認識できず、他人事のように眺めていました。
 それも無理はありません。

 ナイフを持った右腕に噛みついている、ティノのてのひらよりも長い、凶悪な牙。
 ティノの視界にある魔物の頭部は、彼の体より巨大でした。

 痛みはありません。
 「結界」が発動しているからです。

 ーー半瞬。
 そんな短すぎる間に、「」ことを自覚しないまま、ティノは行動に移りました。

 左腕を上げると同時に、頭で腕に触れ、刻んでおいた「刻印」を発動します。
 魔物は、放った攻撃に固執する傾向があります。
 敵を倒す為の、生き残る為の、ーー全力。
 魔物の本能とも言えるそれが、ティノに勝機を呼び込みます。

「っ!?」

 初めてでした。
 「風刺」を放つ前に、魔物は退いていたのです。
 魔物の目を穿つはずだった一撃は、はかなく魔力を闇に散らしました。

 魔物の姿が消えましたが、ティノにはわかりました。
 あの魔物は、普通の魔物ではありません。
 必ず、こちらがやられたら嫌なことをしてきます。

 普段よりも頭が回転していましたが、それに気づくだけの余裕はティノにはありません。
 ティノは対抗手段を考え、思いついたと同時に実行します。

   内側より外側に
   外側より内側に
   相克するはひとつの帰結
   ゆらぎとして波として
   表と裏を祝福せよ

「ろににさに、にごにくな、いくなじにごさ、なくじさい、いなろごろく」

 通常、「聖語」は刻み終えた刹那せつなに、発動します。
 でも、刻み終えると同時に逆の手で、刻んだ「聖語」をなぞることで発動を遅らせることができます。
 効果はそれだけでなく、威力も増します。

「ろににさに、にごにくな、いくなじにごさ、なくじさい、いなろごろく」

 ティノは、この「複刻」を四回まで行えます。
 四回行ってしまえば、「聖語」を維持できなくなるので、また一から刻み直さないといけません。

「ろににさに、にごにくな、いくなじにごさ、なくじさい、いなろごろく」

 「複刻」で、なぞる速度を変えるような高度なことは、ティノにはできません。
 無音の魔物と、「聖語」を刻み続けるティノ。
 うるさい心臓の脈動の数だけ、比例するように増大する不安。
 最悪の展開を予想しつつ、「聖語」が破綻しないように一定の速度で刻んでゆきます。

「ろににさに、にごにくな、いくなじにごさ、なくじさい、いなろごろく」

 ーー四回目。
 ティノは、いぶかしみました。
 それも当然。
 姿を現した魔物ーー魔狼は、威力が最大となる四回目に合わせるように突進してきたからです。

 魔狼の思惑は気になりますが、この好機を逃すわけにはいきません。
 ティノの予想通りの、巨体を活かした突撃。
 賢い魔狼は、「結界」を破壊しなければ勝てないことを理解しているのです。

 魔狼が正面から「結界」にぶち当たった瞬間、ティノの胸に軽い衝撃。
 「結界」を越えて届いた攻撃は初めてでしたが、ティノは遅滞ちたいなく「聖語」を発動しました。

「『円断シアリング』っ!」

 でも、無理でした。
 魔狼に気取られないように、冷静さを装っていましたが。
 心に押し込めた恐怖が溢れだし、唱えなくてもよい「聖名」を叫んでしまっていました。

 魔狼の体全体をあぶりだす、強烈な輝度きどの「光の輪リング」。
 たがうことなく魔狼の首にーーまるで首輪のような光輪を見て、ティノは吹きだしそうになってしまいました。
 それほど、神経が過敏になっていたのでしょう。

 水と風の性質を併せ持った「複合聖語」は、遺憾いかんなく威力を発揮します。
 魔力を通じた、手応え。
 切断された魔狼の頭部が、地面に落ちました。

「……?」

 ティノは、違和感を抱けなかったことに身をすくませながら。
 掻き集めました。

 ーー魔狼の首から後ろが見当たりません。
 ーー首を切断したのに、血が噴きだした様子はなく、臭いもしません。
 ーー目を離した隙に、魔狼の頭部すら消えてしまいました。

 戦いを始めたあとに、魔物が逃げだすことはまれです。
 魔物の本能がそうさせるのでしょう。
 魔物は大抵、ティノの容姿を見てあなどってくるので、これまで掃滅することができました。

 でも、この魔狼は、そんな前例になど当てはまりません。
 ここで逃せば不味いことになる。
 正面に佇んでいる魔狼を見て、不快なあぶら汗とともにティノは悟りました。

 ーー「穴」。
 単純ですが、効果的な「聖語」。
 「点」で発動できる技術はないので、「面」で落とし穴を仕かけます。

 魔狼はティノの「結界」を壊せないので、逃さず攻撃しながら、「円断」が不発だった理由を探らないといけません。
 それで間違いはないはずなのに。
 致命的な過誤かごを犯しているのではないか。
 そんな懸念がティノの頭から消えてくれません。

「……は?」

 魔狼のほうが、ティノより何枚も上手でした。
 魔狼は突然、その場に座った、いえ、伏せたのです。
 戦いを放棄したかのような予想外の行動に、ティノの頭の中は真っ白になってしまいました。

「っ……」

 ティノは、死を予感しました。
 魔物除けに伸びたはずの手は、ティノの想いを代弁するかのように木製の御守りに触れていました。
 「結界」があるから問題ないはずなのに、まるで薄焼きのパンケーキのような頼りなさ。

 もう一度、イオリのパンケーキが食べたい。
 そう思ったら。
 イオリのーーイオラングリディアの姿が浮かびました。

 まるでここに居るのではないかと錯覚するほど鮮明に。
 死を予感ーー諦めようとした自分が許せませんでした。
 怒り、いえ、これは裏切りです。
 自分を裏切るのなら構いません。
 でも、よりによって、ティノはイオラングリディアを、犯してはならない禁忌をーー。

「ふぁ~」

 焼け焦げるようにティノの魔力が魂に満ちたときーー。
 魔狼は。
 欠伸あくびをしました。

 でっかいお口です。
 岩でも噛み砕きそうな、悪意の塊のような牙が並んでいます。
 そう、そこまで見えてしまったのは、魔狼が明かりを灯したからです。

 光の球のようなものが三つ、空中に浮かんでいます。
 ティノの心は壊滅状態。
 人生で、ここまで突飛な出来事に遭遇したのは初めてで。

「人の子よ。そなた、名を何という?」
「え、あ、はい。ラン・ティノです」

 魔狼の問いに、素直に答えてしまいました。
 今すぐ戦闘態勢をーーそう思いましたが、心が萎えてしまったティノは。
 立て直すのは、もう無理だと諦めました。

「魔狼様。あなた様の御名前を教えていただけますか?」
「我か? 我は、マルカルディルナーディである」
「呼びにくいので、マル様でいいですか?」
「ふむ? マル……マルか、マル、マルーーほうほう、何度か言うておる内に、悪うない気がしてきよった。であれば、ラン・ティノーーティノは我をマルと呼ぶが良い」

 ティノは、人語を話すーー解する魔物を知りません。
 これまで読んできた文献にも、そのような記述はありませんでした。
 しかも、ハルフルを使っているのは、人型の魔物ではなく魔狼ーー獣です。

「ん? おう、勘違いしておるか。我は獣ゆえ、言語を発音することはできん。これや魔力で発生させておるのだ」
「あれ? 喋りながら口も動いて……」
「ああ、演技、というか雰囲気作りは重要であるからな。言葉に合わせ、開閉させておる」

 戦っていたときの、恐怖を体現したかのような姿とは異なる、魔狼の緩んだ表情。
 何だかティノは、騙されたような、情けない気分になってしまいました。
 そんなわけで、警戒心よりも好奇心が勝ったので、ティノは尋ねてみました。

「その、あのまま戦っていたら、僕はけていました……よね?」
「そうさな。戦うをやめたは、それも理由の一つだ。ティノの『結界』は中々のものだが、我の全力の、半分の半分もださずとも、打ち砕くことが適おうぞ」
「えっと、つまり、僕はマル様に遊ばれていたんですか?」
「む? いやさ、我は殺生を好まぬで、追い払おうとしただけだ。だが、確かに、ティノが逃げずに立ち向かってきたで、わずかばかりではあるが楽しんでしもうた」
「……疲れました」

 何とかつなぎとめていた緊張の糸が切れ、ティノはその場に崩れ落ちました。
 マルカルディルナーディのほうは、未だ話し足りないようで、気兼ねなく尋ねてきます。

「ここは、ティノの領域テリトリーだったか?」
「ああ、いえ、ここには魔物退治に来ていただけで、僕たちが住んでいるのは、あっちにーー」

 「庵」がある方向を指差してから。
 ティノは、自分の愚かさを呪いました。
 マルの言葉が正しければ、魔狼は「結界」を易々と破壊するだけの力があるのです。

 二つの「結界」の向こう側には、イオリが居ます。
 ティノの、宝物。
 イオリは、竜です。
 マルに敗けるはずがありません。
 でも、それは「角無し」でなければの話です。

「あの魔力で囲われたが、ティノの領域ということか。では、互いの領分は侵さず、干渉は無しにしよう。魔物退治が目的であれば、山側に魔物が近づかないよう我が追い払ってやろう」
「え、と、その、ありがとうございます?」
「魔物が獣を狩らぬよう調整の為であろうが、ーーそれだけではないようだ」
「え?」

 マルに魔力を探られたのですが、ティノは感知することができませんでした。
 どうやら賢狼は、ティノが気づいていない別の理由に思い至ったようです。
 マルが一瞬、浮かべた表情。
 魔狼の獣生を大きく変えることになる分水嶺ぶんすいれいだったのですが。

 その切っかけとなったティノは。
 そんなこととは露知らず。
 自分の口数が多いことに戸惑っていました。

「マル様は、普通の魔物ではありませんよね?」
「ティノは、『魔獣』と言ったら、何かわかるか?」
「いえ、わかりません」

 ティノはマルとの戦いで「目覚めた」ことを、未だ自覚していません。
 変わらない日常と「」が、ティノの精神を蝕んでいたのです。
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